『万代かなめは遊びたい(2)』玩具売り場に足を運びたくなる漫画の感想(ネタバレ注意)
相変わらず玩具で遊ぶことに忙しい文化研究の同好会。
『万代かなめは遊びたい』を読んだら昔の玩具が懐かしくなって、玩具売り場に足を運びたくなるのは僕だけでしょうか?
今巻は前巻のラストから引き続きミニ四駆のエピソードから始まりますが、この辺ドンピシャ世代なのでメッチャ共感できてしまいます。
こういう昔流行った玩具って、ものによっては今でも多少形を変えて残っていたりするものですが、そういうものに触れたくなってしまいますね。
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本作の概要
前巻から引き続き『ミニ四駆』で遊ぶ万代さん達。
その他にも『たまごっち』や『スライム』といった懐かしい玩具が盛りだくさんの懐かしい内容になっています。
本作の見所
ミニ四駆のレース
まさか2019年にミニ四駆でレースするシーンが描かれる漫画が発売するとは思いませんでしたね。(笑)
いや、さすがに古今東西の漫画を把握しているわけではないのでわかりませんが、ひょっとしたら20年以上ぶりとかなんじゃあ・・
「わ、私のアバンテネロ・・そんなバカな!?」
「素組で勝てるわけねーよ。言っただろ?改造が本番だって」
何かもうこういう感じのノリ自体が懐かしいですよね!
意味もなく軽量化しようとする考えているようでいて考えなしな魔改造とか、子供には手の出ないお高い部品。公式大会では禁止されているようなモーターとか持っている奴はヒーローでしたね。
あと、コースを走らせるときは意外とちゃんと完走させるのが難しかったりするのもご愛敬って感じ?
万代さん達のレースも、良い勝負だったものの結局誰も完走できませんでしたしね。
たまごっち
『たまごっち』もまた息の長い商品で、今なお形を変えて残っていますね。
しかし、かつて社会現象にまでなった時のことを覚えている人は若くてもアラサーでしょうし、ブームの中心だった当時の女子高生に至ってはアラフォーのはず。今の子供で遊んでいる人がどれだけいるのかは疑問でしょう。
その特性上、例えばスマホアプリなんかにも勝てなさそうですし・・
何となく、子供よりも昔遊んだ大人とかの方に受けが良さそうな感じでしょうか?
「ちゃんと愛の言葉を囁いてください! そうじゃないとうちの娘はやれません!!」
「む、娘さんを俺にください?」
育成ゲームを真剣に楽しむと、こんな感じになるんですね。(笑)
流しそうめん
テストの成績は常に万代さんに次いでいた高良くんでしたが、学年5位に成績を落としてしまいました。
同じように遊んでいるはずの万代さんは1位を保っているのに・・
そのショックは寝込んでしまうほどで、万代さんと富居さんがお見舞いにやってきました。
「「ビッグストリームそうめんスライダーナイトプール」です!!」
これまた凄いものをお見舞いの品に持ってきましたね。
確かに体調を崩している時にそうめんのような軽いものはアリですけど・・
楽しそうな万代さん。自分がやりたかっただけ説が濃厚です。(笑)
「すいません。つい手が伸びてしまい」
高良くんのお見舞いなのに、ついつい自分ばかりそうめんを取ってしまう万代さんが可愛らしいです。
ちなみに、流しそうめんの玩具は割と昔からありますが、万代さんの持ってきた商品自体は2018年発売と『万代かなめは遊びたい』に登場する玩具の中では一番新しそうです。
だけど、よっぽどのことが無ければ1回やったら十分なのに場所を取るのが食べ物系の玩具の特徴。
昔ながらとはいえ、僕は流石にこういうのは使ったことがありません。
とはいえ、こういう玩具も使ってこその文化研究の同好会なのかもしれませんね。
万代さんも成績にこだわっていた?
玩具で遊ぶときにはコロコロと表情が変わるのに、勉強ではこともなげに1位を掻っ攫っていく万代さん。
高良くんが体調を崩した原因に成績の悪化があることを知った時も何か思う所がありそうな雰囲気でしたが、どうやらポーカーフェイスなだけで自分の後ろにいる高良くんのことは気にしていたようです。
高良くんが寝ていること(実は起きてた)を確認して、万代さんは語り掛けます。
「これで私の97勝120引き分けですからね。今回のテストは体調が悪かったようですが体調管理も勝負の内。容赦なく私の処理です」
高校受験での成績や、万代さんが体調を崩してしまっていた時の試験。1問差しかなくて危なかった試験や、うっかりミスがあって数学で負けてしまった試験。
万代さんもしっかりと高良くんとの成績勝負のことを意識していたのだということがわかりますね。
勝負と思っていたのは自分だけではなかった。
万代さんの言っていることは、単純にほとんど負けなしであることを勝ち誇っているだけなのですが、高良くんからしたら一方通行な勝負ではなかったということが嬉しかったに違いありません。
「別にアレが嬉しかったわけじゃない」
・・嬉しかったに違いありません。(笑)
手作りスライム
「これはどうやって遊ぶものなんです?」
確かに、言われてみればスライムって昔ながらの玩具だけど何に使うものなのか謎ですよね。
粘土みたいになにかが作れるわけでもないですし、ただ感触が面白いってのはありますけど。
「じょ、女子と粘液・・。お、俺は選んではいけないおもちゃを選んでしまったのでは・・」
考えすぎなような気もしますが、高良くんの言いたいことは・・
まあ、さすがにわかりますよ。(笑)
しかも、玩具で遊ぶ万代さんはその辺無邪気というか、女子高生にしては無防備すぎる感じがしますしね。
高良くんの気持ちはわからなくもありません。
それにしても、手作りスライムってどの世代の子供が楽しんだ遊びなんでしょうか?
僕が子供の頃には作った覚えがありますが、今の子供も作ったりするんですかね?
ちなみに、僕の作ったスライムは悲しいことに粘度が足りませんでした。(笑)
野村月子
やってないゲームの攻略本を読むことが趣味の新キャラが登場しました。
キャラくやーのプロフィールに書かれているだけで作中で言及されていませんが、やってないゲームの攻略本を読むのが趣味ってのも何だかノスタルジックな趣味である気がします。
ゲームの攻略本って、今でもあるけど20余年前に比べるとインターネットがあるので衰退傾向にありますが、昔はやってないゲームの攻略本を読んでゲームの雰囲気に浸ったりしたものですからね。
そんな野村さんと遊ぶのはロボピッチャーという1984年にセガから発売された室内用ピッチングマシン。
現在セガ・ハード・ガールズで唯一ゲーム部門外で擬人化されている商品だそうですが、なかなか可愛らしいキャラクターに擬人化されていますね。
そんなロボピッチャーで遊ぶ万代さんたちですが、このエピソードの結論としては、女子はスカートで激しい運動をしない方が良いということでしょうか。(笑)
総括
いかがでしたでしょうか?
フィクション作品の一ジャンルとして、ある特定の世代にとってノスタルジーを感じさせるような作品って意外と多いと思いますが、『万代かなめは遊びたい』もまさにそういう作品ですよね。
そもそも僕は普段からノスタルジーな感傷に浸りがちなところがあるので、こういう漫画って面白いって思う前に懐かしいって思いの方が強くなるんですよね。
ノスタルジーな感傷は面白さに勝る。
いや、『万代かなめは遊びたい』は面白くもあるんですけどね。
自分がドンピシャ世代の玩具は懐かしく、世代違いの玩具には純粋な興味がわき、そしてそんな玩具で楽しそうに遊ぶ万代さん達が楽しそうな漫画。
続きも楽しみにしています!