あるいは 迷った 困った

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『のんのんびより(13)』色褪せないシュールでのどかな日常が魅力の漫画の最新刊の感想です。

 

『劇場版 のんのんびより ばけーしょん』が想像以上に面白かったことが記憶に新しいのんのんびよりの最新13巻の感想です。

のどかな自然がスグ隣にあるど田舎の狭い人間関係、何だかホッとするようなエピソード、シュールだけど現実にありそうなギャグ。

それらはまだまだ健在です。

実際のところ、のんのんびよりが面白いのは間違いないのですが、ネタ的にそこまで長く続けられるような類の漫画では無いと思っていました。

なぜなら、何か大きな目的や目標などがあるような作品ではないからです。

こういう例えば『サザエさん』的な作品は、逆に言えばいつまでも続けることができるのかもしれません。しかし、それこそ『サザエさん』のように日常の一部になっているような作品を除いて、なかなか長く飽きさせずにいることは難しいのではないでしょうか?

しかし、気付けば既に13巻。のんのんびよりは全く飽きることなく読み続けることができています。

個人的には、日常系の作品が長く続いた場合にはどこかで飽きて切ってしまうことが多いのですが、のんのんびよりに関してはそんな気は全く起きず、今でも続刊を楽しみにし続けています。

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本作の概要

夏海の思い付きで流しそうめん

ちょっとしたミスを意外とちゃんと反省しているっぽいのに行動が悪ガキにしか見えない夏海とひかげ。

前巻の所業が怪談になってしまった蛍。

ひかげに教わった秘密の場所で虫取りするれんげ。

年下の蛍や夏海がブラックコーヒーを飲んでいることに焦りを覚える小鞠。

前巻で年下の知り合いができて「お姉ちゃん」と言われて喜ぶれんげ。

子供の前では格好良く振舞おうとする駄菓子屋。

・・いつものように、ちょっとしたエピソードのオンパレード。

だけど何故だろうか?

この変化のない日常に面白さを感じてしまいます。

本作の見所

ペットボトルで流しそうめん

突然何かを思いつくのはいつも夏海ですね。

しかし、ペットボトルで流しそうめんって、普通は思いついてもできる環境が無いような気がします。この辺、広い土地のある田舎ならではですね。

そして、普通なら思いついても実行する行動力まではなかなか出てこないような気がします。

夏海はのんのんびよりの主要キャラの中では、ひかげと並んで一番の悪ガキとして描かれていますが、この行動力の高さはハッキリとした長所で、意外と大人になってから一番大成しそうな気もしますね。

しかし、詰めが甘くてペットボトルで作った流し台をどうやって立て掛けるかは考えていなかったようで、すっと現れた兄ちゃんに助けてもらっていました。(笑)

隠ぺいは上手くいかないものです

遊びに来たひかげとボール投げで遊ぶ夏海。

そして、夏海の必殺確殺シュートが植木鉢を直撃!

「必殺確殺してんじゃねーよ バカ」

1度目は条件反射で、2度目は冷静になって同じツッコミをするひかげが地味に面白かったです。

早急に謝罪するか、証拠隠滅するか、地面から粘土を採取し一から植木鉢をつくるか・・

最後の発想はやっぱり夏海ですね。

しかし、夏海達も成長したのか早急に謝罪しようと母親を探すにですが、こういう時に限って不在。

だからといって、先に小鞠や兄ちゃんに見つかってしまっては、見つかったから謝罪したという印象が強くなってしまう。

そこで、一時的に証拠隠滅することにしたのですが・・

この時点で落ちは見えましたね。

「よし完全隠蔽官僚!!」

「ばれないうちにずらかろうぜ!!」

丁度証拠隠滅した現場を帰ってきた母親に目撃されてしまいました。

その後どうなったのかが描かれていないのが逆に面白いですね。わかりきっているだろうということなのでしょう。

メカこまぐるみ

大人っぽいと触れ込みの蛍ですが、意外と一番子供っぽさのある蛍。

前巻で登場したメカこまぐるみが、あかねに目撃されていたということを知って、徐々に様子がおかしくなっていく蛍が可愛らしいエピソードとなります。

「そんなことよりカブトムシの話しませんか?」

誤魔化すの下手か!

しかし、いつもならこういう怪談話っぽい話は避けたがる小鞠ですが、自分に似ていると聞いて気になっているようで、話題が逸らせません。

「たしか蛍・・私のぬいぐるみ作ってたよね・・?」

「その反応・・もしかして・・心当たりあるの?」

その後も色々誤魔化そうとする蛍でしたが、ついに小鞠が答えに近付き始めます。

いや、これはさすがに蛍が不審すぎましたね。

そして、答えがわかったという小鞠に、ついに観念しようとする蛍でしたが・・

「蛍が作ったぬいぐるみにオオサンショウウオの幽霊がとりついたってね!!」

小鞠は何もわかっていませんでした。

いやはや、蛍ってどちらかと言えばドタバタしてる他のキャラを眺めているような立ち位置のキャラクターな気がしますが、時たまこういう面白い所も見せてくれる良いキャラだと思います。

虫取りと引き継がれる極意

今思うと子供の頃にやってた遊びの中で一番謎なのが虫取りですよね。

虫好きならともかく、何でやってたんだろう?

今回は夏海から虫のことを色々教えてもらったれんげが虫取りする話となります。

夏海から教えてもらったことを虫博士のごとく得意気に語るれんげですが・・

「夏海に虫取りの極意を教えたのはこの私・・。そしてとっておきの場所は夏海にも教えたことはない。よって夏海以上にレアな虫の取り方も知ってるんだぜ・・?」

どうやら虫取りに関しては夏海の師匠的な立場らしいひかげが、れんげを新しい虫取りの世界へと誘います。

そして、どうやらその秘密の場所も駄菓子屋からひかげに教えられたものらしいですね。

駄菓子屋からひかげへ。

ひかげから夏海、れんげへ。

こういう風に子供の遊びが受け継がれていくのも何か良いですよね。

ブラックコーヒー

夏海がブラックコーヒーを飲んでいるのを見て小鞠が衝撃を受けるところから始まるエピソード。

中一でブラックコーヒーを普通に飲んでいるとは夏海は意外と大人ですね。小5で飲んでる蛍は論外ですけど。(笑)

コーヒーっていつの間にか日常的に飲むようになってくるけど、まあ大体中学生くらいなんでしょうかね?

それでもいきなりブラックで飲む人は少ないような気がしますけど。

だから中三でブラックコーヒーが飲めないくらいで小鞠が気にすることは何も無いような気がするのですが、普段から自分の子供っぽい部分、年下の子供達の大人っぽい部分を気にしすぎる嫌いのある小鞠は気にしてしまうようですね。

しかし、そうやって記号的な大人っぽさを求めているあたりが子供っぽくて可愛らしく見えることに気付いていない内は、小鞠が大人っぽくなるのは難しそうですね。

自然体で、自然体だからこそ大人っぽいこのみとは対照的ですね。

何となく、今巻に載っているエピソードの中では一番好きかもしれません。

れんげの妹分

本作品の主人公であり、一番の妹分であるれんげ。

そんなれんげにも妹分ができました。

前巻で出会った迷子のしおり。「お姉ちゃん」と呼ばれて嬉しそうな表情をするれんげが可愛らしいですね。

おまわりさんごっこをすることになった2人は夏海とひかげの元にやってきます。

「よく見ておくん。あの二人はこのあたりで有名ないたずらコンビなん。いつも悪いことして怒られてるん」

あ~夏海とひかげ、れんげにまでそう思われていたんですね。(笑)

そして、植木鉢の必殺確殺事件の真相も知られてしまっているようです。あの後、やっぱり怒られたんですね。(笑)

しかし、そんな夏海とひかげでも、しおりが寝てしまった後の対応が何だかお姉さんっぽいことに気付いたれんげ。

ひかげが言うように年上なのだから当たり前と言えば当たり前の話なのですが、だったら自分もとしおりをおんぶして布団に運ぼうとするれんげ。お姉さんぶろうとしているのが可愛らしいですね。

酔っ払い

小鞠がお姉さんぶろうとするのは毎度のことですが、今巻ではれんげもお姉さんぶろうとしていました。

しかし、そうやって大人ぶろうとしたりお姉さんぶろうとしたりするのは子供達だけではありません。

大人こそ、子供の前では必死で大人ぶろうとするというのがこのエピソード。

かず姉と駄菓子屋がいわゆる宅飲みを開催するのですが、駄菓子屋が飲みすぎて泥酔してしまいます。

もうどうにもならない感じで酔いつぶれているのですが、ふとれんげが現れた瞬間に普段通りシャキっとした態度になります。

しかし、れんげが去っていった途端にバタンキュー。

「何言ってるんすかー。こんなところ子供にみせたら教育に悪いじゃないすかー!」

いやはや、大人といっても若干二十歳の駄菓子屋ですが、しっかりしてますね~。

そして、子供の前では猫を被らなければならない大人って大変ですね~

総括

いやはや、僕には田舎暮らし経験は無いのですが、何故だかのんのんびよりを読んだら懐かしい気分にもなります。

何でなんだろうと考えてみたら、小中学生のキャラクター達の言動が、シュールに感じられても地味に「あるある」だったりする部分があるからなのかもしれませんね。

これからもこのほのぼのとしたのんのんびよりの世界に触れていきたいと思います!

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