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『金色のガッシュ!!(12)』平成最高の激熱バディもの漫画の感想(ネタバレ注意)

 

チェリッシュが格好良い12巻です。(前巻のレビューはこちら

12巻は清麿・ガッシュペアの味方に見所の多い内容になっているのではないかと思います。

非常に清麿・ガッシュと近しい魔物であるウォンレイの本が燃えてしまったこと。

チェリッシュの登場と同時にテッドが再登場したこと。

バリーが大きくなって再登場したこと。

そして、この再登場したテッドとバリーの本も燃えてしまったこと。

そう考えると、12巻は清麿・ガッシュペアの味方が活躍すると同時に敗退していった何とも熱くも哀しい内容だったと言えるかもしれませんね。

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本作の概要

リィエンがリオウの呪いから解放されたことで再び仲間となったウォンレイですが、ウンコティンティンの悪あがき、自爆から身を守るためにリィエンが自らウォンレイの本を燃やしてしまいます。

また、ガッシュの友達であるテッドも再登場し、そこでテッドの探していた女の魔物。チェリッシュと再会します。

ゼオンの雷の恐怖を植え付けられたチェリッシュは怯えながらテッドと戦いますが、最後には恐怖を乗り越えてガッシュたちに協力するようになります。

また、一回り大きく成長したバリーもファウードに乗り込んできて大活躍するのですが・・

後からファウードに乗り込んできたテッド・バリーの2体の本は残念ながら燃えてしまいました。

最後にはついに清麿も復活し、雷帝ゼオンとの戦いが開幕します。

本作の見所

守る王

本の持ち主であるリィエンとは厚い壁一枚を隔てた状況での戦いでは相手を自爆にまで追い込んだものの、このままではウォンレイも壁の向こうのリィエン、大海恵・ティオペアも危ない。

考えてみれば、ウォンレイほどの強者がウンコティンティンというギャグみたいな魔物にここまで追いつめられるとはって感じですが、このエピソードでのウォンレイはかつてないほどに守る王としての姿勢を見せています。

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(「金色のガッシュ!!」222話より)

自爆からウォンレイを守るために自らウォンレイの本を燃やしたリィエン。

しかし、ウンコティンティンの自爆は厚い壁一枚隔てたリィエン、大海恵・ティオペアをも巻き込むほど強力なのだとか。

それを聞いた消える寸前のウォンレイは、最後の力を振り絞って壁の向こうのリィエンたちを守り抜こうとして・・

結果としてリィエンたちは生き残ることができました。

この時、ウォンレイの体が呪文も魔術も無しに強く光り輝くのですが、もしかしたらこの時のウォンレイの状態は、清麿がリオウにやられてしまった時のガッシュと同じなのかもしれませんね。

リオウの友達

ゴデュファを唱えてファウードの力を取り込んだ魔物たちとの戦いは今まで以上に厳しいものになっていきます。

そんな中、今巻では2体のゴデュファを唱えなかった魔物が登場しますが、ゴデュファを唱えて力を増した魔物以上に印象に残っているような気がします。

ファウード編ではリオウの腹心のような立ち位置にいたザルチムは、その内の1体となります。

ファウードの脳へと続く部屋での戦いでは、ゴデュファを唱えた魔物ファンゴに対して冷めた態度を見せたり、今までとはちょっと違った様子を見せているのが印象的でした。

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(「金色のガッシュ!!」230話より)

そして、消える直前にその理由らしきものが見えてきます。

「オレは、リオウとは友達までじゃなかったと思ってたのによ・・」

リオウの腹心的なキャラクターだったザルチムですが、どうやら無自覚にリオウのことを友達のように感じていたからこそ従っていたのかもしれません。

だからこそゼオンには従わなかった。

なんというか、消える直前に意外な姿を見せつけられたというような気がします。

チェリッシュとテッド

大量のドアのあるファウードの脳へと至る部屋の2階。

そこでガッシュたちは2体の魔物と対峙することになります。

一体はギャロンというゴデュファを唱えてファウードの力を得て性格も邪悪なものとなった魔物。

そして、もう一人はチェリッシュというどこかで聞いた名前の魔物。

そうですね。

ガッシュの友達であるテッドの探していた女性の魔物ですね。

そのチェリッシュがガッシュたちの前に立ちふさがるのです。

人間パートナーであるニコルがリオウの呪いを受けていたことから現在ファウード内にいるわけなのですが、リオウの呪いが解け、ゼオン支配下にあるファウードにおいてゴデュファを唱えなかった数少ない魔物の一体でもあります。

「お主、テッドという魔物を知っておるかー!!?」

そして、チェリッシュがテッドの探している魔物であると気付いたガッシュは、そのことをチェリッシュに呼びかけます。

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(「金色のガッシュ!!」232話より)

しかし、チェリッシュは何かに怯えるそぶりを見せながらガッシュたちと敵対し続けます。

実は、ゴデュファを唱えなかったことでゼオンに雷の恐怖を植え付けられていて、しかもそれをギャロンにコントロールされている状態になっていたようです。

ゾフィスのような心のコントロールと形は違いますが、恐怖により強制的に戦わせているという点で、やっていることは同じですね。

そして、チェリッシュの敵対はファウードに乗り込んできたテッドが登場してからも変わりませんでした。

「言っとくけど、ゼオンの敵は私の敵よ!!!」

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(「金色のガッシュ!!」233話より)

内心涙を流しながら強気にテッドに敵対するチェリッシュも、そのチェリッシュを止めようと戦うテッドも、何とも哀しい感じがしますね。

チェリッシュが格好良すぎる

連載当時、チェリッシュについてはゼオンの雷に怯えている印象の方が強くて、あまり格好良いとは思っていませんでした。

しかし、今回読み返している時に「なんで今まで何とも思わなかったんだ?」と感じるくらいチェリッシュが格好良く感じられたんですよね。

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(「金色のガッシュ!!」235話より)

それだけゼオンの雷に怯える姿が印象的だったからかもしれませんが、テッドが「宝石のように輝いている女」と称する回想の中のチェリッシュがまずは格好良いです。

なんというか、分かりやすい綺麗さとは違う輝きを放っているという感じが素晴らしいですね。

「オレの目の奥にあの姿がある限り、てめえみてえな甘ちゃんにゃあ負けねえよ」

そして、ギャロンに向けて言っているのか、それともチェリッシュに向けて言っているのか、今の怯えたチェリッシュとは無関係にかつてのチェリッシュのように振舞おうとするテッドの姿も格好良いですね。

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(「金色のガッシュ!!」235話より)

そんなテッドに触発されたのか、チェリッシュはかつての輝きを取り戻します。

「私も・・弱くなったものね。こんな痛みにくじける・・なんて」

そうそう耐えられるものではないはずのゼオンの雷に耐え、ガッシュたちに先へ進む方法を教えます。

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(「金色のガッシュ!!」235話より)

守るべきものがいない敵だらけの戦いの中で疲れた心をゼオンに付け込まれたチェリッシュですが、今が守るべきテッド。そしてガッシュたちがいる。

だからこそゼオンの雷を乗り越えることができたのかもしれませんね。

ティオのような女の子の魔物も可愛らしいですが、こういう姉御肌の魔物も魅力的だと思います。

大きくなったバリー

メタいことを言うと漫画なので当然ですけど、主人公である清麿・ガッシュペアは常にとまでは言わないまでもかなりの高確率で格上との戦いを余儀なくされています。

今までにない強敵との戦い。

この全巻レビューのシリーズでも何度となくそのようなことを書いてきたと思います。(笑)

そして、格上相手に何とか勝利した戦いもありますが、本こそ燃やされていないものの明確な敗北とみて間違いない戦いもありました。

中でもグスタフ・バリーペアとの戦いは、ガッシュが清麿がボロボロにならないように強くなりたいと思う大きなキッカケとなった重要な敗戦だったと思います。

一方でバリーの方もガッシュの目の強さに、腕っぷしでは勝てているものの押されているところがあったのが印象的です。

そして、今巻ではガッシュの目の強さに押されていたバリーではない。一回り以上も大きくなったバリーがガッシュたちを助けに登場します。

「お主はやはり、私を倒しに来たのか!?」

とはいえ、ガッシュからしてみればバリーは明確な敵ではないものの自分に対して好戦的な厄介な魔物です。

キャンチョメに仲間なのかと問われてちょっと不安そうになっている様子が面白いですね。(笑)

「そうやって、強くなればなるほど、お前にこだわっていた自分が、小せえことに気づいたのよ・・」

しかし、バリーは以前清麿・ガッシュと戦ったころからは大きく変わっていました。

どうやらバリーにとっても格上であるエルザルドと戦い、そして勝利したことが起因しているようですね。

ライバル関係にあった魔物キースを圧倒し、その成長度合いを見せつけます。

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(「金色のガッシュ!!」241話より)

そして、自己犠牲のもとガッシュを助け「お前ならゼオンを倒せる」とガッシュへの期待を見せます。

王にはなれなかったことを悔やみつつ本を燃やして魔界に帰ろうとするバリーですが・・

「ウム・・お前は王にはなれなかった。だが・・お前は、「王をも殴れる男」になったぞ」

グスタフのバリーにかけた最後の言葉が素敵ですね。

また、ガッシュが王になると見込んだ上での言葉になっている点、そしてバリーがそれをすんなりと受け入れている点が興味深いと思います。

オマケページ(ガッシュカフェ)

今回のガッシュカフェはバリーとエルザルドの2体ですね。

一応魔物の「子供」であるはずですが、2体ともお酒を飲んでいます。(笑)

強そうなのに意外とベロンベロンになっているところが面白いです。

戦いに強いが故の悩みを語り合うだけのエピソードですが、今までのガッシュカフェより大人っぽい魔物のエピソードに感じられました。

総括

いかがでしたでしょうか?

昔読んだ漫画を改めて読んだ時、昔とは違った感想を持ったり、そんなに好きではなかったシーンやキャラクターを良いと思うようになったり。

そんな経験をすることが頻繁にあります。

金色のガッシュ!!』においても時々そういう経験をすることがあります。

個人的には、昔読んだ時にはチェリッシュはそんなに好きなキャラクターではありませんでしたし、チェリッシュの登場シーンもそんなに記憶に残っていないくらいでした。

しかし、改めて読み直した時にチェリッシュの格好良さに惹かれる自分がいて、何でこんな格好良いキャラクターに気付いていなかったんだろうと不思議に思いました。

こういうことがあるから、面白い漫画は何度読んでも面白いんですよね。

次巻ではついに清麿が復活し、ゼオンとの戦いが始まります。

これは絶対に目が離せませんね。(次巻のレビューはこちら

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