『とある科学の超電磁砲(14)』アニメ化発表された直後の最新刊の感想
2018年秋の電撃祭でアニメ制作が発表されたのが記憶に新しい『とある科学の超電磁砲』の最新刊となります。
『とある魔術の禁書目録』のスピンオフ作品で、近年は約1年に1冊のペースで少しずつ刊行されていますが、個人的にはもうスピンオフ元の『とある魔術の禁書目録』よりも発売を楽しみにしています。
というのも『とある魔術の禁書目録』は確かに面白いのですが、話が大きくなりすぎてついていくのがかなり大変な所もあるので、よりライトに楽しめる『とある科学の超電磁砲』の方がお気に入りになっているわけですね。
それにしても、これだけ長く愛されるスピンオフ作品っていうのも珍しいですよね。
最近では『とある科学の超電磁砲』のスピンオフ作品も刊行されているくらいですし。
とにもかくにも、アニメ制作発表で何だかいつも以上に期待してしまった『とある科学の超電磁砲』の感想です!
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本作の概要
学園都市の高レベル超能力者を想定した民営の少年院。
そのセキュリティをアピールするために、少年院から囚人を発見し、脱走させることができるのかを競う「脱獄トライアル」が開催されます。
成功者には十億円の賞金が贈呈される。
しかし、ノリノリな佐天と違って美琴は最初あまり乗り気ではありませんでしたが・・
少年院の院長の常盤台中学の高レベル超能力者を挑発するような言葉を受けて、気付いたら「脱獄トライアル」の参加者の中には美琴たちの姿がありました。
「脱獄トライアル」の意外な結末と、その裏側にあった陰謀らしきものに注目です!
本作の見所
メイン4人が揃うのは久しぶりな気がします
美琴、黒子、初春、佐天。
本作は次々と新しい敵キャラや組織が出てくるので、メインのこの4人が揃って活躍しているのってかなり久しぶりな気がしますね。
しかし、今巻ではこの4人がずっと一緒に行動していて、初期の『とある科学の超電磁砲』を思い出させられ、何だか懐かしい気分になりました。
賞金の十億円に釣られている佐天と、少年院の院長の挑発に載っている美琴と、そんな彼女たちに付き合う形の黒子と初春と・・
それぞれ目的は違いますが、4人で一緒に「脱走トライアル」に挑戦します。
ちょっと浮いている佐天さん
他の3人が制服なのに1人だけ動きやすい格好をしていて「ニンジャ吸盤グローブ」なるアイテムを装着しています。
張り切っているのが伝わってきますが、「脱走トライアル」開始直後、ガチ目に作動するセキュリティに若干引き気味です。
トライアル中のいかなる怪我・死亡についても一切責任を問わないという参加同意書を読まずにサインしたのかと初春に問われて黙ってしまいますが・・
これは読んでませんね。(笑)
しかし、読んでるはずの初春がついてきているというのは、中々友達甲斐のある奴だと思います。
それにしても、こういうちょっと調子に乗って後から後悔する佐天のキャラクターは健在のようですね。
メインを張ってる登場人物には、どちらかと言えば「巻き込まれ型」のキャラクターが多いような気がしますが、佐天の場合は「自分から巻き込まれに行く型」という感じでしょうか?
美琴について行くことで調子よく「脱走トライアル」を攻略していき、用意してきた「ニンジャ吸盤グローブ」の出番が来たと思ったら使いこなせず、挙句には重いと言って外してしまう。
「何のために持ってきましたの?」
黒子も呆れていますね。
周りが超常バトルをしている中で、何もしていないのに色々と目立っている佐天のキャラクターが本当に面白いです。
院長のキャラが良い
現実にいたらうざいけど、漫画のキャラクターとしてはこういうオッサン面白くて好きです。
自ら敗北フラグを立てまくる残念さ。
自分の顔を模した犬のロボット(完全に人面犬)が、ささくれた子供たちの心に響くと本気で思っている勘違い。
失敗を人のせいにするダメな大人なのですが、何故か憎めません。
そんな風に思っているのは僕だけでしょうか?
からかわれる黒子
初春と別行動中、黒子は初春の体力の無さに苦言を呈します。
黒子がつきっきりでトレーニングしているのに、いつまでも小学校低学年レベルの体力で、それなのに頑固で前線に立とうとする初春のことをグチグチと愚痴っていますが・・
美琴と佐天がそんな黒子を見て悪巧みします。
「じゃあジャッジメント向いてないんじゃない?(美琴)」
「やめちゃえばいいのにねー(佐天)」
わざと黒子の言うことに同調します。
そうしたら、自分意外から初春を悪く言われるのは面白くないのか黒子は弁解します。
「相棒として初春以上の存在は・・」
言いかけて2人の意図と自分が惚気ていることに気付いた黒子は逆ギレしていますが、こういう黒子と初春の関係って良いですね。
黒子と言えば、美琴のことをお姉様と変態的に慕っている個性ばかりが強調されがちですが、ジャッジメント仲間の初春との信頼関係も良いと思います。
黒子と初春の馴初めエピソードのある3巻を久しぶりに読みたくなってしまいました。
脱獄トライアルの意外な結末
初春ぅ・・
美琴たちがついに囚人の部屋にたどり着いた時、既に囚人はいませんでした。
院長たちが観ている定点カメラの映像には確かに映っているはずなのに?
実は、途中から美琴たちと別れて行動していた初春が既に少年院のシステムをハッキングし、セキュリティを掌握してしまっていたのです。
美琴たち他の参加者が力技で突破しようとしている所を悠々と囚人を脱獄させてしまいました。
美琴たちのバトルは何だったのかという終わり方ですが、僕はこういうの好きです。
ともあれ賞金の十億円は初春が手にすることになるのですが、初春はそれを全額寄付してしまったようです。
佐天が狂人のような目をして初春を問い詰めますが・・
「お金なんてネットバンクをハッキングすればなんとでもなりますから」
ツッコミ待ちの初春のギャグに佐天が引いたところで落ちが付きました。
総括
いかがでしたでしょうか?
1巻だけの小さめのエピソードだと思っていた「脱獄トライアル」ですが、実際には次に始まる大きなエピソードの序章的な位置付けだったっぽいですね。
今のところ、今後始まるのがどのような事件なのか予想ができませんが、続刊が楽しみです!