映画『ドラゴンボール超 ブロリー』過去作より人間味溢れるブロリーと迫力満点の戦闘シーンの感想(ネタバレ注意)
ついに『ドラゴンボール超 ブロリー』が公開されました!
滅茶苦茶楽しみにしていた映画だということもあって、ちょっと遠出して4DX版を観てきましたよ!
結論から言います。
放心・・・
そして~
大・満・足!
いやはや、期待に期待を重ねて遠出(といっても大したことありませんが)した甲斐がありました。
本当に最近のアニメ映画は、テレビ放映されているアニメとは全く別次元のエンターテイメント性があって、毎度のことですが満足感が半端ではありませんね。
この記事では、僕の目から見た『ドラゴンボール超 ブロリー』の率直な感想を纏めていますが、ネタバレが含まれるのでまだ観ていない人はご注意ください。
まあ、まるでアトラクションのように迫力満点のアニメーションは多少ネタバレがあったところで十分に楽しめると思いますけどね。たとえ内容を知っていても、実際に観た人にしかわからないような魅力がある作品だと思うのですよ。
ちなみに、今回ブロリーは過去作とは切り離して新たに描かれています。
映画を観る前に原型となった過去のブロリーについてもおさらいしておきましょうね。
本映画はBDも発売しました!2019/7/8追記
半年ぶりに見ましたが、自宅でも迫力があって面白いです。
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4DX版のすすめ
まだ『ドラゴンボール超 ブロリー』を観ていない人に最初に言っておきます。
もしこれから観ようとしているのであれば、絶対に4DX版で見ることをオススメしたい。
演出調整レベル最大で上映される『ドラゴンボール超 ブロリー』は、もはやアニメ映画というよりもアトラクションであり、その迫力は今までのドラゴンボールの映画とは一線を隔するものとなります。
4DXって本作の中盤から後半にかけて畳み掛けてくる戦闘シーンのためにあったのかと思いたくなるくらいのド迫力。
あまりにも目まぐるしく振動するので、座って映画を観ているだけなのに上映終了後には少々疲れてしまったくらいです。
観るだけなら、その内円盤が発売してからでも観ることができますが、アトラクションじみた4DX版を体験できるのは劇場公開中だけ。
これを逃すのはもったいないですよ!
過去作のブロリーとの違い
ベースはもちろん過去作のブロリーと同じなのだと思いますが、そのキャラクター性や設定は大きく異なっています。
まず年齢ですが、過去作のブロリーは孫悟空と同世代のはずですが、今回のブロリーはベジータと同世代なので孫悟空より少し年上になります。同時に、保育カプセル内で孫悟空の鳴き声に驚かされて泣かされたという過去が無くなっているので、孫悟空に対する恨みというか、執着のようなものも無くなっていますね。
というか、父親であるパラガス以外には誰もいない小惑星バンパで育ったので、誰に対しても恨みの持ちようがありません。
その代わり、野生児じみたキャラクター性を帯びています。
チライの食べる見たことのない携帯食に興味を示したり、自分に親切に接してくれるチライやレモが蔑ろにされて怒ったり、兵器のように自分を育てた父親であるパラガスのことも大事にしていたり、修行中に仲良くなった化け物の毛皮を大事にしていたり・・
並べ上げて気付きましたが、そのキャラクター性はまるで子供の頃の孫悟空に近いように感じられますね。
明らかに、過去作の残虐で強さの象徴のようなキャラクターだったブロリーとは違った印象が感じられます。
どこか愛嬌すら感じられるそのキャラクター性に、このブロリーが不幸せなことにはなって欲しくないとも感じました。
これも過去作のブロリー・・というか、ドラゴンボールの敵キャラ全般に対して今まで感じることのなかった印象ですね。
そして最大の違いは、過去作のブロリーは劇場版と言う事でイフストーリーのキャラクターとして描かれていたため、ドラゴンボールの正史には登場しないキャラクターとなりますが、今回の『ドラゴンボール超 ブロリー』は力の大会後を描くドラゴンボールの正史に続くエピソードとなります。
つまり、25年も前に初登場したブロリーが、ついに劇場版オリジナルキャラクターから正史に含まれるキャラクターの一人になったということになります。
もし今後ドラゴンボールの続きが描かれることがあるのであれば、このブロリーが最も気になるキャラクターとなることは間違いありませんね!
あらすじ
ベジータを上回る潜在能力を誇り、エリート戦士と同じ育児室で育てられるブロリーをベジータ王は警戒して、辺境の小惑星バンパに星飛ばししてしまいます。
パラガスは我が子を追いかけますが、宇宙船の故障で2人とも脱出することができなくなり、実に41年もの間この小惑星バンパで過ごすことになります。
そんな2人を見つけ出したのはフリーザ軍のチライとレモ。
フリーザ軍の戦闘員とするためブロリーとパラガスをフリーザの元へ連れていきます。
フリーザはベジータ王に恨みを持つパラガスに目を付け、ブロリーを地球のサイヤ人・孫悟空とベジータにぶつけることを思いつきます。
そして、そこからサイヤ人vsサイヤ人の超絶バトルが開幕します!
本作の見所
今回のドラゴンボール集め
『ドラゴンボール』なので、今回もタイトル通りドラゴンボール集めは行われています。
ブルマが6つまで集めていたドラゴンボールを、フリーザが孫悟空たちにも察知されないような弱い戦闘員を派遣して盗み出します。
そう、ブルマとフリーザの2人がドラゴンボールを取り合っているのですが・・
その願いがまた他愛のなものなのです。
ブルマの願いは5歳だけ若返ること。旦那であるベジータがあまり見た目に年を取らないので気持ちはわかりますが、じゃあもっと若返ればいいのにとウィスは疑問を呈します。
「一気に若返ったら不自然でしょ!」
なるほど、急激に若返って整形を疑われたくないようですね。(笑)
そしてフリーザの願い。
ベジータはそんなの不老不死に決まっているだろうと決めつけていますが、どうやら違うようです。
フリーザは、フリーザ軍の科学者・キコノに願いを推測させて楽しんでいますが、世話役のベリブルに言い当てられてしまいます。
「身長を伸ばしたいのでございましょう?」
なんとチビであることを気にしていたフリーザ。(笑)
第二形態であれば十分な高身長のフリーザですが、普段や最終形態の姿で5センチだけ大きくなりたいのだとか。
そんなフリーザにキコノは何故たった5センチなのかと疑問を呈します。
「一気に大きくなったんじゃ不自然でしょ!」
「まだ成長している感じにしたいんです!」
気まずそうなフリーザの願いは、どうやらブルマと同じレベルだったようですね。
というか思考回路まで同じです。(笑)
サイヤ人とフリーザの因縁
孫悟空、ベジータ、そしてブロリーの赤ん坊の頃のエピソードにも注目です。
ベジータ王に警戒されて小惑星バンパに星飛ばしされたブロリーや、フリーザの陰謀を警戒する孫悟空の両親・バーダックとギネの手によって、地球に星飛ばしされる孫悟空。
実は孫悟空のエピソードは今回の映画の本筋とはあまり関係ありませんが、ギネが初めてアニメ化されたのは興味深かったですね。
ブロリーの戦闘力
過去作のブロリーは、最初は隠していたものの最初から超サイヤ人になれましたが、今作のブロリーやパラガスはそもそも最初、超サイヤ人のことすら知りませんでした。
しかもブロリーは対人戦等の経験が乏しく、ベジータを相手に慣れない戦闘を強いられることになります。
しかし・・
最初は通常状態のベジータを相手に苦戦しますが、すぐに慣れ始めてきます。
ベジータが超サイヤ人になれば、それにも通常の状態のままで追いついてくるブロリー。
ベジータが超サイヤ人ゴットになった時点で、やっと通常の状態では追いつけなくなるのですが・・
それにも大猿のパワーを大猿になることなく使える変身で追いついてきます。ブロリーの成長は留まることを知らず、超サイヤ人ブルーになってやっと抑えられるくらいになっていました。
しかも、忘れてはいけません。ブロリーはまだ超サイヤ人にすらなっていないのです。
それをフリーザがブロリーの更に上を見たい好奇心で、パラガスを殺して大げさに騒いで見せます。クリリンを殺された時の孫悟空と同じ状況を再現しようとしたわけですね。
闘いながら徐々に強くなっていくブロリー。これは今までなら孫悟空たちが敵キャラ相手に見せていたパターンですが、今回の孫悟空は強くなっていく相手を見せつけられる側に立っているのが面白いですね。
前述したとおり、そのキャラクター性も幼い頃の孫悟空に近いブロリーですが、この相手に合わせて強くなっていくのも孫悟空と同じです。
ただし、そのスピードが驚くほど速く、孫悟空が何年もかけて歩んだ道を一瞬で踏破しているようなイメージでしょうか?
懐かしのゴジータ
伝説の超サイヤ人のブロリーに苦戦する孫悟空とベジータは、ブロリーをフリーザになすりつけて(笑)、ピッコロの元に瞬間移動で一時退避します。
これはもうフュージョンで合体するしかないとベジータを説き伏せる孫悟空。
「愛するブルマが死んじまってもいいんか?」
孫悟空ぽっくないセリフですが、どちらかと言えばベジータの扱いがわかった上でのセリフと言う感じですね。
恥ずかしがるベジータを渋々承諾させ、ついに孫悟空とベジータはフュージョンすることになりました。
ですが、フュージョンと言えば失敗してデブになったりガリガリになったりするのがお約束というもの。
最初は指がズレてデブっちょになってしまったので、30分後に仕切り直しです。
そして30分後、今度は体勢の角度がズレてガリガリになってしまいます。
またまた30分後に仕切り直しですね。
省略されてしまっていますが、フリーザが結構な長時間耐えているのが流石です。
毎度のことですが、フュージョンが絡むとドラゴンボールって途端にギャグっぽくなりますよね?
とにもかくにも、ドラゴンボールの正史としては初めてゴジータが登場します。
ちなみに、このゴジータの登場シーンでは珍しいウィスの戦闘シーンが見られます。まあ、そうはいっても襲い掛かるブロリーの攻撃を軽々と避けているだけですけど。
戦いの決着
「ひ・・・卑怯な!」
誰のセリフかって合体した孫悟空とベジータを見たフリーザのセリフです。ゴジータも呆れ顔でツッコミを入れていますが、本当に良く言えたものですね。(笑)
ともあれ、ゴジータとブロリーの互角の攻防が目まぐるしく繰り広げられますが、徐々にブロリーの方が対応しきれなくなってきます。
ゴジータのトドメのかめはめ波に、怯えたような表情を見せながらもなすすべのないブロリーだったのですが・・
そもそも今回のブロリーはただの破壊と殺戮を繰り返すような人間ではありませんでした。だから、ブロリーを助けようとする奴らもいたのです。
「このままじゃブロリーはやられる!」
「ブロリーは本当は心優しいサイヤ人なんだ。死なすわけにはいかないよ!」
彼らから見たらゴジータの方が、善良なブロリーを殺そうとする悪に見えたのかもしれませんが、彼らはこの状況をただ黙って見ているだけではありませんでした。
フリーザを裏切り、土壇場で神龍を呼び出してブロリーを元いた小惑星バンパに戻すように願います。
結果、ブロリーは間一髪ゴジータのトドメの一撃を回避し、懐かしい景色の広がる小惑星バンパにたどり着いたことで理性も取り戻しました。
そういうわけで、戦いの決着自体は何とも煮え切らないものとなってしまいましたが、個人的にはブロリーが死ぬことなく結末を迎えて良かったと思います。
エピローグ
フリーザは最初、裏切り者のチライとレモを処分しようとしますが、ゴジータに止められて見逃すことにしたようです。裏側では虎視眈々とチライとレモがブロリーを制御できたら、都合よく自分の戦闘員にできるのではないかと考えているようですね。
チライとレモもブロリーを追って小惑星バンパに来ていて、ブロリーと共にいることにしたようです。
そして、瞬間移動で小惑星バンパに差し入れに現れた孫悟空。ブルマから預かったカプセルや仙豆をブロリーたちに託します。
このシーンを見て気付きましたが、瞬間移動を使えるゴジータは神龍によって小惑星バンパまで移されたブロリーを追ってトドメをさすこともできたはず。
それをしなかったのは、理性を失っていようが基本的にはブロリーが善性であると気付いていたからなのかもしれませんね。
いやはや、ナニコレこの後どうなるのかがメッチャ気になる展開!
ドラゴンボール、続編があるのか否かは不明ですが、否が応にも期待してしまいますね!
ブロリー、そしてチライやレモがストーリーに絡んでくると、『ドラゴンボール』がまた今までとは違った面白さを見せてくれるような気がします。
ビルス様はお留守番
ちなみに、今回ドラゴンボール探しに面白がって付いてきたウィスと違って、嫌がったビルス様はお留守番でした。
ブルマに赤ん坊(ブラ)の面倒を見ることを押し付けられて。(笑)
総括
いかがでしたでしょうか?
過去作のブロリーとはだいぶ違っているので賛否両論あるような気もしますが、個人的には今回の新しいブロリーがとても魅力的なキャラクターに感じられました。
孫悟空が闘う強敵は毎度のことながら大抵が悪人ですが、孫悟空も別に強い奴と戦いたいだけで悪人を求めているわけではありません。
そういう意味では、今回のブロリーはまさに孫悟空が求めている強い奴としても最も相応しいキャラクターだったのではないでしょうか?
『神と神』や『復活のF』も良かったのですが、間違いなく『ドラゴンボール』の劇場版史上で最高の作品だったと思います。
ちなみに、フリーザが「また来る」と言っていたり、孫悟空がブロリーに対して今後も積極的に関わっていこうとするような姿勢を見せていたりするので、もしかしたら本当に何かしらの形で続編があるのではないかと期待してしまっています。
何か最近、子供の頃に『ドラゴンボールZ』を見ていた時以上に『ドラゴンボール』が好きになってきているので、続編があったらとても嬉しいと思います!