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『金色のガッシュ!!(6)』平成最高の激熱バディもの漫画の感想(ネタバレ注意)

 

いよいよ石板編。1000年前の魔物との戦いが始まる6巻です。(前巻のレビューはこちら

以前から少しずつ伏線が貼られていた1000年前の魔物の王様を巡る戦いで石板に閉じ込められてしまっていた魔物たちとの戦いが、今巻でいよいよ始まります。

金色のガッシュ!!』という作品における最初の大きなエピソードで、これまでに登場したフォルゴレ・キャンチョメペア、大海恵・ティオペア、そしてシェリー・ブラゴペアも関わってきて最初の大きな敵と戦う流れが熱いですね。

また、この最初の大きなエピソードのラスボスがまた、清麿・ガッシュにとってはコルルのことを思い出させるやり口の敵だってところが興味深いと思います。

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本作の概要

3巻から登場していた魔物らしき生物とガッシュの赤い本に似た文字の描かれていた謎の石板。

その石板が1000年前の魔物の王様を巡る戦いの敗北者で、石のゴーレンという魔物の「戦った相手を生きたまま石に変える力」で本を燃やされることもなく1000年もの間封じ込められていた魔物であることが明らかになりました。

また、そんな1000年前の魔物を自らの戦いに利用しようとしているのが今回の敵。ロードことゾフィスであることも明らかになります。

ブラゴのパートナーであるシェリーの仇敵ですね。

今までに登場したメインの人間・魔物ペアが一堂に会する石板編がいよいよ始まります。

本作の見所

石板編の始まり

ガッシュに片思いする魔物パティの登場というエピソードは、最初はコメディパートよりのエピソードだと思っていました。

清麿の学校での日常から始まりますし、ガッシュに片思いする魔物っていう設定からもコメディよりの感じが漂ってきますからね。

実際、戦いの原因からしガッシュがパティのことを覚えていなかったという、いつもの人間・魔物ペアとの戦いとは違っていますし、ガッシュに覚えられていなかったことを激怒するパティの表情の変化もコメディ的なものです。

まあ、ガッシュは記憶喪失なので覚えていなくても仕方が無いので、何とかそのことを説明して誤解を解こうとするのですが・・

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(「金色のガッシュ!!」102話より)

じゃあ自分のことを好きなのかとパティに問われてこの困り顔です。(笑)

激怒するパティの気持ちも分からなくもないですが、実はこのウルル・パティペアとの戦いこそが石板編が始まりキッカケになります。

この戦いで清麿・ガッシュペアに敗れたウルル・パティペアは、途中で助けに入ったカエルのような姿の魔物ビヨンコに連れられて逃げてしまいました。

「間もなく我々は、残った魔物どもを一掃する作戦にでるゲロ!! その手伝いをするゲロ!!」

ビヨンコの語るこの作戦こそ、石板に封じ込められた1000年前の魔物を利用した作戦であり、この後再度登場するパティが一番最初に1000年前の魔物を引き連れて清麿・ガッシュペアの前に現れることになります。

分かりやすいフラグ

ウルル・パティペアの後、ガッシュが清麿に公園で遊んでもらっている微笑ましい日常が描かれています。

人間よりも体力のあるガッシュのハードな電車ゴッコに清麿が翻弄されている姿が面白いですけど。(笑)

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(「金色のガッシュ!!」104話より)

そんな微笑ましい日常の中のガッシュのセリフ。

あまりにも分かりやすいフラグを立ててしまっていますね。

実際、この直後に1000年前の魔物を引き連れたパティが再登場し、本格的に1000年前の魔物との戦いが始まることになります。

キレる清麿・ガッシュペア

1000年前の魔物と戦うことになる石板編は、ある意味『金色のガッシュ!!』最初の長編に相応しい内容なのではないかと思います。

「ホラ、人間の中には戦いを嫌がる人もいるでしょ。それに臆病な人や情け深い人・・。そういう人達でも戦闘マシーンになってもらわなきゃいけないじゃない? だから、戦うことに邪魔な感情はなくしたのよ」

1000年前の魔物の本の持ち主は、1000年前の魔物の王様を巡る戦いの本の持ち主の子孫なのですが、ロードの力で戦うこと以外の感情を持たないように心を操られているようです。

そして、このことは清麿・ガッシュペアにとってはやさしい王様を目指すキッカケとなったコルルのエピソードを思い出させる所業でした。

そんな清麿・ガッシュにとって最も許しがたいと感じる相手が最初の長編のラスボスだっていうところが熱い展開だと思います。

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(「金色のガッシュ!!」106話より)

1000年前の魔物とパティを相手に苦戦する清麿・ガッシュでしたが、ロードの所業を聞いてキレる姿は何とも言えない格好良さがありますね。

こうしてレビュー記事を書くために改めて読み返していると、昔読んでいた時には気にしていなかった部分に気付くことが多々あるのですが、『金色のガッシュ!!』という作品においてはコルルのエピソードとやさしい王様というキーワードが、思っていた以上に清麿とガッシュの根幹に存在していることに気付かされます。

ティオ大活躍!

大海恵・ティオペアが『金色のガッシュ!!』におけるヒロイン枠のキャラクターであることは言うまでもありません。

そして、主人公の一番の仲間的なキャラクターって大抵の場合、ヒロインとは別にいるものだと思います。

しかし、『金色のガッシュ!!』の場合はその一番の仲間って役割も大海恵・ティオペアが担っているように感じられます。

一番最初に仲間になり、やさしい王様という目指すところを共有した相手で、今回も清麿・ガッシュペアのピンチに真っ先に駆け付けていますからね。

また、ヒロイン的な可愛らしさや健気さはありつつも、その戦う姿や表情はハッキリ格好良いと思わされるというのもあります。

それにメタいことを言うと、守りに特化した能力というのは主人公のピンチを救うのにメッチャ適していますしね。(笑)

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(「金色のガッシュ!!」108話より)

今回も新技を2つも携え颯爽と登場して形勢逆転のキッカケを作っていますし、清麿・ガッシュペアとの連携も抜群でした。

ギガ・ラ・セウシルでバオウ・ザケルガへの対抗呪文を撃たせないために使ったり、ビクトリームとの戦いでは清麿をサイフォジオで回復させるフリをしてフォルゴレを回復させ、キャンチョメをバオウ・ザケルガに化けさせることで戦いを翻弄したり、今巻では戦いの大事な局面で2回も重要な役割を担っていました。

そういうところを見ると、ヒロインでありながらやっぱり一番の仲間としての役割も大海恵・ティオペアにあるのかなぁと思ってしまいます。

ロードの正体

続々とこれまでに登場したメイン級の人間・魔物ペアが集結してくる石板編ですが、シェリー・ブラゴペアにとっては他の魔物以上に、今回の黒幕であるロードには因縁があります。

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(「金色のガッシュ!!」109話より)

3巻で描かれたシェリーとブラゴの出会いのエピソードで登場したシェリーの友人ココは、ゾフィスという魔物に心を操られていました。

つまり・・

この石板編の黒幕であるロードとは、ゾフィスのことなのだということがここで明らかになります。

清麿・ガッシュたちと共闘しそうな感じのキャラクターではありませんが、どんな風に石板編に絡んでくるのかに注目ですね。

1000年前の魔物

清麿・ガッシュペアだけではなく、仲間の人間・魔物ペアも大きく成長しているはずですが、1000年前の魔物との戦いは厳しく、苦戦続きとなります。

また、本の持ち主だけではなく1000年前の魔物もまたゾフィスに無理強いされて戦っているのではないかと思われたのですが・・

「千年もの間動きもできず、魔界に帰ることもできなかったうっぷんを・・こんな最高の形で晴らすことができる!!」

そのセリフは無理強いされている者のものではありませんでした。

感情無く戦わされている本の持ち主のことを心の力の電池としか思っていないような魔物のセリフは、ガッシュにとっては最も許しがたい類のものだったはずです。

しかし、それに対してガッシュはゾフィスの所業に対してキレた時とは違った反応を見せます。

「清麿・・私も、千年も石に閉じこめられたら・・。あんなひどいことを平気で言えるようになるのかの?」

許しがたいセリフ以上に、そんなことを平気で言えるようになってしまうほどの魔物の状況に同情すらしているようですね。

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(「金色のガッシュ!!」113話より)

石板からは解放されているものの、それを本当の意味で解放されているわけではないと捉えている考え方はなるほどって感じだと思います。

確かに、1000年前の魔物はロードが自分たちを解放してくれたと思っているのかもしれませんが、その実ロードによって縛られてもいるわけですからね。

意外とガッシュって、こういう核心めいたところを突いたセリフが多いような気がします。

オマケページ(ガッシュカフェ)

今回のガッシュカフェは1000年前の魔物コンビ。レイラとビクトリームですね。

レイラは個人的に好きなキャラクターなのでオマケとはいえ久々に読めて嬉しかったです。

どうやらレイラとビクトリームは、石板編だけではなく1000年前にも一緒に戦っていた仲間だったようですね。

そして・・

「オレは一応お前が石にされたと聞いてゴーレンに戦いを挑んだんだぜ」

なんとビクトリームはゴーレンに石板にされたレイラを救うためにゴーレンに戦いを挑み、そして石板にされたという経緯があるようです。

なんというか、今までのガッシュカフェの中でも一番意外な魔物同士のつながりが見れたような気がしました。

また、ビクトリームの1000年前の本の持ち主が紫式部だったというオチがまた面白い。

「あの人、ロマンチストで話が面白かったわ」

そりゃあ『源氏物語』の作者ですからね。(笑)

というか、だとするとビクトリームの本の持ち主だったモヒカン男。まさか紫式部の子孫だってことになるんでしょうか?

そういう視点もまた面白いですね。(笑)

ちなみに、レイラは今巻では登場しただけって感じですが、次巻ではたっぷり活躍していますよ。

総括

いかがでしたでしょうか?

この石板編のエピソードではフォルゴレ・キャンチョメペア、大海恵・ティオペア、そしてシェリー・ブラゴペアといったメインキャラクターがみんな関わってくると前述しましたが、これまでに登場した清麿・ガッシュペアの仲間側のキャラクターで一人・・というか一匹抜けていますよね?

そうです。ウマゴンです。

いつの間にか本を持っていなかったりして、実はそれが伏線になっているのですが、次巻でいよいよウマゴンのパートナーも登場します。

ますます盛り上がっていく石板編に注目ですね。(次巻のレビューはこちら

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