あるいは 迷った 困った

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『のんのんびより(14)』TVアニメ3期制作発表後最初の一冊の感想(ネタバレ注意)

 

こういう日常系作品は好きだけど、特筆してもの凄く好きって作品はあまりありません。定期的に読みたくなるけど、違いがあまり分からないというか、流行りの音楽が全て同じに聞こえるお年寄りみたいなことを思ってしまいます。

そういう意味でのんのんびよりは例外。

普通はだいたい中高生くらいの同世代の女子が数名でメインキャラが構成されているところが、のんのんびよりの場合は超田舎という舞台設定の都合上メインキャラも周囲のサブキャラも、みんな年齢も立場も違っているところに個性があって良いと思います。

それに、人にもよるかもしれませんがこういう全校生徒数名のみみたいな環境への一種の憧れを持っている人もいると思うんですよね。

僕の場合、公立校にしてはずば抜けて生徒数の多い学校に通っていたので、何だかんだで都会の方が便利で良いことが多いと思いつつも、こういう対極的な環境への憧れも少しありました。

だからのんのんびよりという作品が好きになったのかもしれません。

そして、昨年には劇場版が上映されたもののアニメの2期からはかなり経ってしまっているので、もうのんのんびよりがアニメ化されることは無いと思い込んでいたのですが、どうやら3期もやるようですね。

14巻はTVアニメ3期の制作決定が発表されてから初めての単行本となります。

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本作の概要

夏のイメージが強いのんのんびよりですが、夏休みも終わり秋から冬へと差し掛かっています。

栗拾いや運動会など、秋らしいイベントがのんのんびよりらしく描かれています。

本作の見所

夏休みボケ

夏休みに限らず、休日とは長ければ長いほど元の生活に戻るのにエネルギーが必要になります。

蛍や小鞠あたりはしっかりしているようですが、夏海ほどではないにしても喪失感はあったのではないでしょうか?

「このなっつんの感じ・・思い当たる節があるん。これはおそらく、姉々病なん」

れんげ独特の表現で夏海の喪失感を表現していますが、姉々病かどうかはともかくとしてリハビリが必要という意味ではある意味確かに病気なのかもしれません。

特に学生の夏休みは長いですし、大人の場合なら人にもよりますが仕事関係で何かしらが強制的にブースターになったりするものですが、子供にはそれもありません。

僕の場合、最後に残していた宿題が夏休み明けに向けてのリハビリになっている面もあって夏海ほどの夏休ボケ状態にはなったことはありませんが、気持ちだけは痛いほど分かります。

幼い妹に引き合いに出された一穂からしたら失礼な話なのかもしれませんけど、一穂のこういう年下から気安く接されている感じは結構素敵なんじゃないかと思います。

「姉々は小指ぶつけたり卵ぶつけたらテンション上がるって話してたん」

れんげは小学一年生。言っていることが少しずつ変わったりして、本人の耳に入る時にはかなり失礼に発言になっているところがちょっと面白かったです。

これじゃあ一穂がかなりどMの変態さんですよね。(笑)

個人的には、一穂のこういう年齢の離れた妹れんげとのやり取りが結構好きで、結果的に一穂がかなり好きなキャラクターだったりします。

栗拾い

「ん? 蛍あそこのおばあちゃんがどうかした?」

小鞠と蛍が一緒に歩いていたら、栗拾いに向かう一穂と遭遇しました。

しかし、確かに一穂の栗拾いファッションがおばあちゃんっぽく、しかも頭巾も被っていたので後ろ姿からは誰なのかがわからないとはいえ、小鞠の発言が失礼すぎて笑えます。(笑)

「時に君たち、なんかウチをおばあちゃんて呼ばなかった?」

のんのんびよりのキャラクターの中では年長組ですがまだ24歳の一穂。大人の世界ではまだまだ子供扱いされるくらいの年齢なので、さすがにおばあちゃん扱いは看過できないようです。

しかし、実際には若い女の子がおばあちゃんっぽいファッションしていたら、ギャップというか一周回って可愛らしくなるような気もしますが、どうなのでしょう?

「妖怪ジャンプ童(わらし)かな?」

イガ栗を開けようとジャンプして踏みつけている小鞠を評した一穂の一言ですが、さすがはれんげの姉。れんげの独特な表現は姉ゆずりなのかもしれませんね。

在校生VS卒業生

全校生徒が数名とかの学校に憧れたことがあるとは前述しましたが、そういう学校の学校行事ってどんな風になるんだろうと不思議にも思いますね。

明らかに一学年数百名規模の学校とは違った経験ができるのではないかと思います。

もちろん逆も然りで、人数が多いからこそ楽しい部分もあるとは思うのですけど、同じ学年でも大半の人間の顔と名前が一致しないような状況よりはのんのんびよりのような世界観の方が温か味がある気がしてうらやましく思います。

しかし、さすがに運動会はある程度の人数がいないと盛り上がりに欠けるイベントなのではないかと思ったのですが、旭丘分校では赤組白組に分かれるのではなく在校生と卒業生に分かれて競うような運動会が行われているようです。

「あ、いえ運動会なのは聞いてたんですけど、私たちだれと闘うんですか?」

東京からの転校性である蛍にはさすがに馴染みのない形式の運動会ですが、OBやら教師やら生徒の母親やら、保護者参加型競技どころではなく近所の大人たちが参加する運動会というのも、アットホームな感じで素敵ですよね。

在校生の人数とか、集まれる卒業生の状況とか、ちょっとした変化で毎年変わった運動会が楽しめそうな半面、運営する側は大変そうです。

実際問題、こういう全校生徒が数名の学校の学校行事ってどんな感じなんでしょうかね?

年長者のプライド

旭丘分校に通う中では上から二番目(一番目は越谷卓)の年長者である小鞠ですが、体が小さいだけではなく言動もどこか幼いところがあって、年長者のプライドをくすぐられているようなエピソードがだいたい各巻に1回くらいはありますね。

そういう時、だいたい小学5年生のわりには大人っぽい蛍が絡んでいるのもお約束です。

編み物のプレゼント交換を蛍と約束している小鞠ですが・・

「こんなの蛍に見られたら私の先輩としての威厳が壊れちゃう・・」

またまたちょっと見栄を張ろうとしてしまっています。

確かに先輩としての威厳も大事かもしれませんが、たとえ小学生より子供っぽいところがあっても小鞠は小鞠で良いところはあるので自分らしくいればいいのにって思わなくもありません。

まあ、これくらいの年頃だと年下に年上らしくないと思われたくないのは分かりますし、自分に子供っぽさがあると自覚しているからこそよりそれが顕著になるのも分かります。

年上なのに子供っぽい部分があるとか、年下なのにしっかり大人っぽい部分があるとか、大人になるとそういうギャップは魅力の一つというか、場合によっては武器にもなると思うのですが、小鞠がそれに気付くのはまだまだ先になりそうですね。

総括

いかがでしたでしょうか?

今までにも何度か繰り返しましたが、好きな作品とレビューしやすい作品は必ずしも一致しなくて、のんのんびよりのような日常系作品は好きでもレビューしづらい作品のひとつだったりします。

それでも無理してレビュー記事を書きたくなるくらい好きな作品なのですが、早くまたアニメでものんのんびよりのキャラクターたちを見てみたいと思います。

TVアニメ3期も、そして原作の次巻も楽しみにしています!