未経験者が囲碁を始めるべき3つの理由
最近、囲碁や将棋の注目度が高まってきていますね。
将棋界では藤井聡太先生の活躍や羽生善治(「はにゅう」じゃないよ)先生の永世七冠達成、そして国民栄誉賞受賞。
囲碁界では同じく二度の七冠を達成して国民栄誉賞を受賞した井山裕太先生。
どんな世界でもスターが現れると盛り上がりますね~
しかし、ちょっと待ってください。
明らかに、明らかに将棋界の方が注目度が大きくないですか?
まあ、一重に数倍近いと言われる競技人口の差のせいなのでしょうが、贔屓目に見ても囲碁界だって、将棋界と同じくらい注目されてしかるべきだと思っています。
囲碁好きの僕としては、この状況は見過ごせません。
最近は、囲碁か将棋のどっちかを始めてみようかという人が増えているようで、「子供に習わせるならどっち?」みたいな記事もよく見かけます。
なので、ここでは囲碁の未経験者の方に向けて、「囲碁を始めるべき3つの理由」と題して、囲碁の魅力を伝えたいと思います。
これで囲碁に興味を持って、囲碁を始めたいと思っていただければ幸いです。
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1.囲碁は難しくない
そもそも囲碁は何故難しいと思われているのか?
囲碁も将棋も非常に奥深いゲームである点に違いはありませんが、こと「勝利条件」に限って言えば、はるかに将棋の方がシンプルで分かり易いという所は認めざるを得ません。「王将を取った方が勝ち」と一言ですべてを言い表すことができてしまいます。
僕も、ほとんど将棋はやりませんが、シンプルゆえに今でもルールは覚えていて、弱いなりに最後まで指すことくらいはできると思います。
対して、囲碁の勝利条件をあえて一言で表現するなら「最後に陣地が多い方が勝ち」となります。この陣地の大小という勝利条件が直観的に理解しづらいものであることから、未経験者に囲碁は難しいと印象付けることになってしまっているのだと思います。
しかし、同じく「最後に陣地が多い方が勝ち」が勝利条件であるはずのオセロなら問題なくわかる人が多いですよね?
それは、この陣地の大小の考えがオセロの場合、「最後まで盤面を埋めた後の駒の数」のみで表すことでできてシンプルだからなのだと思います。
勝利条件の理解が難しいことを除けばルールは簡単!
じゃあ、やっぱり囲碁は難しいんだと思われた人。
そうではありません。
勝利条件を理解するためには、その他の「基本的なルール」を理解しておく必要があるから未経験者にはピンとこないだけで、この「基本的なルール」自体はごくごくシンプルなものです。
「基本的なルール」を押さえた上であれば、おのずと勝利条件が理解できてくるというわけです。
将棋でも結局「基本的なルール」は覚えなければいけないので、順番が違うだけで難易度はあまり変わらないのではないのではないでしょうか?
まあ、囲碁には「シンプルゆえの難しさ」、将棋には「覚えることが多いという難しさ」はありますが、この辺をどちらが難しいと考えるかは人それぞれかもしれませんね。
また、囲碁のルールがシンプルで自由度が高すぎて打つところが分からない。変な所に打っていると思われたら嫌だという感じで人と打つことを怖がる人もいますが、最近では対CPUのアプリも山ほど存在しますし、その辺の感覚を掴むための練習は個人でいくらでも可能な時代です。
ちなみに、僕は昔「ヒカルの碁」のゲーム(GBA)のみである程度打てるようになりました。
2.囲碁は仕事にも役立つ
そもそも、経営者や昔の武将など人の上に立つ人がやっているイメージがあるし、確かに仕事に役立つようなイメージがあるという人は多いのではないでしょうか?
だけど、いったい何がどうなって役立つのかは、囲碁を知らない人にはピンとこないのではないかと思います。
ここでは具体的に僕自身が仕事に通じる部分があると感じたことを話したいと思います。
知力ではなく考え方
仕事に役立つと聞いて、多くの人は先読みの力、純粋な知力が向上して、それが仕事に役立つということなのかと、そう思うのではないでしょうか?
いやいや、そうではありません。純粋な知力の向上を目指すだけなら囲碁よりも自分の仕事に合ったもっと効率の良い手段があるはずです。
役立つのは、「囲碁の考え方(いわゆる棋理)」であり、ここに驚くほど仕事に通じるものが含まれているのです。
それに考え方なので、必要以上に囲碁が強くなくても、役立てることが可能です。
それではどのような考え方が仕事に通じるのか、一例を紹介します。
ミスをしてしまった場合の考え方
誰だって仕事でミスしますよね。人間だもの。
囲碁も同じです。囲碁はより多くのミスをした方が負ける、ある意味ミスが前提のゲームです。
しかし、強い人ほど巧みにミスをミスと思わせません。ミスした後に、ミスはミスと受け入れた上で、どうにかそれを活かすように打とうとします。漫画「ヒカルの碁」で主人公のヒカルが悪手を好手に化けさせて佐為が驚くというシーンがありますが、あれもそういう類のものだったのでしょうね。
ともあれ、この考え方って仕事、いや仕事に限らず何かをミスした時の考え方と同じだと思いませんか?
例えば、経験の浅い新入社員が何かをミスした時に、諦めて初めからやり直そうとしている所を、先輩社員が「いや、せっかくここまでやったんだから」とミスの結果出来上がった成果を活かしてどうこうしようとする。
こんなシーン見たことありませんか?
要は、ミスとはいえそれは「結果」「成果」であり、それは何かに活かさないともったいない。いや活かすべきだという考え方ですね。
このように囲碁の格言は、囲碁以外にも役立つ考え方を教えてくれます。
譲り合いと自己主張
相手の言うことはある程度素直に聞くべきですが、仕事ができる人って自分の意見・主張を通すときは通していると思いませんか?
この考え方も囲碁に通じるものがあります。
囲碁では、相手の主張に従った手ばかりを打っていると、悪くなりすぎることはなくとも勝つことはできません。
勝つためには、時には相手の手に反発することで、自分の優位に進めようとする必要があります。
もちろん、反発しすぎると手痛いしっぺ返しがあります。
要は、譲り合いと自己主張のバランスは大事ということですね。
3.囲碁は面白い
囲碁の魅力
入門のハードルや、何かに役立つとか、囲碁を始めるべき理由を色々語りましたが、結局のところ一番の理由は「囲碁は面白い」。とても魅力的なゲームだから、多くの人に知って欲しい。これが本音であり本性です。
最初に囲碁は難しくないと言っておいて何ですが、それはあくまでも入門の話であって、実際のところ囲碁は難しいです。
難しさの底が全く見えない、奥深いゲームです。
そして、それこそが最大の魅力であり、入門のハードルさえ突破すれば、その底なし沼にどっぷりと浸かれることになると思います。
時代的にも今囲碁に触れることの意味は大きい
ここ数年、囲碁の世界は大きな変革期にあります。
AIの進化により、今までにない打ち方が出てきたり、今まであった打ち方が廃れてきたり、たった数年で一体何年分の変化があったんだってくらい変わってきています。
囲碁ファンとして、そんな変革期、次々に新しいものに触れることができるのは本当に嬉しく思います。(僕だけじゃないはず)
というわけで、今は囲碁の歴史においても重要なタイミングなので、せっかく囲碁を始めるなら、少しでも長くこの変化に触れられるように、早く始めることをおススメします。
総論
いかがでしたでしょうか?
これで少しでも囲碁をやってみたいと思っていただけたら幸いです。