『ヒカルの碁』の名場面、名台詞から囲碁を学ぼう!(その4)
『ヒカルの碁』は週刊少年ジャンプで連載されていた人気少年漫画です。なので一見地味な囲碁の対局シーンにおいても格好良い演出がされていますが、個人的には塔矢親子と藤原佐為(sai)との対局の演出がとても素晴らしいと感じます。
また、これらの対局に限らずモノローグがまた格好良いですよね。
緊張感や焦り、はたまた自信のようなものが伝わってくるモノローグ。なのですが、しかし囲碁のことを知らない人からしたら雰囲気を楽しんでいるだけになりがちだったのではないかと思います。
今回紹介するモノローグも、モノローグと合わせて盤面の様子がハッキリと描写されているものの、連載当時に読んだ時は正直意味がよく分かりませんでした。(笑)
というわけで本記事の趣旨にピッタリということで紹介することにしました。
今回の名場面・名台詞
この一手で白の眼形をおびやかす!
※文庫版3巻の塔矢アキラのモノローグより
『ヒカルの碁』をそれなりに囲碁そのものにも興味を読んでいた読者であれば、作中でも簡単にはルールが紹介されているので囲碁における眼が何なのかを何となくレベルであっても分かっているのではないかと思います。
分かっていない人のために簡単にいうと、黒白いずれかの石のみで囲われた盤面の交点のことで、これを二つ以上作るスペースがあることは即ち複数の着手禁止点を作るれることになるため、相手から取ることができない生きた石となります。
難しいですかね?
難しい人は、文庫版1巻の第7局でコラム的に紹介されている詰碁問題を見てみると理解が深まるかもしれません。
いずれにしても、ここでの塔矢アキラは相手の石を簡単には生かさないぞ・・と、そういう気迫を見せているわけですね。
『ヒカルの碁』の対局シーンの棋譜はほとんど実在の棋譜なのですが、問題のシーンの棋譜を改めて見てみると、白が黒を攻めようとしている場面で逆に黒が白を攻めようとしているわけで、そう言うとなかなかに強烈な手であることが分かっていただけるのではないかと思います。
とはいえ、相手に簡単に眼を作らせないようにする。そういう形を目指して打っていくというのは常套手段のひとつだったりします。
囲碁初心者の人は、相手に眼を作らせない形、逆に自分は眼を作りやすい形を意識して打つようにすると上達が早くなるかもしれません。
強烈に感じられても基本的な考え方に基づいた打ち方なのだということを覚えておきましょう!