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『幽遊白書(2)』短めだけど濃密な名作の感想(ネタバレ注意)

 

2巻目にして浦飯幽助もついに復活しましたね。

テレビアニメ版だと死んでいた期間がわりと短めなので、漫画版だと少々長く感じるものですが、復活前と後で作品の方向性が随分と違っているので、テレビアニメ版では復活後の方向性で一本筋を通そうとしたということなのだと思われます。

とはいえ、漫画版でしか深くは描かれていない復活前のエピソードも個人的には面白いと思いますし、このままの方向性でいってもそれはそれで面白い作品だったとは思うのですけどね。

とにもかくにも復活後、テレビアニメ版のファンとしては徐々に慣れ親しんだ『幽遊白書』に近付いてきたといった感じでしょうか?

1巻目では、地元で恐れられる不良が主人公の漫画にしてはバトル要素が少な目だった気がしますが、一気にバトル漫画といった体裁になってきました。

乱童編における幻海の後継者選考会でのトーナメントなんて、完全にバトル漫画のテンプレですからね。まあ、『幽遊白書』におけるトーナメントといえば後々のエピソードにもっと有名なものがでてきますが。

それに、蔵馬や飛影といった主要で人気なキャラクターもここで初登場しているので、その辺にも注目な一冊です。

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本作の概要

浦飯幽助がついに復活しました。主人公が生き返るための物語である『幽遊白書』はこれで完結・・かと思いきや、浦飯幽助は霊界探偵としての指令を現世で再会したぼたんから受けることになります。

三人の盗賊妖怪と三つの秘宝を巡る戦いを繰り広げたり、一流の霊能者である幼海師範の技を伝承しようと後継者の選考会に紛れ込んだ妖怪・乱童を探す任務を受けたり、着々と霊界探偵としてのキャリアを積んでいきます。

本作の見所

浦飯幽助の復活

唐突ですが、僕が最初に『幽遊白書』という作品のことを知ったのはテレビアニメ版。それも暗黒武術会編の頃だったので『幽遊白書』といえばバトル作品だというイメージが最初からありました。

だから漫画版を初めて読んだ時も、しばらくずっと死んでいる浦飯幽助を見ても「導入が長いなぁ」くらいの感想しかなく、復活したらすぐにバトル的な展開になっていくことは分かっていたような気がします。

しかし、連載で最初から読んでいた人はどうだったのだろうと少々興味深くもありますね。

だって、『幽遊白書』というタイトル的にも、導入のストーリー展開的にも、『幽遊白書』は浦飯幽助という主人公が幽霊になって様々なことをするコメディチックなオカルト作品という印象があったような気がするからです。

だから連載で追っていた人からしたら「浦飯幽助が復活というかとはもしかして完結!?」なんてことを思っていたのかもしれませんね。

いや、週刊少年ジャンプの作品ですし、終わる作品の終わる気配があったら当時でも分かったのかもしれませんけど。

ともかく、王子様のキスならにヒロインのキスで目覚めることになった浦飯幽助。意外とロマンティックな要素も多いのが『幽遊白書』という作品の特徴です。

浦飯幽助の必殺技

ゲゲゲの鬼太郎のゆびでっぽうに似ていますが、ドラゴンボールでいうところのかめはめ波のような必殺技が浦飯幽助にもあります。

「できるようになったのだぞ。右手の人さし指に全身の力を集めるつもりで気持ちを集中してみろ」

一度死んで復活したら霊的な力が強くなって出来るようになったと言われればなるほどという感じですが、今後の浦飯幽助にとって最大の必殺技となるレイガンの取得シーンは実にアッサリとしたもので、しかも最初にそれを食らうことになるのが浦飯幽助に盗人の濡れ衣を着せようとした岩本先生というのが少し面白いですね。

恐らく普通の人間の中では唯一のレイガンの犠牲者です。(笑)

ともあれ、これで浦飯幽助もただの喧嘩の強い不良ではないバトル漫画の主人公らしくなったような気がしますね。

三つの秘宝

このエピソード、僕は初めて漫画版を読んだ時点では蔵馬や飛影は仲間のキャラクターだと思っていたので「えっ、最初は敵だったんだ!」と驚いたものです。

いや、今思えば少年漫画のテンプレ展開でしかないのでそこまで意外なことではないのですが。

そして、浦飯幽助が最初に戦うことになる妖怪は後にレギュラー化する蔵馬でも飛影でもなく、剛鬼という見た目パワー系の妖怪となります。

なんだかんだ、地元で恐れられる不良ということで強キャラ感のあった浦飯幽助にとっては初めてバトルシーンで苦戦することになる相手で、フェーズが変わって最初の洗礼という感じのストーリー展開ですね。

この辺りから一気にバトル展開になるのか・・と思いきや蔵馬のちょっと良い話的なエピソードが挟まれます。相手の強さをステップアップしつつ戦っていく流れになるのかと思いきやこの展開なので、この辺が『幽遊白書』という漫画作品の一筋縄ではいかない部分なのかもしれません。

しかし、このエピソードがあったからこそ飛影と蔵馬はレギュラー化していくことになったのかもしれません。

ただでさえ、この時点で蔵馬は魅力的で味方感のあるキャラクター性をしていたし、その元仲間ということで最初は蔵馬をお目付け役的な役目に据えて飛影も仲間にできたのかもしれませんね。

剛鬼はという疑問はこの際置いておきましょう。飛影と剛鬼、メインキャラにするならどっちが魅力的なのかは言うまでもありませんよね?(笑)

乱童編と幼海

三つの秘宝のエピソードは、今後のレギュラーキャラの顔見せと方向性の提示の役割を果たしていたのではないかと思います。

というわけで、いよいよバトル漫画じみてきたのは乱童編くらいからでしょうか?

幽霊時代にレギュラーキャラとして登場していた桑原和真も、ここで自然な形でバトル漫画への流れに合流させているあたりも素晴らしいです。

そして、恐らく結構な人気キャラなのではないかと思われるおばあちゃん。幼海師範もここで初登場しますし、妖怪退治というのが『幽遊白書』の世界においてそこまでコアなものではないことも読者に理解させることに成功しているのではないかと思います。

ぼたんを助手とした霊界探偵という設定だけでは、恐らく今後も浦飯幽助をとても狭い範囲の事件にしか関わらせることができなかったのではないかと推察します。

例えば暗黒武術会のエピソードなどがそれに該当しますね。

そんな乱童編も2巻ではまだ導入部。3巻目ではいよいよ乱童も登場するはずなので、仲間にはならない最初のラスボス的なキャラクターとのバトルが楽しみなところです。

総括

いかがでしたでしょうか?

前述した通り、浦飯幽助の復活前後では随分と急展開で違った漫画作品になっていった印象もありますが、ここからが『幽遊白書』の本領といえば本領です。

さて、紛れ込んだ妖怪・乱童は一体誰なのか?

強敵揃いの選考会を浦飯幽助は勝ち上がって、そして乱童を見つけることができるのか?

そういえば1日1度のレイガンは使ってしまったけど大丈夫なのか?

気になるところが多いところで次は3巻目となります。