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『焼きたて!!ジャパン~超現実~(1)』懐かしいノリが健在のスピンオフの感想(ネタバレ注意)

 

焼きたて!!ジャパン~超現実~が書店に並んでいるのを見かけた時、一瞬かつて週刊少年サンデーで連載されていた焼きたて!!ジャパンが表紙を変えて再版されているのかと思いましたが、どうやらLINE漫画上で連載されている完全なスピンオフ作品のようです。

あまりスピンオフ展開向けの作品ではないような気もしますが、「なるほどそうきたか」と思わされるような世界観でスピンオフ作品にしてしまっているのが面白い作品だと感じました。

ちなみに、作画は元祖焼きたて!!ジャパンと同じく橋口たかし先生なので、当時読んでいた人は読んでいて懐かしい気持ちになるのではないかと思います。絵柄だけではなく、独特のノリが当時を思い出させてくれます。

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本作の概要

日本独自のパンである通称『ジャぱん』を作ることを目指す焼きたて!!ジャパンという漫画・アニメ作品が連載・放送されていた現実が舞台で、焼きたて!!ジャパンに憧れてパン職人になった少年が、フィクションのように華やかではない現実のパン職人にウンザリしているところから始まるスピンオフ作品となります。

主人公の弘見大作と小作(シャーロット)と同じく焼きたて!!ジャパンに影響されてパン職人になったコスプレおじさんとか、原作のキャラクターである河内恭介・・らしきキャラクターが登場するところも面白いです。

本作の見所

そもそも『焼きたて!!ジャパン』とは?

焼きたて!!ジャパンとは、2002年から2007年の間に週刊少年サンデーで連載されていたパンに特化した料理漫画で、テレビアニメ化されるほどの人気作でもありました。

日本の食卓にあまりにも浸透しているのにフランスパンやドイツパンは存在しても日本パンは存在しない。そんな日本のパンである通称『ジャぱん』を目指してパン職人になる少年が主人公の物語となります。

料理漫画といえば、食べた時のリアクション芸が一種のお約束のようになっていますが、なるほど絵とセリフのみで味を表現するというのはこういう所に行きつくのだろうと思わされますが、数ある料理漫画の中でも焼きたて!!ジャパンのリアクションはあまりにも個性的なもので、本作品の象徴でもあります。

そのリアクションのぶっ飛び具合は是非原作を読んで確かめて欲しい。なぜなら、あまりにもぶっ飛びすぎているが故に僕程度の筆力ではそのぶっ飛び具合を伝えきれないから。(笑)

時には1話から数話かけてリアクションのみが繰り広げられたり、リアクションの後遺症がいつまでも残っていたり、何より最終話の最後の最後をぶっ飛びまくりのリアクションで締めているあたりが本作品がリアクション漫画であることを象徴しています。

太陽の手とリアクション芸

さて、そんな焼きたて!!ジャパンが連載されていたりアニメ放送されていたという現実の世界・・という設定の世界が焼きたて!!ジャパン~超現実~の舞台となります。

漫画の世界に憧れて何かを目指すようなことは現実世界のあるあるだと思いますが、まさにそんな現実通り焼きたて!!ジャパンに憧れてリアクション芸人・・じゃなくてパン職人になったものの、華やかだったフィクションの世界とかけ離れた現実にウンザリしている何だか世知辛い現実から物語は始まります。

そんな舞台設定からどう面白くしていくのかと気になっていたら、主人公の大作と妹の小作の父親が初登場時から子供たちの作ったパンのリアクションで日本の大物ヒロミ・ゴウになっていたり等、本家に負けず劣らずのぶっ飛びリアクションで懐かしい気持ちにさせてくれます。

本家の焼きたて!!ジャパンでも序盤は料理漫画としての色の方が強く、まあ料理漫画なので当たり前ですが、いずれにしても最初からリアクションがぶっ飛んでいたわけではなく徐々にぶっ飛んできたところがあります。しかし、焼きたて!!ジャパン~超現実~では本家の良いところを継承しようという動きがあるからか最初からリアクションがぶっ飛んでいる。

いきなり大作と小作が融合して一人の人間になったりSFチックなリアクションまで登場したり、版権的に怪しいリアクションの存在が仄めかされたり、わりとやりたい放題です。(笑)

そして、本家の要素はリアクション芸だけではなく主人公の妹が太陽の手の持ち主だったり、主人公の大作は熱湯で手を温める力技の持ち主だったり、本家の主人公である東和馬と同じ能力が登場するのも懐かしいですよね。

原作っぽいキャラクター

スピンオフ作品に本家のキャラクターが登場することは珍しくありません。とはいえ主人公クラスは稀で、なるほどこの立ち位置のキャラクターをメインで登場させるのかと思わされることがしばしばです。

しかし、焼きたて!!ジャパン~超現実~の場合は本家が作品として登場する世界観という都合上、本家のキャラクターが登場することはあり得ません・・が、原作っぽいキャラクターは登場します。

師匠ポジのキャラクターである松代健。本記事を書くにあたって少し調べたら、いつの間にか年下になっていて驚いたキャラクターなのですけど(笑)、そのポリシーに憧れたパン職人がまさに松代健って感じのコスプレ姿で登場します。

なるほどと思わされる原作リスペクトですが、本家が作品として登場する世界観であるにも関わらず登場したのが恐らく本家のキャラクター本人と思われる河内恭介です。

「なんやて!」という当たり障りのないセリフが特徴的な本家の準主人公で、度重なるリアクションで心身ともに変貌を遂げていき、最終話ではダルシム化して最後を締めたほどのキャラクターです。はい、本家を知らない人には何を言っているのかサッパリですよね。(笑)

ともかく、そういう世界観の設定を飛び越えて登場してきそうなキャラクターの筆頭ではあるのですけど、いきなりのそういうキャラクターの登場が焼きたて!!ジャパンぽくて面白かったです。

総括

いかがでしたでしょうか?

料理とリアクションといえば、近年では食戟のソーマを思い出すところです。洋服が弾けるリアクションが進化していくのが独特でしたが、ことリアクションのぶっ飛び具合でいえば焼きたて!!ジャパンに軍配が上がると思います。

そんな焼きたて!!ジャパンのリアクションは焼きたて!!ジャパン~超現実~でも健在で、相変わらずぶっ飛んでるなぁ~というのが率直な感想です。

そんな懐かしくも新しい漫画。存在すら認知していなかったのですけど個人的にはとても続きが楽しみです。