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『双子コンプレックス(1)』性格の違う双子が楽しい漫画の感想(ネタバレ注意)

 

ちょっと見たことある絵だなぁと思ったら恋するヤンキーガールと同じ作者だったんですね。

なんか好きだなぁと思っている絵って、そこまで超個性があるってわけでなくとも目を引いて手に取ることになるから不思議です。

そして、双子コンプレックスは作者のおりはらさちこ先生の関連作品4か月連続発売の一発目になっているようですね。

タイトルの通り、双子の兄妹あるいは姉弟が主人公の漫画で、性格は対照的なのにどこか似たところのある二人の関係が面白い作品だと思います。

家族や友人に仕事仲間それに兄弟。

人間関係にはいろいろと呼び名がありますが、双子という関係性にはもっと特別な何かを感じてしまいますよね。

僕にも兄弟はいますが、それがもし同い年の兄弟だったとしたら今とは違う関係だったのかなぁって思ってしまいます。

双子の兄弟がいる友人は何人かいましたが、案外当の本人たちはあまり特別だとは思っていなかったりするようですけど。(笑)

ともあれ、 双子コンプレックスはそんな双子の関係性が面白い四コマ漫画となります。

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本作の概要

出産時に院内でお産が相次ぎ、いつの間にか生まれていた双子。

兄のアオと妹のモモ。書類上ではアオが兄ということになっているもののところは明らかではありません。

それ故二人とも自分が兄である。いやいや自分が姉であると主張しあっています。

互いに良い兄、良い姉であろうとする二人の関係が素敵な漫画です。

本作の見所

似ていなくて似ている双子

フィクション作品に双子が登場することは珍しくありません。

瓜二つの容姿だったり、言動がシンクロしたり、まるでテレパシーのように意思疎通できたり、まるで二人で一人と言わんばかりのキャラクターは枚挙に暇がありません。

そういう意味で双子コンプレックスに登場するアオとモモは、そういうお約束的な双子とは少し違っているような気がします。

二卵性の双子で、性別も性格も違うし容姿が似ているわけでもありません。

そういう意味で彼らは『似ていない双子』なのだと思います。

お約束的な双子ではなく、双子の男女にもっとリアリティを求めた作品が双子コンプレックスなのではないかと感じました。

しかし、それでは普通の年の離れた兄妹あるいは姉弟のような関係が描かれているのかといえばそうではありません。

どっちが兄で、どっちが姉なのか?

それが定かではないからこそお互いに年長者として振舞おうとしているのが微笑ましかったり、同い年だからこその気安さもあったのではないかと思います。

それに、そういうお互いに対する反応がとても似ているのが面白いんですよね。

性別も性格も違うけれども、そういうところは『似ている双子』なのだと思います。

同い年で異性の兄弟ってどんな感じなんだろう?

僕には男兄弟(弟)も女兄弟(妹)もいますが年は離れています。

男兄弟とはお互いの友人も含めて一緒に遊んだりしたことも多くて、何を考えているのかも分かりやすかったのと比較して、女兄弟の方はその点分からないことも多かったと思います。

年が離れていたらそんなものなのではないかと思います。

しかし、これが同い年だったらどうなのか?

色々な経験を一緒にしていくことになり、互いの交友関係も非常に近いものになるのではないかと思います。

双子コンプレックスでは、そんな双子の姿が描かれています。

学校であれば男子のグループや女子のグループがあったりするものなので、少し離れてはいるのですが、通常そんな異性のグループに自分の兄弟がいるようなことはありません。

なんとなくですが、そういう状況ってなんだかむず痒そうな気がするのですが、だからこそお互いの言動を通常以上に気にしたりするようになるのかもしれません。

まあ、さすがにアオやモモのようにいちゃいちゃ(?)している風の双子はあまりいないでしょうけど。(笑)

モモのダイエットと協力するアオ

最近ちょっとお腹がヤバい。

そんなモモのダイエットにアオが協力するエピソードが結構好きです。

「私と同じ量食べてるはずなのに!」

「俺と同じ量食ってっからだろ」

同い年の男女で同じ食事をしていたら、そりゃあ代謝が全く違いますよね。

アオのスッキリとしたお腹周りを見て文句を言うモモが印象的でしたが、こういうのも双子だからこそ発生するやり取りだと思うと興味深いですね。

いや、双子の兄弟でなくともこういうやり取りはあり得るかもしれませんが、説得力が違うのが面白いと思います。

アオのアルバイトとモモの恋愛

アオのバイト先(喫茶店)の先輩は女子には優しいけどアオに厳しいイケメンで、モモはその上っ面を見てアオのバイト先の先輩を好きになって、その喫茶店に通うようになるのですが・・

「アオをこき使っていいのは、姉である私だけなのよ!」

セリフはちょっとアレですが、アオに仕事を押し付けるバイト先の先輩を見てキレるモモ。

兄妹の絆を感じられる心温まるエピソードだったと思います。

総括

いかがでしたでしょうか?

家族は誰にでもいるし友人は作れる。

最近は一人っ子も多いですけど、それでもかなり多くの人に兄弟はいます。

しかし、双子の兄弟がいる人は本当に珍しい。

仲が良いのとは違う。

いや、もちろん仲は良いかもしれませんが、それ以上に『近い』という印象が強い双子という関係性。

双子コンプレックスでは、そんな『近さ』がうまく描かれていたような気がします。

単に容姿が似ているとか、言動がシンクロするとか、そういうありきたりな双子とは違う魅力がありました。