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『ドラゴンボール超(10)』本気で戦えない悟空たちが新鮮な漫画の感想(ネタバレ注意)

 

ドラゴンボール超もとうとう10巻の大台に乗りました。

テレビアニメ版で放送されていた力の大会編も終わって、前巻から完全にオリジナルなストーリーが始まっていますが、前評判では敵が微妙だとかなんだとか色々言われていたものの個人的には結構面白いって思います。

敵のモロもただ強いだけではないトリッキーな奴で、ただただ力押しのバトル一辺倒ではない戦いになっていきそうな感じにとても好感が持てます。

原作レイプみたいなことを言う人もいるみたいですが、僕も一応ドラゴンボール世代で原作も大好きですが、むしろドラゴンボール超になってからのストーリーの方が面白いとまで思い始めているまであります。

なんというか、例えば孫悟空の強さは昔と同じでインフレーションしていっているんですけど、ただ強いだけでは解決できなさそうな事件に巻き込まれていっているあたりが新鮮に感じられて良いですね。

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本作の概要

銀河刑務所に1000万年も収容されていた凶悪犯のモロが脱獄した。

モロは気を探っていた孫悟空逆探知的に見つけるほど生命エネルギーに敏感で、それに見合っただけの実力も持っています。

孫悟空ベジータは、若さを求めてナメック星にやってきたモロと交戦しますが、モロの印象は前評判ほどの実力者という感じではありませんでした。

しかし、相手の体力を奪い取りながら戦闘するという独特のスタイルで戦っていたモロを相手に、孫悟空ベジータは気付かない内に超サイヤ人にもなれない、瞬間移動も使えないというところまで体力を奪われてしまっていました。

力押しだけでは勝てなさそうな強敵を相手に、孫悟空ベジータがどうやって戦っていくのかが気になるところですね。

本作の見所

本気で戦えない悟空とベジータ

「ククク・・残念だったな。この技は星が死滅するまで放出可能だ。限界など無いに等しい」

星のエネルギーを吸収して攻撃に転化するモロを相手に、ベジータはその技に限界があるのではないかと指摘します。

しかし、それに対するモロの回答はある意味では予想通りのもので特に意外性はありません。そのことに聡いベジータが気付いていなかったとは思えないのですが・・

「そうか・・噂どおりのクソ野郎で嬉しいぜ。ぶっ殺しがいがある」

実はモロからナメック星に来た目的を含め色々と聞き出すために、わざと何も気付いていないフリをしていたようですね。

この辺はピッコロを彷彿とさせる戦い方ですが、なるほどただ力押しではない敵を相手にする場合ならベジータもこういうことをしそうという納得感があると思います。

そこから本気になったベジータは、ナメック星のエネルギーを使って戦うモロを圧倒し始めるのですが、その戦いを見ていた孫悟空はその時点で少しばかり違和感を覚え始めます。

ナメック星のエネルギーで徐々にパワーアップしていくモロに対して、ベジータは当然少しずつ体力を使っていくのですが、そのスピードがどうやら通常より早そうで・・

「なれない・・。超サイヤ人に・・なれないぞ」

「や・・やっぱりそうなんだ! オラたちの気も吸い取られちまってんだ!!」

ナメック星のエネルギーの中には、ナメック星に住む生物のエネルギーも含まれる。

つまり、例えば孫悟空元気玉でやっているようなことを強制的に行っているようなものですね。

ともあれ、ベジータもそれほど大きなダメージを受けていないにもかかわらず超サイヤ人になれなくなってしまい、戦っていない孫悟空ですら瞬間移動で逃げることができないほどにエネルギーを吸い取られてしまっていました。

トリッキーな戦い方をするモロを相手に、孫悟空ベジータはまずはひとつ手痛い敗北を喫することになってしまいました。

ナメック星での戦いが懐かしい

本編の内容と直接関係あるわけではありませんが、ナメック星が舞台になっているというのが地味に懐かしいですね。

強敵との戦闘とナメック星の組み合わせは、どうしたってフリーザ編を思い出させます。

そして、フリーザ編の時はまだ敵だったベジータには、かつてナメック星人を殺して回った過去があります。

「・・じいさん、1つ確認させてくれ。オレが昔ナメック星人を殺したこと・・どう思っているんだ?」

それに対して大なり小なり思うところのある様子のベジータがちょっと印象的でした。

モロのドラゴンボールの集め方が、まさにフリーザの時と同じなので過去のことを思い出したりしていたのかもしれません。

「もしお前が生き残ったら真っ先にこの星を元通りにしてやってくれ」

ベジータの恨んでいないのかという問い掛けには、ナメック星人は恨みを連鎖させるような愚かな種族ではないと否定されますが、この二人の過去に対する静かなやり取りが個人的にはものすごく好きです。

近年のドラゴンボールにおける、こういうベジータの原作ではあまり見られない一面はよく賛否が議論されがちなところですが、個人的には人は変化するものだと思っているし、作中のキャラクターの中でも人生における立ち位置が最も大きく変化しているともいえるベジータが変化していくのはある意味で自然なことだと思っているので、どちらかといえばこういうベジータって好きな方かもしれません。

強くなった魔人ブウと大界王神

本家のドラゴンボールでは最後の強敵だった魔人ブウですが、仲間になったドラゴンボール超以降では活躍の場が少なくなった印象がありました。

孫悟空ベジータが強くなりすぎてしまっていますし、破壊神ビルスをはじめ魔人ブウがかなり見劣りしてしまうほどの強敵が続々と登場しているので仕方がないのかもしれませんが、本家で最後の強敵だった魔人ブウにはもっと活躍してほしいと思ったのも事実です。

亀仙人にすら見せ場のあった力の大会編でも空気でしたからね。(笑)

ですが今回は、魔人ブウが吸収して現在の人格の元になっている大界王神がキーパーソンになっていることもあってか、魔人ブウの活躍が目覚ましいですね。

「でもよ・・あいつ久しぶりに闘ってるとこ見たけど、モロの魔力が通じないとしてもそもそも前より強くなってねぇか?」

魔人ブウもまたトリッキーな強さの実力者ですが、孫悟空ベジータの苦戦したモロのエネルギーを吸収する力が魔人ブウには通用しないようです。

そして、何故か以前よりも強くなっているようなのですが・・

「みんなはじめましてだね。モロと闘っている間だけブウと交代させてもらうことにしたよ」

それ以上に驚きの異変!

まさか魔人ブウが大界王神に代わってしまうとは・・

かなりの衝撃展開ですが今巻はここまで。この超展開の説明が早くほしいところです。

総括

いかがでしたでしょうか?

ただ強いだけではないトリッキーな強敵であるモロ。そんな相手に孫悟空ベジータがどんな風に挑んでいくのか、何かしら新しい戦い方を身に付けたりする展開になってくるのか、大界王神はどんな戦いを見せるのか、気になるところが盛りだくさんの面白い展開で続きが楽しみです。

テレビアニメ版で放送していたエピソードまでは終えているわけですが、いつまでも漫画版は読み続けたい。そんな風に思う作品だと思います。