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魔法陣グルグル。懐かしの漫画、書評シリーズ【その1】15巻

 

ついにラストダンジョンに突入する最終巻です!(前巻の書評はこちら

今巻ではいよいよ最後の大陸、最後のダンジョンであるギリの城に挑み始めます。

ニケも全ての自然界の王に認められ、キラキラが全て揃いました。

最終決戦に向けて盛り上がりが留まることを知らないのが今巻の見所です!

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本作の概要

終わりに向かって加速していく物語。

ジタリの遺跡を攻略したニケたちは、直後に実は風の精霊だったことが判明したギップルの案内で風の王の元を目指します。

大きな成長を見せたニケは風の王の課す試験も突破し、ついに自然界の4人の王すべてに認められました。

全てのキラキラを手に入れたニケたちは、ついに最後の大陸・ザン大陸に上陸します。

いよいよラストダンジョンの冒険の始まりです!

本作の見所

ジタリの遺跡攻略!

ドタバタしましたが、ともかくニケたちが助けに現れたことで、囚われのお姫様役を楽しんでいたジュジュは嬉しそうです。

「うれしいけど・・もう少しエレガントな感じで来れないの?」

「今回はエレファントな感じでガマンしてくれ」

ニケとジュジュの掛け合いが面白いですね。

ジュジュが囚われてた立場であるにも関わらず魔物たちを倒してしまっていますが、嬉しそうで何よりです。(笑)

しかし、ドンカマーの策略により、ニケの水の剣で封印を解いてしまい大ピンチに。

石化した仲間たちをククリのグルグルが浄化しますが、それでもドンカマーを倒せたわけではありません。

そして、そこにジタリの遺跡には同行しなかったあの男たちが登場します!

そう、爺ファンタジー

主題歌(?)をBGMに「かっこいいやつら」を発動し、ドンカマーの動きを止めます。

「この塔さかさまなんじゃ~い!!」

その隙にニケのツッコミが炸裂し、ドンカマーを撃退することに成功しました。

いやはや、それにしても・・

「超高齢 超高齢 超超超超 超高齢♬」

2017年のアニメ化時に、ついに音楽が付いて、より面白く感じられるようになりましたね。爺ファンタジーの主題歌(?)。

歌詞的に恐らく「モーニング娘。」の『恋愛レボリューション21』をフューチャーしているのかと思われますが、こんな風にフューチャーされるとはまさか「つんく♂」さんも思わなかったことでしょうね。

ギップルの正体と風の王

精霊だ精霊だと言われていますが、そういえばギップルは何の精霊なのか?

草の精霊やら花の精霊やら、『魔法陣グルグル』に登場する精霊は「何か」の精霊です。

「わたしは何しろ風の精霊ですから、よどんだ空気を感じるとなんでも清浄するのです」

というわけで、自然界の王の一人である風の王の配下である風の精霊こそがギップルだったのですね。

物語じみた展開ではなく、こうやって「ふと」明らかになるようなところも『魔法陣グルグル』らしいと思います。(笑)

「何で最初、闇魔法結社にいたんだ?」という疑問もありますが、精霊・・というか自然界の王にとっては光も闇もあまり関係が無いのかもしれませんね。

そして、その風の王は意外にもイケメン。今まで変なおやじしかいなかった自然界の王でしたが、風の王は青年風の男でした。

しかし、さすがはギップルの親玉。マントの下はふんどし姿で、イケメン風の姿形も相まってめっちゃ変な人に見えます。(笑)

いや、ふんどしが悪いわけではないんですけどね。それがファンタジーに登場するから面白いんです。

風の洞窟

キラキラを与える前の試練として、ニケたちは風の洞窟に挑みます。

絶え間なく壁からヤリが飛び出すトラップをどう攻略するのか?

「もしわたしがキタキタの串焼きになっても、どうかのちの世にお伝えください。キタキタ踊りは偉大だったと」

心配しなくても炎は出てないので串刺しにはなっても串焼きにはならないかと思いますが、ともあれまずはキタキタおやじが挑みます。

「途中でこれは無理だと判断しました」

しかし、とてつもなく軽快な動きを見せるキタキタおやじでしたが、それでも攻略は難しかったようです。途中で引き返してきてしまいました。

それなのに決めポーズだけは決めているあたり、さすがですね。(笑)

そして次はニケが挑むのですが・・

全てのヤリが全部でひとつの風だということに気付き、風の流れに乗るという風の王の試練をクリアします。

いやはや、ここでのニケは久々に格好良かったですね。

ともあれ、ニケはADSLよりも速い風の剣を手に入れました。

ADSLとは時代がかっていますね。

ザン大陸へ

「えっキタキタおやじさん来るの!?」

ダメだよククリ。それは流石にキタキタおやじが可哀想だよ!

キタキタおやじだってずっと一緒に冒険してきた仲間じゃん!

しかし、確かに忘れがちですがキタキタおやじの旅の目的はキタキタ踊りの後継者探しのはず。確かにギリを倒すニケたちの冒険の最後に同行する理由はないのですが・・

「魔王ギリを説得してキタキタ踊るの後継者にします!!」

まさか、そんなことを考えていたのですね。(笑)

確かに、それなら世界は平和になりますが、これが『魔法陣グルグル』の結末になるのは・・嫌だと思いましたが、もしかしてアリなのか!?

ともあれ、ついに最後の大陸に到着します。

いつものメンバーが揃っているのが良いですね。

クルジェも協力してくれるよ!

ザン大陸に着いてから戦闘に次ぐ戦闘ですが、協力者も現れます。

久しぶりにクルジェちゃん登場ですね!

「コインいっこいれる」

商売っ気は相変わらずですが、ジュジュが感じた味方になってくれそうな人の元まで案内してくれました。

300年待ち続けた男

すり減ったククリの魔法陣の杖の中から出てきたカギ。

それは怪しげなほこらのカギだったのです。

そして、そこから現れたのは・・

知らないおじさんでした。

「さいごに明かそう。わたしの正体を!!」

仮面を付けて現れたおじさんが、さもニケたちが知っているであろうことを前提に正体を明かしますが・・

やっぱり知らないおじさんでした。

「き・・君たち!わしの顔を見て驚かないのかね・・?」

「できればそうしたいんですけど・・マジでだれだかわかんないです」

どうやらニケたちがザン大陸までに至るために用意されたイベントとは別手段でやってきてしまったため、本来なら知っているはずのこのおじさんの顔を知らなかったことが原因らしいですね。

このように今巻の変なおじさん枠。大僧正ファンザナ・ファイナムは開幕面白い、もとい恥ずかしい目にあってしまいますが、どうやら魔王ギリとミグミグ族の秘密を握っている男だそうです。

その秘密とは、「ミグミグ族は魔法陣の中にいる」というもの。

最強のグルグル・恋するハートは魔法陣の外側に効果を及ぼす壮大な魔法。しかし、だとすると魔法陣の中にいる人はどうなるのか?

その答えは、天界アナスタシアにいるというもの。ついに、ミグミグ族が生き残っていることとその居場所が明らかになりました。

しかし、それは恋するハートを使ったらククリが天界に行ってしまうことを意味します。そして、その魔法陣の中にはニケも入らなければいけません。

「世界を救う勇者になる気が本当にあるのか」

ここにきて、ついにニケは勇者としての在り方を問われることになりました。

最初は嫌々勇者になったニケが、どういう結論を出すのかが興味深いシーンですね。

呪われのキタキタ

そして、ファンザナ・ファイナムは最後にど派手な装備を提供してくれますが、ニケには全く似合っておらずいらないと言います。

そこでキタキタおやじが身に付けるのですが・・

どうやら呪われているようで装備を外せなくなってしまいました。

全くキタキタおやじらしいエピソードですね。(笑)

しかも、がちゃがちゃと装備の音がうるさく、ニケたちからもウザがられてしまいます。

「こんなはずでは・・何か手柄を立てないと。このままではただのハデなオヤジですぞ!」

「それは最初からだった!」

久々のナレーションさんの鋭いツッコミが痛快ですね!

魔王ギリの城へ

そして、空飛ぶファンザナ・ファイナムの祠(?)に乗って、ついに魔王ギリの城の上空までやってくるのですが、ここに来てククリの魔法陣の杖が折れるというハプニング。

しかし、ククリは杖が無くてもグルグルは描けるはず。ジュジュの活入れで精神を立て直したククリは、邪魔者を外に追い出す魔法を発動させるのですが・・

キタキタおやじが追い出されてしまいました。

「泣くなククリ、深層心理だからしかたがない」

ニケの励ましはその通りなのですが、キタキタおやじにとってはたまったものじゃないでしょうね。

まあ、その直後いきなり復活していたりするので、あまり同情しきれないのですけど。(笑)

ともあれ、いよいよ最後の戦いの幕開けですね!

総括

いかがでしたでしょうか?

まさに、「終わりの始まり」といった感じの15巻でしたが、次巻は正真正銘の「終わりの終わり」です。

15巻の発売当時、次の16巻が最終巻になるであろうことが見えていたので、既に何だか寂しい気持ちになりはじめていたことを覚えています。

僕は『魔法陣グルグル』という作品を小学校低学年の頃に読み始め、15~16巻の頃には大学受験生になっていました。

そりゃあ寂しいと思いますよ。

子供時代をともに過ごした作品が、「綺麗に終わって欲しい」「だけど終わって欲しくない」という複雑な思いは16巻の発売まで消え切らなかったような気がします。

そういうわけで、いよいよ最終巻ですよ!(次巻の書評はこちら