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魔法陣グルグル。懐かしの漫画、書評シリーズ【その1】10巻

 

ミュージカルな雰囲気の第10巻です!(前巻の書評はこちら

10巻は魔法陣グルグル全体を通しても異質な雰囲気ですよね。

今の僕は10巻のことを魔法陣グルグル全体を通してかなり好きな巻だと思っていますが、実は昔読んでいた時はこの異質な雰囲気があまり好きではありませんでした。

というのも、メルヘンチックな感じと恋愛要素的な部分が他の巻に比べてかなり強めに感じられるような内容になっているからです。

それが当時、思春期の男子だった僕にとっては何だか照れくさい、まるで少女漫画を読んでいる時のようなくすぐったさを覚える内容に感じられたのです。

当時は『ONEPIECE』『HUNTER×HUNTER』といったThe少年漫画とでも呼ぶべきような作品の連載が立て続けに始まっていた時期で、そんな中で魔法陣グルグルのような少年漫画は異質だったように思います。

まあ、僕はそんな魔法陣グルグルが好きなわけなんですけどね。(笑)

しかし、当時はそんな理由からあまり好きではなかった10巻ですが、年を経るごとにアラハビカ・パンフォスのエピソードの良さが理解できるようになってきました。

何というか、面白いというより楽しい感じなんですよね。

あと、ジュジュちゃんは相変わらず可愛いです。

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本作の概要

デリダによってミグミグ族とグルグルの秘密が語られ、悪魔になったククリから悪魔を祓うためにジュジュが登場します。(わ~い、ジュジュちゃんだ~)

そして、悪魔が祓われたククリはパンフォスの遺跡にいるという。

ニケたちはいよいよパンフォスの遺跡に突入することになりました。

パンフォスの遺跡では、塔の主の力で次々と不思議なことがおき、カヤたちとの戦闘も絶え間なく発生するのですが、どうやら塔の主はニケたちに味方しているようです。

結果的に不思議な出来事はニケたちの都合の良い形に働くこととなり、いったんカヤたちをパンフォスの遺跡から追い払うことに成功します。

その後、パンフォスの遺跡を破壊して魔神をあぶりだすという強引な手段で再度攻め込んできたカヤたちの元に、塔の主が姿を現すのですが・・

何故か塔の主はククリでした。

ここから先は謎の・・いや楽しい楽しい敵味方を巻き込んだミュージカルが始まり、その流れでカヤたちを撃退することに成功しました。

本作の見所

恋するハート

ニケはククリの矢文を見て、自分が悪魔になったククリのことを見ようとしていなかったことに気付かされます。

デリダは、ミグミグ族にとってはグルグルが失敗したり悪魔になったりすることも実は問題無いのだと言います。

ミグミグ族は「ハートの戦士」であり、グルグルは闇でも光でもないハートの魔法。

そして、悪魔になることすらハートの形の一つなのだとか。

「今はその名も絶望的に聞こえるだろう」

「その魔法陣は・・・」

「「恋するハート」というのだ」

最強のグルグル「恋するハート」。

ハートに触れてもらえず失恋した形にあるククリにとっては絶望的ということでしょうか?(昔はデリダが口にするのに絶望的という意味だと思っていたけど違いますよね?)

悪魔祓い

舞踏会のためにおめかししてるジュジュが可愛い・・

じゃなかった。

「呼ばれたから来たの」

悪魔祓いのために呼ばれたのだというジュジュ。

悪魔ククリが伸ばした手に連れられて来た形ですが、呼んだのは悪魔ククリではなく人間に戻りたいククリなのかもしれませんね。

それにしても、悪魔祓い中に世間話しようとしたり、静かにしろと言ったり、振り回されているニケが大変そうで面白いです。(笑)

「ククリ泉の中に沈んじゃったけど」

「失敗じゃない」

ともあれ、悪魔祓いは成功したようですがククリは消えてしまいました。

ジト目で見るニケに失敗じゃないと答えるジュジュが地味に可愛いですね。

そして、ニケとジュジュの元に次々と現れるおじさま方。

デリダ・キタキタ・アダムスキー・・

「ニケ君、変わったオヤジを集めたの?」

「そういう趣味だったのね。それでクーちゃんは悪魔に・・」

その発想はなかった!(笑)

しかし、微妙にニケにあたりの強いジュジュですが、とんでもないことを告白しだします。

「あたしククリちゃんが好きなのかもしれない」

この「好き」がどういう意味の「好き」なのかは未だにわかりませんが、ニケには意味深に言っているものの何となくククリの親友ポジション的な意味での「好き」なのではないかと思っています。

それとなくククリの背中を押したり、悪魔ククリを怒ったり、何となく言動が良い友達って感じがするからそのように思いました。

そう考えると、ニケにあたりが強いのはククリに対して不甲斐ないと思ったからなのかもしれませんね。

パンフォスの遺跡

パンフォスの遺跡に突入して早々、ジュジュがただならない塔の主の気配を感じ取ります。

「一輪車に乗ってバックしながら砲丸投げするムジナみたいな」

冗談なのか塔の主を試したのかわかりませんが、ジュジュのセリフが面白いですね。

1巻のカセギゴールドの弱点を思い出すような、一度聞いたら忘れられないフレーズです。

「なんの!こっちは三輪車で棒高跳びするオヤジですぞ~っ」

「そうですね」

キタキタおやじの対抗とニケの冷めたツッコミもなかなかシュールで良いです。

ともあれ、その後もトマの店の彫像が走って来たりと、塔の主の不思議かつ遊んでいるかのような出来事が次々に起こります。

アラハビカ

パンフォスの遺跡の内部構造がアラハビカの町そのものになっていることに気付いたニケたち。

「そうか!好奇心をもってアラハビカを愛した者だけがパンフォスを歩き回る権利を得るというしかけじゃ!」

サラッとしたシーンだけど、何だか良い仕掛けですよね。

驚くべき仕掛けにキーとなるアイテム。そういうのも良いですが、町を愛したことそのものが攻略のヒントになるなんて、魔法陣グルグルらしいファンタジーとメルヘンの入り混じった良い仕掛けだと思いました。

ちなみに、アラハビカは「秋葉原」の、パンフォスは「ソフマップ」のアナグラムになっています。

好きな人には本当に楽しい町という点で共通しているのも面白いですね。

ケベスベス再び

4巻に登場したエロい魔物が再登場しました。

魔法陣グルグルって、ニケとかにはスケベな所もあったりしますが、何というか子供っぽいスケベさなんですよね。

恐らく、マジもんのスケベなキャラクターってケベスベスが唯一な気がします。

良くも悪くも芸のないケベスベス。

男は固まって女の子にはエッチな踊り。そして、この場にいる女の子は・・

そうですね。ジュジュだけなのですが、ジュジュは魔法陣グルグルに登場する女の子の中でも最もエッチな踊りが想像できないキャラクターの一人。

実際、いきなりワンピース型のドレスを脱ぎ捨ててパンイチになり、狼に跨ってケベスベスを追いかけだします。

「あたし・・なぜスッポンポンでオオカミにまたがって悪魔を追いかけてるの?」

ひょっとして、そもそもジュジュには悪魔の攻撃が通用しないのではないかとも思ったのですが、どうやら完全に効いているようです。

ケベスベスのエロパワー恐るべし・・

そして、普段クールなジュジュですがさすがにスッポンポンにされたことは恥ずかしかったのか、ケベスベスに対してはちょっとマジでキレていました。

そして、そんなジュジュも、そして女の子にとっては結構な事件なのにあまり引きずってはいない様子のジュジュも、ホントに可愛いと思ってしまう僕はいけない大人なのかもしれません。(笑)

戦争ごっこ

「なんかおおげさ・・男の子って戦争ゴッコが好きなんだから」

一旦カヤたちの退却したパンフォスの遺跡で、見張りをするニケとトマが楽しそうですが、ジュジュは冷めた様子です。

いや、一番最初にパンフォスの遺跡を楽しいと言ったのはジュジュなんですけどね。

それにしても、お洒落なドレスからラフな格好に着替えて、これまたラフな感じのツインテにしたジュジュも可愛いと思います。

塔の主のククリとミュージカル

戦争ゴッコが本当の戦争になりました。

再びパンフォスの遺跡にやってきたカヤは、塔を破壊して魔神をあぶりだすという強引な手段に打って出てきました。

そして激戦の中、ついに塔の主が登場します。

「プリンセスククリ惨状!!」

何と、塔の主はククリでした。

今思えばその伏線もあって予想されて然るべきでしたが、当時は全く予想できていませんでした。

その後は塔の主ククリの力で敵味方双方を巻き込んだミュージカル。

何だかよくわからない間にククリたちはカヤたちを撃退してしまいました。

一応、このミュージカルは魔法陣の外側が夢になる最強のグルグル「恋するハート」の未完成の姿なのだとか。つまり、ククリ本人というよりはククリの夢の中のククリの理想が暴れていたということなのですね。

おっぱいの戦い

トマとジュジュだけが知る事実。

ククリが自分の自信を持てず「恋するハート」を完成させることができなかった原因は胸が小さいという悩みかもしれない。

おっぱいの戦い

歴史に残る事実を2人の秘密となりました。(笑)

「「眠り姫の戦い」とでも呼びましょうか」

というか、直前に何だか格好良い名前を付けていたトマが微妙に恥ずかしいですね。

総括

まっしろな旅立ち。

いや、いつもノーヒントで旅立ったりと結構まっしろじゃん・・ってツッコミたくなりますが、今回は(も?)本当に次の冒険が予想できませんね。

いよいよ魔法陣グルグルの物語も折り返し。

今後の展開にも目が離せませんね!(次巻の書評はこちら