『うちのメイドがウザすぎる!(4)』アニメ放送中の最新刊の感想
1巻発売時には、また色物作品が登場してきたなぁ~と感じていた『うちのメイドがウザすぎる!』ですが、じわじわと面白くて最新刊が発売しているのを見かけたらついつい手に取ってしまう魅力があります。
そんな風に思っていたら、アニメ化されて今まさに放送中。
そういう認識はあまり無かったのですが、実は元々結構人気がある作品だったのですね。
しかし、登場人物も割と少ないし、あまりアニメ向きの作品ではないのではないかと思ってそんなに期待していなかったのですが、蓋を開けたら2018年秋アニメの中でひょっとしたら一番楽しみにしてしまっている自分がいます。(笑)
何というか、BGM(サントラ)の勢いが良いんですよね。
これほどBGMが作品にマッチしていることって珍しいような気がします。つばめがミーシャに迫る時の警戒心を煽るようなBGMとか特に最高ですよね。
そんなわけでアニメが好調の『うちのメイドがウザすぎる!』の最新刊。いつも以上に発売を楽しみにしていました。
かなり重大なエピソードも含まれているので、その辺が最大の見所でしょうか?
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本作の概要
ミーシャのペット、フェレットのクマゴローの大脱走。パンツ泥棒事件。
そんないつものドタバタ劇が繰り広げられているかと思いきや、何とミーシャの血縁上の父親の登場。育ての親のヤスヒロと実の父親のどっちを取るのか、幼いミーシャにはなかなか酷な選択を強いられることとなり、いつもと違ったシリアスな展開になるのも注目どころです。
その後、ミーシャが”わしわし”こと鷲崎みみかの誕生日プレゼントを用意するにあたっては、特に不本意そうな様子もなくつばめの協力を仰ぐことになります。
最初の頃に比べるとつばめとも打ち解けてきた感じがしますね。
本作の見所
クマゴロー大脱走
飼い主とペットの絆を描いた話ですね。
注射嫌いのフェレット・クマゴローが、病院に連れて行こうとするミーシャから逃げ出し、それを心配したミーシャの大捜索が始まります。
注射を怖がったり、自分で鍵をを開けて外に出たり、それに今までも賢そうな行動をしていたクマゴローではあるのですが、さすがにフェレット一匹が住宅街をうろつくのは危険極まりありません。
そんな一刻を争うような状況でも中々つばめを頼ってくれないのはいつも通りでしたが。(笑)
しかし、結果的には元警察犬・流雲号をつばめが服従させたことでクマゴローは見つかります。
それにしても、アニメ版で初期の頃の何が何でもつばめを追い払おうとするようなミーシャを見たばかりだからなのか、だいぶつばめに対して丸くなってきているような気がしますね。
いや、滅茶苦茶冷たいのは間違いないのですが、それでも徐々につばめのことを受け入れつつあるのかもしれませんね。
パンツ泥棒事件
「今すぐしね!!」
「おまえはひどいヘンタイだけど、こんなことはしないと信じていたのに・・!」
何だかいきなり機嫌が悪い・・というより明らかに怒っているミーシャ。
いつもとはちょっと違うレベルで怒っているミーシャに、いつもは飄々としているつばめも少し困惑してしまっていますね。
どうやら、ミーシャのパンツをつばめに盗まれたと思っているようです。
それが本当なら怒って然るべき・・なのですが、さすがのつばめも犯罪行為にまでは及んでいません。
まあ、犯罪行為と言うには微妙だけど、パンツを盗む以上に引くようなことをやっていたりしていたようですが、とにかくつばめは無実を訴えています。
とにもかくにも、ミーシャのパンツ盗難事件はヤスヒロがハンカチと間違えて持って行ったという所で落ちがつくのですが、その先にそれ以上の落ちが待っていました。
食材のタコによってつばめのパンツが盗まれてしまうのです。
食材のタコて・・
ノーパンメイドと明石の生きダコの夜戦開始??
続かない🐻
この話、こんな終わり方で次には続かないという・・
こういうこの後いろいろありました的な終わり方も面白いと思います。
KUUMA・KUMA
背伸びしてお洒落しようとしているミーシャのクラスメイト・森川ゆいと違ってミーシャは自然にお洒落な女の子ですよね。
8歳にしてお気に入りのアパレルブランドがあるミーシャですが、年相応に絵本が元ネタのブランドを贔屓にしていて、背伸びした感じが全くしないのが森川ゆいとの違いなのでしょうね。
しかし、その言動は8歳らしくありません。
「変にトガっててもすぐ飽きられちゃうもん。いっかせいのブームで終わっちゃうよ!」
「作家は直筆のファンレターに弱い!」
「いつの時代も弱者が搾取されるというシンプルなこーぞーだよ」
いやはや、みどりの「1回死んでコンティニューしていないか?」というツッコミにも納得ですね。
ともあれ、ミーシャはそんなブランド・クーマの元ネタになった作家のイベント(サイン会でしょうか?)にやってくるのですが・・
何とロシア人であるこの作家がミーシャの血縁上の父親であることが明らかになります。
ミーシャの父親
会ったことの無い実の父親(しかし好きな作家)と、育ての父親のヤスヒロ。
本作品にしては珍しく重くてシリアスなお話ですが、ミーシャの中では最初から答えが決まっていたのではないかと思われます。
さすがに育ての親には敵わない。
ミーシャはヤスヒロの元にいたいと最初から思っていたはずです。
ただ、ヤスヒロがミーシャの思いを尊重しようとしたことが、結果的にミーシャには突き放されたように感じられてしまい、それで悩んでしまうことになってしまったのですね。
お互いに一緒にいたいのに、もしかしたらそれ以上にあるべき選択肢を与えられてミーシャも、そしてヤスヒロも悩んでしまうのですが、最後にはミーシャもヤスヒロを選びました。
いいはなしだな~
とはいえ、ミーシャの実の父親からしたら残念な結果ですが、ミーシャの選択を尊重しているあたり、良い人であることは間違いなさそうです。
険悪な別れではありませんし、何とミーシャに妹もいることが判明したため、今後も親子の付き合い自体は続くことになるのだと思われます。
わしわしの誕生日
前はあんなに引き籠っていたミーシャが、友達のために必死で誕生日プレゼントに悩んでいる姿は何だか感慨深いですね。
さすがのつばめも呆れ気味の表情です。
そうなんですよね。つばめの奇行が目立つ本作ですが、実はミーシャの言動の方が社会的に苦労しそうな感じなんですよね。
つばめは何だかんだ要領が良いですから。
「お嬢様、割と生きづらそうな思考ですね」
そういうわけで、つばめも少々呆れ気味なのですが、お嬢様LOVEなつばめが呆れただけで終わるわけがありません。
しっかりミーシャに協力しようとするのですが、意外にもあっさりとミーシャもそれを受け入れます。
今までならもっと嫌がりそうなのに?
わしわしの誕生日のためという思いもあったのでしょうけど、それ以上に多少はつばめのことを受け入れつつあるということなのかもしれませんね。
その後、なんやかんやトラブルもありましたが、最終的にはわしわしに喜んでもらうことに成功しました。
総括
いかがでしたでしょうか?
ミーシャの血縁者が新キャラとして登場して、実はミーシャに妹がいることも明らかになります。
間違いなく今後登場すると思うので、その辺が楽しみですね。
ミーシャ以上に幼いミーシャの妹に、つばめがどう反応するのかに注目ですね!
また、巻末の作者コメントには気になることが記載されていました。
「ひとりくらい妹キャラが居てもいいのでは・・・という理由で、今後つばめに姉か兄が錬成されるかもしれませんが、雰囲気的にひとりっこのような気がします。」
錬成されるて・・
しかし、確かにつばめはひとりっこっぽい雰囲気がありますが、そんなつばめに兄弟がいたら、それはそれで面白そうな気がします。
たぶん妹であるつばめのことを可愛がっていて、つばめはつばめでミーシャのような感じでそれを嫌がっているとか・・
何となく想像できますね。
まあ確定事項では無さそうですけど、そういう展開も見てみたいと思います。