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『いじめるヤバイ奴(7)』最早いじめハーレム漫画ですね(ネタバレ含む感想)

 

いじめるヤバイ奴の生徒会編にはこの7巻で決着が付きますが、その影響で矢場高校は姉妹校である場井高校に吸収合併されることになります。

そして、本物の一流校である場井高校には新たないじめエピソードが待っています。

そして、これまでも加藤、如月と仲島君のいじめライバルが登場してきましたが、如月の上位互換の様相を呈する新たないじめライバルが登場します。

次々と登場するいじめの加害者に被害者たちの数々は、さながらハーレム系ラブコメのヒロインのようですらあります。もちろん、さすがに誰かとエンディングを迎えるようなことはないでしょうけども。(笑)

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本作の概要

いじめの証拠の動画が全校生徒の前で流されてピンチだった仲島君でしたが、入念な下準備と白咲さんや青山さんの助けもあり何とか如月に勝利しました。

しかし、生徒会によるいじめの発覚は学校の吸収合併というあまり聞いたことのないほどの大きな影響をもたらします。

そして、合併先の高校には新たないじめの世界が待ち受けていました。

本作の見所

決着と二人目の廃人

仲島君のいじめは既に周知の事実なのではないかという気もしなくもないのですが、それでもやはりそれを知らなかった人を含めて大きく広められる影響は大きいのかもしれません。

そんな状況で、生徒会の陰謀が渦巻くミスターコンテストの舞台で仲島君のいじめの動画が流されてしまうのは非常にマズイ状況なわけで、というか元々この動画が流されることを阻止しようと動いていた仲島君はこの時点で敗北と言っても過言ではないくらいの状況だったはずで、まさに如月の思い描いた通りの展開を辿ってしまっているように見えます。

しかし、何か逆転の手がありそうな様子は6巻時点からありましたが、その答えは中々に突飛なもので少し笑えました。

なんと仲島君は、ミスターコンテストの会場内を自らのいじめを見せつけることで恐怖心を植え付けた生徒で固め、それ以外の者を入場させないように制限していたのです。

まあ、いくらなんでもそこまでの人数の人心をコントロールするのは難しいだろうというツッコミどころはあるものの、何でもいじめで解決しようとする一貫性があるのは本作品の良いところだと思います。

それに前巻では田中に加藤の頑張りが目立ちましたが、人が変わったような緑田さんに機転を利かせる白咲さん、それに白咲さんの計算通りに暴走する青山さんと、考えてみれば過去の主要キャラクターの総力戦みたいな感じで生徒会のいじめを公なものとした流れも面白いですね。

ヤバイ奴らばかりの漫画ですけど、ラスボス相手に過去の敵も仲間になって立ち向かう展開は少年漫画的な感じがしますね。いや、どう考えてもそういう展開の他の作品と同じ印象は無いのですけど、構成だけみたらそうなっているところが興味深いところです。

とはいえ、仲島君に敗北したものの如月の心は折れておらず、いつかは逆襲しそうな雰囲気がありました。

しかし、そこにトドメを刺したのは白咲さん。加藤以上の廃人へと如月を追い込みました。

もしかしたら、仲島君のいじめライバルには仲島君自身が勝利するものの、そこに白咲さんがトドメを刺して廃人にするというのが本作品のテンプレ的な展開になっていくのかもしれませんね。

学校の吸収合併と新たないじめ対決

生徒会のいじめが周知になった影響で矢場高校は姉妹校である場井高校に吸収合併されてしまいます。

そして、本物の一流校である場井高校には歪んだ選民思想が渦巻いており、そんな思想に基づくいじめが横行していました。

それもまた生徒会が広めた思想らしいのですが、底辺の者を貶めることで上位の者の成績が向上しているという成果があることで教師すらその選民思想に捉われているというまるで異世界のような環境がこれからの舞台となります。

矢場高校でのいじめエピソードにおけるラスボスは生徒会の如月でしたが、その上位互換とも言えるような場井高校の生徒会がラスボスというのは面白い展開ですね。

徳光貞志というのがそのラスボスの名前ですが、如月のように隠れていじめをしているのではなく、むしろいじめを正当化していじめられる側にすらそのことを理解させてしまっているヤバイ奴です。

そして、そんな徳光の考えを理解して配下に加わろうとしているのが意外にも緑田となります。

矢場高校と場井高校の吸収合併は今までの主要人物の立ち位置にも少なからず影響を及ぼすのだと思いますが、その辺がしばらくは注目すべき点なのではないでしょうか?

立ち位置の影響といえば、場井高校の生徒でありながら徳光の考え方に反発心を持っている黒宮さんの登場も気になる点です。なんと黒宮さんは白咲さんの中学の同級生で、過去を知っているであろうキャラクターだったからです。

現時点では徳光が仲島君のことを意識しているような描写はありませんが、恐らく今後はこの二人のいじめ対決という展開になっていくのだと思われます。そして、そこには黒宮さんが当然絡んでくるわけなのですが、その影響で謎めいた白咲さんの思想の謎が少し分かってきたりするのではないかと推測します。

総括

いかがでしたでしょうか?

本作品は正直なところ僕が漫画という媒体に求めているようなタイプの作品ではない気もするのですが、謎の中毒性があって続刊が出る度に読み続けてしまいます。

いじめというテーマに触れると少なからず陰鬱な気持ちになりますが、あまりにも浮世離れしたヤバさがあるので逆にエンタメとして楽しめるのかもしれませんね。ヤバさが抑えられてリアリティが出てきた方が読んでいて暗い気持ちになってしまうかもしれないという考え方です。

ともあれ、そんないじめるヤバイ奴においてずっと謎めいた存在だった白咲さんでしたが、6巻くらいから徐々にその謎めいた部分を明らかにしようとする動きがある気がします。

明らかに白咲さんと対比した名前の新キャラ黒宮さんがどういう働きをするのか、それが今後の気になるポイントです。