魔法陣グルグル。懐かしの漫画、書評シリーズ【その1】8巻
ニケって主人公だったんだと実感できる第8巻です!(前巻の書評はこちら)
光魔法キラキラ”火の剣”
自然界の力そのものである剣を何もない所から取り出す勇者の魔法キラキラ。
子供の頃、ニケのキラキラをずっと格好良いと思っていましたが、実のところキラキラを格好良く使っているシーンって凄く貴重で、そんな中でも最高峰に格好良いシーンがこの8巻には描かれています。
作中通してもトップクラスに格好良いシーンで、何だかんだでやっぱりニケは主人公だということがわかります。
まあ、個人的にはジュジュの活躍が著しいという意味で好きな巻なんですけどね。(笑)
ニケやククリよりは年下の妹キャラなのに、子供達の中では一番頼りになるお姉さんキャラっぽくなっているジュジュにも注目ですよ!
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本作の概要
コパール城攻略の作戦会議を経て、ニケたちはコパール城に突入します。
そういえばニケたちの冒険はいつも行き当たりばったりで、こんな風に作成を立てて行動しているのは珍しいですね。
やっぱりパーティにルンルンなどの大人がいるからでしょうか?
コパール城では、ニケが料理の修行をしたり、お頭が呪われたり、面白い出来事が盛沢山なのですが、面白い出来事だけではありません。
トランス状態のジュジュの活躍。火の剣を手に入れたニケの戦闘など、ギャグっぽくなりがちな魔法陣グルグルには珍しい、格好良い戦闘シーンが次々と繰り広げられます。
最後にはお頭の呪いの問題だけを残し、魔物を撃退することに成功しました。
ちなみに、後からお頭の呪いもちゃんと解けましたよ。(笑)
本作の見所
ニケのほら話と作戦会議
コパールに集結した仲間たちにニケは今までの冒険を語ります。
完全にほら話ですが。(笑)
土の底から戦闘をアドバイスする究極の地味キャラになっているトマが面白いですね。
夢見がちなククリは当事者のはずなのにニケのほら話を事実だと思ってしまったり、作戦会議は滅茶苦茶になってしまいました。
結局、作戦会議は子供抜きで行われることになったのですが、ここではククリとジュジュがはじめてまともに絡みます。
シュギ村では、ククリはずっと修行していましたからね。
「でも がんばってうちとけなきゃ!おともだちだもん」
しかし、打ち解ける前から友達認定しているあたり、ククリのコミュ力が結構高いですね。
ちなみに、この時ジュジュにグルグルを見せようとするククリは、たまたまグルグルを空中に描けることを発見しました。
その未来が見えていて、それとなくククリを促したジュジュの呆れた笑いが地味に可愛らしいですね。
コパール城へ突入
聖歌隊のフリをしてコパール城に突入したニケたち一同・・というかニケは姿がありません。
「すみません・・妹はいつもこうなんです」
服の裾を踏んで転んだククリを庇うジュジュのセリフですが、やっぱりジュジュがお姉さん役なんですね。年齢的には逆のはずですけど。
それにしても、このシーンも然りですが8巻でのジュジュのククリに対する態度が全体的に読めないんですよね。ククリだけではなく、ジュジュの側からも歩み寄ろうとしているようにも見えますが。
ともあれ、コパール城への潜入に成功したニケたち一同・・というかニケがどこにいるのかというと、プラトー様の像に扮していました。
これが魔法陣グルグルにおける主人公の役回りです。(笑)
ニケが姿を現したら一気に戦闘が始まります。
変装も脱いで、いよいよコパール城攻略かと思いきや、変装の下は裸だったニケ。
「いるんだ こういうのがひとりは・・」
ルンルンの呆れ顔が面白いですね。
とりあえずニケはお城の兵士の服を着ることになりました。
料理人グルグル
大臣の居場所を探ろうと兵士の格好をしたニケが尋ねた料理人。
気付けばいなくなっていたニケはいつの間にか調理場で料理修行をしていました。
「これだ!この動きだッ!オレはついに火を支配した!!」
後の”火の剣”の伏線なのですが、最初に読んだ人はいつもの魔法陣グルグル的なノリのギャグだとしか思わないかもしれませんね。
いや、それも間違ってはいないのですけど。(笑)
へっくしょん!まもの
ククリの魔界案内を経てニケがゲッソリした所でついに大臣の部屋にたどり着きます。
ミルカ姫のもたらした情報が役立ちましたね。
「どんなに人間に化けても くしゃみのときは本性が出るのよ」
ジュジュがそう説明しますが、確かに何も「まもの」と言わなくてもという感じですね。(笑)
ちょっと間抜けな感じのくしゃみと、突入した先にいた大臣のデンとした佇まいのギャップが面白いですね。
魔界を行き来することで逃げ回る大臣にジュジュが結界を張ることで一時的に逃げられないようにし、大臣のペットである幻獣ブーンをククリが空中に描いたとかげのしっぽで爆散させます。
2人の活躍での勝利ですが、大臣は一旦退却してしまいました。
しかし、閑話休題でククリの穴の空いてしまったメケメケローブを繕うポニテのジュジュが尊いですね。
アヒルの呪いとバナナムーン
「趣味でね「王宮の味」を一度食べてみたかったんだ!」
「ジタバタしてもしょうがねえ!アヒルになるときゃなるんだ!」
自業自得とは言え、ミルカ姫が受けるはずだった呪いをお頭が受けることになってしまいました。
だけど今まで何というか、クールで強い盗賊という魔法陣グルグルのキャラクターっぽくない部分もあったお頭が、一気にグルグル的な愛嬌のあるキャラクターに変わった瞬間でもありましたよね?
ともあれ、やけくそになったお頭は単身大臣の元へ突入していきますが、バナナムーンの力で夢を叶えた大臣は「最強大臣」に進化してしまいます。
最強大臣の攻撃を受けたお頭は、しかし丁度アヒルの呪いが完成して飛び立つことで危機を回避しました。
ジュジュ大活躍!
久しぶりのジュジュの活躍です。
ジュジュがトランス状態で戦うシーンってそんなに多くないので、ジュジュが好きな人には嬉しい貴重なシーンですね。
普段は大人しいのにトランスしてイケイケな性格に変わっているギャップがカッコ可愛いです。
空飛ぶ箱舟に聖水剣。
ニケのキラキラも格好良いですが、ジュジュの聖水剣もまた格好良いです。
可愛さだけではなく、格好良さでもジュジュは正直ニケよりも上をいっているのではないでしょうか?
・・と、ジュジュのファンとしては思ってしまいます。
火の剣
ジュジュを誉めまくりましたが、そうは言ってもニケの火の剣ですよね。
主人公ではあるもののどちらかと言えばコメディ要員であるニケが作中でも屈指の格好良さを発揮するシーンです。
火の王である料理大臣に認められたニケは、最強大臣の吐いた炎を盗んで剣を作り上げます。
炎を盗むって発想がまた格好良いですよね。
最強大臣からバナナムーンを取り返したニケ。
ニケの叶える夢が、ニケの語るほら話の内容通りなのも面白いです。
アヒルマン
コパール城の戦いには勝利したもののお頭はアヒルのままです。
アダムスキーの言うには愛する人のキスが呪いを解くためには必要であるとのことで、ミルカ姫が立候補します。
これだけなら昔ながらのロマンチックなエピソードですが、そこは魔法陣グルグルです。
ミルカ姫の・・・愛が・・・
「アヒルマン」を生んだ
ミルカ姫のキスでアヒルの呪いが解けたかと思いきや、顔はアヒル、体はお頭のアヒルマンが誕生してしまいました。
やけくそでニケを追いかけているお頭が面白すぎます。(笑)
結果的にはルンルンもお頭に気があって、呪いを解くにはルンルンのキスも必要だったということなのですが、良いシーンを良いシーンのままでギャグにしてしまうのは衛藤ヒロユキ先生が流石ですね。
総括
コパール編も終わり、ニケたちはいよいよ魔境へと突入します。
本作の分岐点的なエピソードであるアラハビカ編の始まりです。
今までとはちょっと雰囲気の違ったエピソードなので、その辺に注目ですね!(次巻の書評はこちら)