『鬼滅の刃』の発行部数の凄さ。実は『ONE PIECE』以上!?
『鬼滅の刃』が大変な社会現象になっています。2019年のアニメ化の際にも一気に人気が爆発したという印象を受けましたが、劇場版である『無限列車編』の興行収入がとてつもない短期間で300億円を突破し、もはや普段は漫画やアニメに縁も興味も無い人ですら『鬼滅の刃』のことは認知しているのではないでしょうか?
そして、劇場版の大ヒットの裏で原作漫画の累計発行部数が驚異的に伸びたことも話題になりました。
1億2000万部
それが『鬼滅の刃』の最終巻発売時点での累計発行部数で、歴代でも8位に該当する大記録ではあるのですが、現在進行形で歴代最高を軽々と超えていきそうな勢いの劇場版の興行収入の記録に比べると少々霞んで見えてしまうかもしれません。
しかし、実はこの1億2000万部という数字には歴代の累計発行部数ランキングで不動の1位である『ONE PIECE』以上の凄さがあるのではないかと考えます。
本記事では、あくまでも個人的な見解ですが、なぜ『鬼滅の刃』の累計発行部数が『ONE PIECE』より凄いのか、その根拠を述べていきたいと思います。
なお、本記事に記載している歴代発行部数は全て漫画全巻ドットコム(2020年12月時点)のものを参考にさせていただいており、こちら から確認することができます。
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累計発行部数が1億部を超えた作品
長期連載の漫画が昔よりも増えてきているとはいえ、累計発行部数が数百万部もあれば十分以上にヒット作品と言えるのが漫画の世界なのではないかと思います。そんな中で1億部を超えるような作品はいずれも漫画史に残るようなものであることは間違いないでしょう。この度『鬼滅の刃』がその仲間入りをしたわけですが、現在(2020年12月時点)時点で累計発行部数が1億部を超えている作品にはどのようなものがあるのでしょうか?
『鬼滅の刃』の発行部数の凄さを語る前にまずは累計発行部数の多い順におさらいしてみましょう。
- ONE PIECE(4億7000万部)※97巻
- ゴルゴ13(2億8000万部)※199巻
- ドラゴンボール(2億6000万部)※42巻
- NARUTO(2億5000万部)※72巻
- 名探偵コナン(2億3000万部)※98巻
- こちら葛飾区亀有公園前派出所(1億5650万部)※200巻
- 美味しんぼ(1億3000万部)※76巻
- SLAMDUNK(1億2000万部)※31巻
- BLEACH(1億2000万部)※74巻
- 鬼滅の刃(1億2000万部)※23巻
- ドラえもん(1億部)※45巻
- 鉄腕アトム(1億部)※21巻
- ジョジョの奇妙な冒険(1億部)※129巻
- タッチ(1億部)※26巻
- 金田一少年の事件簿(1億部)※70巻
- 北斗の拳(1億部)※27巻
- 進撃の巨人(1億部)※32巻
並べてみるとこんな感じですね。17作品もあるとは結構多い気もしますが、それでも誰もが知っているレジェンド級の作品ばかりが並んでいてとても壮観です。そんな中に並んだだけでも『鬼滅の刃』がいかに漫画史に残る作品であることは間違いありません。
誰だ劇場版の興行収入に比べたら霞んで見えるとか言ったのは。(笑)
『鬼滅の刃』の発行部数の何が凄い?
さて、とても壮観なラインナップを眺めてみたところで、やっぱり『ONE PIECE』の4億7000万部がダブルスコア並にずば抜けて感じられますね。
ではなぜ『鬼滅の刃』の発行部数が『ONE PIECE』より凄いのか?
まあ、勘の良い人なら前述のラインナップに巻数を並べて記載した時点で気付いているかと思いますが、1巻あたりの発行部数で『鬼滅の刃』は『ONE PIECE』を上回っているのです。
『ONE PIECE』が約485万部に対して、『鬼滅の刃』が約522万部ですね。1巻あたり約620万部の『ドラゴンボール』には及ばないものの、これはとても凄いことなのではないでしょうか?
それに最終巻である23巻の初版発行部数が395万部というのもとてつもない数字で、かの『ONE PIECE』ですら初版発行部数が300万部を初めて超えたのは57巻の時点。25巻の時点では250万部という数字が話題になっていた記憶があります。それと比較すると『鬼滅の刃』の勢いの凄まじさが伺えますね。
もちろん、20年以上も第一線で大人気漫画であり続けている。100巻近くも人気を維持し続けているという点に『ONE PIECE』の凄さはあるので、この2作品の凄さを純粋に比較することはできないし、それは愚かしいことなのかもしれません。
しかし、現代的な感覚では決して多くはない23巻完結の漫画で1億2000万部ということの凄さは感じていただけたのではないかと思います。
また、『鬼滅の刃』の累計発行部数はその急激な伸び方も話題になりました。
2019年4月、アニメ開始時点では累計で350万部だったものが2年かけずに1億2000万部に達したことになります。
また、既に完結したとはいえその勢いは衰えていないのではないかと思います。劇場版の大ヒットの影響もあるでしょうし、これから読んでみようという人も少なくないのではないでしょうか?
そうなると、もしかしたら『ドラゴンボール』の1巻あたり約620万部という数字も見えてくるかもしれませんね。
今からでも遅くない。『鬼滅の刃』を読んでみよう!
本記事の読者の中には『鬼滅の刃』のファンもいれば、「話題だけどどんな話なの?」って思っているような人もいると思います。「なんか数字の記録の上では凄いのは分かった。・・で、面白いの?」てな感じです。(笑)
万人受けする大ヒット作が、しかし本当の意味で全員にとって面白いとは限りませんからね。実際、最初にラインナップした累計発行部数1億部超の漫画の中にも、個人的には何が面白いのかが分からない作品もあったりします。(何かは言わないけど)
そして、ここまで散々『鬼滅の刃』の凄さについて語っておきながら、実は『鬼滅の刃』こそが何が面白いのかが分からない作品の一つでした。ほんの数週間前までは。
週刊少年ジャンプでは頻繁に新連載が始まり、そして終わっていきます。読み慣れた人なら何となく終わっていく漫画の雰囲気が感じられるようになってくるので不思議ですよね。
僕は『鬼滅の刃』の連載開始時、最初の数話で「これは終わっていく漫画っぽい。正直面白くない」と感じて読むのを止めてしまっていました。
その後も知人から「最初ガマンして読んだら面白くなる」と言われたこともあったのですが、どうも受け付けないと毛嫌いしてしまっていたのです。
しかし、劇場版の大ヒットを受けて「ここまで話題なのだからさすがに観てみよう。原作の中盤のエピソードらしいから原作で少し予習しておこう」とまずは劇場版の無限列車編の直前まで原作を読んでみたわけです。
そしたら、確かに序盤に少々退屈なエピソードが続くもののその後は急激に面白くなってきて驚きました。「最初ガマンして読んだら面白くなる」という知人の助言は正しかったわけです。
王道だけど個性的なストーリーにキャラクター。独特の台詞回しのセンスも抜群で飽きさせませんし、シリアスなシーンにも時折挟まれるコミカルなギャグもバランスが絶妙です。
週末に劇場版を観るために平日に無限列車編の直前まで読むつもりが、一気に最後まで読み切ってしまいました。というのが先週の話。(笑)
つまりは読み進めると止まらない。続きが気になって仕方が無くなるタイプの漫画なので、完結直後である今はある意味読み始めるベストなタイミングと言えます。
週刊少年ジャンプの人気作品には珍しく、引き伸ばしてマンネリ化したような感じも無く、23巻で一貫したストーリーを綺麗に完成させており、分量的にも手を出しやすいのではないでしょうか?
『鬼滅の刃』の魅力については、また別の機会にもっと深入りして語ってみたいと思います。