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『金色のガッシュ!!(14)』平成最高の激熱バディもの漫画の感想(ネタバレ注意)

 

ついにファウード編が決着する14巻です。(前巻のレビューはこちら

今までとは違うバオウ・ザケルガの力に翻弄されつつも、チェリッシュの助け、そして復活したティオの守りたい力。

様々な助けがあって、ついにガッシュゼオンの決着がお膳立てされていきます。

このファウード編の結末、ガッシュゼオンの和解は『金色のガッシュ!!』のエピソードの中でも最も綺麗な結末のひとつだったと思います。

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本作の概要

ガッシュゼオンの戦いもいよいよクライマックス。

想定を超えたバオウ・ザケルガの力。そしてガッシュから奪った記憶を見ることになるゼオン

それを受けて徐々にガッシュに対する恨みに揺らぎらしきものが生じてきているところに注目ですね。

そして、いよいよゼオンとの戦いは決着し、ゼオンの力が上乗せされたバオウ・ザケルガでファウードを攻撃。魔界に帰すことに成功しました。

本作の見所

バオウ・ザケルガ

パワーアップしたガッシュのバオウ・ザケルガは、ゼオンの想像すら上回る恐ろしい力を持っていました。

しかし、バオウ・ザケルガを放ったガッシュも、呪文を唱えた清麿もバオウに喰われていっているような状況に陥ってしまっています。

「本から伝わってくるこの・・バオウは、真っ暗だ・・。怒りや憎しみの、黒い・・かたまりみてえなもん・・だ。こんな闇にのまれるな!! たのむ!! こんな奴に喰われるな!!」

バオウに喰われて徐々に存在そのものが希薄になっていくガッシュに必死に呼びかける清麿。

存在が希薄になるとか・・

これは怖いですね~

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(「金色のガッシュ!!」262話より)

ゼオンですら使いこなせないと認めるバオウの力は、ゼオンの最大攻撃呪文であるジガディラス・ウル・ザケルガを押していますが、このままではバオウに喰われてしまいます。

そして、清麿の呼びかけにガッシュが反応するのですが・・

それで弱まったバオウ・ザケルガの隙をデュフォーは見逃しませんでした。

「父上の言ったことは本当だった・・」

清麿・ガッシュは打ち負けてしまいましたが、ゼオンもまた葛藤しています。

ゼオンには使いこなせないと言われていたバオウの力が、本当にゼオンには使いこなせないものであることに気付いたからです。

この後も最後までゼオンは清麿・ガッシュの敵として立ちはだかるのですが、このバオウ・ザケルガを目の当たりにする前と後ではかなり様子が違っている点にも注目ですね。

チェリッシュの助け

バオウ・ザケルガに喰われそうになって清麿・ガッシュは満身創痍に。

ガッシュに至っては完全に気を失ってしまっています。

せっかく清麿が復活しましたが再びピンチに陥ってしまいました。

そんなピンチに駆け付けたのはチェリッシュと・・

まさかのルーパー・パピプリオペアでした。

「この力は、ガッシュの坊や達を守るために生まれたのよ」

チェリッシュを守るテッドの姿を見て、チェリッシュもまた強くなっているようですね。

隠れて狙撃をするチェリッシュに、ゼオンは余裕そうに状況を分析していますが、今までのゼオンに比べると苦戦している様子です。

デュフォーの力で早々にチェリッシュの優位を奪おうとしてきますが、ゼオンだけが相手ならかなり善戦していたのではないかと思われます。

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(「金色のガッシュ!!」265話より)

「この力は私一人の力で生まれたんじゃない・・テッドがガッシュの坊や達を守るためにくれた力なの。守るべき坊や達がいる限り、この力はどこまでも強くなるわ」

自らの本が燃えている最中も集中力を切らさずに、キャンチョメ、ウマゴン、そしてティオの柱に捕らえられていた3人ともを救い出します。

いやはや、チェリッシュはやっぱり姉御肌の格好良いキャラクターですよね。

ティオの強い盾

ティオの復活は間違いなく局面を打開するキーになりますね。

回復の力であるサイフォジオでガッシュを助けることが、唯一のゼオンを妥当しえる可能性だと思われます。

しかし、サイフォジオ一回では目を覚まさないガッシュ

「ダ・・ダメだ・・あの術を撃たれては・・オレ達がどこへ逃げようと、この部屋全てを雷でうめることができる・・」

一方でデュフォーゼオンペアは体制を立て直し攻撃を仕掛けてきます。

バオウ・ザケルガには押され気味だったとはいえ、非常に強力なゼオンの最大攻撃呪文が清麿たちを襲うのですが・・

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(「金色のガッシュ!!」267話より)

最大のピンチにティオが新しい力を身につけます。

最大防御呪文のチャージル・セシルドン。

「もう誰も・・傷つけさせるもんですかー!!!」

ティオの「守りたい思い」に反応して強くなる盾。

攻撃呪文であるチャージル・サイフォドンの防御パターンですが、もともと防御に特化したティオにとっては、チャージル・サイフォドンよりチャージル・セシルドンの方がずっと強い能力なのかもしれません。

ゼオンも一筋縄にはいかない様子でしたが、結果的にデュフォーの心の力が尽きるまで耐えきることができました。

金色のガッシュ!!』には、主人公サイドには何かを守る戦いが多いような気がしますが、そういう意味ではティオの守る力は他のどのキャラクターよりも主人公サイドのキャラクターらしいものである感じがしますね。

さすがは魔物キャラクターにおけるメインヒロインです。

少し様子の変わったゼオン

ガッシュよりも先に目覚めたのは、清麿・ガッシュに惨敗したロデュウでした。

他のゴデュファを唱えてファウードの力を得た魔物はゼオンに忠実な部下のようになっていましたが、ロデュウは最後の最後まで残っている魔物だけあってその辺一筋縄ではいかないようです。

ゼオンを攻撃し続けるとロデュウ自身が死んでしまう。

それが分かっていてゼオンと戦おうとするロデュウ。

これは別に清麿・ガッシュたちの味方になったというわけではなく、ロデュウ自身がゼオンに従いたくないと思っているだけなのですが、結果的にガッシュが目覚めるまでの時間稼ぎになっています。

ロデュウの人間パートナーであるチータは、仮面を被ったどこか冷たい印象を受けるキャラクターでしたが、ゼオンを攻撃するとロデュウが危ないと知って呪文を唱えなくなってしまうのですが、意外にも絆の深いところを見せてくれるのも見所ですね。

ロデュウもまた、チータを気遣っているところがあって、敵ながらアッパレというか、悪役なのに嫌いになり切れないキャラクターだと思います。

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(「金色のガッシュ!!」269話より)

そんなロデュウの最後の一撃。

ゼオンであれば簡単に避けられた闇雲な一撃だったのですが、ゼオンは避けませんでした。

ロップスの本を二度燃やしたエピソードといい、どちらかといえば非情な性格をしている印象のゼオンですが、やはりガッシュのバオウ・ザケルガや自らの雷を克服したチェリッシュとの戦いを通して、ゼオンもどこか変化しているのかもしれませんね。

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(「金色のガッシュ!!」269話より)

ロデュウの最後を見て、それでも何か心境の変化があったのかもしれません。

ガッシュの復活を待たずに最大攻撃呪文をぶつけてきたゼオンですが、今度はガッシュが目覚めるのを待っています。

「お前のその「ウヌウ」という言葉遣いは、3歳の頃より使い始めたものだ」

最後の決着をつける前に、ガッシュの記憶について言及したり、このゼオンの少しずつの微妙な変化が興味深いですね。

決着

目を覚ましたガッシュと、どこか変化したゼオン

ついに2人の戦いが決着します。

いや、この戦いは人間・魔物のペア同士の戦いではあるのですが、ここに限ってはあえてガッシュゼオンの決着と言いたいような気がします。

危険だと分かりつつ清麿にバオウ・ザケルガを唱えるように懇願するガッシュに、知らなかった真実が出す答えを知りたいゼオン

「食べるのはゼオンの雷のみ!! 清麿や他の者達を傷つけてはならぬ!! お前の主は今ここに戻った!!! 私の意志に従うがよい!! 私の感じるこの温かな光を守るためにお前はおる!!!」

バオウ・ザケルガを支配しようとするガッシュが格好良いですね。

そして、デュフォーゼオンも最大限に力を発揮するのですが、ガッシュのバオウ・ザケルガには仲間たちの力も合わさった状態になっています。

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(「金色のガッシュ!!」273話より)

そして、ついにゼオンは敗れます。

金色のガッシュ!!』の主人公は清麿・ガッシュなので、本来なら「ガッシュが勝利した」と書くべきなのかもしれませんが、ここはあえて「ゼオンが敗北した」と言いたいです。

なんというか、このエピソードはガッシュの勝利のエピソードというよりも、ゼオンガッシュと仲直りするエピソードだって気がするからです。

 「兄が愚かだった」というゼオンのセリフは、『金色のガッシュ!!』の作中でも最も印象に残っているセリフのひとつかもしれません。

「もしオレが勝てば、ガッシュがバオウに喰われる前に、バオウを倒し、ガッシュを魔界に帰すつもりだった・・。心の奥では負けることを望んでいた・・。こんな憎しみの力など、オレごと全て壊してくれと思っていた・・」

ガッシュの記憶を垣間見て、そして真実を知って、ゼオンの想いはそのように変わっていたようですね。

最後のガッシュゼオンの和解する瞬間は、何とも言えない感動がありました。

最後の10名

ファウード編のラストは「もうこれ最終回でいんじゃね?」ってくらいに綺麗なラストでしたが忘れてはいけません。

金色のガッシュ!!』は魔物の王様を巡る戦い。つまりは100人の魔物の子供達が1人になるまで終わりません。

しかし、どうやら生き残っている魔物の子供はあと10名で魔物の王様を巡る戦いも最終盤まできているようです。

というか、考え見れば生き残りの半分近くが清麿・ガッシュとは既知の仲になるわけですね。

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(「金色のガッシュ!!」280話より)

ですが残り10名の発表と同時に緊張ある事実が発覚します。

嫌いな魔物をすべて消し去ることができる特権が王様になった魔物には与えられる。

つまり、勝ち残る魔物の如何によっては非常にまずい事態が発生してしまう。

今までもガッシュやさしい王様を目指して頑張っていましたが、絶対に負けられない理由が、ここにきてまた増えました。

オマケページ(ガッシュカフェ)

今回のガッシュカフェはテッドとチェリッシュの2人ですね。

モモンの真似をしたペコペコとした挨拶が可愛らしいですが、そういえば本編の方では再会時の戦いでテッドの本が燃えてしまったので絡みが少なかったので、考えてみればこのオマケは結構貴重ですよね。

姉弟のような関係のこの2人。チェリッシュがテッドの昔話をして、それに照れているテッドという構図が微笑ましいです。

総括

いかがでしたでしょうか?

ファウード編も終わり、『金色のガッシュ!!』もいよいよ最終章であるクリア・ノート編に突入します。

ゼオンとの戦いで大きく成長した清麿とガッシュですが、残りの魔物はたったの10名。

もはや強敵しか残っていない中、清麿・ガッシュとその仲間たちがどのように活躍していくのかに注目ですね。(次巻のレビューはこちら

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