『ドラゴンボール超(9)』新章の微妙な評価を聞くけど普通に面白くね?(ネタバレ注意)
『ドラゴンボール超』のコミック版も、ついにアニメで放送されていた『力の大会』編の結末まで追いつきましたね。
アニメ版とは色々と違う展開でしたが、それぞれ楽しむことができて良かったと思います。
最後のフリーザや17号の活躍もアニメ版とは違いますが、立ち位置的には似たような形になっています。
平衡世界における結果の収束みたいな感じで面白いですね。
そして、『力の大会』が終わって地球に帰った孫悟空たちでしたが、すぐに新たな事件が発生して新章に突入することになります。
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本作の概要
いよいよ『力の大会』編もクライマックス。
あとは第11宇宙の強敵ジレンを残すのみとなりましたが、その最後のたった一人がどうにもならない強敵でした。
しかし、ついに身勝手の極意を極めた孫悟空に体力を削られ、孫悟空・ペジータ・フリーザ・17号のそれぞれのプライドや思惑を度外視した戦いに敗れました。
こうして『力の大会』の結末を迎えましたが、孫悟空とベジータは銀河パトロールによって新たな事件に巻き込まれることになります。
本作の見所
身勝手の極意
大猿から始まり、超サイヤ人を代表とする孫悟空の変身ですが、正直格好良さでは身勝手の極意が圧倒的ではないでしょうか?
それも『極』よりも『兆』の状態の方が個人的にはスタイリッシュな感じがして格好良いと思います。
ですが今回は、ついに『極』状態の身勝手の極意に孫悟空が到達し、ジレンに追いつくというエピソードです。
「やはりジレンの底力は計り知れません。カウンターも覚悟の上でスピードを更に上げてきました。こうなると勝手に体が動いてしまうことがかえって負担になってしまいます」
しかし、追いつくどころかジレンを完全に上回っている戦いを見せる孫悟空でしたが、ジレンも一筋縄ではいかないようです。
孫悟空の身勝手の極意が解けるのが先か、ジレンのスタミナが尽きるのが先かという勝負になってきましたが、やはり孫悟空もまだ身勝手の極意に慣れていないのかスグに解けてしまいました。
とはいえ、ジレンの体力もかなり削れていて第7宇宙にはベジータも残っています。
「残り3分もない! 残った力すべてでぶちあたれ!!!」
この段階でベジータが残っているのはアニメ版とは違いますが、ベジータの方から共闘を持ちかけるのが熱いですね。
それに、ずっとウィスVS2人の修行をしていたのでチームワークも抜群です。
まさかこの2人がチームワークで、チームワークの欠けているジレンと戦うなんてという感じです。
決着と結末
孫悟空とベジータの2人がかりでも勝てないジレンでしたが、第7宇宙には伏兵が潜んでいました。
「勝ったら私を生き返らせるという願い・・叶えてもらいますよ!!」
ベジータまで場外に落とされてしまい後は孫悟空一人かと思いきやフリーザが残っていました。
孫悟空がジレンを抑えてフリーザが孫悟空ごと落とそうとしますが、ジレンはフリーザ渾身の攻撃を何とか跳ねのけます。
しかし、フリーザの狙いはそのスキをついて自分ごと場外に落ちる勢いでジレンに体当たりをかますことでした。
「お・・おめぇ、これじゃステージに誰も・・」
最初からこれが狙いだったというフリーザですが、ジレン・孫悟空・フリーザも落ちてしまったら勝者は誰になるのか?
実は、自爆したはずの17号がちゃんと生きて残っていました。
それを知った上でのフリーザの自滅覚悟の攻撃だったわけですね。
ジレンからしてみれば、自滅覚悟の攻撃だと良くて相打ちなので選択肢として考えてもみなかったに違いありませんが、その心のスキをついたということなのかもしれません。
とにもかくにも、ジレンとの闘いは何人も協力してやっと相打ちという結果になりましたが、勝者は第7宇宙ということになりました。
魔人ブウ誘拐事件
「サタンの家に謎の集団が現れてブウさんがさらわれそうになっているらしいの」
「冗談だろみんな忘れてるかもしれんがあいつはとんでもない強さだぞ?」
魔人ブウが何者かに連れ去られようとしている。
ベジータの言うように魔人ブウを連れ去ることのできるヤツなどほとんどいないはずですが、警戒心なくぐっすり眠っているので連れ去るだけなら不可能ではないのでしょう。
しかも、魔人ブウを連れ去ろうとする人物はスキを突いたとはいえ孫悟空とベジータに麻酔銃を命中させるほどの実力者。
とはいえ、特に悪人でも敵対関係にあるわけでもないようです。
銀河パトロールが魔人ブウを連れ去った犯人で、どうやら魔人ブウに吸収されている大界王神の能力が必要だったようですね。
銀河パトロールの実力者に新しい敵。今はまだ眠っている魔人ブウがどのように関わってくるのかも興味深いですね。
モロ
キャラデザ・設定の評判があまりよろしくない新章の敵であるモロですが、普通に強いというわけではなく、どことなくトリッキーなキャラクターっぽいですね。
孫悟空もベジータも相当強くなってきているので、ただ強いだけの敵ではなくこういうトリッキーさのある敵と、銀河パトロールというジャコのせいで今まではかませ犬っぽさがあった組織と共闘して立ち向かうという展開は、すごく新鮮な感じがして面白く思います。
新章はまだまだ序盤という感じで、これがどのような展開に遷移していくのかは未知数ですが、とっても楽しみですね!
ベジータの変化
『ドラゴンボール超』以降、地球に馴染んだベジータの変化の大きさは度々指摘されますが、今巻でもそういう一面が度々みられます。
勝手に17号にクルーザーをあげる約束をしてブルマに怒られているらしかったり、そもそも『力の大会』で宇宙の救世主(ベジータにとっては自分が果たせなかった第6宇宙復活の約束を代わりに果たしてくれたことになるのでしょうか?)となった17号にクルーザーをあげる約束を自分から持ち掛けたり、これもベジータの変わった部分だと思います。
何より一番最初のベジータとの違いを象徴しているのがナメック星でモロと対面した時のセリフ。
「ナメック星人には迷惑をかけた過去があってな。これ以上数を減らすわけにはいかないんだ。てめぇの食事になんかされてたまるか」
今のベジータなら悪人でもない限り害そうとはしないことは分かりますが、積極的に、むしろ義務感すら覚えているようなセリフでナメック星人を守ろうとするのは意外でしたね。
平和な地球に馴染んできているベジータですが、その分意外と過去の自分の悪事には思う所もあったりするのかもしれませんね。
総括
いかがでしたでしょうか?
今度の敵であるモロについては、以前からダサい・同人レベルと酷評しているところが見受けられたり、そもそもとよたろう先生の『ドラゴンボール超』は作画にしろ内容にしろ昔からのドラゴンボールファンの中でもかなり賛否が分かれている漫画だとは思うのですが、個人的には十全すぎる漫画だと思っています。
というか、少年時代にドラゴンボールを読んでいた時以上にハマっているまである。
作画面で批判している人は鳥山明先生の絵をリスペクトしているのだと思いますが、確かに鳥山明先生のキャラデザのセンスはずば抜けているものの、絵の丁寧さや描き込みはとよたろう先生の方が安定していると思いますし、内容的にも世界が広がってきている感じがして全然面白いと思うんですよね。
原作者だけど描かされていた鳥山明先生と、本当に好きでドラゴンボールを描いているらしいとよたろう先生の差なのかなぁ~と思っていますが、どうなんでしょう?
いずれにしろ、個人的には新章のこの先の展開も楽しみにしています!