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『メイのメイデン(3)』アイが初めてギャンブルに勝利する最新巻の感想(ネタバレ注意)

 

メイのメイデンは、いわゆるギャンブル漫画ですが、風俗店が舞台となっているところが少々異質な作品です。

店の名前はメイデンス。

客とギャンブルするという点が少々異質ですが、いわゆるデリバリーヘルス的な風俗店となります。

なんて言うと、ちょっとエロい感じの作品なのかと思われるかもしれません。

だけど、そういうエロい感じの作品が苦手だって人も安心してください。

確かに本作品には艶めかしい感じの女性キャラクターが数多く登場しますが、基本的には緊張感のあるギャンブルを楽しむような漫画になっています。

イカサマを見破ってるのにイカサマを許容した上で勝利してみせたり、心理的な駆け引きを繰り広げたり、相手(客)の用意したどこに罠があるかもわからない独自のゲームが魅力的な作品となります。

ほんのちょっとエロい感じのシーンも無くはないですが、最近のエロ描写が過激な少年漫画ほどではありません。

何か、舞台が風俗店というだけで毛嫌いしている人もいそうだと思ったので、そんなにエロくないよって所を強調してみました。

勘違いで面白い作品を見逃すのはもったいないですからね。

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本作の概要

アイが初めて1人でギャンブルを相手取るのはコイという女性。

実はメイデンスの嬢の1人なのですが、メイのことが好きでメイ目当てで客にもなっているようなのですが・・

相手がアイだってことで少々不機嫌な感じです。

とにもかくにも初めてのギャンブルに緊張気味のアイでしたが、コイの罠にハマって敗北してしまいます。

しかし、アイの仕掛けた罠に気付き再戦を申し入れ何とか勝利。

メイに比べるとたどたどしくはありますが、アイもギャンブラーらしくなってきました。

そして、その後はアイをメンバーに含めたギャンブルの団体戦。フラワー・サーキットが始まります。

本作の見所

アイvsコイ

コイは若干百合っ気のある女性で、メイとはメイデンスの同僚でありながら、ストーカーの加害者だったりもします。(なんてキャラクター紹介だ・・)

そんなコイが提案するゲームは視線を見つけるゲーム

ギャンブルを行う2人が対面して座り、お互いに目を閉じる。

そしてプレイヤーは30秒以内に目を開けるか閉じたままにするのかを選択する必要があり、親が目を開けているのを子が目を開けて見つけることができたら、子のポイントになる。

そして、それを10回繰り返し、その後は親と子を入れ替えて10回同じことをする。

ただし、親も子も10回の内目を開けられるのは5回までという制限付き。

まさに視線を読み合うといった感じのゲームのように感じられるのですが・・

実はそこにコイの罠が仕掛けられてます。

「相手のあらゆる言動をよく見よく聞き、そしてその意味や意図をよく考えること。これは大事だと思いますよ」

しかし、アイはコイの罠には気付いておらず、この勝利をメイから教わっていたギャンブルに勝つコツを実戦できたからだと思っているようですね。

そして、1回目は通常コースを選択したコイが100万円を掛け金として支払い、特段見所も無くアイが勝利してしまうのですが・・

それもコイの思惑通り。

コイの目当てはアイの体ではなく、1回上げてから落とすことで心を折ることだったようですね。

「お前みたいな「お荷物」がメイ様のお側に・・いや「メイデンス」にいていいワケがないんだよ・・!」

しかし、アイはコイに体を弄ばれながらもギャンブル中のコイの不自然だった点から、コイの仕掛けた罠に気付きます。

実はこのゲーム、ゲーム中に一度も目を開けなければ負けは無い構造になっています。

冷静になれば気付きそうなものですが、コイが視線を見つけるゲームと言ったり、5回までしか目を開けられないのがあたかも制限であるかのように言ったりすることで、それをカモフラージュしていたので確かにこれは気付きにくいところですね。

それを2回目のゲームで机からメイの写真が落ちたことにコイが気付くのが遅かったことからアイは気付きました。

しかし、これだと負けは無くても勝ちもありません。

コイも五分に持ち込んだだけなのに得意気なアイを罵りますが・・

アイは何とコイにゲーム中に1度だけ目を開けることをお願いします。

いやはや、そんなゲームに負けると分かっているお願いを聞く奴はいないって話ですが、アイはコイが大事にしているメイの写真を人質に取りました。

目を開けないとビリビリに破ってしまうと脅しているわけですね。

コイも負けじと「破ったら殺す」と脅し返しますが、最終的には根負けして目を開けてしまいました。

そして目の前にいたのは、口では堂々とコイを脅していたのに、コイの脅しにビビって涙を流しているアイの姿でした。

そこまでビビりながらも、メイの写真を破るという自分の脅しをブレさせなかったアイのことを、コイも認めることになりました。

1回戦(ミルキー)

今度の客は花丸組の組長。

フラワー・サーキットという5人チームで行う団体戦を仕掛けてきました。

しかも最終戦は命の危険を伴うゲームが用意されているのだとか・・

そんな危険なフラワー・サーキットの1回戦を担当するのはミルキーという嬢で、メイの言うにはメイ以上の実力者らしいのですが、なんとあっさり敗北してしまいます。

「ちょっとでも恩を売っとけば待遇も良くなるかなぁって思ったから、わざと負けたの♡」

自分が勝ってもチームが負けたら終わり。

ヤクザの下で働かなくてはいけなくなるということを考えたら、明らかに捨て駒っぽい1回戦の相手に花を持たせることで、心証を良くしておこうという魂胆です。

その辺、ギャンブラーというよりは打算的なディーラーの考え方なのですが、アイからしたら取れるポイントを落としたように見えて納得がいかないようですね。

2回戦(りぃ)

りぃもメイ以上の実力者らしいですね。

そんなりぃが挑むのは「ハイド&ヘルス」という相手の性癖を探すかくれんぼ。

性癖が記されたカードを4つ選び、裏に書かれた点数の合計が10点以上だったらりぃの勝ちとなります。

実は、このりぃの相手である馬場は、イカサマではないけどイカサマに限りなく近いヤクザなやり方で安全な勝利をもぎ取ろうとしているのです。

いわゆるミスリード的な手法なのですが、りぃにミスリードし返されてしまいました。

最初に選ぶ対象の性癖カードは机の上に置いたものと馬場は言っていましたが、実はこの時罰ゲーム用に履くパンツも机の上に置いていました。

その自分の履くパンツの中に最高得点の性癖カードを仕込んでいたのですね。

嘘はついていないのでイカサマではないという卑怯な手段な上に、バレたら力づくでそれを選ばせないようにしようとする重ねて卑怯なやり口ですが、それを圧倒するりぃが爽快な感じだと思いました。

3回戦(コイ)

3回戦。コイが相手取ることになるのは、なんとアイに借金を背負わせた詐欺師である栗栖という女だそうです。

何だかんだ綺麗な女の子の多い本作品ですが、今まで登場した人物の中で男女含めて一番悪そうな表情をしています。

そして、コイと栗栖がやるのはいわゆる脱出ゲーム。

相手の設定した4桁のパスワードを先に見つけ出すことで先に脱出した方が勝ちとなるのですが、そこは言葉巧みな詐欺師である栗栖の方が着実にコイの設定したパスワードを紐解いていきます。

しかし、このゲームの勝利条件はあくまでも部屋からの脱出であり、パスワードを紐解くことではありません。

コイは壁紙で隠された窓を発見し、そこから飛び降りることで逆転勝利を掴みました。

しかも、途中で観戦していたアイがコイがそれを狙っていることに気付き、メイデンスのメンバーでシーツを使って受け止めてしまいました。

さすがにコイも予想外だったようですが、栗栖が舐めていたコイの機転とアイの鋭さに、栗栖は敗れることになってしまいました。

今巻の前半では悪者っぽさのあったコイですが、何だかアイとの絆もできてきているような気がして、愛着が沸いてきますよね。

総括

いかがでしたでしょうか?

ページ数的に3巻はなかなかボリューミーでしたが、メイのメイデンというタイトルなのにメイに活躍の場はありませんでした。

次巻はフラワー・サーキットの最終戦

今巻で自分1人でギャンブルに挑むようになったアイと、そしてメイがタッグを組んでのタッグマッチが始まるようです。

そういうわけで次巻ではガッツリとメイの活躍が見られそうですね。

今のところ、メイのギャンブルが本作品の最大の見所だと思っているので、とても楽しみにしています。

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