あるいは 迷った 困った

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『大蜘蛛ちゃんフラッシュ・バック(3)』そろそろヤバすぎるマザコン少年が主人公の漫画の感想です。

 

ちょっと不思議なラブコメ・・でもないのかな?

大蜘蛛ちゃんフラッシュ・バックの最新巻の感想です。

主人公・鈴木実には、しばしば母親である鈴木綾の若い頃の姿(大蜘蛛ちゃん)が生前の父親・鈴木治の目を通してフラッシュバックするという現象が発生します。大蜘蛛ちゃんフラッシュ・バックは、そんな不思議な体験を通して母親に恋してしまうという、ちょっと変わったテーマの漫画となります。

前作である謎の彼女Xもそうでしたが、作者の植芝理一先生が描く漫画はちょっとかわったフェチズムがテーマになっている傾向がありますね。

今巻では、既刊に比べてフラッシュバックが少なめですが、その代わり現実の母親にドギマギしている描写が増えています。

僕にはこの漫画の行きつく先を全く予想できませんが、このままだと禁断の領域に近付きつつありそうで、何だかハラハラしてしまっています。(笑)

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本作の概要

今巻が発売したのは冬ですが、漫画の中は夏真っ盛りです。

クラスメイトとのプールと綾の水着姿。実は漫画家の大蜘蛛先生である綾のファンである薬袋(みない)先輩とクラスメイトの一(にのまえ)との、プールでの大蜘蛛作品のコスプレ撮影会。それに夏祭りなど、夏らしいイベントが盛りだくさんの内容になっています。

綾が漫画家になったキッカケとなったエピソードにも注目ですね。

また、綾が実の父親の次に好きだった人・山田さんが登場し、物語が進展していきそうな雰囲気になっています。

本作の見所

母親の水着姿

母親の綾の友人である月見里海に、綾と実の2人は一緒にプールに行こうと誘われます。

最初は、最後に水着を着たのは20代の頃だからと嫌がる綾でしたが、漫画の水着回のイメージを高めるためにと言われて誘いに乗ることにします。

一方の実は、恥ずかしくて「一緒に行きたいです」とは言えませんでした。

いや、思春期の高校生男子の反応としては一見普通に見えますが、その理由が普通ではありませんね。(笑)

「ほんと残念・・」

綾が高校生の息子を持つ母親としては若い方であるということを差し引いても、身内の水着姿を残念がるというのは普通ではないような気がします。その対象が姉や妹だったとしてもそれは同じですよね?

ともあれ、海の誘いは断った実ですがクラスメイトからのプールの誘いには乗ります。

しかし、一(にのまえ)ちゃんとか水着姿の女子が側にいるのに、目が行くのは綾に似ている大人の女性。

「そんなことより鈴木くんって、熟女が好きなの?」

熱があって早々に帰宅することになった実に付き添う一(にのまえ)ちゃんにもそう指摘されてしまいました。(笑)

そっか、そういえば熟女好きの人もいるんですよね。

しかし、母親が好きというのは・・

もちろん、僕も母親のことは好きですが、それは普通に母親として好きなのであって、実のように恋愛対象に近い感覚で見ることはありません。

調べてみると、こういう話は現実にも存在するらしいのですが、やっぱり非常に稀なことであることは間違いないでしょうね。

コスプレ撮影会

薬袋(みない)先輩に漫研の部室に呼び出された実。

『未確認彼女X』の面部ちゃんのコスプレ写真を作者である大蜘蛛先生に送りたい薬袋(みない)先輩。実には『未確認彼女X』の主人公の柊くんのコスプレを一緒にしてほしいようです。

実が柊くんに似ていることに目を付けたようですが、大蜘蛛先生(綾)はもともと実の父親をモデルに男の子キャラを書くようになった経緯があるので、実と柊くんが似ているのは偶然ではないようですね。

「これならきっと大蜘蛛先生喜んでくれますよー!」

「そりゃあ、母さんも大喜びだよ」

一(にのまえ)ちゃんの問いかけに、ついつい大蜘蛛先生のことを母さんと呼んでしまう実。

大蜘蛛先生イコール母親であることは隠したい実でしたが、その場は実が誤ってプールに落ちたことでなぁなぁに誤魔化すことができました。

大蜘蛛先生誕生秘話

どうやら実は覚えていないようですが、幼い頃の実が綾に「まんがかきなよ」と言ったことが、漫画化・大蜘蛛先生が誕生するキッカケになったようですね。

実のフラッシュバックとは違うのでしょうけど、その時の綾には実が父親のように見えたみたいですね。

まさか、実のフラッシュバック現象は遺伝!?

しかし、実がマザコンなのは周知の事実として、綾の息子に対する感情も若干特別なものであるような気もしてきましたね。

「もしあんたが実に手を出したら、わたしあんたと一生口きかないからね」

海と仲が良さそうにしている実との間に割り込んでの一言。

もしかしたら実に今は亡き旦那さんを重ねているのかもしれませんね。

大蜘蛛先生の正体

コスプレ撮影会ではプールに落ちたことで、大蜘蛛先生を「母さん」と呼んでしまった失言は誤魔化すことのできた実ですが、このコスプレ撮影会で大蜘蛛先生には送らなかったはずの写真と同様の構図が漫画に掲載されてしまいました。

というわけで、やっぱり実の母親が大蜘蛛先生なのではないかと、一(にのまえ)ちゃんが気付きます。まあ、どんなに勘が悪くても気付きますよね。(笑)

さすがに、言い逃れは無理だと観念した実だったのですが・・

一(にのまえ)ちゃんのことを間違って「母さん」と呼んでしまい、何故か・・いや当然かもしれませんが、一(にのまえ)ちゃんにマザコン認定されてしまいました。

そして、コスプレ撮影会での発言も同じく言い間違えであったと勘違いされて、結果的に実の母親が大蜘蛛先生であることはバレずに済んだようです。

いや、学校の先生を代表として大人の女性を「母さん」と呼んでしまうミスは男女問わず子供の頃なら割とあるあるのミスである気がしますが、高校生になってから、しかも同級生の女の子相手にやってしまうことは流石に稀なのではないでしょうか?

というか、これは恥ずかしい!

実のような経験をしたことある人っているんでしょうか?

夏祭り

高校生男子が浴衣姿の母親と夏祭り・・

これは、かなり恥ずかしい。

今までも思春期男子なら恥ずかしいと思うようなことを色々やってきている実ですが、個人的にはこれはトップクラスに恥ずかしい気がします。

小学生くらいでも少々怪しい・・

実って、意外とハートが強くないですか?

二番目に好きな人は?

綾の一番好きな人はもちろん旦那さんでした。

しかし、旦那さんを亡くした今、一番は誰なのでしょうか?

綾が昔、父親の次に好きだったという山田さんが初登場するのですが・・

父親亡き今、山田さんが綾の一番好きな人なのではないかと実はヤキモキします。

いやはや、僕には子供の頃に片親を亡くした子供の気持ちは想像できませんが、それでも実のようにはならないのではないかと思います。

「今の一番は、あんたに決まってるじゃないっ!」

もちろん、綾の発言に恋愛的な意味は無いでしょうが、実も意外と当たり前(じゃない人もいるかもですが)のことが頭から抜け落ちていたようですね。

しかし、綾は実とのやり取りの不自然な点に気付いてしまいます。

「あんたどうして、先輩が二番で、お父さんが一番好きってわたしが言ったこと知ってるの?」

実が知らないはずのことを、実が知っていた。

その答えはフラッシュバックで知ったことなのですが、これを実がどう切り抜けるのか、それとも切り抜けることはできないのか、続きが楽しみですね。

総括

いかがでしたでしょうか?

今巻のラストでは、実がフラッシュバックを通して知った、実が知らないはずのことを知ってしまっていることに、綾が気付いてしまいます。

停滞気味だった物語に何やら進展がありそうな予感がしますね!

実のフラッシュバックの正体は結局何なのか?

実の綾に対する複雑な感情はどう落ち着くのか?

そして今巻ラストの実の行動に、綾はどう反応するのか?

まだまだ楽しめそうな大蜘蛛ちゃんフラッシュ・バック、今後の展開も楽しみにしています!

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