囲碁におけるスランプと脱出方法についての考察
こんにちは!
囲碁が大好きだけど、半年ほどずっとスランプ気味だったところからやっと脱出できそうなあるいはと申します。
ある程度真面目にやり始めてから10年、最初に興味を持ってからだと20年近くになる囲碁ですが、その成績にはどうしても波があるような気がします。
僕の場合、基本的にはネット碁しか打たないのでほとんど同じ棋力の相手とマッチングされることになるのですが、自分でも驚くほど勝ち続けることができることもあれば、打っていて相手が自分より強いとまでは思えないのに勝敗だけを見ると負けが続いているような時期もあったりするものです。
恐らく、大なり小なり誰にでもあるのではないでしょうか?
僕の場合、平均的には2~3段の棋力なのですがかなり棋力の揺れ幅が広くて、調子の良い時は四段でも勝てるけど、調子の悪い時は初段でも負けることがあるような感じです。
調子の良い時の自分の実力こそが本当の実力なのだと、そんなことを言いだすつもりは更々ありませんけど、どうしたって考えてしまうことがあります。
この調子の良い時がいつまでも続けば良いのにと。
そして今まで勝てていた棋力の相手に勝てなくなる現象なんて起きなければ良いのにと。
本記事ではこの棋力の波と、スランプの原因、そして脱出方法について考察していきたいと思います。
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そもそも棋力の波は悪いものではない
今まで勝てていた棋力の相手に勝てなくなる現象なんて起きなければ良いのに。
そんな風に言いましたが、実のところ棋力に波がある状態自体は当然のものであり、そもそも悪いものではないと思っています。
なぜならば、棋力に波がある状態があるからこそ棋力が向上していくと思うからです。
棋力とは、ある日突然強くなるようなものではありません。
かといって徐々に強くなっていくというのも違う気がします。
これは個人的な感覚であり、人によっても違うかもしれませんが、僕の場合はスランプから脱出した時にこそ強くなったという感覚があります。
なんというか、今まで勝てていた相手にも勝てなくなるほどの絶不調。そこからようやく勝てるように戻ってきたという時に、何故かそのまま今まで勝てなかった相手にも勝てるくらいの好調期に突入することがあるんですよね。
だから、たぶん棋力ってやつは強くなったり弱くなったりの波を繰り返しながら、少しずつジャンプアップしていくものなのではないかと思うのです。
そう考えると、弱くなっている期間はツライですけど棋力の波は悪いものではないことが分かりますね。
つまり、スランプそのものは避けられないものであり、考えなければいけないのはスランプにならない方法ではなくスランプとの付き合い方なのだと思います。
スランプのキッカケと原因
囲碁においてスランプに陥る時、そのキッカケは棋力向上のための何かをしている時と重なることが非常に多いです。
人にもよりますかね?
少なくとも、僕の場合は何か新しいことを勉強したり、いままでしなかった打ち方を試している時にスランプに陥ることが多いです。
棋力向上のための努力をして、いきなり成績が上がったことなんてほとんどなく、大抵そこがスランプの入り口になっているのですね。
いきなり成績が上がった例外はヨセの勉強をした時くらいでしょうか?
新しいことを覚えるのと身に付けるのは別物で、こういうケースでは身に付いていない打ち方をしているわけなのですから、勝てなくなるのは考えてみれば当たり前の話ですね。
それがスランプに陥るキッカケのひとつであることは間違いないと思います。
つまり、スランプから脱出した時に棋力が向上していることが多いのは、勉強したり新しい打ち方を試したりしていたことが身に付きつつあるからなのかもしれません。
棋力の波に合わせて棋力がジャンプアップするのは根拠がない話ではないのです。
考えてみれば当たり前の話。
スポーツだって同じですよね。
ランニングフォームを変えたからといっていきなり足は速くなりませんし、ポジションを変更してから早々に成果を発揮する選手は数少ないです。
このケースだとむしろ最初は成績を落とすことでしょう。
さて、スランプに陥るキッカケは分かりましたが、そこから抜け出せない原因は別にあると思います。
それこそ千差万別の原因があると思いますが、共通するのはスランプから脱出しようという想いの空回りが根本にある点だと思います。
勉強が過剰になる
スランプ気味になってくると、何とか勝てるようになりたくてより一層勉強に励むようになります。
しかし、スランプに陥るキッカケがそもそも身に付いていない何かが自分の中にあるからなのだとしたら、これは下手をすると逆効果になりかねません。
身に付いていないことを増やすことになってしまうわけですから、下手をしたら更に酷いスランプのキッカケになりかねませんよね?
よほどの天才でもない限り、人間が一度に身に付けられることには限りがあります。
スランプの時に焦って新しいことを身に付けようとするのは控えた方が良いのかもしれません。
強気な手が増える
負けが続けば続くほど、なんとか勝ちたくて読みの裏付けも無い雑な強い手を打ってしまいがちになります。
強い手ではあるので、それでたまたま勝てることも少なくないのですが、雑な打ち方ではあるのでどうしても一気に潰れた碁になってしまいがちで、これではスランプを脱出することはできません。
雑な打ち方なので、身に付いていないとはいえせっかく勉強したことも活かせませんしね。
考えてみれば好調な時って凄く冷静に打てていることが多いですが、この打ち方が雑になっている状況はその対極の状態なのだと思います。
弱気な手が増える
強気な手だけではなく、弱気な手が増えるものスランプ時の特徴です。
要はバランスを欠いているのですね。
雑な手で相手に潰されてしまうような碁を打っていると、何とか冷静に打とうとして逆に弱気になってしまう現象ですね。
これは、そういえば『ヒカルの碁』でヒカルがスランプに陥っていた時に佐為が指摘していたスランプの原因と同じですね。
手控えして僅差の負けが増えるという状況。
昔『ヒカルの碁』を読んだ時はピンときませんでしたが、まさに佐為の言っている通りの負け方を繰り返すようなことってマジでスランプ時に多いんですよね。
これも強気で雑な手が増えることに比べたらマシな状況ですが、つまりは自分の読みに自信が持てなくなっている状態なので精神的なところが強い原因となります。
そういう意味では他の原因に比べると意識的な改善が難しいのかもしれません。
スランプからの脱出方法
スランプの原因を3つほど考えてみましたが、結局のところスランプから脱出しようという想いの空回りが根本であることは前述した通りです。
それに原因が見えてきたところで、かなりの部分が意識的に改善できる可能性があるものであることも既に分かっているのではないかと思います。
勉強が過剰になることについては、これは分かってさえいたらコントロールは簡単ですね。
新しいことを身に付けようとするような勉強は控えて、勉強するとしたらスランプに陥るキッカケとなった勉強の復習に集中するべきなのだと思います。
しかし、強気で雑な手が増えたり、弱気な手が増えることについては精神的なものなのでコントロールが非常に難しいです。
というか、ハッキリ言ってできません。
こういうコントロールが上手な人もいるかもしれませんが、僕には少なくともできませんでした。
それではどうするのか?
意識的にできる解決策としては、言い方は悪いですが・・
逃げてしまえば良いのですよ。
こういう時、一度打ち始めると勝つまでやめられない現象が発生してしまいがちだったりしますが、負ければ負けるほど酷くなっていくものです。
だから打たないようにする。
これなら意識的にできますよね?
負けが続いている状況って、短期間に負けが続くから精神的に来るのですよ。
だから、連敗している事実は変わらないのに時間が経ったら意外とリセットされたような精神状態になっているもので、久しぶりに打つと「あれ?」って思うくらい冷静に打てて、簡単に勝てるようになっていたりすることがあるのです。
ひとつ難があるとすれば、こういうスランプに悩んでいる人ってそんな悩みがある時点で囲碁が好きなはずなので、一度対局しないようにするということ自体が苦痛となる可能性があることくらいですが、それでスランプを脱することができるのであれば易いものですよね?