『あおいさんは16歳年下』大人に憧れる小学生が可愛い漫画の感想(ネタバレ注意)
『あおいさんは16歳年下』は、パン屋の店主がお客さんの中にいる大人びた美女に告白したら、なんと16歳年下の小学生だったというタイトル通りの漫画です。
以前レビューした『ちょっぴり年上でも彼女にしてくれますか?』とは真逆のパターンですね。
『ちょっぴり年上でも彼女にしてくれますか?』の場合は男子高校生と27歳OLの恋愛で、レビュー記事の中でも書きましたが男が年下の年の差恋愛は珍しいのではないかと思います。
しかし、逆パターンの女性が大きく年下のパターンはそこまで珍しくないような気もします。
とはいえ、さすがに小学生ってのは無いでしょう。
男子高校生と27歳OLの方がまだリアリティがあるくらいです。
そう思ったので『あおいさんは16歳年下』は「逆パターンだけどどうだろう?」という興味本位だけで読んでみたものの、まあ初っ端のインパクトだけのネタ漫画かなぁ~とか失礼なことを思っていました。
しかし、実際には間違って小学生に告白してしまったパン屋の店主だけではなく、それをキッカケに年上のパン屋の店主に憧れるようになった小学生女子が描かれていて、この憧れ方が初々しい小学生そのものなのです。
そういうわけで今のところは禁断の恋的な話ではなく、少女漫画で時折描かれる年上男子に憧れる女子が描かれているような微笑ましい作品だと思います。
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本作の概要
パン屋の店主である橋田夏海は、お隣の絵画教室に通っていて毎週水曜日に来店する綺麗なお姉さんに一目惚れし、ある日に告白してしまいます。
しかし、よく見ると綺麗なお姉さんは背中にランドセルを背負っていて・・
要は女子小学生だったわけです。
勘違いに気付いた橋田夏海は間違いを伝えなければと焦りますが、一方の女子小学生・尾道あおいは大人の男性である橋田夏海に憧れを抱くようになってしまいます。
外見は綺麗なお姉さんだけどピュアすぎる女子小学生の尾道あおいの橋田夏海へのアタックが微笑ましい漫画です。
本作の見所
告白したら女子小学生だった
「好きです。付き合ってください」
パン屋の店主である橋田夏海の告白のセリフから『あおいさんは16歳年下』という漫画は始まります。
「あ・・の、私。付き合うとか、よく分からなくて」
しかし、告白した女性・尾道あおいの背中にはランドセルが・・
大人っぽいとはいえ間違えて女子小学生に告白してしまったわけですね。
小学生くらいだと男子より女子の方が発育良かったりしますし、女子の場合は中高生では極端に背が伸びたりはしないから、そういうこともあるのかも・・
・・と、一瞬思いかけましたけど流石に普通なら雰囲気で小学生だって分かりますよね。(笑)
大人だと勘違いするとなると、よっぽど大人びてる女子高生くらいでやっとな気がします。
小学生だと体育の着替えだって男女同じなんだし、マジで大人と間違えるくらいの女子がいたら、何かヤバイ気がしますしね。(笑)
それにしても、告白してから初めて気付いたということは、橋田夏海は完全な一目惚れで、全く会話もしたことの無い状態で告白したことになります。
個人的には一目惚れの感覚は理解できませんが、全く知らない人にストレートに告白できるなんて橋田夏海はなかなかの度胸の持ち主だと思います。
お手紙の交換
「その・・よかったら、まずはお手紙こうかんしませんか?」
ひとまず、橋田夏海は最大のピンチは脱したようです。
警戒心が強ければ小学生だろうが橋田夏海の告白のマズさに気付くでしょうし、場合によっては騒ぎ出す可能性もあったはずです。
他の大人を呼ばれたりとかね。(笑)
そういう意味で尾道あおいは、大人びた外見ではあっても内面は意外と幼いのかもしれませんね。
かもしれないというか、後の展開を見たら実際に幼い方だと思います。
しかし、ついついお手紙交換に同意してしまった橋田夏海は、間違いを尾道あおいに打ち明けることはできるのでしょうか?
謝罪
「発展したら犯罪じゃん。告白は間違いでしたってはっきり言うわ」
なんてことを言いつつ、超絶可愛らしい尾道あおいを前にお手紙交換を断れない橋田夏海。
ついつい流されてしまいます。
「まぁ、こんなおっさん相手にしないと思うけどね」
この辺は橋田夏海の認識が若干甘いような気がしますね。
相手にしないなら、たとえ唐突な告白で動転していたのだとしても、最初からお手紙交換なんて持ち掛けないような気がします。
それに女の子って子供の頃は年上に憧れがちなもので、実際僕が子供の頃もかなり年上の男性と付き合っていた女子っていました。
さすがに小学生ではいなかったけど、確か中三くらいで二十歳以上の男性と付き合っていたはずです。当時はそんなものかと思っていましたが、今思うと十分ヤバイ気がしますけどね。(笑)
そして、どうやら尾道あおいも橋田夏海に憧れてしまったようですね。
まあ、考えてみれば恋愛耐性の全くない女子が、オッサンとはいえそこそこ格好良くて性格も悪くない橋田夏海がら告白されてしまったら・・
完全な拒否ということならあり得るかもしれませんが、そうなっていない以上は好意を持ってしまっているに決まっていますよね。
「知ってますよ?」
そういうわけで橋田夏海は満を持して尾道あおいに謝罪するのですが・・
そりゃあいくら何でも橋田夏海が勘違いしてるってことには気付くかって感じです。
「告白されて最初はびっくりしたけど、手紙交換も、パン屋さんに恋するのも、私がしたいからするんです!」
さて、相手が大人ではないという勘違いには気付いた橋田夏海でしたが、一目惚れしたした相手からぐいぐい迫られて橋田夏海はどうするのかが見所ですね。(笑)
着飾るあおいさん
同級生の友達のまりんに橋田夏海への憧れを知られた尾道あおい。
尾道あおいの恋を全力サポートしようと、まりんは尾道あおいを着飾ろうとします。
しかし、成人女性と間違えられるくらいの尾道あおいに、普通の小学生のセンスを適用すると・・
橋田夏海には笑われてしまいました。
いや、悪意のある笑いではなく微笑ましさについ笑ってしまったということらしいのですが、これは普通に考えて傷つきますよね。
「こんなにかわいくしてもらったんだもん。きっとなつみくんも・・」
そんな感じでウキウキだったのに、笑われてしまって、それは泣きもしますよね。
「下手なこと言って傷つけるのが怖くて、浮かんだ言葉がぐるぐる頭の中まわってたんだ」
その結果傷つけてしまうというのはあんまりですね。(笑)
だけど最後は尾道あおいに無理やり「かわいい」と言わされてしまう橋田夏海が面白いです。
年上に憧れる女子小学生
友達が大人の男性に恋していると知ったら、そりゃあ騒ぎますよね~
僕は当然女子小学生だったことはありませんけど、何か騒ぎそうなことは分かります。
尾道あおいが話すイメージでハードルが上がりまくった状態で、尾道あおいの友達に会うことになってしまった橋田夏海が微妙に見栄を張ろうとしているのが面白いですね。
総括
いかがでしたでしょうか?
男女問わず年上の異性に憧れる子供っていますけど、これってどういうメカニズムなんでしょうね。
まあ理由はどうあれ、尾道あおいは橋田夏海に憧れて、そして憧れているまま『あおいさんは16歳年下』という作品は終わります。
そのことからも、「ああ作者は年上の大人の男性に憧れる女子を描きたかったんだ」ということが分かりますね。
タイトルと表紙の雰囲気から何となく禁断の恋的な内容を想像していた僕は少し汚れているのかもしれません。(笑)
ともあれ、意外と可愛らしい作品なので、そういう作品が好きな人にはおすすめだと思います。