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『ガンバ!Fly high(16)』ついにオリンピックが開幕(ネタバレ含む感想)

 

ガンバ!Fly highは、逆上がりもできない運動音痴な少年が自分にも何か誇れるものが欲しいと、何もないところからオリンピックで金メダルが取りたいと体操を始める物語の漫画でした。

繰り返しますが何もないところから始まります。

今でこそ鉄棒の天才と言われる藤巻駿ですが、最初の試合では参加点のみの1点を叩き出し、苦手だった跳び箱(跳馬)も不細工ながら初めて跳べたと喜んでいるような始末でした。

そんな主人公・藤巻駿が、文庫版16巻にしてついにオリンピックまでやってきました。

感慨深くありつつも、もうこれが最後の大会で最後のエピソードなのだと既に寂しさも覚えていますが、その分盛り上がりも一塩なのではないかと思います。

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シドニーオリンピックは藤巻駿にとって二度目の国際大会になるわけですが、一度目の国際大会であるアジア大会の予選において日本は不調を極めていたのに対して、シドニーオリンピックは予選から好調の滑り出しでした。

しかし、好調で日本にミスがあったわけでもないのに3位以上に大きく差を付けられての4位という結果。ミスがあったのであれば調整のしようもあるのでしょうけど、むしろ良いと思える演技ができたにも関わらずこの結果は日本に暗い影を落とします。

とはいえ、最良の演技が世界に届かないこの結果はガンバ!Fly highのファンとしては望むところって気もします。

どん底から勝ち上がるってのがガンバ!Fly highらしくある展開だとも思えますし、何よりこのことは日本に決死の体操に挑戦させるキッカケともなります。

個人戦である種目別競技ですら、本来であればある程度の安全マージンを取った演技構成にするものなのでしょうけど、団体戦でギリギリの演技に臨もうというわけですね。

そんなギリギリの演技はそれこそ初期の平成学園の体操を彷彿とさせますし、成長した藤巻駿たちがどのような演技を見せるのかとワクワクします。

王景陽を擁する中国が強敵なのかと思いきや、ロシアのチェレンコフ兄弟も手ごわそうですし、まさかのアンドレアノフがコーチとなり日本の前に立ちはだかったベラルーシに、藤巻駿のトカチェフ前宙を始め高難度の技をこなすアレクサンドル・グレンコは藤巻駿に敵愾心を燃やしています。

そんな強敵たちを相手に日本はどう立ち向かうのか?

16巻では、本選の一種目目をようやく終えたという所ですが、それだけに次巻の盛り上がりを煽るだけ煽られたという感じがします。

繰り上げで代表選手になった内田も、他の選手を立てつつもチームの原動力となる役割を任されて活躍したり、堀田は珍しく緊張の表情を浮かべるものの王景陽に迫る決死の床の演技を成功させたり、嵯峨なんてそういえば初登場時には内田との確執がありましたが、今はチームメイトとして認めている様子を見せたり、ある意味では即席とも言える日本代表チームではありますが、今まで戦ってきた相手だからこそ即席ではない感じが良いですよね。

さて、いきなり180度話が変わりますが、ガンバ!Fly highの文庫版が刊行されるにあたって一つだけ気になっていることがありました。

それは、「果たしてガンバ!Fly high外伝に収録された短編たちは果たして文庫版に収録されるのか?」ということです。

個人的には、後日談なんかも含まれるガンバ!Fly high外伝も含めて完結した作品だと思っているので、是非とも収録して欲しいと思っていたのですが、この16巻にその内の一つである『初恋純情編』が収録されていました。

恐らく次の17巻が最終巻かと思いますが、分けて収録されるという感じになるのではないかと推測します。いずれにしても、ちゃんと収録されて良かったと思いました。

ちなみに、『初恋純情編』とは岬コーチの高校生時代のちょっと苦い初恋を田所のおばあちゃんが相楽まり子と折笠麗子に語るというガンバ!Fly highには珍しい女性しか登場しないコイバナのエピソードとなります。