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『桐谷さん ちょっそれ食うんすか!?(7)』新たな雑食の世界が開ける最新巻の感想(ネタバレ注意)

 

明らかにペットっぽい水槽の中の亀を美味しそうに眺める桐谷さんの表紙。

こんな表情じゃなきゃ微笑ましいひと時って感じですけど、既刊を含めても桐谷さんのヤバイ人感が一番かもしれませんね。(笑)

相変わらず多くの人にとっては飯テロになり得ないグルメ漫画です。

ゲテモノばかりなので、実は桐谷さん ちょっそれ食うんすか!?という作品はもの凄く好きな作品というわけではなく、いつもならもっと前に読むのを止めてしまっていたかもしれません。

それでも7巻まで読んでいますし、下手したらもっと面白いと思っているけど長く続きすぎてマンネリしているものを半ば義務的に読んでしまっているような作品よりも楽しみにしているまであります。

それほど面白いと思っているわけでもないけど、なぜか新刊を楽しみにしてしまう漫画。それが僕にとっての桐谷さん ちょっそれ食うんすか!?ですが、まさにゲテモノ雑食的な興味をそそられる漫画という位置づけなのかもしれません。

面白さ以上に興味深さがずば抜けているというちょっと独特な漫画なので、普通の面白さをもった漫画には飽き飽きしているぜって人にはオススメです。

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本作の概要

食用土に電気肉と、今までとは異なる方面からの雑食アプローチが特徴的な7巻です。

それ以外は変わった肉やら虫やら通常営業(?)。

桐谷さんの雑食に巻き込まれるキャラクターも増えてきてなんだか楽しくなってきたような気がします。

本作の見所

泥団子

桐谷さんと榊先生の活動は校長先生にも認知されています。

そういうわけで校長先生の友人がアメリカで手に入れたのはパックされた小麦粉っぽい粉。

「まさか・・ヤバイ粉・・?」

アメリカ、小麦粉のようなパックされた粉。

そんな風に聞けば違法な何かを想像してしまいますよね。

さすがの桐谷さんもおののいています。(笑)

とはいえ仮にも教育者が、しかも和やかなムードで持ってくるものがそんなものであるわけがありませんね。

食用土。聞いたことはありましたが、今回はまさかの土です。

さすがに無機物は食べられないと思いますが、これはケイソウ土と呼ばれる水生生物の化石とのことなので無機物とは違うのでしょうかね?

ちなみに、校長先生が持ってきたものと同じパッケージをAmazoneで見つけましたが、結構お高い高級品のようです。

桐谷さんはこれを上新粉で固めて泥団子を作るのですが・・

「小さい頃から夢だったんです。砂場で遊んでいた頃、いつか食べられる泥団子を作ってみたいって!」

桐谷さんの雑食好きは、幼い頃からその素養があったようですね。

ちなみに、桐谷さんは味覚が特殊だとかそういうわけではありません。

「でもやっぱりフツーの白玉が一番うまいですね」

恐らく極めて普通の味覚をしていて、しかし雑食への興味が尽きないというキャラクターです。

だからいざ食べたら微妙な反応をすることも意外と多い。

電気肉と電気味覚

今までとは違ったゲテモノ感があるのが電気肉。

科学と料理の親和性は理解できますが、食卓に並ぶようになる前の実験的な科学料理の怪しさは馴染みのない肉や昆虫食にも匹敵するかもしれませんね。

とはいえ、味の面では普通に美味しそう?

鶏肉に電気を流して、肉が発行するという料理過程。

SF映画のようなワンシーンですが、実は電気を流すことで熟成を早める効果があったようで、桐谷さんも榊先生も満足の美味へと仕上がりました。

こちらは調理シーンこそ独特でしたが、普通に食べてみても良いと思えるないようでしたね。

そして、食材ではなく食べる人の味覚そのものに影響を与える電気味覚。

電気が流れるフォークを使って食材を食べるのに最初は桐谷さんも痛がっていたのですが、途中から味が増してくる感覚を得ることができたようです。

その仕組みは、電気味というすべての味覚を同時に味わえる存在があって、その電気味と食べ物を同時に食べると味の強弱が強調されるというもの。

食べるたびに「痛っ!」ってなるのはゲテモノとは違った恐怖がありますが、つまりは薄味の食事で濃い味を得ることができるということなので、健康面での発展性はありそうなテーマで興味深いですよね。

ホビロン(バロット)

番外編に登場したホビロン

珍味として有名なのでさすがに知っていますが、見た目のグロテスクさでは群を抜いた食べ物ではないでしょうか?

「孵化しかけのアヒルの卵です」

知らない人でも、それを聞いただけで「あっ、これヤバイやつだ」って気付くと思います。

作中ではそこまで語られていませんが、この孵化しかけってところにも段階があって、それによってグロテスクさに差があったりするのがホビロンです。

桐谷さんの感想によるとかにみそのような味らしいですが、正直食べてみたいとは思えません。

ただし、桐谷さんもかなり美味しそうに食べていますが、見た目のインパクトとは裏腹に相当な美味で、好きな人はかなり好きな料理だそうですね。

クサガメ

表紙のやつですね。(笑)

スッポンに食用のイメージがあるので、食べられると言われたらそうなのかなぁという感じです。

なので拒否感は小さいですが、食べてみたいかと言われたら全く食指は動かない気がします。そもそもスッポンだって食べたことないですし。

そういうわけで食事シーン自体にはそこまで特筆するところはなかったのですが、面白かったのは料理のシーンとなります。

危機を察知したのか首を引っ込めたクサガメの首をぶった切るところから始まり、料理というより桐谷さんの殺戮ショーとった様相です。

亀の甲羅がどんな風になっているのかは知りませんでしたが、完全に体と一体化しているのでしょうか?

甲羅を引っぺがしたらいきなり内臓とご対面で、非常にグロテスクさもあります。

また、最初に落とした頭が、解体を終えた一時間後にもうごめいていたりと生命力の強さを見せつけています。

生命力が強いというよりは、省エネで生きているからこそ頭を落とされてエネルギーの巡りが悪くなってもしばらくは生きることができるようです。

勉強になりました。

イノシシの睾丸

ゲテモノ雑食といえば「えっ、それ食べるの!?」って感じのタイトル通りの生き物が思い浮かびやすいですが、比較的メジャーよりでも部位によってはゲテモノ雑食になり得ますよね。

イノシシ自体はジビエの中でも豚に近そうなイメージもあるので拒否感は少ないですが、その睾丸となれば一気にハードルが跳ね上がります。

ちょっと変わった部位でも、例えば牛タンやホルモン系のように意外と筋肉的な部位以外でも美味しかったりするものですが、さすがに睾丸と聞いて食指が動く人は稀なのではないでしょうか?

特に男性の場合、内臓とはいっても分かりやすく体の外にある部位であり、しかも自分にもあるものだからこその抵抗感があるのではないかと思います。

女子高生(桐谷さん)が、あえて言っているとしか思えないくらいにキンタマやら何やら連呼するエピソードですが、そこにエロさは無くただひたすらゲテモノ雑食に対する好奇心があるだけでした。(笑)

「いやキンタマ縮み上がってるやないかーっ!!!!」

「女子が使っちゃダメな言葉ーっ!!!」

湯引きして、から揚げにして、どんどん縮み上がっていくキンタマに不満顔の桐谷さんですが、別に料理していて縮む食べ物はコレだけではないのでしょうけど、なんか下品に聞こえるから不思議です。

ざざむし漁

長野の方では昆虫食があるのは知っていましたが、イナゴの佃煮くらいの認識でした。

ざざむしとは天竜川に生息する各種水生昆虫の総称で、イナゴと同じく佃煮とかにして食べるのが一般的(?)だそうです。

僕はいかなごくぎ煮とかは好きなのですが、なんとなくそれに近い味なのかなぁと推測するものの、しかし食べてみたいとはあまり思えません。

今回これをはじめて食べるキャラクターたちの反応も、最初は躊躇するものの基本的には肯定的なので、まあ日本の食べ物なので日本人向けの味ではあるのかもしれませんね。

「アツアツご飯と合うやつ~」

これは桐谷さんの感想ですが、この感想を見る前からなんとなくそういうタイプの味なのだろうと推測も立ちましたし、この手の佃煮系の食べ物には割と日本中で普通に食べられているものの中にも一歩引いて見ればグロテスクなものもありますし、まあ意外と怖いのは最初の一口だけってタイプの食材なのではないかと思われます。

まあ、僕はその最初の一口がダメなタイプですけどね。(笑)

総括

いかがでしたでしょうか?

7巻は科学的な料理が登場したりと、今までとは異なる方面からのアプローチもあって興味深かったですね。

それにしても、相変わらずずば抜けて興味深い漫画です。

漫画や小説を読んでいて、何か気になる知識があってついついGoogle先生のお世話になってしまうことって時々ありますけど、桐谷さん ちょっそれ食うんすか!?を読んでいる時ってその頻度が明らかに他の作品を読んでいる時より多いんですよね。

それだけ強烈な興味深さを秘めている作品というわけです。

だから、なんだか読むのを止められない。

もちろん次巻も楽しみにしています!