あるいは 迷った 困った

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『服を着るならこんなふうに(7)』洋服を選ぶのが苦手な人にオススメの漫画の最新刊の感想

 

オシャレって中々に曖昧な概念で難しいですよね?

僕は比較的オシャレに苦手意識はない方で、洋服屋でウィンドウショッピングしたり季節ごとに新しい服を買ったりするのが好きで、ファッションにも結構お金をかける方ですが、それでもよくよく考えてみたら何がオシャレで何がオシャレじゃないのかはよくわかっていないような気がします。

結局のところ、流行や周りからどう見えるのかなんてよくわからないので、自分が良いと思ったものが一番良いのだと考えるようにしているのが現状でしょうか。

そして、そんなよくわからないファッションの世界のことをわかりやすく教えてくれるのが服を着るならこんなふうにという作品となります。

オシャレが苦手な主人公がオシャレが得意な妹にファッションについて色々と教えてもらうというのが基本的な流れになっているので、恐らくオシャレが苦手な人に対して「ファッションってこんなに奥深くて楽しいんだよ」と伝えようとしているのが本作品の基本コンセプトなのだと捉えています。

しかし、本当に奥深いオシャレの世界。特にオシャレに苦手意識が無い人にとっても新しい発見があるような内容になっていると思います。

本作品で紹介されている内容の中には、無意識に自分が服を選ぶ時に考えていたようなことが言語化されているようなものがあったり、全く意識したことのない観点もありました。

実際、僕は本作品を読んで得た気付きを、服を買う時に参考にしたこともあります。

上手なオシャレの基本能力を高めるために役立つ漫画になっていて、しかも面白いという良書になります。

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本作の概要

オシャレに興味も出てきて、ついに着古しをどうするかを気にしなければいけないレベルにまでやってきた主人公の佐藤ですが、まだまだファッションについてわからないことはたくさんあるようです。

また、主人公の妹でファッション強者の環にとってもわからないことも出てきます。

正直わからなくても日常的に困ることはそんなに無いのであまり気にしていないものの、これはファッションの奥深さに気付かされますね。

洋服の買い時や古着の良さ。着古した服の扱いなど、まだまだファッションの奥深さの底が知れません。

基本的に1話に対して1知識の構成の漫画なのに、7巻も続けてまだネタが尽きていないのがその証拠だと思います。

本作の見所

洋服の買い時

年始のセールで冬物のジャケットを買いに行こうとする佐藤ですが、環は微妙な反応です。

寒い時には冬服を、暑い時には夏服を買いに行きたくなるもので、佐藤の気持ちはわかりますが、一体なぜ環は微妙な反応をしているのでしょうか?

「洋服には買い時があるからだよ」

それは、佐藤の行動が洋服の買い時を逃しているから、もう少し待った方が良いと考えているかららしいです。

買い時、それはやっぱり衣替えの時期・・なのかと思いきや、どうやら違うようですね。

春夏物は2~4月。秋冬物は8~10月に売りに出されるのだとか。

確かに、量販店はともかくとして季節感のズレた服が売られている店は度々見かけますね。

何でなんだろうとずっと思っていましたが、そういう事情があったのかと勉強になりました。

しかし、僕は買った服をスグに着たい派なので、多少買い時は逃しても良いかな~と結論付けました。

雨の日グッズ

雨の日の服装って悩みますよね。

僕の場合、夏は良いんですけど厚着になる冬の日の雨は本当に憂鬱です。

仕事の時はスーツがヨレるし、布製の靴は雨が染みるし、晴れた日よりも服装には気を使います。

そして今回の話のメインは傘。

確かに、鞄なんかはわかりやすいですが服だけじゃなくて身に付けるものもファッションの一部ですよね。

最近の折りたたみ傘は非常に便利になっていて、僕も百貨店なんかに置いてある良いものには目を惹かれたりしますが、結局お手軽なビニ傘で済ませてしまいます。

しかし、環の言うように良いものを1本持っていたら、確かに雨の日が楽しみになるくらいテンションがあがるかもしれませんね。

雨の日にふさわしい服装があるということって、雨の日になって初めて自覚することが多いので、改めて用意しようとする機会があまりないような気がしますが、やっぱりちゃんと備えとかないとダメですよね。

古着の世界

新しくできた古着やに入る佐藤ですが、先入観から古着を嫌がっています。

僕も、ネガティブなイメージこそ持っていませんでしたが、同時に興味もありませんでした。高校生の時に友人と1回入ったことがあるくらいです。

ですが、ファッション玄人の中には古着好きの人がいるのも事実で、見渡せば意外とあちこちにある古着屋に一定の需要があるのも確かなのだと思います。

古着屋の種類、そもそも全てがユーズド商品ではないこと、流行服の原型が手ごろな値段で買えるかもしれないこと、流行はサイクルすること、などなど色々説明されていて、僕も古着のことに興味が出てきました。

特に商品の幅広さは確かに魅力的に感じます。

僕の場合、余程おかしくない限りは流行のことは気にせず好きな服を着るタイプですが、洋服屋、特に量販店で売られている服はどれも似たり寄ったりなので、古着屋は選択肢の幅を広げてくれるかもしれませんね。

ファッションの話

環の影響でオシャレに興味を持ち始めた佐藤とその友人たち。

ファッションに限った話ではありませんが、話せる同士がいると何でも盛り上がりますよね。

洗濯マークの話、ハンガー、スチームアイロン、靴の手入れ、などなどで男同士盛り上がっているのが意外とシュールな光景です。(笑)

そして、個人的に特に気になったのは洗濯マークとハンガーの話。

洗濯マークについては、そういえば小中学校の家庭科の授業で習って以来意識したことがあまりなく、久しぶりに思い出すキッカケになりました。いや、一人暮らしで自分で洗濯するようになってからも、洗濯は直感でやっていたもので。(笑)

そして意外と重要なハンガー。

これはさすがに重要性を知っていましたが、ちゃんとしたハンガーでないとスーツの肩の部分が変な形にヨレちゃうんですよね。

こういう普段盛り上がらないような話題で盛り上がるのって何とも楽しそうです。

コラボ商品

ユニクロH&Mでは高級ブランドとのコラボ商品が安価に販売されていることがあるようです。

し、知らなかった・・

そんなことを聞くとちょっとアンテナを貼っておきたくなりますよね。

今回、佐藤はそんな新作の発売時期を逃してしまったようですが、洋服って意外と良いものの適正サイズの在庫が無かったり、ガッカリするようなことも多いので、早い者勝ち的な要素が大きいと思います。

「男の人って春物のコート買わないでしょ? だからどこに店でも高いんだけど」

そして、ちょっと引っかかった環のセリフ。

コラボ商品とは関係ありませんが、男があまり春物コートを着ないのもそうですが、全体的に男物の服って女物の服に比べて値段が高いような気がしますよね?

やっぱり、女性の方がたくさん服を買うから大量生産できるっていうのもあるかもしれませんね。

髪型と着こなし

女性は本当に色々な髪型をしていますよね。

その分、手入れも大変なのかもしれませんけど、ファッション的には選択肢が広がって羨ましい限りです。

ですが、今回は男性でもちょっとした髪型の変化と着こなしで、カジュアルとフォーマルを使い分けることができるというお話。

髪を上げるとフォーマル、髪を下げるとリラックスしたカジュアルな雰囲気になり、同じ服でもシャツをタックインしているか否かでフォーマルになったりカジュアルになったりもする。

言われてみればなるほどですが、全く意識したことはありませんでした。

そういえば昔、結婚式場でアルバイトをしていた時に、そこでは髪を上げさせられていたのを思い出しましたが、それがフォーマルな髪型だったからなのですね。

服装とTPO

環にもファッション絡みで苦手な話もあるのですね。

キャンプに来ていく服の相談を受けた環ですが、アウトドアをしたことの無い環にはよくわからないようです。

一方で、いつもは環に教えられる立場の佐藤はキャンプに行ったことがあって、参考になる意見を出すことができました。

ということで今回はアウトドアに合うファッション・・ではなくTPOに合った服装というのがテーマだったらしいですね。

どんなに高価で良い服を持っていたとしても、場に合っていなければダサくなってしまうものです。

僕の場合、自分の持っている服のTPOに合わない場所にはそもそも行こうとすらしませんが、それもちょっとした工夫で合わせたりできるのでしょうか?

その辺、ちょっと興味がありますね。

着古した服

着古した服の処分って確かに困りますよね。

余程のことが無い限り実用性だけで言えばいつまでも使えてしまうのが洋服というもの。

新しく買う時には「買い替え」という言葉を使うことが多いものの、その実態は大抵「買い足し」といった方が正しいような気がします。

そして、ファッションに興味を持ち出し自分で服を買うことの増えた佐藤も、ついに処分に困るタイミングがやってきたようです。

意外とかさばるものだし、すぐに溜まってしまうんですよね~

僕の場合、着なくなった服は「いつか着るかも」と数年一度も着ずに残して、さすがに何年も着なくなったら捨てるようにしていました。

それに貰い物の服とかもあったりするので、そういうものだとより一層処分に困るものです。

しかし、本作品は着古した服に対して処分以外の選択肢も教えてくれました。

リサイクルや、補修やリメイク。

貰い物など思い出深い服は補修するというのも手なのかもしれませんね。

総括

いかがでしたでしょうか?

本書は、オシャレに苦手意識がある人にとっても、オシャレに興味を持つキッカケになるような良書だと思うのですが、何となくそういう苦手意識がある人たちほど手に取らなさそうな本でもある気もします。

もしそうなら、こんなにもったいないことはありません!

服を着るならこんなふうには別に、淡々とファッションについて教えているような教本ではありません。主人公の佐藤と妹の環の掛け合いなど、ファッションというテーマとは無関係に面白い漫画です。

なので「自分はあまりオシャレには興味ないから・・」という理由で未読の人がいたら、まずは一度読んでみることをオススメします。

普通に面白いですし、ファッションについてちょっと詳しくなることもでき、オシャレに興味を持つキッカケにもなるお得な作品ですよ!

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