『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。(1)』タイトルに反してどMな少女が主人公の漫画の感想です。
またまた「なろう系」小説である『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』のコミカライズ版が出ました。
異世界転生・転移系の物語ではなく、VRMMOのゲームの中の物語となります。
例えば『ソードアート・オンライン』のように現実の事件とリンクしているようなことはなく、あくまでも娯楽としてゲームを楽しんでいるだけの物語なので、切羽詰まったような緊張感はなく、どちらかと言えばほのぼのとした雰囲気の作品となります。
では本作品の魅力とは何でしょうか?
それは、普段ゲームしない人の意外なプレイングの全てが良い方向に働いていく点だと思います。
かなりご都合主義な展開ではありますが、何であっても初心者の意外な行動がベテランを上回るようなことは稀によくあることで、そういうのって現実でも面白い出来事として語られるネタになりますよね?
本作品は、そういう稀によくあることを巻き起こすことに特化した主人公がゲーム内で出世していく様を面白おかしく描かれているのが魅力の作品となります。
ぶっちゃけ、タイトルから防御力特化の主人公だということは分かると思いますが、どちらかと言えば意外な行動をすることにこそ特化した主人公なんですよね。
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本作の概要
ゲーム好きの友人・白峯理沙の勧めで主人公・本条楓はVRMMOの『New World Online』をプレイすることになります。
本名の楓から取ったプレイヤーネームは”メイプル”。
最初は理沙に振り回されて仕方なくという感じでプレイし始めるのですが・・
初心者らしい、型にはまらないプレイングで思わぬ成長を遂げていきます。
誘ったはずの理沙は勉強ですぐには一緒にプレイできない状況ということもあり、メイプルの特殊なプレイングは留まることを知りません。
すぐにメイプルは他のプレイヤーに注目されるようになり、どんどん頭角を現していきます。
そして、最初は仕方なくプレイしていたメイプルも、その特殊なプレイングを自覚してかしないでか、どんどんハマっていきます。
はぐれメタル系少女(毒持ち)の躍進に注目の第1巻です!
本作の見所
はぐれメタル系少女の誕生!
獲得したステータスポイントを自分自身で割り振るスタイルのゲーム。
メイプルは防御力の高い大盾の職業を選び、ステータスポイントを全て防御力に振り分けてゲームをスタートします。
タイトルでも言ってる通り、痛いのは嫌なのでしょう。
その結果として、防御力・HP・MP以外のステータスが0という極端なキャラクター・メイプルが誕生しました。
兎のようなモンスターの攻撃もいくら受けても、全くものともしない防御力。むしろ攻撃している兎のHPがどんどん減っていきます。
そして、その相手の攻撃を受け続けるという特殊な行動によって、メイプルは”絶対防御”というこれまた防御力を向上させるスキルを手に入れます。
しかし、毒攻撃だとHPが減少するようでピンチに陥りますが、これまた相手の毒攻撃を受け続けることで毒耐性を獲得し、その後も主に敵の攻撃を受けることでスキルを獲得していきます。
いやはや、痛いのは嫌だと言っていますが、その行動はどMそのものですよね。(笑)
「1回だけ戦うつもりだったのに・・うっかり夢中でやっちゃったなあ」
「うわっすごい時間、明日のプレイに響く」
というわけで、最初は仕方なく始めたゲームに、メイプル・楓はすっかりハマってしまいました。
攻撃を受け続けてハマるとか・・可愛いのに完全にどMですね。(笑)
はぐれメタル系少女が毒持ちに!
初期装備のままのメイプル。ゲームが楽しくなってきたメイプルはちゃんとした装備も欲しくなってきたようですが、ダンジョン「毒竜の迷宮」で格好良い防具を手に入れることになります。
「毒竜の迷宮」も新しいスキルを手に入れつつ攻略していくのですが、ボスの毒竜には少し苦労します。
毒竜の毒のブレスはメイプルでもダメージを食らうようで、逆にメイプルの攻撃は毒竜に通じません。このままではジリ貧という状況だったのですが・・
メイプルは瞑想で回復しながら毒のブレスを受け続けます。
「HPが少なくなったらポーションで凌いでギリギリ耐える。そうすればきっと毒耐性が上がるはず・・」
こういう発想が独特なんでしょうね。ついでにどMなんですよね。(笑)
ともかく、メイプルは毒無効のスキルを手に入れました。
しかし、依然としてメイプルの攻撃は通用しません。
「よく見たら竜のお肉ボロボロで柔らかそう」
「いただきます!」
もはや独特というか何というか・・
マズそうにしながらも毒竜を平らげ、まともな攻撃手段である毒竜というスキルまで手に入れてしまいます。
はぐれメタル系少女が装備を手に入れました
「毒竜の迷宮」を攻略したボーナスとして念願の装備を手に入れたメイプル。
ただでさえ強力になってきているメイプルの防御力の上昇が止まりません。
防具を手に入れたメイプルは、記念品欲しさにバトルロイヤルイベントに出場しようとするのですが、メイプルのレベルは18。実際のところどうなのかは不明ですが、もっと高レベルのプレイヤーも出場するイベント、このままでは厳しいだろうと考えたメイプルはまたまたキャラクターの強化に乗り出します。
モンスターを倒したり、そして食べたりとスキル集めに余念がありません。
バトルロイヤルイベント
そして、いよいよイベントに参戦です。
他のプレイヤーとの絡みは今まであまり無いメイプル。とにかく普通ではないプレイングで成長してきたことはわかりますが、それがどこまで通用するのかが注目のイベントなのですが・・
蓋を開けてみれば、全くダメージは通らない上に凶悪な攻撃手段まで持っている、まるで昔のゲームの負けイベントのボスのような状態になっているメイプル。
敵を倒した数が少ないのか、結果は3位でしたが恐らく一番記憶に残るプレイヤーであったことは間違いないでしょう。
「えっと・・一杯耐えれてよかったでしゅ」
勝利のインタビューで噛んでしまし恥ずかしがっていますが、「一杯耐えれて」て・・
やっぱりメイプルってどMですよね?
サリー(理沙)参戦
楓をゲームの世界に誘った理沙が、ついにゲームに参加できます。
楓が意外にもハマっていることを知らなかった理沙はとても嬉しそうですね。
しかし、楓・メイプルの一風変わったプレイングのことを聞いて若干呆れ気味です。
「決めた!私は『回避盾』になる」
そしてメイプルのプレイングをヒントに、どんな戦いでもノーダメージのパーティを目指すことにした2人。
これは、類は友を呼ぶというヤツですね。
全くダメージを受けないことを目指す。どMなメイプルとは真逆かと思いきや、なかなか苦行の道であるはずの選択なので、サリーもどMなのかもしれません。(笑)
総括
いかがでしたでしょうか?
ご都合主義な部分も多いですが、発想の勝利というか、非常に面白い作品だと思います。
コミカライズ版1巻時点で既にメイプルが極まってきていますが、今後もメイプルは留まることを知らないので、まだまだ面白くなると思います。
ちなみに、僕は本作品の原作既刊は全て読んでいますが、コミカライズ版の発売から少し遅れて原作最新5巻も発売予定になっているので、そちらの方もとても楽しみにしています!