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連日報道される自動車事故。解決のカギは自動運転技術!?

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平成の最後に発生した東池袋自動車暴走死傷事故。

2名の死者を含む12名の死傷者を出した痛ましい自動車事故の話題で、平成最後で令和最初のゴールデンウイークは持ちきりでしたね。

長期休暇に近いタイミングだったこともあって、高齢で自動車を運転する親類縁者のいる人なら、改めて運転免許証の自主返納について相談したりすることも多かったのではないでしょうか?

僕も、年のせいか最近運転の荒くなってきた父親と免許返納のことについて話したりしました。

痛ましくはあっても、多くの人にとって何かを考えさせられる機会にもなった東池袋自動車暴走死傷事故ですが、令和という新しい時代が始まって以来、連日自動車事故の報道が絶えなくなったのが印象的です。

あまり話題にならなかっただけで、今までにもこういう自動車事故は絶えず起こっていたのがより注目されるようになったということなのだと思います。

こんな機会だからこそ、自動車を運転するということについて改めて考えるべきなのだと多くの人が思っているのでしょう。

ところで、こんな痛ましい自動車事故の9割近くが人的ミスが原因だと言われています。

だからこそ様々な能力が低下していく高齢者による自動車事故や免許返納が騒がれるわけなのですが、人的ミスが原因ならば自動運転技術こそが自動車事故を減らすカギになるのではないかと、そう思いませんか?

本記事では、自動車を運転するということの意味を改めて振り返るとともに、自動車事故を減らすカギとなる自動運転技術について語っていきたいと思います。

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そもそも運転免許証とは?

さて、何故いきなりこのような当たり前の問い掛けをしてみたのかといえば、そもそも自動車を運転するということに対する意識が低い人が相当数いると考えるからです。

自動車を運転するということに対して、あることを忘れている人が本当に多い。

それは、日本では自動車の運転は禁止されているということです。

何を馬鹿なと思った人は少し意識を改めた方が良いかもしれません。

だって、考えてもみてください。

日本で自動車を運転することは犯罪で、自動車を運転したら逮捕されます。

何を言っているんだ。誰もが普通に自動車を運転しているじゃないかと思った人は、普段から普通に自動車を運転している人でしょうね。

そうではない人なら既にピンときたはずです。

もったいぶっても仕方がないので結論を言いますが、要は自動車は運転免許証が無ければ運転できないということです。

免許証とはつまり、禁止されていることを特別に許可する証明書のことですからね。

自動車を運転する人が減少傾向にあるとはいえ、誰もが当たり前に免許証を持っている世の中。

僕もそうですが、身分証代わりなどと言って自動車を運転することがない人まで当たり前に運転免許証を持っている。

だからこそ、運転免許証が禁止されていることを特別に許可する証明書であることの意味が希薄になってしまっているところがあるような気がするんですよね。

例えば、あなたが自動車以外の特別な乗り物や、珍しい技術の免許(資格)を持っていたらどうでしょうか?

特別な技術を許可されて行使している意識が自動車を運転することに比べるとずっと高くなるのではないでしょうか?

自動車の運転も同じなのだと、改めて再認識する必要があるのかもしれませんね。

この運転免許証の何たるかに対する意識の低さが、人的ミスが原因の事故の要因のひとつになっていると思うからです。

高齢者による人的ミスが原因の自動車事故が取り沙汰されていますが、運転免許証を自主返納するような高齢者はある意味で意識の高いドライバーなのかもしれません。

意識的にであれ無意識であれ、特別に許可されていることを自覚できているからこそ、自身の運転能力の低下とともに自主返納しようと思えるのだと考えます。

運転免許証の自主返納のデメリット

しかし、一方で運転免許証の自主返納にはデメリットがあります。

それは自主返納した高齢者から足を奪うことになるということ。

大きな都市であれば数多くの交通手段がありますが、自動車での移動が必須の地方では文字通り足を奪うことになりますし、大きな都市であっても今まで自動車を足にしていた人にとっては足が重くなる要因になります。

そして、このことは実は運転免許証を自主返納した高齢者にとってだけのデメリットではありません。

確かに高齢者から足を奪うことになるけど、自分には関係がない。

そんな風に思っていた人はいませんか?

いえいえ、そんなことは無いと思うんですよね。

なぜなら、日本において誰よりもお金を蓄えているのは高齢者だからです。

そんな高齢者から足を奪うことは、結果的に最もお金を持っている高齢者による消費を減らすことに繋がると思うんですよね。

経済を豊かにするためには、お金を持っている人ほど活動的になってもらわなければならないわけで、しかし一方で高齢者が自動車を運転しづらくなる世の中はそれを制限しているとも言えるわけです。

つまり、そこには人的ミスによる自動車事故を減らしたい。だけど高齢者には活動的であって欲しいというジレンマがあるのです。

そして、その解決のカギとなるのが自動運転技術なのではないかと思います。

自動運転技術とは?

他の新しいIT技術に比べると、自動運転技術がどのようなものなのかはイメージしやすいものだと思います。

しかし、何がどこまで自動なのかとか、詳細を把握している人は少ないのではないでしょうか?

まずは自動運転技術とは何なのか?

何が実現されたら自動運転技術と言えるのかについて説明したいと思います。

さて、自動運転技術と一口に言ってもそれは段階的なものだったりします。

完全にドライバーが全てを操作する段階をレベル0として、どこまで自動化されるのかによってレベル5まで自動運転技術は定義されています。

それでは自動運転技術としての意味合いが大きく変わるレベルごとに見ていきましょう。

人主体となる自動運転レベル(1~2)

速度(アクセルとブレーキの操作)と方向転換(ハンドルの操作)の一部をシステムが制御していて、そのシステムをドライバーが常に監督する必要のある自動運転レベルとなります。

ドライバーが監督する。つまり、あくまでも人主体の自動運転となるのが特徴で、速度と方向転換のいずれかをシステムが制御するのがレベル1。両方を制御するのがレベル2となります。

いずれにしても、自動運転技術と聞いてイメージするような無人車とは異なり、かなり限定的なシステムとなります。

車主体となる自動運転レベル(3~4)

運転の主体が人から自動車になるという点で、レベル1~2とは大きく壁を突破した自動運転技術となります。

レベル3では緊急時に人主体に切り替える必要がありますが、レベル4では例えば高速道路のあどの予め定められた限定条件においては完全にドライバーを不要とする自動運転レベルとなります。

ちなみに、2020年の東京五輪に向けて自動運転車の実現が目指されていることは周知の事実だと思いますが、それはレベル4の自動運転車となります。

ドライバーが不要となる自動運転レベル(5)

簡単に言うと、自動運転技術と聞いて真っ先に思い浮かべる無人の自動車のことです。

レベル4ではドライバーを不要とする条件が限定的でしたが、その制限が無くなった自動運転レベルとなります。

夢のような話ですが、運転の主体が人からシステムに切り替わっていくことには様々な課題があって、「便利そうだなぁ~」と言ってばかりはいられません。

自動運転技術を実現させるための課題

事故が発生した時の責任の所在

真っ先に思い浮かぶ問題は、事故が発生した時の責任の所在ですよね。

自動車の所有者?

自動車メーカー?

それともシステム会社?

複数の自動運転車が1つの事故に絡んでいたらもっと複雑になりそうですね。

それに事故を起こした自動運転車のレベルによっても責任の所在は変わってきそうで・・

簡単に言えば、人主体の自動車による事故の場合にもある過失割合の考え方が変化していくことになるのだと思いますが、そこに想定される状況は山のようにあります。

それらを法的にも整備しなければいけないところが自動運転技術を実現するための最大の課題なのだと思います。

自動車保険の仕組み

人にもよるかもしれませんが、僕のような小心者は自分に保険が適用されない車両を運転する勇気はありません。

事故を起こした時のリスクが非常に大きいからです。

しかし、例えばレベル5の自動運転車で、事故が発生した時の責任の所在が自分になかったとすれば?

ドライバーは自動車保険に加入する必要が無くなるかもしれないわけです。

なんとなく、状況によっては所有者の過失割合がゼロにならないような気もするので個人が全く自動車保険に加入しなくなるということにはならないような気もするのですが、少なくとも今まで通りの自動車保険ではなくなっていくのではないかと思います。

自動運転車の登場は、損保会社にとって正念場となる特異点となります。

ドライバーにとっては法的な問題ほど大きな課題ではありませんが、自動運転車に対する自動車保険の仕組みが整備がうまくいかなければ、なかなか自動運転車は普及していきづらいのではないかと思います。

運転免許証の在り方

自動運転車が普及すると、運転免許証の在り方も変わっていくかもしれませんね。

現在の運転免許証は当然レベル0の自動車の運転を許容するものですが、例えばレベル3の緊急時にスムーズに人主体に切り替えるところなどは、今までの自動車教習とは違った観点での教育が必要なところであるような気がします。

また、完全にドライバーを不要とするレベル5の場合はどうなのか?

運転技術が不要なら、運転免許証自体を不要とするのか?

このあたりがどう法的に整備されるのかも興味深いところです。

自動運転技術のメリット

さて、このように実用化に向けては様々な課題のある自動運転技術ですが、それ以上のメリットがあるはずなのです。

現在は自動車事故の9割近くを占めると言われる人的ミスを、自動運転車同士の通信で減らしたり、全ての自動車に自動運転技術が組み込まれることになれば最終的に渋滞を無くすようなことも可能となります。

また、人主体ではなくシステム主体の自動車になることで、ドライバーが高齢者であるか否かは問題にはなり得なくなります。

現在は必要に駆られて認知能力が低下しているにもかかわらず運転免許証を自主返納しない高齢者も多いと思いますが、その必要が無くなるわけですね。