あるいは 迷った 困った

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『丹沢すだちが此処にイル!(2)』傘の人が友達になる2巻の感想です!(ネタバレ注意)

 

丹沢すだちが此処にイル!とは、「先生、トイレ」が言えないほどのアガリ症だけどラップでなら伝えられる女の子。

コミュ障系にわかラッパー丹沢すだちが可愛らしい漫画です。

1巻でのそのコミュ障っぷりは相当重度なものでしたが、十文字君と仲良くしている内に2巻では随分と改善されてきた感じがします。

丹沢さんの中学生の頃のトラウマ、傘事件の会津さんと友達になる際には自らグイグイいっていて成長が感じられました。

文化祭の舞台に立つまでの成長した丹沢さんに注目ですね。

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本作の概要

「先生、トイレ」が言えなかった丹沢すだちも十文字君とは随分と打ち解けてきました。

自ら部活に入ろうとしたり、傘事件のトラウマの原因となった会津さんとも友達になり、文化祭の舞台に立とうとするまでに成長しました。

だけど、成長したもののやっぱり「トイレ行きたい」が言えないオチが素敵な最終巻となります。

本作の見所

HIP-HOP vs 軽音楽

もの凄く勝手なイメージですが、HIP-HOPや軽音楽といった比較的近代に入ってから登場した音楽のジャンル同士ってライバル関係にあるようなイメージがあります。

いや、HIP-HOPや軽音楽に限らず特定のジャンルに熱心な人ほど、そのジャンルこそが一番だと思っていそうですね。

個人的には、そういう人が少しでも一人でもいる時点で、そのジャンルは素晴らしいものなのだと思いますけど。

「・・私、部活に入ってみようかと!」

ともあれ、丹沢さんは部活に入ってみようとしていることを十文字君に相談し、軽音楽部に訪れます。

十文字君に付き添ってもらっているとはいえ、コミュ障の丹沢さんにしては相当な進歩ですね。

しかし、丹沢さんの好きなHIP-HOPと軽音楽の相性はどうでしょうか?

ライトに音楽を聴いて楽しむだけの人ならば、普通にどっちも好きな人も多いでしょうけど・・

「歌も楽器もろくにできないで他人の曲に合わせて喋るだけの音楽は・・ちょっと・・ね」

予想通りこういう人もいました。

実は僕もHIP-HOPというか、ラップってこんな漫画を楽しんで読んでる割に実はその良さが全く分からないで、だけどROCKは割と好きな種類の人間なのですけど、自分の好みではないものを否定することは格好悪い。もっと言うとROCKでは無いと思ってしまいます。

そして、そんな感じの軽音楽部だったので丹沢さんは結局入部することはありませんでしたが、結果的に一緒に見学に来たHIP-HOP好きの会津さんと少し仲良くなれたようです。

会津さんと友達に

丹沢さんに十文字君以外の友達が・・!

前巻からそんな予感はありましたが、丹沢さんにコミュ障らしいトラウマを植え付けた原因となる会津さんがその友達になるという展開は意外と良いですね。

 「1年B組、丹沢すだち、出席番号18番、いま欲しいのは友達・・!!」

前巻ではどちらかといえば会津さんの方が丹沢さんに興味を持っていて、会津さんの方から近付いてきた感じだったので、丹沢さんの方から友達になりたいと伝える展開は少し意外でしたが。

しかし、若干ツンデレの気がある会津さんに断られても構わずに一緒にお弁当を食べようとしたり、前巻では考えられなかった積極的な姿を見せます。

成長が現れている感じがしますね。

丹沢すだちのココが可愛い!

前巻ほどコミュ障ぶりは酷くない丹沢さんですが、相変わらずコミュ障でHIP-HOP被れな所が可愛らしいです。

誰もいないことを確認して十文字君も含めて女子トイレで弁当を食べようとしたりするちょっとズレたところがあるかと思えば、会津さんと同じ身長なのに1キロ重いことを気にしたりする女子っぽいところもあるギャップが良いですね。

身体測定で身長を測るために帽子を取るのを恥ずかしがって逆に怖がられているところもグッドだと思います。

十文字君はまさに実感しているのだと思いますが、天然のあざと可愛さがあるキャラクターですよね。

あざといキャラクターってあまり好きじゃなかったりするのですけど、丹沢すだちの場合は天然かつ絶妙なバランスになっているのではないかと思います。

ロリータ会津さんのお母さん

家では・・というより母親の前では、母親の趣味のロリータな雰囲気のファッションに身を包む会津さん。

どうやら会津さんの母親は相当なHIP-HOP嫌いなようですね。

「年の離れた兄が去年・・「ラップ王に俺はなる!」って言い出して28歳で家を出てからは特に・・」

そんな事情があったら嫌いにもなりますか。まあ、会津さんの母親は何となく潔癖そうな感じのキャラクターなので、良くも悪くも下品な部分が少なからずあるHIP-HOPが好きそうには見えませんね。

親に隠れて好きなことをするってのは、大なり小なり誰にでも経験があるのではないかと思いますが、こういうのっと無暗に良い思い出になったりして良いですよね。

文化祭への挑戦

「私は文化祭! わりと嫌い! いい思い出が全くない!」

そんなことを言う丹沢さんですが、文化祭のステージに興味津々です。

十文字君や会津さんといった友達ができたことで心に余裕ができてきているのかもしれませんね。

文化祭のエピソードでは、まさかの機材の故障というトラブルがありましたが、丹沢さんの機転で乗り越えることができました。

文化最後には丹沢さんの周りに十文字君や会津さん以外の人も集まるようになるのですが・・

それでもクラスメイト達には「トイレ行きたい」が言えないというオチが丹沢すだちらしくと面白かったです。

総括

いかがでしたでしょうか?

1巻を読んだ時から、凄く熱狂的に面白いというわけではないのだけど、地味にジワジワと面白い感じの漫画だと思っていたので、2巻で終わってしまったことはちょっと残念でした。

しかし、コミュ障な部分を丹沢さんがかなり克服しつつあるので仕方無いのかもしれません。

十文字君や会津さんと打ち解けるほどに韻を踏んだセリフもなりを潜めていく流れは自然ですが、同時に丹沢すだちが此処にイル!という作品の特性が薄れることにもなりますからね。

だけど、コミュ障系キャラクターにHIP-HOP。ラップというコミュニケーション手段を与えた発想は凄く面白かったと思います。

僕はコミュ障系キャラクターは結構好きな方ですが、コミュ障な分どんな作品でも似たようなキャラクターになりがちな属性でもあると思っています。

その点、丹沢すだちというキャラクターはコミュ障系キャラクターとしてはかなり個性的で魅力的なキャラクターになっていましたからね。