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『桐谷さん ちょっそれ食うんすか!?(8)』全くエロくない下ネタが独特すぎる漫画の感想(ネタバレ注意)

 

明里先生が桐谷さんの雑食の新たな犠牲者(?)になる桐谷さん ちょっそれ食うんすか!?ですが、相変わらず意外な食材が数多く登場します。

見た目はそこそこでも味が想像できなかったり、見た目からしてTHE雑食という感じだったり、そのバリエーションは多岐にわたりますが、いずれにしてもほとんど食指が動かないという点で共通していますね。(笑)

いや、もちろんそれを美味しいと食べている人や文化はあったりするのでしょうけど、どんなに挑戦的な人でも基本的に人は不慣れなものに臆病な生き物ですし、それが食事となるとハードルがひとつもふたつも跳ね上がるような気がします。

とはいえ、桐谷さん ちょっそれ食うんすか!?という漫画のハードル自体は高くなく、気軽に雑食文化に触れられる面白い作品であると、毎度のことながら思わされます。

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本作の概要

前巻では少々異色な雑食が紹介されている印象がありましたが、8巻では比較的正統派(?)な雑食が数多く紹介されているい印象です。

これまで桐谷さんの雑食に付き合うことになっていたのは榊先生を除けば桐谷さんの同級生がメインでしたが、明里先生という大人が新たな犠牲者として加わり、より多方面からの反応が見られる感じにもなっています。

本作の見所

生きた化石

生きた化石といっても、それは単に太古の昔から姿を変えずに生きている生物を指す言葉なだけで食べられるものは普通に食べられるのでしょうけど、生きた化石という言葉から受けるインパクト自体が大きいですね。

まあこちらも有明海付近で普通に食用として販売されているらしいので、味は普通に貝っぽくて美味しいらしいですね。

「安定の有明海・・」

確かに、有明海の登場はこれでいったい何回目でしょうか?

まあ学校の教科書にすら変わった生態系のある国内最大の干潟として習うくらいですから、なるほどそういうことかという納得感はあるものの、思っていた以上に変わった生物がいてしかも食用として食べられているという事実に驚かされますね。

ちなみに、本作に登場する雑食には桐谷さんですら味は否定するものもあれば、見た目は強烈だけど榊先生のような普通の人も美味しいと思うものも存在するようで、このエピソードに登場するシャミセンガイは後者らしいですが・・

正直見た目の気持ち悪さは相当なもので食べてみたいとは思えません。

しかし、考えてみたら普段普通に食べている貝類も見た目のインパクトはシャミセンガイと大差なく、そういう意味では慣れというのは凄いですよね。

食欲という意味ではそそられないクジャク

もし色んな種類の鳥類が見られるとして、見てみたくなる筆頭株がクジャクではないでしょうか?

いや、個人的にはフクロウとか猛禽類の中でも格好良さと可愛さを兼ね備えたような鳥類にも惹かれますけど、やはりクジャクの派手さに興味を持つ人は少なくないと思います。

しかし、羽根が派手なだけで中身は普通の鳥類。日常的に食べるものでも考えてみればグロテスクな食材の多い魚介類に比べれば一口目の抵抗感は無さそうなものですが・・

「苦みとえぐみが結構強い・・」

相当な探究者である桐谷さんをしても顔をしかめる味のようで、かなり意外な結果となりました。

何だかんだ鳥類の肉がマズいわけがないという先入観がありますが、種族の差はそれなりにあるようですね。

クジャクは神経毒に強く、サソリや毒蛇も食べる鉄の胃袋の持ち主である雑食家であるとトリビアも披露されていますが、変わったものを食べる生き物は食べづらいものなのかもしれませんね。

ちなみに、このクジャクは最後にはカレーになってしまいました。それはみんな美味しそうに食べていましたが、つまり食感だけなら普通に鳥の肉なのかもしれません。

エロくない下ネタ

小清水君が登場するとワザとなのか偶然なのか桐谷さんの言動がエロくなります。ただし、雑食を表現する時の言葉が誤解を呼びそうなものになっているだけで実際にエロいことを言っているわけではありません。

なんというか、小清水君が過剰反応するものだから下ネタに聞こえるだけで実はそうでもないのがちょっと面白いですね。(笑)

桐谷さん、わざとだとしたら実は結構Sっ気があるのかもしれません。

そして、そんな小清水君が持ってきた珍味が石狩や湧別で大シケの次の日にだけ浜辺に打ちあがるという文字通り珍しいルッツという食材。

そして、その見た目は・・

「うごめいているおちんちんにしか見えないですね」

桐谷さんちょっとハッキリ言い過ぎでは!?

まあ、興味がある人は検索して見てみたら桐谷さんの言っていることが正しいことが分かると思います。

ただ、調理後の見た目は悪くないですね。見た目もそうですが、味もホルモンに近いもののようです。考えてみれば、ホルモンだって調理前のものを見る機会は無い食材ですが、調理前のそのままの姿は間違いなくグロテスクなはずですし、そう考えるとルッツが珍味として愛されているのは分からなくもありません。

結論、食材のそのままの姿を見てから食事するのはあまりよくないということなのかもしれないと思いました。(笑)

それ食べられるんだ!?

まつぼっくりは、言われてみれば確かに果実なんですよね。

当たり前に植物なんですけど、かなり乾燥していて渋そうなイメージがあるので無意識に無機物てきなものと捉えてしまっていたかもしれません。

さすがの桐谷さんもそのまま食べたりはしないようで、ジャムにして食べようとしているようなのですが、それだけ聞けばもしかして美味しくなるのかと思ってしまいそうですが・・

「最初は甘かったんですけど、後から渋みとえぐみで口の中が」

桐谷さんも過去最大級に顔をしかめています。

そして、色々試している内に美味しくなってきたようなのですが、途中で参戦した明里先生はやっぱり渋い顔。渋いものというか、口内がマヒするようなものを食べ続けたら味覚がおかしくなって水の味すら意味がわからない味になることがありますが、この時の桐谷さんたちはみんなそういう状態になっていたのかもしれませんね。(笑)

げっ歯類

哺乳類系の動物は、肉食系はあまりだけど草食系、ギリで雑食系なら大抵美味しく食べられそうなイメージがありますが、何故かげっ歯類に対しては拒否反応が出そうです。

実際、明里先生は相当な拒否反応を示していましたね。

げっ歯類って、ドブネズミのような害獣のイメージと、ハムスターのような愛玩動物のイメージの両方がありますが、いずれにしても食べる対象にするようなイメージではありませんからね。

前者は単純に汚いイメージになりますし、後者は犬猫と同じようなイメージなのでいずれにしてもジビエとしてもイノシシあたりなんかとは違うイメージです。

しかし・・

「誰かすり替えた・・?」

明里先生がそう思うほどヌートリアというバカでかいドブネズミは食べやすかったようです。

総括

いかがでしたでしょうか?

下手をしたら普通のグルメ漫画よりバリエーションが豊富なんじゃないのと錯覚してしまいそうな本作ですが、雑食の奥深さには本当に驚かされますね。

食べられるという理由だけで桐谷さんが挑戦しているだけの食材もあるものの、中には本当に美味しい食材も扱われているようですが・・相変わらず飯テロにはならない珍しいグルメ漫画でした。

ヌートリアあたりは普通に食べられそうな気がしますけど。

次はどんな食材が登場するのか、今から楽しみですね。