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『魔法陣グルグル』原作漫画全巻のレビュー記事まとめ(ネタバレ注意)

 

魔法陣グルグル』と言えば恐らく、昭和の終わりから平成の初めに生まれた人がドンピシャ世代になるのでしょうか?

そこまで幅広い世代で親しまれているような印象は薄い作品ですが、ドンピシャ世代の人にとっては非常に懐かしく感じられる名作といった感じです。

しかし、『魔法陣グルグル』に限った話ではありませんが、近年になってそういう類の作品が数多くアニメ化されている印象があります。

魔法陣グルグル』の場合は、2017年に全編アニメ化されたことが記憶に新しいですね。

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この三度目のアニメ化によって、以前より幅広い世代に知られることになったと思われる『魔法陣グルグル』ですが、それでも原作漫画を読んだことがある世代は限られているのではないでしょうか?

本ブログでは今まで、『魔法陣グルグル』の原作漫画全巻のレビューをしてきました。

本記事は、そんなレビュー記事の概要をまとめ、『魔法陣グルグル』という作品全体の魅力を伝えることを目的としています。

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魔法陣グルグル1巻(ノコギリ山編)

第1巻の概要

魔法陣グルグル』の旅立ちの巻です。

現在とは随分と絵柄が違い、失礼ながらあまり画力が高いとも言えない感じなのですが、衛藤ヒロユキ先生特有の個性的なセンスが最も尖っている巻でもあるような気がします。

第三期のアニメから入ったい人や、現在連載中の『魔法陣グルグル2』からのファンの人が始めて見たら、「えっ、こんな感じなの?」と驚くかもしれませんが、これが『魔法陣グルグル』の原点なんです。

また、1巻で一つの濃密なエピソードが完結していて、非常に完成度の高い単行本となります。

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第1巻の変なおやじ(キタキタおやじ

衛藤ヒロユキ先生がどこまで意識されていたのかは定かではありませんが、ほぼ例外なく1巻に1人以上は変なおやじが登場します。

魔法陣グルグル』をよく知らない人は、ククリを始めとした可愛らしいキャラクターの登場する作品だとイメージしている人が多いかと思いますが、実はかなりおやじ率の高い作品なんですよね。

そして、1巻の・・というより『魔法陣グルグル』の変なおやじの筆頭といえば、やはりキタキタおやじを置いて他にはいないでしょう。

後に、スピンオフ作品の主人公にもなり、現在はガンガンオンラインのアプリ起動時にシルエットが表示され、もはや作品を超えた人気キャラクターになっていますね。

魔法陣グルグル』を知らなくてもキタキタおやじは知っているという人すらいるのではないでしょうか?

1回目のアニメ化がなされた僕が小学生の頃には、キタキタおやじのぬいぐるみを持っている女子とかもいたくらいです。当時「キモ可愛い」という言葉はまだありませんが、そういう扱いだったのかもしれませんね。

魔法陣グルグル2巻(ククリちゃんのおでかけ修行ハウス編)

第2巻の概要

レベルアップのための修行と言えば少年漫画の定番ですが、『魔法陣グルグル』においては非常に珍しいです。

しかし、『ククリちゃんのおでかけ修行ハウス』とはまた・・

まるで女児のおもちゃのような楽しさを煽るネーミングセンスが衛藤ヒロユキ先生の流石な所だと思います。

ちなみに、「ただし魔法は尻から出る」という『魔法陣グルグル』を知らない人ですら知っている名言が生まれたのもこの巻です。

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第2巻の変なおやじ(ラジニ)

他の変なおやじに比べると、シュギ村以降再登場もしませんし印象が薄いラジニですが、『魔法陣グルグル』史上でもトップクラスに有名な名言「ただし魔法は尻から出る」を生み出したスペシャルなおやじです。

このセリフの知名度だけならキタキタおやじすら超えているかもしれませんね。

魔法陣グルグル3巻(シュギ村・封印の腕輪編)

第3巻の概要

魔法陣グルグル』にはニケとククリ以外にも後にメイン級となっていく少年少女のキャラクターが何人かいますが、その内の1人であるジュジュが最初に活躍する巻となります。

個人的には作中で一番好きなキャラクターなのですが、クールな雰囲気で格好良い姉ポジションのキャラクターっぽいのに実はニケやククリより年下だというギャップが良いですね。

また、元々はRPG風のファンタジーというコンセプトの『魔法陣グルグル』ですが、3巻くらいから子供っぽくてファンシーな感じの恋愛要素が強くなり始めてきます。

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第3巻の変なおやじ(ゴチンコ)

「またあーいうキャラがいたのね」というククリのモノローグが証明している通り、ゴチンコは明らかにキタキタおやじの立ち位置、つまり変なおやじ枠のキャラクターなのですね。

戦い方はヘッポコですが結構な実力者だったりします。

また、名前の9割くらいが小学生の男子に受けそうな下ネタになっていますが、ここまで露骨な名前は現代なら生まれなかったかもしれませんね。

魔法陣グルグル4巻(アッチ村の呪い編)

第4巻の概要

ミグミグ族は神の踊り子と呼ばれる、踊りながらグルグルを描いて戦う一族ですが、無意識のうちにククリがその片鱗を見せるのがこの4巻となります。

アッチ村のダンス大会のエピソードは地味に好きなエピソードだったりするのですが、ダンスということでキタキタおやじの影が見え隠れしだすところが面白かったです。

というわけでキタキタおやじが再登場し、人気キャラクターの道を歩き始めます。

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第4巻の変なおやじ(アッチ村の村長)

間違いなく普通のオッサンなのですが、村長本人と呪われた村長を象った像が後に、物語の中で間接的に、しかし重要な役割を果たすようになっていくのが面白い所。

呪われた像をニケたちに届けるべく奮闘する普通のオッサンが、何故かいつの間にかキーパーソンになっているというのが『魔法陣グルグル』らしい独特のセンスだと思います。

魔法陣グルグル5巻(ネコジタ谷のにけや編)

第5巻の概要

1巻で村の子供の1人として登場したトマがメイン級キャラに昇格しました。

主人公のニケとヒロインのククリが両方ボケ担当のキャラクターなので、ツッコミ役が必要だったのかと思われます。(ニケはツッコミもこなしますが基本ボケ担当かと)

実際、ネコジタ谷のエピソードはトマがいることで面白くも引き締まったように感じられます。

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第5巻の変なおやじ(ガタリ

出番はネコジタ谷編だけで少ないですが、何よりニケの潜在能力、キラキラについて示した最初のキャラクターということで印象に残っています。

最初は変なおやじというより普通に格好良いおやじだったのですが、ニケたちに啓示を与える時にククリのコスプレをしたり、ニケのコスプレは格好良かったのに最後に屁をこいて終わったり、徐々に変なおやじの顔を見せてきたキャラクターとなります。

魔法陣グルグル6巻(きりなしの塔編)

第6巻の概要

パーティメンバがバラエティーに富み始め、ノコギリ山以降の本格的なダンジョン探索が行われる巻となります。

おしゃべリップというトマが持ってきたアイテムを巡るギャグ的なシーンや伏線がとても面白く感じられました。

また、いつも地味なメケメケのローブを着ていることを気にしているククリが、ミグミグ族の可愛らしい衣装で冒険している点も新鮮です。

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第6巻の変なおやじ(カヤ)

カヤは6巻が初出ではありませんが、2巻で登場したのは偽物らしいし、本格的に活躍しだしたのはこの6巻であるといっても過言ではないと思います。

変なおやじ枠のキャラクターの中では、かなり格好良い部類に入るであろうカヤですが、『こわい顔』という個性だけで周囲にいじられる所が面白いキャラクターとなります。

魔法陣グルグル7巻(ニケの盗賊修行編)

第7巻の概要

ニケの盗賊修行編といった感じの巻ですね。

他の巻に比べると動きの少ない7巻ですが、ジュジュや闇魔法結社といった懐かしいキャラクターが再登場し、物語に絡んでくるべく集結してくる所が見所となります。

必ずしも主人公やメインヒロインだけが大きく活躍するのではなく、他のキャラクターにもちゃんと見せ場があるのは『魔法陣グルグル』の良い所だと思います。

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第7巻の変なおやじ(アダムスキー

トマの師匠的なキャラクターですね。

ニケやククリには変なおやじに見えるようですが、トマには立派な人に見えるようです。8巻のコパール城の戦い編では、トマと一緒に戦いのためのアイテムを創作しようとして、戦いが終わるまでに間に合わなかったというミラクルを見せてくれました。

魔法陣グルグル8巻(コパール城の戦い編)

第8巻の概要

主人公ニケの必殺技であるはずの光魔法剣のキラキラは、意外と作中で活躍することは少ないのですが、8巻には数少ないニケがキラキラで活躍するシーンがあります。

ニケのほら話で始まり、ニケのほら話の伏線回収で終わる構成が面白い巻でもあります。

また、ジュジュの活躍が目覚ましい巻でもあり、ジュジュファンには嬉しいところですね。

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第8巻の変なおやじ(火の王)

変なおやじしかいない自然界の王。(風の王は変なおやじというより変な青年ですが)

その最初の1人である火の王が登場します。何故かいつの間にかニケに対して料理修行を施しているのですが・・

確かに、料理と火は切っても切り離せない関係があるのは確かでしょうけど、まさか料理を教えることでニケに火の支配を教えるとは思いませんでしたね。(笑)

魔法陣グルグル9巻(アラハビカ編)

第9巻の概要

人間も魔物も一緒に暮らす魔境の町、アラハビカ。

実はアラハビカって秋葉原アナグラムなのですが、クセがありつつも非常に楽し気な町という点で共通しているのが面白いですね。衛藤ヒロユキ先生がそこを意識して描いていたのかは定かではありませんが、少なくともアラハビカ編は、秋葉原の好きな僕のエピソードの1つだったりします。

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第9巻の変なおやじ(デリダ

ザ・魔法使いといった風貌のデリダ

おかしな笑い方を見せる変なおやじであることには違いありませんが、ミグミグ族の秘密について語る作中でも結構重要な役割を持っているキャラクターだったりします。

最強のグルグル『恋するハート』について最初に言及したキャラクターでもあります。

魔法陣グルグル10巻(パンフォス編)

第10巻の概要

13巻と並んで作中でも異質な雰囲気の10巻ですが、かなり好き嫌いが分かれる巻でもあるのではないでしょうか?

恐らく、後半のミュージカルっぽいノリがあまり『魔法陣グルグル』らしくなくて驚いてしまい、それで評価しづらいところがあるのかと思われます。

しかし、そういう「らしくない」部分はあるものの実はかなり良い話になっていて、僕の場合も昔はあまり好きではありませんでしたが、じわじわと好きになってきて今ではパンフォス編はトップクラスに好きなエピソードになっていたりします。

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第10巻の変なおやじ

10巻で初登場する目ぼしい変なおやじはいません。

そういう意味でも10巻は異質かもしれませんね。

しかし、キタキタおやじアダムスキーデリダ、カヤなど数多くの変なおやじが集結している巻でもあったりします。

あぁ、だから新しい変なおやじを登場させる余地が無かったのですね。(納得)

魔法陣グルグル11巻(ゲソックの森編)

第11巻の概要

RPG風の漫画だった『魔法陣グルグル』ですが、作中で本当にゲームのような何かをしてしまっています。

ゲソックの森。

明らかにゲームのカートリッジっぽいものがカギになっていたり、レトロゲームの続編のような展開があったり、ネタが細かくて面白いです。

また、いつもよりもファッショナブルなククリにも注目で、個人的に砂漠ルックのククリはかなりポイントが高いと感じています。

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第11巻の変なおやじ(地の王)

自然界の王イコール変なおやじの流れが出来上がりました。

全身ミノでキタキタおやじを彷彿とさせるような風貌で、作中でもキタキタの親玉のようだと言われていますが、さすがにキタキタおやじほどのインパクトはありません。

また、地の王にはクルジェという可愛らしい娘がいるのですが、彼女は変なおやじを父に持っているとは思えないほど可愛い女の子だったりします。個人的には作中で三指に入る好きなキャラクターです。

魔法陣グルグル12巻(花の王女の子育て編)

第12巻の概要

恐らくニケのセリフの中では屈指の名言「ぼくにはとてもできない」が誕生した巻となります。これはごく稀に日常会話で使っている人がいますね。(笑)

花の王女の子育てという、思春期の頃に読んだ時には何だかむず痒い感じがしたエピソードですが、一方で「グルグル史上最低の光景」と称される踊る3人の変態が面白い巻でもあります。

また、復活後のプラナノが作中でも屈指の格好良い女性キャラクターで、その辺にも注目ですね。

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第12巻の変なおやじ(ラカン

きりなしの塔でニケたちを導いた日記の作者のラカン

正直変なおやじというほどではありませんが、他にはメルシィの父親や過去にバッタにされた人くらししかいないので・・

魔法陣グルグル』において、ここまで名前が出てから初登場までに時間が掛かった脇役は恐らく他にいないので、僕もきりなしの塔編を思い出して懐かしくなった記憶があります。

魔法陣グルグル13巻(時間の止まった島編)

第13巻の概要

全16巻中で最も異質な巻を上げろと言われたら、僕ならこの13巻を上げます。

何というかゼロ年代の作品にありがちな箱庭的な舞台の物語といった雰囲気で、いつもの『魔法陣グルグル』とはかなり違っています。

連載当時は「よく分からないな~」と思いつつも流して読んでしまっていましたが、レビュー記事を書くにあたり真剣にどういう話だったのかを考えてみたら意外と奥深くて面白かったです。

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第13巻の変なおやじ(ミウチャの父)

衛藤ヒロユキ先生が自ら、自分の描く変なおやじの変化について言及していますが、確かにキタキタおやじから始まった変なおやじでしたが、同じ変なおやじでもミウチャの父は随分とキャラデザから雰囲気が違いますね。

実は多数のおやじが登場していても、誰かの父親という立ち位置のおやじは少ない『魔法陣グルグル』。そういう意味ではかなりレアなキャラクターなのかもしれません。

魔法陣グルグル14巻(爺ファンタジー編)

第14巻の概要

クライマックスに向けて物語が加速し始める14巻。

13巻で完全に時が止まっていて、そこを脱出したことで時が急激に動き出すという感じの演出が面白いですね。

パンフォス編以降出番の無かったジュジュやトマが再び物語に合流してきたのを嬉しく思ったことを覚えています。

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第14巻の変なおやじ(爺ファンタジー

変なおやじ枠ではキタキタおやじに次ぐであろう爺ファンタジー

ツッコミどころしかないおやじ達ですが、どこか愛嬌もある愛されキャラです。

作品のかなり後半になってから登場したキャラクターであるにもかかわらず非常に人気が高く、メインキャラクターが順番に表紙を飾っている新装版でもまさかの表紙を飾りましたね。

個人的には、2017年のアニメ化で初めて映像化されて超絶嬉しかったです。

魔法陣グルグル15巻(ラストダンジョン突入編)

第15巻の概要

この辺まで来ると、いよいよ『魔法陣グルグル』も終わってしまうのだと感じて既に寂しい気持ちになり始めていた記憶があります。

全てのキラキラを入手し、後は最後の大陸、最終の戦いを残すのみとなりました。

しかし、他のキャラクターが集結したのは良いのですが、この辺からキタキタおやじの存在感が以前以上に増してきたのが『魔法陣グルグル』らしいなぁと思いました。

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第15巻の変なおやじ(ファンザナ・ファイナム)

実際問題かなり重要な役割を担っていたはずのファンザナ・ファイナム。

ニケたちに用意していたイベントをすっぽかされたことで恥ずかしい思いをしてしまったおやじです。

16巻で、花の王女に送迎されてルンルンの前に現れた時のシーンがかなり面白かったのは確かですが、どうしても昔から登場している変なおやじに比べると印象が薄いような気がしてしまいます。

終盤に登場したにも関わらず強い印象を与えてきて爺ファンタジーが異常だったということなのだと思います。

魔法陣グルグル16巻(最後の戦い編)

第16巻の概要

いよいよ最終巻!

ファンタジー作品の最終巻らしく緊張感のある戦いを演出しつつも、いつもの『魔法陣グルグル』らしい敵キャラまで巻き込んだギャグも健在で、感動と笑いの両方を与えてくれた巻となります。

いやはや、この16巻を最初に読んだ時に『武勇伝キタキタ』や『魔法陣グルグル2』の存在は予想すらしておらず、とてつもなく寂しく感じたものですが、まさか今なお続きが連載されているとは・・

全くもって嬉しい限りであります。

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第16巻の変なおやじ(魔王ギリ)

復活したり入ったりするオモシロ魔王。

いや、実際には魔王ギリは『魔法陣グルグル』には稀なシリアスなキャラクターで、本当にニケやククリもピンチに陥っていたのですが、周囲にキャラクター、特にキタキタおやじの影響もあってかなり面白いキャラクターとして描かれてしまいました。

恐らく、魔王ギリがただただシリアスなだけのキャラクターだったら、無個性すぎて全く印象に残らなかったかもしれません。

とはいえ、さすがにラスボスをあまり面白いキャラクターにすることはできなかったのだと思いますが、それを周りのキャラクターを使って面白くしていた所が衛藤ヒロユキ先生にとっての落としどころだったのではないかと推測しています。

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