あるいは 迷った 困った

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『ダイの大冒険(7)』原作ゲームにまで影響を及ぼす名作の感想(ネタバレ注意)

 

ポップがイケメンすぎる7巻です。(前巻のレビューはこちら )

記憶を失ったダイが年相応の子供以上に幼い感じですが、可愛いというよりも可哀そうなことになっています。

7巻はそんなダイ(ディーノ)を求めるバランから守るための防衛戦といった内容になっています。

仲間を裏切ったフリをして単身バランたちの足止めに向かうポップや、そんなポップを助けたヒュンケル。それにクロコダインとレオナという珍しい組み合わせのタッグ戦。

ダイが不在の中、その仲間たちが強敵であるバランと竜騎衆たちを迎え撃つ展開。

バランにしても竜騎衆のラーハルトにしても、『ダイの大冒険』を通して読んだことのある人にとっては愛すべきだと感じられるキャラクターだと思いますが、この時点では強敵感が半端ない。

それにダイ抜きで戦う展開が熱いと思います。

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本作の概要

バランによって記憶を失ってしまったダイを、回復したバランは再び奪還しようと狙っています。

配下である竜騎衆を引き連れてやってきたバランからダイを守るために、ポップ、レオナ、クロコダイン、ヒュンケルはバランたちを迎え撃ちます。

絶体絶命な状況に仲間たちを裏切ったフリをしたポップが最初に最前線に飛び出していく展開が熱いです。

本作の見所

ポップとの決裂と挑戦

ポップは基本的にずっと臆病な性格のキャラクターですが、一方では仲間思いで勇気のある一面を見せることがあります。

臆病で勇気があるというのは一見矛盾しているような表現ですが、普段臆病であることと勇気を出すということは全く矛盾しません。

まったく臆病にならないのは勇気ではなくただのサイコパスで、臆病だからこそ勇気が必要になってくるものですからね。

ポップの臆病さは少年漫画のキャラクターとしては相当なもので、だからこそある意味では読む人に最も共感を与えるものだと思います。

しかし、だからこそ時たま見せる勇敢さが格好良くて眩しい。

それがポップというキャラクターの愛すべき魅力ですが、7巻ではそんなポップの魅力がかなり色濃く出ていますよね。

「とっとと逃げるって言ったのさ。敵があんなにすげえんじゃ抵抗するだけムダだぜ。バカらしくってやってられっかよ!」

ある意味では非常に冷静に、しかし自分のことだけを考えたようなポップの発言にレオナやクロコダインは最初とても怒ります。

怒りというよりは、呆れや哀しさ、失望の方が大きかったかもしれません。

しかし、これはポップが単独行動するための建前で、ポップは単身でバランたちの足止めに向かいます。

この行動は、例えば単に自分が単身で足止めに向かうことを提案したところで、それが仮に有効な手段であったとしても止められるパターンだと思います。

捨て駒の戦法はいかに有効でも、少年漫画の主人公たちの取る手法ではありませんしね。

それを敢えての裏切り行為(フリ)で正当化しているわけですが、そのことでポップがもの凄く格好良く見えています。

時たまこういう一面を見せるから、どちらかといえば臆病でお調子者なポップが嫌いになれないんですよね。

ヒュンケルvsラーハルト

バラン、そして竜騎衆の一人であるラーハルトは『ダイの大冒険』における敵キャラの中でも人間に敵対する理由があるという意味では特殊な立ち位置の敵キャラかもしれません。

立場や状況が違えば、何が正義なのかも違ってきます。

ダイの大冒険』には明確な悪であるキャラクターも数多く登場しますが、あくまでも自分の正義を持っている敵キャラがいるのも魅力ですよね。

特定の個人に対する恨みで動いていたヒュンケルは少し違うかもしれませんが、独自の思想と考えを持っていたという点ではとても似ていると思います。

そして、7巻ではそんなヒュンケルとラーハルトの戦闘が描かれているのですが、その二人の戦闘を通して語られるのがバランの過去だというのが興味深いですね。

ラーハルトがいかにバランを慕っているのかが伺えます。

「おまえたちのような人間にははじめて会った。おまえたちならバランさまの悲しみをわかってやれるかもしれん」

この二人の戦闘はもちろん武力のぶつけ合いなのですが、一方で主張のぶつけ合いにもなっているのが面白い。

だからこそ戦闘後に分かりあえるような形になっているのだと思うととても熱いです。

クロコダインとレオナのタッグ戦

熱いと言えばクロコダインほど熱いキャラクターは『ダイの大冒険』の中には他に登場しないのではないかと思います。

よく泣いてますしね。(笑)

涙もろいオッサンか!

・・って感じで昔はそんなに好きではありませんでしたが、久しぶりに読んでみたらクロコダインが格好良いのなんのって。

7巻ではそんなクロコダインとレオナがタッグを組んでバランと戦っているのですが、これがなかなか珍しい組み合わせですよね。

レオナはメインヒロインとはいえ『ダイの大冒険』はバトルもののファンタジー作品。ダイの仲間たちの中ではどちらかといえばサブよりの扱いですし、クロコダインはアバンの使途ですらありません。

そんな二人の組み合わせだからこそ何だか新鮮な印象を受ける戦闘シーンだったと思います。

バランの本領

バランの強敵感は『ダイの大冒険』の中でもトップクラスで、個人的には作中通してでも大魔王バーンに次ぐのではないかと思っています。

しかし、クロコダインとレオナには思いのほか苦戦し、ラーハルトに勝利したヒュンケルの登場で心を揺さぶられるようなことを言われ、人間とは違う竜の騎士としての本領の姿を見せ始めます。

ただでさえ強敵だったバランの進化に、しかもついにダイがバランの目の前に再び現れてしまいます。

そんな良いところで7巻は終わりですが、なかなか先が楽しみな展開になっています。

総括

いかがでしたでしょうか?

ついに本領を発揮しはじめたバランの目の前に現れたダイ。先の展開が分かっていてもワクワクしてしまいます。(次巻のレビューはこちら)