あるいは 迷った 困った

漫画、ラノベ、映画、アニメ、囲碁など、好きなものを紹介する雑記ブログです。

『3月のライオン(14)』まさかの12年越しのハチクロ伏線回収の最新巻の感想(ネタバレ注意)

 

お久しぶりの3月のライオンですね。

実に15カ月ぶりですか。

他の将棋漫画に比べると将棋成分が少なめの本作品ですが、今巻も前半は将棋成分は薄めで、大人の子供っぽい恋愛が描かれています。

もともとオッサン成分の強い作品ですが、今巻もまたオッサン成分が一段と強かった。(笑)

一方で、表紙にもなっていますが文化祭の出し物で「ようかいカフェ」をやっているひなたが可愛らしい。

オッサン成分と可愛さ成分のバランスが素晴らしい作品だと思います。

それにしても、まさかのハチクロキャラの登場にはマジでビックリしました。

?

本作の概要

将棋漫画の一つに数えられる本作ですが、正確に言うと将棋の棋士を主人公としているだけの日常系作品であり、将棋の描写になると結構本格的ではあるものの、他の将棋漫画とはかなり雰囲気の異なる作品となります。

そういうわけで今巻の将棋成分は若干薄めで、前半はオッサン2人、桐山零の先輩棋士と教師の恋愛を後押しする物語になります。

そして、後半は桐山零の学校の教師たちの参加する団体戦の大会。

勝ちに執着しすぎるアマチュア棋士の姿がコミカルで面白い内容になっています。

また、この団体戦にまさかのハチクロキャラが登場しているのが、ハチクロファンには嬉しいサプライズでしたね。

本作の見所

トウモロコシの天ぷら

本作品は当然グルメ漫画ではありませんが、川本姉妹が何でも美味しそうに食べるので、意外にもお腹を刺激してくる漫画でもあったりします。

今巻ではトウモロコシの天ぷらなるものをあかりさんが作っていますが・・

想像しただけで、とてつもなく美味しそうですね。

「サクサクの甘じょっぱさ。おかずなのかお菓子なのか分からない!! そして止まらないっっ!!」

あかりさん・・

この人の食べ物に対するコメントっていつも思うけど、グルメ漫画以上に秀逸だと思います。

カレーに呼び出される男たち

ピーナッツの薄皮剥きに呼び出される男たち。

何だか平和な日常って感じがして良いですね。

残念ながら島田八段はタイトル戦の立会で来れませんでしたが、呼び出されて慌てふためき、島田八段が来れないことにホッとしてしまっている林田先生が面白いですね。

「余計な事しやがって━━とか、そんな勝手な事思ったりしないよ!!」

はい。これは思っているヤツですね。(笑)

今巻の桐山零はこんな感じに大人の後押しをする奴になっています。

「ああ、やっぱり僕が信頼しているこの2人のどちらかが、あかりさんを支えてくれたらどんなに素敵だろう・・って」

自分がお世話になっていること以外に何の接点も無いから、ことあるごとに接点を作る機会を作ろうとしている感じですね。

ハゼ釣りと意気投合する島田八段と林田先生

今度はハゼ釣りに島田八段と林田先生を誘う桐山零。

ちょっと余裕あり気でお節介をしてしまっていますが、実は大人2りにバレまくっているのが面白いですね。

そんな感じで奥手っぽくてもやっぱり大人なキャラクターだなぁと思っていたら、男2人で意気投合して仲良くなってしまっています。(笑)

「予想外の第3ポジションの脇キャラにさらっと持っていかれる系の脚本ですぞ桐山くん!!!」

野口先輩にもそう揶揄されてしまいましたが、なかなか桐山零の思い通りにはいかないようですね。

ひなたが子供過ぎる件

一方、桐山零の頼れる男感は増してきています。

自分も苦手なイソメを余裕の表情でひなたのために付けてあげたり、頼れる男感が満載で傍から見ている島田八段と林田先生がイラっとしてしまっていますね。(笑)

以前婚約者発言までしてしまったひなたを相手に、何だかお似合いな雰囲気も醸し出してきていますが・・

「わたし・・零ちゃんとおねいちゃん。すっごくお似合いだとおもうんですよねぇ」

ものっそい笑顔でこんなことを言い出しました。

いや、確かあんた桐山零の婚約者発言ちゃんと聞いてましたよね!?

・・って感じで、あまりにも鈍く子供っぽいひなたでした。(笑)

桐山くんは前途多難っぽいですね。

文化祭当日に何やってんだ教師陣

林田先生・・

桐山零の学校生活を応援していると思っていたのに何やってんだ。(笑)

職団戦という将棋のアマチュア団体戦に同行することになってしまい文化祭にちゃんと参加できなかった桐山零ですが、一方でちゃんと残念そうにしているのが桐山零が以前より変化しているように見えました。

それにしても、勝利に執着してキャラ崩壊しまくっている教師たちが面白いですね。

即勝てるハメ技や忘れ去られた無敵の戦法や奇襲して勝ち逃げするような方法。

あったらいいですね~

今巻4つ目のコラムにもこの必勝法のようなものについて書かれていますが、これはいわゆる『二人零話有限確定完全情報ゲーム』に付きまとう永遠の、しかし有限のテーマですね。

まさかのハチクロキャラ登場

まさかの懐かしのハチクロキャラが職団戦に登場します!

ハチクロを最後に読んだのは随分と昔になるので、最初は「あれっ?この人たちって・・」と妙に引っ掛かりを覚えつつもなかなか気付きませんでしたが、まさかハチクロ9巻の表紙の伏線を3月のライオンで回収するとは驚きですね。

このことは巻末のおまけ漫画にも描かれていますが、羽海野先生が3月のライオンの準備を始めたのはハチクロ7巻頃のことで、この9巻の表紙を描いた頃には、この3人が3月のライオンの職団戦のエピソードに登場させることが決まっていたのだとか。

本当にちょっとしたことですけど、実に12年越しの伏線回収に感動できるとは、長く続いた作品でしか味わえないものですよね。

ようかいカフェのひなた

本作品のヒロインである川本3姉妹ですが、元より僕は次女のひなたが一番好きなキャラクターだったのですが、今巻のひなたは一段と可愛いですね。

ハゼ釣りの時の桐山くんを頼っている感じも良かったですし、化け猫ルックのひなたも似合いすぎていて死ねます。

天真爛漫というか、ストレートな性格は『ONE PIECE』のルフィがモチーフになっているらしいのですが、アレが普通の中学生の女の子になったらこんな可愛くなるんですね。

「それにしても「ようかい」て!! ━━も、絶対カワイイに決まってる!! ぜったい見に行こう!!」

ニコニコしながらそんなことを考えている桐山零がムッツリっぽいですけど、気持ちはわかりますね。

総括

いかがでしたでしょうか?

今巻ではアマチュアの将棋が見られましたが、また桐山零の活躍するプロの世界の将棋も読んでみたいものですね。

徐々に刊行ペースの落ちている3月のライオンですが、急ぎ急ぎ続きが気になるという感じでもないので、末永くゆっくりとでも続いていって欲しいと思っています。

それにしても、僕は囲碁の方がずっと好きなのに将棋漫画のレビュー記事ばかりが増えていくという・・

また何か囲碁関連作品で名作が登場してくれないものでしょうか?

試し読みはこちら