『名探偵コナン』映画版作品の全て! 名作揃いの超エンターテイメント
長寿アニメの中には、毎年定例的に映画版作品が制作されている作品も少なくありません。
そういった作品には『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』『ポケットモンスター』『プリキュア』など比較的低年齢層向けの作品が多いのが特徴ですが、そう言う意味で『名探偵コナン』の映画版作品は少々特殊ですよね。
普通に大人でも楽しめるエンターテイメントになっているというか、そんな気がします。
実際、低年齢層向け作品を観に来ている大人は子連れの保護者が大半ですが、『名探偵コナン』は大人だけで観に来ているのを多く見かけます。
僕も毎年楽しみにしていますが、本記事では過去にどのような作品があったのかを全作品振り返っていきたいと思います。
特に最初期の作品はテレビで放送されたものを録画したビデオテープ(古い!)を擦り切れるほど観たので、思い返すとめっちゃ懐かしかったです。
過去作品を観たことがある人は僕と同じように懐かしい気持ちに、観たことが無い人は「こんな作品あるんだ~」と興味を持つきっかけになれば幸いに思います。
毎年ではありませんが、怪盗キッドや黒の組織など、特定のキャラクターや組織がテーマになっていることが多いので、そういった所の分類もしていますよ!
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- 23.紺青の拳(2019年)
- 22.ゼロの執行人(2018年)
- 21.から紅の恋歌(2017年)
- 20.純黒の悪夢(2016年)
- 19.業火の向日葵(2015年)
- 18.異次元の狙撃手(2014年)
- 17.5.ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE(2013年)
- 17.絶海の探偵(2013年)
- 16.11人目のストライカー(2012年)
- 15.沈黙の15分(2011年)
- 14.天空の難破船(2010年)
- 13.漆黒の追跡者(2009年)
- 12.戦慄の楽譜(2008年)
- 11.紺碧の棺(2007年)
- 10.探偵たちの鎮魂歌(2006年)
- 9.水平線上の陰謀(2005年)
- 8.銀翼の奇術師(2004年)
- 7.迷宮の十字路(2003年)
- 6.ベイカー街の亡霊(2002年)
- 5.天国へのカウントダウン(2001年)
- 4.瞳の中の暗殺者(2000年)
- 3.世紀末の魔術師(1999年)
- 2.14番目の標的(1998年)
- 1.時計じかけの摩天楼(1997年)
23.紺青の拳(2019年)
映画情報
キャッチコピー①:Never let you go... "もう決して、あなたを離しません──"
キャッチコピー②:真実VS奇術VS蹴撃 雌雄を決する三位一体(トリニティ)バトルミステリー
分類:怪盗キッド、京極真
主題歌:BLUE SAPPHIRE(HIROOMI TOSAKA)
興行収入:未定
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京極真が初めてメインを張っている劇場版作品が『紺青の拳』となります。
何といっても『紺青の拳』の特徴はその新鮮で真新しい所となります。
ピックアップされて登場しているメイン級のキャラクターは、怪盗キッド、京極真、鈴木園子と名探偵コナンにおいては古参と呼べるキャラクターばかり。
例えば前作『ゼロの執行人』では公安という真新しいテーマを携えていたりと、そういう部分に新鮮さがありました。
ところが『紺青の拳』はそうではありません。
昔ながらのキャラクターの関係性や言動、そして舞台やシチュエーションを工夫することによって新しいものを作り出すことに成功した一例なのではないかと思うのです。
そこまで目立ったキャラクターではない京極真を活かしきっていますし、コナンが怪盗キッドの協力者になっている理由付けも自然なもので面白かったです。
個人的には今まで『ベイカー街の亡霊』こそが屈指の名作だと思っていましたが、本作品でハッキリとそれは更新されたと思います。
22.ゼロの執行人(2018年)
映画情報
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公安の安室透の不可解な行動と毛利小五郎の逮捕を巡る騒動が見所なのが『ゼロの執行人』となります。
公安の在り方にかなり踏み込んだ内容の映画で、映画版『名探偵コナン』で公安がメインで活躍する映画が初めてであるにもかかわらず興行収入100億に迫る大ヒットとなりました。
やっぱり、比較的新しいキャラクターの活躍に新鮮味があったことと、毛利小五郎の逮捕というショッキングな内容に興味を惹かれた人が多かったのでしょうか?
毛利小五郎を助けるために頑張る妃英理と蘭の親子にも注目ですが、毛利小五郎の逮捕に焦ってイライラしてしまい灰原哀に当たってしまうという珍しいコナンも見られます。
また、IOTテロという時代を感じさせるような手口の犯罪が描かれているのも面白い所ですね。
最後には安室透がなぜ毛利小五郎を逮捕させるような操作手段を取ったのか理由が明らかになりますが、あんなこと言われたらコナンとしては反論ではなく苦笑しかでてこなだろうって理由なのが良いと思います。
21.から紅の恋歌(2017年)
映画情報
キャッチコピー①:待っとれ 死んでも守ったる
キャッチコピー②:ふたひらの運命を引き裂く哀しき歌―紅に染まる巡恋(チェインドラブ)ミステリー
分類:大阪組
主題歌:渡月橋 〜君 想ふ〜(倉木麻衣)
興行収入:68.9億
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映画版『名探偵コナン』史上で最もラブコメ要素が強いのが『から紅の恋歌』という作品になります。
また、『迷宮の十字路』以来14作品ぶり、久々に服部平次がメインで活躍する作品ですが、『迷宮の十字路』もまたラブコメ要素の強い作品で、服部平次がメインの作品はラブコメ要素が強いというのが定番化しそうですね。
まあ、はっきり『から紅の恋歌』の方がラブコメを前面に押し出していて、服部平次や遠山和葉のファンには嬉しい内容だったのではないでしょうか?
僕は名探偵コナンのヒロインの中では遠山和葉推しなので、映画版『名探偵コナン』の中でも『から紅の恋歌』はかなり上位に来る好きな作品となります。
百人一首というテーマも作品に合っていると思います。
しかし、ラブコメ要素が強いといっても映画版『名探偵コナン』の魅力であるミステリー、アクションだって十二分な見所となるところです。
序盤のTV局からの脱出劇、ラストの皐月堂での救出劇は大迫力です。
素晴らしいバランス感覚の名作だと思います。
20.純黒の悪夢(2016年)
映画情報
キャッチコピー①:黒に染まれ
キャッチコピー②:ダブルフェイスはここまでだ
キャッチコピー③:暴かれたダブルフェイス!宿命が導く、頂上決戦ミステリー!!
分類:黒の組織、FBI
主題歌:世界はあなたの色になる(B'z)
興行収入:63.3億
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初めて黒の組織とFBIが対峙する映画版『名探偵コナン』が『純黒の悪夢』という作品となります。
原作でも盛り上がる組み合わせですが、映画版『名探偵コナン』では初めてですね。
公安警察の安室透やCIAの水無怜奈も初登場し、黒の組織と敵対する組織が勢揃いの豪華な内容になっています。
また、FBIの赤井秀一も本格的な登場は初めてで、途中安室透と敵対したり、最後にはコナンが観覧車を止めるのを助けたり、その活躍は見所の一つです。
また、『純黒の悪夢』には新しい黒の組織のメンバーであるキュラソーが初登場しますが、最初にコナンと出会った時には逃亡中の事故で記憶喪失になっていて、少年探偵団と楽しく過ごしたりと今までの黒の組織のメンバーとは違ったアプローチの関わり方をしているのが面白い点。
キュラソーは記憶を取り戻し、更には灰原哀がシェリーであることも見抜いてしまうのですが、少年探偵団との思い出も相まって黒の組織を裏切る結果となります。
最後にはその思い出も黒焦げになってしまうのですけどね。
豪華で賑やか。アクションも大迫力なんだけど、何とも切なくて哀しい映画版『名探偵コナン』でした。
19.業火の向日葵(2015年)
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怪盗キッドへの深掘りがかなり進んだ感じがするのが『業火の向日葵』という作品となります。
怪盗キッドと関連の深い鈴木次郎吉がコナンより先に登場したり、中森警部が初めて映画版『名探偵コナン』のポスターに描かれたり、更には怪盗キッドの助手である寺井黄之助が映画版『名探偵コナン』に初登場したりします。
また、『まじっく快斗』の原作にすら登場しない寺井黄之助の若かりし頃が描かれている点にも注目ですね。
そういうわけでかなり怪盗キッドに迫った作品になっているのですが、宝石ではなく絵画を狙ったりといつもとは異なる行動をしていたり、または一見いつもとは違う危険な犯罪を行っているように見える点に注目が集まります。
最後の怪盗キッドとコナンが協力しての脱出撃破見所の一つだと思います。
18.異次元の狙撃手(2014年)
映画情報
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登場人物に新鮮さが感じられるのが『異次元の狙撃手』という作品となります。
登場人物とその役割がテンプレ化しつつあった映画版『名探偵コナン』。
もちろん、そういう様式美も良い部分なのですが、比較的新しいキャラクターがキーパーソンになっていることで感じられる新鮮さも素晴らしいと思います。
意外と古参でありながら映画版『名探偵コナン』には初登場となるFBAメンバー、それに本作品のキーパーソンとなる世良真純と沖矢昴も初登場になっています。
特に原作に先駆けて沖矢昴の正体に迫っている点には大注目。
変声機を介さずに発せられる沖矢昴の声と、その会話相手が彼の正体を示していますね。
今までも映画版『名探偵コナン』で重要なネタバレを示唆するような予告とかはあったものの、さすがにそういう部分は無難に纏められていただけに、『異次元の狙撃手』での原作に先駆けたネタバレには驚いた人も多いと思います。
17.5.ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE(2013年)
映画情報
キャッチコピー①:この世に 解けない謎 盗めない宝は … 塵ひとつ存在しねぇ!!
キャッチコピー②:今世紀最大の宿命の対決
キャッチコピー③:やっぱ、ルパコナでしょ。
分類:番外編
主題歌:なし
興行収入:42.6億
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『ルパン三世』と『名探偵コナン』という2つの人気作品がコラボしているのが『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』という作品となります。
2009年には本作品の前作となる『ルパン三世VS名探偵コナン』がTV放送されましたが、こちらが『ルパン三世』の世界観が主軸になっているのに対して、本作品は『名探偵コナン』側の世界観が主軸になっているのが特徴で、ナンバリングの映画版『名探偵コナン』並に登場人物がにぎやかで、本作品が初登場となるレギュラーキャラクターもかなり多いです。
次回作の『異次元の狙撃手』に先駆けてFBIの面々が初登場しているのが、『異次元の狙撃手』への期待度を高める結果になっていたのを覚えています。
『ルパン三世』と言えばシリアスとコミカルのバランスが絶妙な作品という印象が強いですが、このバランス感覚を『名探偵コナン』にまで良い形で反映させた形になっていて、ルパンキャラとコナンキャラの掛け合いがとても面白い。
前作から引き続き、特にコナンと次元大介の掛け合いが思わず吹き出してしまうようなものになっているのを筆頭に、佐藤刑事とルパン、少年探偵団と石川五ェ門、灰原哀と峰不二子など、こういうお祭り的作品ならではの組み合わせが魅力的です。
17.絶海の探偵(2013年)
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劇場版で初めてのスパイミステリーが『絶海の探偵』となります。
船の上のミステリーという意味では『水平線上の陰謀』以来でしょうか。
『天空の難破船』以来しばらくは少年探偵団が大きく活躍するような、緊張感の中にもどこかほのぼのとした雰囲気も混じったような作品が続きましたが、久々に緊張感のある大人のミステリーって感じの作品になっています。
また、本作品のキーパーソンの1人である藤井七海をゲスト声優である柴咲コウが演じているのも異色なところ。
これまでも多くのゲスト声優が登場している映画版『名探偵コナン』ですが、ここまで重要なキーパーソンを演じるのは『絶海の探偵』での柴咲コウが初めてとなります。
コナンの実力を見抜く優れた観察眼を持つ女性です。
また、スパイXと蘭の格闘も見所。今まで蘭が大立ち回りをすることは大概の犯人にとって追い詰められることとイコールでしたが、空手の関東大会優勝者である蘭をして強いと思わせる実力者がスパイXとなります。
敗北して海に落ちてしまった蘭の捜索もまた、緊張感のある見所の一つです。
16.11人目のストライカー(2012年)
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Jリーグ20周年記念プロジェクトとのコラボ作品ということもあり多数の現役プロサッカー選手が本人役でゲスト出演したのが『11人目のストライカー』という作品です。
コナンと言えばサッカーボールを武器の一つにするくらいのサッカー少年という印象が強く、原作でも少なからずサッカーが絡む事件が描かれていますが、映画版『名探偵コナン』では初めてとなります。
ビルやタワーがラストの舞台になることの多い映画版『名探偵コナン』ですが、サッカースタジアムが舞台になっているのが異色な所ですね。
また、『天空の難破船』と同じく殺人事件の発生しない作品になりますが、なかなかに緊張感のある爆弾事件になっています。
阿笠博士による映画版恒例のダジャレクイズが推理のヒントに絡んできているのも面白いですし、爆弾予告の中に指定されたプレーをすることがあったり、とことんサッカーを絡めてくる所も興味深い作品だと思います。
15.沈黙の15分(2011年)
映画情報
キャッチコピー①:生き延びるんだ、絶対に・・
キャッチコピー②:ラスト15分、予測不可能!
キャッチコピー③:生きてたら、また会えるぜ
分類:その他
主題歌:Don't Wanna Lie(B'z)
興行収入:31.5億
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劇場版では初めて雪国が舞台となるのが『沈黙の15分』となります。
15歳だけど崖からの転落事故で8年間意識を失っていて精神は7歳の子供のままの少年がキーパーソンとなるのですが、「見た目は子供、頭脳は大人」のコナンとは逆パターンという対比が、若干不謹慎ではありつつも面白いと思いました。
そして、そういう中身が子供の少年がキーパーソンとなることもあり、少年探偵団のメンバーの活躍が目立つ映画で、灰原哀とコナンがスノボーで犯人に狙撃される少年探偵団を追いかけるシーンなんかは見所の一つだと思います。
また、タイトルの『沈黙の15分』の意味は本当にラストに明らかになります。
爆破されたダムから流れた水が村に向かっている。それを止めるためにコナンは雪崩を意図的に起こすことで雪崩で水の流れを変えることに成功するのですが・・
当のコナンは雪崩に巻き込まれて行方不明に。
雪崩に巻き込まれた人の生死を分ける境目が15分と言われており、後1分というタイミングになっても見つからないコナンというシチュエーションが、派手さはないものの他の映画版『名探偵コナン』とは違う緊迫感がある作品だったと思います。
14.天空の難破船(2010年)
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怪盗キッドのコミカルな部分が見られるのが『天空の難破船』となります。
怪盗キッドは『探偵たちの鎮魂歌』にも登場していますが、メインで登場するのは『銀翼の魔術師』以来で意外と久しぶりとなります。
また、これまでの映画版『名探偵コナン』に比べるとコメディよりになっているのが特徴で、殺人事件が1度も発生していない初めての映画版だったりします。
飛行船のハイジャック犯と対決が物語の主軸ですが、何より怪盗キッドが面白い。
これまで、『名探偵コナン』での怪盗キッドしか知らなかった層にとっては、怪盗キッドはクールでミステリアスなキャラクターだという印象だったことと思われますが、怪盗キッドが主人公だった『まじっく快斗』という漫画を知っている人にとっては、怪盗キッドはもっとコミカルなキャラクターのはずでした。
そんなコミカルな怪盗キッドが、映画版に限らずこの頃から見られるようになってきたのですね。
特に新一の変装をした怪盗キッドがコナンを抱えて飛行船に飛び移るシーンは、それだけ聞くと結構なアクションシーンですが、なかなか面白いコメディシーンに仕上がっている見所の一つです。
13.漆黒の追跡者(2009年)
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神谷明さんが演じる毛利小五郎が登場する最後の映画版が『漆黒の追跡者』という作品です。
5作目の『天国へのカウントダウン』以来、久々の黒の組織の登場となりますが、今後怪盗キッドと並んで黒の組織が登場するのは定番の一つになってきます。
コナンは勇敢な名探偵ですが、実は失敗しているもののかつて自分を殺そうとし、今も正体がバレたら命の危険がある黒の組織には本能的な恐怖心は持っているようで、『漆黒の追跡者』ではそういう部分が描かれています。
灰原哀のそういう部分は散々描かれてきていますが、灰原哀ほどではないとはいえコナンのそういう部分は珍しいので、この映画の見所の一つだと思います。
しかし、最大の見所はコナンが黒の組織にかつてないほど追い詰められてしまったところでしょう。東都タワーで軍事ヘリから逃げるコナンは、間違いなく最大のピンチだったのではないでしょうか?
12.戦慄の楽譜(2008年)
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アクションではなく音楽が主題になっているのが『戦慄の楽譜』という作品です。
主人公のコナンが音楽が苦手なこともあり、逆に音楽関連の事件が多めの印象がある『名探偵コナン』ですが、映画版としては『戦慄の楽譜』が唯一ですね。
また、コナンに絶対音感があることが明らかになる作品でもあります。
音痴なのに絶対音感があるのかといえば、そういうこともあるようですし、実は原作序盤の月影島の事件でもその片鱗は見せていました。
いつものレギュラーメンバーではなくゲストキャラの秋庭怜子が一番おいしいラストシーンでコナンとタッグを組んでいたり、それは他の映画版『名探偵コナン』にはあまり見られない見所だと思います。
アクション的な見所は少なめですが、最後の声で電話をかける発想は『戦慄の楽譜』という音楽が主題の映画ならではで非常に良かったと思います。
11.紺碧の棺(2007年)
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蘭と園子の友情に注目なのが『紺碧の棺』となります。
他の映画版『名探偵コナン』に比べて発生する事件のスケールが小さいことと、いつもは犯人に感じられる狂気のようなものが小さいこともあって、映画版『名探偵コナン』の中では低評価になってしまっているようです。
『紺碧の棺』は蘭と園子、そして少年探偵団が主役なので、怪盗キッドや黒の組織、それに警察やなんかが主軸にいるような作品よりはスケールを落とさざるを得なかったのかもしれませんね。
しかし、忘れてはいけません。蘭や園子が主役になっている点、少年探偵団が今までになく活躍している点など、他の映画版『名探偵コナン』にはない魅力があるのも確かなんです。
コナンと哀の掛け合いとかも良い感じだし、園子にスポットが当たる唯一の映画版『名探偵コナン』でもあります。
他作品との違いが低評価に繋がっているのであれば、そういう他とは違う作品はもっとあっても良いと思います。
10.探偵たちの鎮魂歌(2006年)
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映画版『名探偵コナン』の10周年記念作品と題されたのがこの『探偵たちの鎮魂歌』です。
トロピカルランドという遊園地で始まった『名探偵コナン』という作品において、こういうアミューズメント施設が舞台となった事件は何となく原点っぽく感じますが、だからなのかは分かりませんがミラクルランドという遊園地が舞台の一つになっていて、腕時計型のフリーパスが重要なキーになっています。
また、毎回登場しているメンバーに加え、有名な探偵たち、服部平次に怪盗キッド、そして警察関係者に、本当に数多くのキャラクターが登場していて、それぞれに見せ場があるのが特徴です。
登場人物の多さも相まって目まぐるしく場面が切り替わるので事件そのものに集中しきれないところもあるかなぁ~という所もありますが、どちらかといえばお祭り的な意味合いの方が強い作品なのだと思います。
9.水平線上の陰謀(2005年)
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前作『銀翼の魔術師』で空(飛行機)がきたと思った今度は海(船)の物語。
それが『水平線上の陰謀』です。
船が舞台と聞いただけでアクション重視の映画なのかと思いきや、後半アクションシーンはあるもののどちらかといえばミステリーの比重が大きい作品となります。
また、何と言っても映画版『名探偵コナン』において最も毛利小五郎が活躍する映画でもあります。
原作でも時たまコナンではなく、眠らない小五郎が事件を解決したこともありますが、『水平線上の陰謀』もまたそういう物語なんですよね。
小五郎の妻である妃英理によく似た容疑者を、彼女が犯人であるわけがないと捜査を進める内にほぼ単独で真相にたどり着き、コナン抜きで犯人を追い詰めています。
珍しく推理ミスしていたコナンの上をいった小五郎がとにかく輝いていた。それが最大の見どころとなる映画だと思います。
8.銀翼の奇術師(2004年)
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ラブコメ成分強めだった前作『迷宮の十字路』とうって変わって、アクション満載な内容になっているのが『銀翼の魔術師』となります。
また、怪盗キッドが登場するのは『世紀末の魔術師』以来2作品目となります。
大きな見所としては、いつもの如くハングライダーで逃亡する怪盗キッドを、リュックからパラグライダーを開いて追いかけるコナンという空中の追跡劇。
そして操縦士を失った飛行機の着陸を巡るアクション。
コナンと変装した怪盗キッドが操縦席で協力しているところも原作では見られない名シーンだと思うのですが、怪盗キッドは途中で蘭に操縦を交代して飛行機から飛び降りて逃げ去ってしまいます。
実はただ逃げたのではなく、このままでは着陸できないことに気付いた怪盗キッドは別の形で着陸の協力するのですが、それは観てのお楽しみということで。(笑)
そして、飛行機の乗客の命が蘭に懸かっているという極限状態、怪盗キッドの協力もありなんとか飛行機を着陸させます。
緊張感のあるラストシーンが素晴らしい作品だと思います。
7.迷宮の十字路(2003年)
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西の高校生探偵である服部平次。映画版『名探偵コナン』に初登場というわけではありませんが、メインで活躍するのは『迷宮の十字路』が初となります。
事件自体は『迷宮の十字路』以前の映画に比べると割と普通の事件(といっても映画版にふさわしい事件)なのですが、アクション控えめのラブコメ成分が多めになってなっているのが特徴となります。
服部平次の初恋の人探しという部分が物語の主軸に入っていて、『迷宮の十字路』の予告映像で何度も平次の初恋の女の子が鞠突きをしながら『まるたけえびす』を歌っている映像が流れていたのがめっちゃ印象に残っています。
非常に特徴的だったので、歴代の予告映像の中で一番記憶に焼き付いているかも。
そして、多くの人が「これ和葉ちゃんだよね?」って気付いていたのに服部平次がそう思っていなかったことから「あれ、似てるけど違うの?」とヤキモキされたものですが、結局この女の子は可愛く化粧してもらって髪を結ってもらった遠山和葉本人だったようです。
6.ベイカー街の亡霊(2002年)
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良い意味で原作の『名探偵コナン』という作品の枠をぶち壊した作品が『ベイカー街の亡霊』という作品となります。
VRの仮想現実の世界の中、プレイヤーである50人の子供たちが全員ゲームオーバーになってしまったら、全員現実世界には戻れなくなるというストーリーは、よくよく考えるとまさに『ソードアート・オンライン』の先駆けなのかもしれません。
そして、仮想現実の世界の中だからこそ、いつもとは違う『名探偵コナン』を違和感なく見られるのが魅力的です。
少年探偵団や蘭の死や「もう打つ手がない」と諦めかけるコナンなど、原作含め他の『名探偵コナン』ではまず見られません。
現実世界とは別に仮想現実の中にも勝利すべき犯人がいるというのも本作品の面白い所。
それに、単純にコナンのルーツである19世紀末のロンドン。シャーロックホームズやジャック・ザ・リッパーが存在している世界観が舞台になっているのも良いですよね。
基本的には海外に行けないコナンをゲームの中とはいえ海外へ誘った点も高評価。
かなり異色な作品ではありますが、屈指の名作であることは間違いないと思います。
5.天国へのカウントダウン(2001年)
映画情報
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黒の組織が映画版『名探偵コナン』に初めて絡んでくるのが『天国へのカウントダウン』となります。
黒の組織が絡んできたことで、舞台となるツインタワービルでは映画版『名探偵コナン』においては壮大なアクションも描かれるのだということが定番化したような気がします。
また、黒の組織が関係してきたということで、灰原哀にもフューチャーされていて、彼女の怪しい行動と、その哀しい理由も見所の一つです。
そして、灰原哀が物語の主軸にいることで結果的に少年探偵団も今まで以上に活躍しているという印象もありました。
特に、そんな少年探偵団が活躍するラストシーンは映画版『名探偵コナン』の中でもトップクラスに素晴らしい。
主要キャラクターの中では、初登場してから他のキャラクターと馴染むまでに長い長い時間の掛かる灰原哀ですが、『天国へのカウントダウン』はそんな第一歩って感じのする映画だったと思います。
4.瞳の中の暗殺者(2000年)
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他の映画版作品に比べるとアクション成分控えめミステリー成分多めなのが『瞳の中の暗殺者』という作品です。
徐々に警察関係者のキャラクターが増えてきている名探偵コナンですが、そんな警察関係者が物語の主軸に来ます。
というのも、警察官が次々と襲われる事件が発生し、そしてその犯人が警察内部にいるかもしれないと想定されていることから、まさに警察官づくしの事件だからです。
そして、タイトルの『瞳の中の暗殺者』というのがこの映画を見所ポイントを一言で表現された秀逸なものなんです。
実は、物語の序盤に犯人は停電中のパーティ会場のトイレで佐藤刑事を撃つのですが、これを蘭は懐中電灯を付けた自分のせいだと思い込んで、強い精神的ショックから記憶喪失になってしまいます。
そして、なぜか蘭が狙われるような事態になり、佐藤刑事が撃たれた時に蘭が犯人の顔を目撃していたのではないかという可能性が浮上します。
まさに、『瞳の中の暗殺者』という感じですね。
蘭を守りながら記憶の回復を目指すという、ハラハラする展開が魅力的な作品です。
3.世紀末の魔術師(1999年)
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映画版『名探偵コナン』においては定期的に登場することになる怪盗キッド。
西の高校生探偵の服部平治や、その幼馴染の遠山和葉、灰原哀に高木刑事も映画版初登場となっており、なかなか濃密な内容なのに多くのキャラクターに活躍の場があり、賑やかな作品だと思います。
インペリアル・イースター・エッグを怪盗キッドが狙っているというところから始まる本作品ですが、このインペリアル・イースター・エッグを狙っているのは怪盗キッドだけではありませんでした。
かつて『世紀末の魔術師』が公開された頃、怪盗キッドがラスボスの映画だと思っていましたが、そんな単純な物語ではありませんでした。
怪盗キッドの映画版『名探偵コナン』における関わり方の定番が本作品で出来上がったような気がしますね。
そして、1999年という世紀末だからこそ映えた『世紀末の魔術師』というタイトルがまた良いですね。
2.14番目の標的(1998年)
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毛利小五郎の関係者がトランプの手札になぞらえて次々と襲われてしまうというのが『14番目の標的』で発生する事件となります。
いわゆる本当の目的をぼやけさせるための見立てですね。
毛利小五郎が刑事を止めた理由にも触れられている点にも注目です。
刑事時代に実は相当な射撃の名手だった毛利小五郎は、ある事件で人質に取られた妃英理の脚を拳銃で撃ってしまっていたことが明らかになり、それが両親の別居の理由であると勘違いした蘭は、毛利小五郎のことが信じられなくなってしまいます。
実は、毛利小五郎が妃英理の脚を撃ったのは狙いを外した結果ではなくワザとで、とある合理的な理由もあって、妃英理もそれをわかっているのですが、それを知らない蘭からすれば不信感を持ってもしょうがないのかもしれません。
それがクライマックスで蘭が犯人に人質に取られるという、かつての事件と同じようなシチュエーションになり、毛利小五郎と同じ理由でコナンが蘭の脚を撃ち抜きます。
同じ状況に置かれることで、蘭は妃英理の脚を撃った毛利小五郎の意図を知ることになりました。
ちなみに、蘭の両親の別居の理由はもっと子供っぽい感じの理由でした。(笑)
1.時計じかけの摩天楼(1997年)
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記念すべき『名探偵コナン』映画版の第一弾ですが、既にらしさのようなものが出来上がっています。
基本的に謎解きがメインである本編に対して、まるでアクション映画のような雰囲気もある劇場版という、劇場版独自の空気感が感じられます。
『名探偵コナン』の劇場版作品は時たま工藤新一が登場することがありますが、実は工藤新一が一番フューチャーされている作品は、本人が登場するわけではないこの『時計仕掛けの摩天楼』だったりします。
というのも、この映画の犯人の犯行動機の一つには工藤新一への恨みがあり、工藤新一を指名して脅迫するようなことをしているからである。
また、今では完全にレギュラー化している白鳥刑事が本作品では容疑者の1人として登場している点も、最近の『名探偵コナン』しか知らない人にとっては驚きの展開かもしれませんね。