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『ちょっぴり年上でも彼女にしてくれますか?(1)』胸キュン年の差恋愛のコミカライズ版の感想(ネタバレ注意)

 

ちょっぴり年上でも彼女にしてくれますか?は、色物かと思いきや意外と純粋なラブストーリーだと思います。

原作小説の存在は以前から知ってはいたのですけど、挿絵の雰囲気が色っぽいというか、艶っぽいというか・・

もっとストレートに言うとエロすぎる感じがして食わず嫌いしてしまっていたのです。

あくまでも個人的な嗜好でしかないのですけど、挿絵がエロすぎるライトノベルって何だか惹かれないんですよね。

しかし、女性側が年上だという珍しい年の差恋愛を描いた作品ということもあって興味はあったので、コミカライズ版を読んでみたのですが・・

これが想像以上に面白い!

挿絵の雰囲気から受ける印象とはまた違う純粋なラブコメという感じの良作だと思います。

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本作の概要

高校1年生の桃田薫は通学途中の電車の中で一目惚れした女子高生を痴漢から助け出します。

それが縁となり、その女子高生・織原姫とお近づきになった桃田薫なのですが・・

織原姫には思いもよらない秘密がありました。

本作の見所

一目惚れと出会い

僕は一目惚れなんてしたことないのでその感覚は全くわかりませんけど、どんな感じなんでしょうね?

少なくとも、桃田薫にとっては会話もしたことのない他人であったとしても痴漢から助けたり、自分が恥を被ってでも庇う対象になるようです。

「俺のケツを触っていたじゃねぇかよ!」

一目惚れした女子高生を痴漢から助けたまでは良いものの、どうやら目立ちたくなさそうな様子の女子高生を被るために自分が被害にあっていたかのように振舞うとは、なかなかできることではありません。

というか、無理がありすぎるし、痴漢したオッサンからしても事実を明るみにされる以上に不名誉なことになってしまったんじゃあって思ってしまします。(笑)

「私が恥かかないように自分が被害に遭ったことにしてくれたんだよね?」

ともあれ、助けられた女子高生・織原姫とお近付きになった桃田薫。

「あはは! 姫だなんて恥ずかしいよね。小さい頃ならかわいいんだろうけど、この年になると・・」

まあタイトルからもあらすじからもネタバレされている部分なので、読者と桃田薫では「この年になると」の意味の受け取り方が違っているのであろう処が面白いと思います。

読者視点では「27歳の良い大人が」って意味だと分かりますが、桃田薫視点では「高校生にもなって」という意味になり、どっちだったとしても不自然さが無いところがポイントですね。

読者視点にだけネタバレしている手法はたまに見かけますが、個人的にはこういうの好きです。

若干無理してる織原姫

どうやら女子高生姿で電車に乗ってきたこと自体はミスが原因で、織原姫に女子高生姿で出歩く趣味があったとかそういうわけではないようなのですが、桃田薫が自分を女子高生だと勘違いしているのを良いことに、女子高生のふりをして桃田薫に会うようになってしまいます。

後に桃田薫の友人である浦野泉に悪女扱いされてしまっていますが、確かに客観的に見たら男子高校生を弄ぶ悪女と言えなくもありませんね。

男女が逆なら悪女どころか犯罪者扱いされるところです。(笑)

いや、逆でも犯罪なのか・・

織原姫が相当可愛いからギリギリ許されるかもって感じでしょうか。

しかし、確かに可愛いのですけどやっぱり若干言動に年齢が表れているのが面白いですよね。

「やっぱり私老けてる!? JKに見えない!? 無理ある!?」

桃田薫は普通に先輩だと思っていただけなのだと思いますがこの過剰反応。

「私、一人暮らしが長いからさ、節約のために毎朝自分でお弁当作ってるから、嫌でも上達して・・」

それに、一人暮らしが長い高校一年生なんていないですよね。(笑)

家庭が複雑なのだと誤魔化しますが、現代日本においてはよっぽど複雑でもなかなか無い状況だと思います。

「ふふふ、何かいいね。男の子がモリモリ食べてくれるの」

このセリフも、かなり年下に対して言うセリフって感じがしてきます。

誕生日的には桃田薫の方が年上になるはず・・なのに織原姫に対する敬語が止められないということは、何かしら感じ取っているのは間違いなさそうですね。

ちなみに、年齢を感じさせるキーには色々あると思います。

流行っていたテレビ番組や漫画、そしてゲームなんかもまさにそうですね。

織原姫は、ロクヨンスマブラをやっていて音楽はMDで聴いていた世代です。

確かにこの辺、最近の高校生じゃあ分からないですよね~

制服デート

ゲームセンターで制服デートする桃田薫と織原姫。

今の高校生って昔ほどゲームセンターで遊ぶイメージ無いけど、やっぱり定番の一つなんでしょうか?

途中、織原姫の知り合いらしき人が通りかかるというハプニングがあったもののデートを楽しむ2人。

「ありがとうね桃田くん。私のわがままに付き合ってもらって、一生に思い出にするから」

桃田薫と撮ったプリクラを手にそういう織原姫はメッチャ可愛らしくて、ついついその場で告白してしまった桃田薫の気持ちもわかりますね。

しかし、それは「ごめんなさい」と断られてしまいます。

普通なら「あなたとは付き合えません」という意味での謝罪と受け取るところで、桃田薫も間違いなくそう受け取ったと思いますが、これは明らかに遊び半分で女子高生を楽しんでいたら幼気な男子高校生を弄ぶ結果になってしまったことへの謝罪だとわかりますよね?

織原姫の正体

桃田薫が織原姫にフラれた後日。

話があると織原姫に呼び出された桃田薫。

「このままお別れしたらあまりに不誠実な気がするから・・最後にちゃんと全部説明させてください」

正体不明の女子高生のままフェードアウトすることもできたのに、ちゃんと説明しようとするあたり誠実な女性なのかもしれません。

女子高生コスプレをしていない本当の姿を桃田薫に見せて・・

そしてそれ以上は話すことはないと桃田薫を突き放します。

「そんなこと・・年が一回り違ったぐらいで」

「ぐらい? 27歳はね。アナゴさんと同い年なのよ!」

あ~それを言っちゃいますか。

漫画やアニメのキャラクターの年齢を超えていくことは、マジで年齢を実感させますからね。

僕も、連載当時はコナンくんと同い年で、いつの間にか工藤新一に追いつき、そろそろ毛利小五郎が見えてくる・・

これは年齢を感じますよ。

しかし、突き放した言い方は桃田薫のためってことが分かるのが切ないですね。

改めての告白

織原姫に突き放された桃田薫は、織原姫が慰謝料と称して渡した1万円でゲームを買ったようです。

「私はゲームも出来ないくらい落ち込んでたのに」

桃田薫に呼び出されてた織原姫、やはり落ち込んではいたようですね。

そして、桃田薫が買ったゲームはゲームボーイアドバンスSPロックマンエグゼ

織原姫が自分の青春だと言ったゲームですね。

育った環境や価値観の全く異なる年齢差を理由に桃田薫を突き放した織原姫に対して、それを埋めて見せようというのが桃田薫の考え。

「織原さん、告白やり直させてください。あれはJKの織原さんに言った言葉でした。今度は27歳のあなたに! 本当のあなたに好きだと言わせてください」

ひゅ~!

・・って口笛を吹きたくなりそうなシーンですね。(笑)

ともあれ、高校生男子と27歳OLの年の差カップルが誕生しました。

この恋愛が今後どのようになっていくのか、この2人そのものより周囲の反応の方が面白そうと思ってしまいますが、楽しみなところです。

総括

いかがでしたでしょうか?

正直、本作品を読んで後悔しています。

僕は本作品にコミカライズ版から入ったという形になるのですけど、何でもっと早く原作小説を読もうとしなかったのかってね。(笑)

いや、こうやってコミカライズ版で興味を持ってから原作小説を読んでみようとなるケースが多いのですけど、ちょっぴり年上でも彼女にしてくれますか?はまさにそういうケースになりました。

コミカライズ版1巻は告白のシーンまでで終わってしまったので、これからいよいよ年の差恋愛が始まっていくという続きが気になる場面で、早く続きが知りたくて読後すぐに原作小説を購入している自分がいました。

巻末のおまけ小説も面白かったし、かなり期待できそうだと思っています。

ちなみに、一回り程度の年の差恋愛って実はそこまで珍しくもない気もしますが、若ければ若いほど珍しさは増していきます。

高校生男子と27歳OLの恋愛のその後がメッチャ気になりますね。