『ルパン三世 グッバイ・パートナー』次元の裏切りとシンギュラリティがテーマの最新作の感想(ネタバレ注意)
ついに放送されましたね!
お久しぶりのルパン三世テレビスペシャルの完全オリジナルストーリー『ルパン三世 グッバイ・パートナー』。
次元大介と対立するストーリーとあって、どんな話になるのかメッチャ楽しみだったので、普段はあまり見ないテレビにかぶりついて見ていました。(笑)
まあ、大方の予想通り訳ありの対立ではあったのですが、こういう一番の仲間同士の対立構造はやっぱり胸が熱くなりますよね!
さて、6年ぶりの完全オリジナルストーリーのテレビスペシャル版ということでしたが、この6年で大きく話題になったことがテーマの一つになっていたのが興味深かったですね。
見終わった後、真っ先に思い浮かんだ感想がそれでした。
本記事では、その辺りも踏まえて『ルパン三世 グッバイ・パートナー』の感想を書き記したいと思います!
割と盛大にネタバレもしているので、録画でこれから見るぞって人はご注意ください。
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本作の概要
アメリカはネバダ州のラスベガスのホテルにて、ルパンと内通し、ルパンの盗みを手助けした罪で銭形が逮捕されるところから物語は始まります。
浜辺で女の子たちと戯れるルパンの元に、銭形逮捕のニュースを持ってきたのは次元。
銭形の協力があったからこそ今までルパンは怪盗紳士足りえた。銭形の協力なくしてはコソ泥でしかないという報道に怒り心頭のルパンは、TVのニュース番組をジャックして銭形の協力を否定します。
そして、キャスターの「だったら指定したものを盗んで見せろ」の発言に「どんなものでも1週間以内に」と乗ってしまいます。
ここまで今回の黒幕であるロイ・フォレストの予定通りに。
ともあれ、量子コンピューターAIエミルカを起動するためのキーとなるダイヤモンド・タイムクリスタルを盗み出すことになったルパンですが、このタイムクリスタル自体は五ェ門とともに簡単に盗み出してしまいます。
しかし、そこからが本作品の見所。
別行動で今回の黒幕を探っていた次元が、黒幕は自分だと言ってルパンと五ェ門を攻撃。タイムクリスタルを奪い去ってしまいました。
次元はなぜルパンを裏切ったのか?
AIエミルカの起動後の世界は?
その辺りが『ルパン三世 グッバイ・パートナー』の見所となります。
本作の見所
次元大介の裏切り
さて、今回は最初から次元の裏切りがテーマの1つになっていましたが、それだけにむしろルパンと次元の息の合っている部分というか、一番の相棒という部分も目立っていたのではないかと思います。
最後まで見た後に、最初浜辺に銭形逮捕のニュースを持ってきた時の次元を思い出すと胸が熱くなること必至です!
もちろん、次元の裏切りには相応の理由があり、かなりの覚悟を以って裏切っていたことがわかります。
どうやら次元とゆかりのあるらしいショパンコンクールのファイナリストの少女・アリサが人質になっていて、次元の中ではルパンよりもアリサの方が優先順位が高かったようですね。
とはいえ長年連れ添った仲間。次元はわざわざ事前に、ルパンに炭素繊維を仕込んだライターを渡しておいて、ルパンの上着の胸ポケットにあるそのライターを撃つことで、完全な対立構造を演じつつもルパンを殺害したという事実だけを作り上げたりもしています。
しかし、愛銃マグナムをメンテナンスに出して異なる拳銃を使用するなど、次元らしからぬ行動を取っていたことで、ルパンも少々次元を警戒していたようで、ルパンから奪い去ったタイムクリスタルは偽物だったのです。
アリサもろとも危険な立場に陥ってしまった次元は・・
「ルパンは強敵だが次は本気で殺る」
あらためて覚悟を新たにします。
しかし、ルパンの胸を撃ち抜き、殺害したことをロイ・フォレストにも報告していたにも関わらず、ルパンの生存を確信しているセリフが憎いですね。
ルパンもかなり早い段階で次元の行動の理由に察しが付いていた様子で、対立構造でありながらも互いの理解が深いことが伺える作品だったと思います。
後半、再びルパンと次元がともに行動しているシーンはいつも通りといえばいつも通りのシーンですが、序盤の対立構造があってのいつも通りは、いつも以上に胸熱でしたね!
結果的にルパンと共謀しちゃった銭形警部
ロイ・フォレストの策略により、ルパンの協力者として逮捕されてしまった銭形警部。
世間への誤解の憤慨はルパン以上だったものと想像されますが、ルパンからロイ・フォレストの策略を知らされた銭形警部は、結局今回はルパンと共謀してしまいました。(笑)
留置所からの脱走、そして警察署ではルパンと五ェ門と大暴れ。
いやはや、頑固一徹に見えて実のところ柔軟性のある銭形警部、普通に好きです。
というか、銭形警部って誤解も何も今回に限らずけっこうルパンに協力していること多いですよね?
盗みの手助けというわけではありませんが、毎回悪役となるキャラクターが共通の敵みたいになっているケースが多いですし。
こういうあくまでも敵対関係であるにも関わらず、なりゆきで共闘するような関係のキャラクターって何か良いと思います。
やっぱり愛されキャラの五ェ門
今回は次元がメインの物語ですが、五ェ門もいつも通り活躍しています。
いや、むしろ前半次元が別行動だったこともありいつもより活躍が目立っていたような気もしますね。
そして、近年になって愛されキャラっぽさが増してきた五ェ門ですが、今回も例外ではありませんでした。
タイムクリスタルを盗み出す際には、ルパンは五ェ門の斬鉄剣を頼りにした大胆な作戦を立てていて、それにはしっかりと答えています。
しかし、いつもは全く隙の無さそうな五ェ門ですが、さすがに次元の裏切りは予期できてなくて後れを取ってしまいます。
クライマックスでもAIエミルカの隔壁に閉じ込められた際に、ドローンにやられてしまったり、出番も多くいつもより活躍していた感じではありましたが、その分不覚を取ったシーンも多いのがご愛敬ですね。
AIエミルカに、斬鉄剣の成分を分析されて、この隔壁が斬れるわけがないのにと指摘されていたのは誉め言葉でしょうか?
個人的には、何故か加藤にピアノが弾けるかと問いかけられて、戸惑いながら「尺八くらいしか・・」と答えていたシーンが地味に好きです。(笑)
どう考えても一緒にいた不二子の方が弾けそうなのに、なぜ先に五ェ門に聞いたんだ加藤・・
いつも通りブレない峰不二子
峰不二子が敵キャラの傍にいるのはいつものことですが、今回もやっぱり敵キャラであるロイ・フォレストの時計目当てに傍にいます。
まったくブレないキャラクター性ですが、今回は序盤に今までにないストレートヘア姿を見せていたのが印象的でした。
というか、喋るまで不二子だと気付かなかったくらい印象が違いますね。(笑)
いつものパーマ姿よりも若くて可愛らしかったです。
そして、今回は割と重要な活躍の場もありました。アリサと一緒にピアノを演奏することで、AIエミルカに対抗しているシーンが、どういう理屈なのかよくわからないものの美しかったです。
ショパンの曲とアリサ
今回のヒロイン・アリサ。
アリサ自身は最後までそのことを知ることはありませんでしたが、どうやらアリサの母親らしき人物が次元と訳ありっぽくて、アリサが次元に対しての人質になってしまいました。
ショパンコンクールのファイナリストになるほどのピアノの天才少女で、作中では『別れの曲』を頻繁に弾いていました。
AIエミルカのバックドアを起動するキーとなる『革命エチュード』もすんなり弾きこなす天才少女。
僕自身ピアノが好きで多少弾いたりもすることもあって、ピアノが上手い人って無条件に格好良いと思ってしまいます。
そういうわけで、思ったより活躍の場が少なかった割には個人的には好きなキャラクターでした。
登場する時に大体ショパンの曲が流れてるのとか反則ですよ~
シンギュラリティ
オペレーションR。ロイ・フォレストがAIエミルカのマスターとなり、世界規模でネットワークへの攻撃を開始するのですが、それ自体はアリサの活躍で割とすぐに解決します。
前述した通り、『革命のエチュード』がバックドアを起動するキーになっていて、AIエミルカの制御を取り戻すことに成功したからです。
しかし、そこでAIエミルカは暴走を開始します。
自立して人間の指示を受け付けなくなるAIエミルカ。
作中でも加藤が言及していましたが、まさにシンギュラリティって感じでしたね。
シンギュラリティとは日本語で技術的特異点のことで、簡単に言えば人工知能が人間を超えるターニングポイントのことで、2045年頃に到来すると言われています。
そして、ここ数年のAIの発展が著しいこともあって耳にすることが多くなった言葉でもありますよね。
そういった最近のトレンドが含まれている辺りが、最新の作品という感じがして良いですよね。
総括
いかがでしたでしょうか?
最近ではTVアニメでルパン三世が放送されたりもしていましたが、平成世代的にはTVスペシャル版こそがやっぱりルパン三世って感じがします。
それだけに本当に久しぶりの完全オリジナルストーリーを楽しみにしていて、そしてその期待にも応えてくれたと思います。
それに、どうやら今年のルパン三世はまだ終わっていないようです。
ルパン三世 新作映画 2019年冬 公開!
1月18日の『ルパン三世 イタリアン・ゲーム』の放送終了後に公表された、たった18文字の文字情報に心躍らされた人も多いのではないでしょうか?
どんな映画かわかりませんが、今から楽しみですね!
絶対観に行く~!