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『いじめるヤバイ奴(4)』サイコパスハーレムが広がる漫画の感想(ネタバレ注意)

 

主人公の周りにたくさんの女子が集まってくる。

そんな事実だけを切り取るとよくあるハーレム漫画のようですが、いじめるヤバイ奴の場合は主人公の周りに集まってくる女子はろくでもないサイコパスばかりです。(笑)

4巻ではまた一人ヤバイ奴が増えました。

主人公の仲島くんからしたら青山さんのヤバさにまだ気付いていないのがせめてもの救いでしょうけど、逆に言えば現在の白咲さんに加えて緑田さんという二人のヤバイ奴を同時に相手にしなくてはいけなくなった状況は仲島くんにとっても初めての状況。

その苦労が偲ばれますね。(笑)

青山さんが登場した時点では考えもしませんでしたが、まさかこうしてヤバイ奴ハーレムが形成されていく漫画だったとは・・って感じです。

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本作の概要

他のクラスのいじめの影響で、自らもいじめが実行しづらい状況になってしまった仲島くんは、その状況を解決するために他クラスのいじめの解決に乗り出しました。

そして、恐怖の推理ショーの末に華麗に他クラスのいじめを解決するのですが、次から次へと仲島くんには困難が訪れます。

加藤くんに拉致され大ピンチに!

しかし、そこでは白咲さんがちょっと怖い感じで大活躍。いじめっ子としての加藤くんは完全に心が折られてしまいます。

そして、修学旅行が終わった後は文化祭編へと突入していきますが、そこでは修学旅行で結果的には仲島くんに助けられた形となる緑田さんが新たなるヤバイ奴として再登場します。

本作の見所

いじめっ子探偵の恐怖の推理ショー

対外的には最悪のいじめっ子である仲島くんですが、それが白咲さんをいじめるためであることは読者的には周知の事実です。しかし、作中の仲島くんの同級生たちにとっては相当ヤバイいじめっ子。

そういう描写はありませんが、いじめっ子探偵仲島が同級生たちの目にどう映っていたのかは興味深いところですよね。

「謎は全て解けた」

そして、ついに別のクラスのいじめっ子を突き止めた仲島くんですが、あからさまに金田一で逆に面白かったです。

あからさますぎて清々しいくらい。(笑)

同じ講談社だからできる所業でしょうか?

「これからいじめっ子探偵による恐怖の推理ショーを始めようと思う」

そして、 いじめっ子を追いつめる手順や犯人(いじめっ子)の反応までが金田一っぽいのがまた面白い。

「お前の髪の毛に付いているその藻はどう説明をするんだ?」

「バカな! ちゃんとタオルで拭いたはず・・はっ」

こういうブラフも金田一っぽいですよね。

本当は決定打となる証拠があるのに、状況証拠やブラフでジワジワと真綿で首を絞めるように追いつめていく。

金田一と違うのは決定的な証拠自体は無いところですが、本物の犯罪ではないので状況証拠でも周囲の誰もが納得すれば十分ですし、何より口止めされていたらしい被害者本人が本当のことを言いやすい雰囲気を作り出すことに成功しているので、いじめっ子探偵は十分な名探偵だったのではないでしょうか?

加藤くんの敗北

本物のいじめっ子というか、いじめっ子どころではないサイコパスだった加藤くんですが、転校してきてからずっといじめっ子として君臨している仲島くんを敵対視しています。

多くのいじめっ子には自分がいじめっ子である自覚は無いのだと思いますが、加藤くんの場合は自覚的ないじめっ子で、いじめに快楽を求める本当にヤバイ奴で、その言動だけを見れば白咲さん以上にヤバイような気もします。まあ、白咲さんの場合は分かりにくい部分にこそヤバさがあるので一概に比較はできませんけど。

そして、4巻ではそんな加藤くんとのとりあえずの決着が付くのですが、それが意外にもあっけない結末だったのが印象的でした。

今まではなんとかその場しのぎの機転で対応してきましたが、そもそも実際にはまじめな常識人である仲島くん。

拉致され、ロープで縛られ身動きが取れず、周りも絶対に逃げ出せないように鉄線で囲まれた状況ではどうしようもありません。

それではなぜ決着があっけなく着いたのか?

「私から1つだけはっきり言えることは、私のいじめっ子をいじめたあんたは重罪ってことかしら」

それは白咲さんが、仲島くんにいじめ「させている」という事実を明るみにしてでも乱入してくるくらいに加藤くんに対してキレたからとなります。

加藤くんに制裁を加える白咲さんは、それはそれはヤバイ奴で、あっという間に加藤くんの心を折ってしまいました。

これは前述しましたが、言動だけなら加藤くんの方がサイコパスに見えるものの、やっぱりその本質は白咲さんの方がヤバイ奴だったのかもしれませんね。

名前に『色』のある女子

いじめっ子探偵をしている仲島くんが印象的だった修学旅行編も終わりましたが、そこでいじめられていた女子の緑田さんが4巻後半では新たなヤバイ奴として登場してきます。

文化祭実行委員をしながらどうやって白咲さんをいじめるかに苦慮している仲島くんですが、修学旅行での他クラスのいじめの件もあって学校側がいじめに対して敏感になっている状況。

自分以外の下手ないじめにも仲島くんは注意していかなければなりません。

全ては白咲さんのいじめを継続するために。

そんな中、仲島くんに助けられたことを恩義に感じているらしい緑田さんが、自らいじめられているフリをするというサイコパスなアプローチで仲島くんに近付いてきます。

最恐のいじめっ子を振舞う仲島くんですが、緑田さんにとっては自分をいじめから救ってくれた恩人(いじめっ子探偵)であることは確かですから、それが好意を持つキッカケになるのは分かります。

しかし、そのアプローチの仕方というか、発想が普通ではありませんでした。

自分以外による下手ないじめが学校側に知られることで、自分自身のいじめに支障が出ることを避けたい仲島くんは緑田さんを守り通すことを決めますが、白咲さんをいじめながら緑田さんを守るという二重に大変な状況を乗り切ることができるのか。それが今後の展開の見所なのではないかと思います。

それにしても、緑田さんのこのいじめられたフリをするという状況、仲島くんにとっては実際にいじめがあること以上にやっかいそうな気もしますね。

修学旅行の時のように犯人を見つけて解決することができないわけですし、仮に緑田さんがいじめられているフリをしていることに気付いたとしても、それはそれで面倒くさい事態になっていきそうです。

ちなみに、これで本作に登場したヤバイ女の子は三人目ですが・・

一人目の白咲さん。

二人目の青山さん。

三人目の緑田さん。

もしかするとヤバイ女の子には名前に『色』を入れるようになっているのかもしれません。

今後もし名前に色の付いている女の子が登場したら、そいつにもヤバイ何かがあるのかもしれませんね。

例えば、赤星さんとか桃井さんとか、そんな感じ?

メインヒロイン(?)が白咲さんなので、最後には黒咲さんとかが登場しても面白いかもですね。

総括

いかがでしたでしょうか?

相変わらずヤバさ全開の漫画ですね。

全開というよりも全壊というような気もしますが。(笑)

ほんとみんなどこか壊れていて、一見一番壊れているように見える仲島くんこそが一番まともなのが面白いです。

修学旅行編も終えて、ヤバイ奴が一名様追加されて始まる文化祭編がどう進展していくのかも楽しみなところです。