『ダイの大冒険(4)』原作ゲームにまで影響を及ぼす名作の感想(ネタバレ注意)
レオナと再会する4巻です。(前巻のレビューはこちら )
4巻ではついにパプニカ王国王女のレオナと再会しますが、ちょうどフレイザードに攻められている大ピンチの状況でのこととなります。
ヒロインのピンチに現れる救世主の主人公ダイ。
まさに勇者ですね!
実は個人的には『ダイの大冒険』で初めて読んだのがこのフレイザードのエピソードなので、非常に思い出深かったりします。
アバンと戦った以降は表に出てくることの無かったハドラーも登場し、強敵が入り乱れる感じが熱い展開になっていますね。
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本作の概要
ダイたちはパプニカ王国王女のレオナが隠れているバジル島に向かい、ついにレオナたちと再会しますが、そこはちょうど氷炎将軍フレイザードに襲撃される大ピンチの状況でした。
ヒロインのピンチに駆けつけるまさに勇者といった様相のダイでしたが、卑怯な手段を用いるフレイザードには大苦戦します。
ハドラーやミストバーンも参戦し、ヒュンケルやクロコダインが味方として登場する敵味方に元敵の味方が入り乱れた混戦が見所になっています。
本作の見所
レオナとの再会とフレイザード
ダイとレオナの再会シーンが『ドラゴンクエスト』っぽい絶妙なタイミングでした。
デルムリン島での出会いの時からダイは随分と成長していますが、レオナもまた王女としてかなりのカリスマ性と統率力を発揮するように成長しています。
「とにかくみんな最後のひとがんばりをしましょう! きっと勇者が助けに来てくれるわよ!」
もしかしたら、ダイがそんな成長のモチベーションにもなっているのかもしれませんね。このセリフからはそんなことが読み取れます。
しかし、そんなレオナの元に現れたのはダイではなく・・
「氷炎将軍・・フレイザード! ・・勇者じゃなくて残念だったな・・ お姫さんよ・・ カカカ・・」
六大軍団の軍団長の一人であるフレイザードでした。
これまで登場した六大軍団の軍団長といえば、獣王クロコダインは敵ではあってもどこか憎めない一本筋の通った奴でしたし、誤解から師匠であるアバンを恨んでいたヒュンケルにも武人らしさがありました。
そういう意味でフレイザードはかなり分かりやすい悪だったのではないかと思います。
ダイとの戦いで卑怯な手段を用いたのはクロコダインと同じですが、自らの行いに葛藤していたクロコダインと違いフレイザードは嬉々としていたのが印象的でした。
そして、レオナがフレイザードにトドメを刺される寸前にダイが助けに入ります。
パプニカの三賢者を圧倒するフレイザードと互角に戦うダイを見て安心したレオナが流す涙がきれいですね。
ハドラーがバランを別行動にした理由
「総攻撃をかける!! やつらは次の攻撃で間違いなく炎魔塔と氷魔塔の破壊を狙ってくるはずだ。その時やつらの戦力は分断される。そこへ残る全軍団を集中させ一気にダイたちを始末するのだ」
考えてみれば3巻で勿体付けて勢ぞろいした六大軍団で総攻撃するなんて、少年漫画としても珍しいような気がします。
中には超重要キャラであるミストバーンもいますし、普通はもっと一人ずつ勿体付けながら登場してくるのが常だと思います。
ともかく、ここで総攻撃をかける判断がなされるのですが・・
何故かバランだけは別行動の指示が与えられます。
「それとも・・そのダイとかいう小僧と私が出会ってはまずい理由でもあるのかね・・?」
別行動の指示に怒るバランですが、このセリフが超重要な伏線になっています。
なぜハドラーは、バランとダイを会わせたくないのか?
未読の人はこの辺も気にしながら読み進めると面白いと思います。
マトリフとポップ
アバンの使途ではありませんが、アバンの仲間であるマトリフが今巻で初登場します。
ポップよりも魔法使いらしい魔法使いという印象ですが、人間嫌いの偏屈という面倒くさい性格のキャラクターとなります。
しかし、今後ポップにとってはアバン以上の恩師という立ち位置になってくる重要な人物ですね。
『ダイの大冒険』はアニメ版もありますが、マトリフの無茶振りなルーラの修行シーンが個人的には初めて見たシーンだったのを覚えています。
「魔法使いの魔法ってのはな仲間を守るためのものなんだ。無数の呪文と知識をかかえ皆の危機をはらうのが魔法使いの役目だ」
そして、偏屈ジジイだけど言っていることはメッチャ格好良い!
今後ポップもマトリフのセリフ通りの魔法使いに成長していくのが見所のひとつになっていると思います。
「ちょっと待ってくれよお二人さん。4人目はもう決まってるんだ」
実際、今まで臆病だったポップですが、マトリフの師事を受けて一皮むけたのか既に勇者の仲間らしい姿を見せるようになっています。
だけど、昔の漫画に登場するジジイキャラって、なんで大概エロジジイなんでしょうね?(笑)
久しぶりのハドラー
デルムリン島でアバンと戦って以来、裏方でしか登場していないハドラーが久しぶりに表舞台に出てきました。
『ダイの大冒険』を通して読んだことのある人は分かると思いますが、中盤頃のハドラーにはちょっとかませっぽい弱さがあります。
しかし、さすがに最初の強敵なだけあってこの時点では簡単に勝てる相手ではありません。
アバンと戦った時以上に強くなっているハドラーに、マァムはやられてしまい、マァムを守ろうとしたポップも怪我をしてしまいます。
「最後の最後まで絶望するわけにゃいかねええっ!!!」
心が少し強くなったポップはマァムを庇い、ハドラーのベギラマに打ち勝つほどのベギラマを放ったりしますが、さすがに本気になったハドラーには勝てません。
無力なポップの前でマァムにトドメを刺そうとするハドラーですが・・
まさかのヒュンケル登場でマァムのピンチは救われます。
3巻で死んだかに思われたヒュンケルでしたが、どうやら寸前のところでクロコダインに助けられていたようですね。
元六大軍団の軍団長であるクロコダインが、ヒュンケルを助け出しダイたちに味方する展開が素晴らしいと思います。
総括
いかがでしたでしょうか?
ダイとフレイザード。ヒュンケルとハドラー。大きな戦いの決着は次巻へと持ち越しですが結果が楽しみですね。(次巻のレビューはこちら)