あるいは 迷った 困った

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『ダイの大冒険(9)』原作ゲームにまで影響を及ぼす名作の感想(ネタバレ注意)

 

久々にマァムが合流する9巻です。(前巻のレビューはこちら )

ダイでも使える武具を求めて訪れたロモス王国の武術大会で、武道家として修行して成長したマァムと再会します。

マァムが使う回復呪文を利用した武神流の技は、個人的に作中に登場する技の中でも一番格好良いと思っていて、だからこのロモス王国のエピソードはかなり好きだったりします。

8巻はダイとバランの親子対決が見所でしたが、このロモス王国のエピソードでの敵はザボエラの息子のザムザでした。

というわけで、昔読んだ時はあまり意識したことがありませんでしたが、この二つの親子の関係の対比が少し興味深いと感じられました。

バランは息子を求めましたが、ザムザは最後に父親からの愛を求めるような表情をしていたのが印象的です。

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本作の概要

成長したダイの力に耐えられる武具を探して、伝説の覇者の剣が商品のロモス王国の武術大会へ向かうダイたちですが、既に参加受付が締め切られてしまった後でダイは参加することができません。

しかし、そこで武道家として成長したマァムと再会します。

最初は父親であるバランを対抗するために武具を探していると聞いて覇者の剣を手に入れることに難色を示すマァムでしたが、ダイやポップの思いを聞いて考え方を変えます。

というわけで何事もない武術大会になるのだと思われましたが、その裏側ではザボエラの息子であるザムザの陰謀が動いていました。

本作の見所

ダイの成長

バランとの戦いで竜の紋章の力を使いこなせるようになったダイですが、紋章の力を借りずにライディンを使えるようになったり、クロコダインの獣王会心撃をあっさり防いだり、以前よりずっと強くなった印象です。

しかし、そこのことによりエネルギー消費の激しさや使える武器が無いことなど、新たな弱点まで生じてしまいました。

しばらくダイの武器探しがエピソードの中心になりますが、それだけ大きな問題になっているという訳ですね。

ですがエネルギー消費の激しさの問題は9巻の内に解決します。

「・・マァムの戦い方を見ていたらわかった・・。おれの紋章の力の使い方にどれだけムダがあったのかが・・」

マァムの戦闘方法を見たダイが思いついたのは、一言で言えば省エネ戦法ですが、確かにどちらかといえば脳筋タイプのダイは今まで常に全力って感じでしたし、そもそも燃費の悪い戦い方をしていたかもしれませんね。

ともあれ、こんな感じでここ最近のエピソードではダイの成長が著しい印象が強いと思います。

マァムとの再会

しばらく修行のため不在だったマァムですが、9巻で久々の登場を果たします。

なんとなく絵柄が以前よりムチっとした印象になっているように感じるのは僕だけでしょうか?

個人的には武道家として筋肉がついて肉付きが良くなったところの表現なのかと思っているのですがどうなんでしょうね。

ちなみに、マァムという名前は母親を意味する『mam』からきているようですが、美人だけど確かにちょっとオカンっぽさがあるキャラクターですよね。

もっと良い感じの表現だと母性があるとでも言うのでしょうか。

「実の親子が殺し合うための手助けなんかできない・・!! もしバランと戦うために必要な剣なら・・あなたに渡すわけにはいかないわ!!!」

マァムは割と好戦的なところもある性格だと思いますが、ダイがバランと戦おうとすることに難色を示す姿は何となく母親的な感じがしますね。

「ポップなんか一ぺん死んじゃったんだよ」

ポップが死にかけたことをダイにバラされて怒りの表情を向けたりもしていますが、これも心配するオカンっぽいと思います。(笑)

久々の登場で、このエピソードでのマァムが以前より魅力的に感じた人は多いのではないでしょうか?

ザボエラの息子のザムザ

ロモス王国の武術大会の裏側で暗躍していたのはザボエラの息子のザムザ。

正直なところ、最初はバランとの死闘を生き延び、ハドラーも圧倒したダイがいる状況で今さらザボエラの息子が登場しても相手にならないんじゃって思わなくもありませんでしたが、これが意外と厄介な相手になります。

まあ、ダイは搦め手を使う相手の方が苦手そうですしね。

ザムザとの戦いの見所は後述するとして、ザムザに関してはその最後が印象的でした。

「・・だが、あんな父でもオレの父であることに変わりはない・・!」

ザボエラは息子が死んだところで涙を流すようなキャラクターではありませんが、そんなザボエラにも父性を求めてしまっていたということが分かります。

最後に何故かスッキリして死んでいく悪者ってたまにいますけど、別にその悪役としての言動が消えたわけでも許されたわけでもないのに何故か感動的に映るのって何でなんでしょうね?

武神流の閃華裂光拳

9巻ではかなり大活躍することになるマァムは、以前は回復呪文とアバンから託された魔弾銃で戦う戦闘スタイルでしたが、武道家として拳で戦う戦闘スタイルにクラスチェンジしています。

このマァムの戦闘スタイルが凄く格好良いと思っているのは僕だけでしょうか?

回復魔法を利用してダメージを与えるっていうトリッキーな発想が個人的にはメッチャ好みなんですよね。

今後登場することになるポップのメドローアとか、もっと派手な技もあったりしますけど、一見地味なマァムの戦闘スタイルが意外と渋い感じで、しかもそういう戦いをするのが可愛らしい女の子というギャップが素晴らしい。

紋章の力を使えるようになったダイが苦戦して一度は破れてしまうようなザムザを相手に良い勝負をする展開も熱いですね。

総括

いかがでしたでしょうか?

マァムが再び仲間に加わって、なんだかしっくりくるような気がしてきました。

ダイの大冒険』のような冒険ものファンタジーって同行する仲間がちょくちょく変わるものですけど、この組み合わせの時が一番しっくりくるって顔合わせがあったりしますよね。

メインパーティというか、そんな感じです。

ダイの武具の問題もまだ解決していませんし、そのあたりがどうなるかも気になるところです。(次巻のレビューはこちら)