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『ゆうべはお楽しみでしたね(6)』ネトゲで出会って婚約する漫画の感想(ネタバレ注意)

 

最近ドラマ化された影響で既刊も書店で見かける機会の増えたゆうべはお楽しみでしたね

タイトルは知っていたものの未読だった作品ですが、この機会にと1巻を読んでみたら思いのほか面白く、一気に最新巻である6巻まで読み進めてしまいました。

金田一蓮十郎先生の作品は、デビュー作であるジャングルはいつもハレのちグゥにはハマりにハマったものの、その後の作品にはあまり触れてこなかったのでかなり久しぶりだったりします。

何だか作風が大きく変わったような気がしたのがその理由で、別に変った後の作風の作品が合わないというわけでもないのですが、ジャングルはいつもハレのちグゥで一度こういう感じの漫画を描く先生って印象を持ってしまっていたので、何となくそれ以降の作品を避けてしまっていました。

しかし、今回ゆうべはお楽しみでしたねで久々に金田一蓮十郎先生の作品に触れたことで、「あっ、やっぱ金田一先生の漫画おもしれ~わ」ってなりました。

オンラインゲーム(ドラクエⅩ)で同性だと勘違いしてルームシェアの約束をしてしまった男女が、勘違いに気付いた後もそのままルームシェアを続けるというストーリーの漫画ですが、こういう独特のシチュエーションの漫画ってハマれば面白いですよね。

最初は独特な形の男女の友情って感じだったのが、恋愛そして婚約へ。

個人的には、恋に恋するような恋愛ものより、こういう友情の延長線上にあるような感じの恋愛ものの方が好きかもしれません。

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本作の概要

ルームシェアの友人同士から恋人、そして遠距離恋愛の関係を続けていたパウダー(さつきたくみ)とゴロー(おかもとみやこ)はついに婚約者になります。

両親の挨拶やら何やらで忙しい2人の物語は結婚話一色になっていきます。

・・これ、ドラクエⅩを題材にした漫画なんですよ?

ドラクエを題材にした漫画作品は数あれど、ドラクエにこれだけフューチャーしていながら女性誌連載漫画的な展開が味わえるのは本作品の他には無いかもしれませんね。

本作の見所

着実に進む結婚の準備

前巻でサラッとプロポーズしたのはゴローの方で、結婚に向けての準備というか段取りもゴローの方が着々とリードしている雰囲気です。

う~ん。パウダー男として情けないぞ~って、ゲーム内では女だから良いのか?

いや良くないだろ!

・・って感じで結婚の準備を2人は進めていきます。

両親へ報告や挨拶しなきゃとか、僕は未婚なのでよく分かっていませんけど、めっちゃ面倒くさそうですね。

「ただでさえこの先ボス戦が待ってるというのに・・! その上でそんな素敵な結婚式の事まで考えねばならないとか・・!」

そして、パウダーは結婚する時に一般的にはすることは「ちゃんとしなきゃ」と考えている節がありましたが・・

「えっパウさん結婚式したいの?」

意外にもゴローはサバサバしています。

「アタシは式とか指輪よりも新婚旅行にお金使いたい派!」

最近は結婚式をしなかったり、結婚したらするべきことの形も多様化してきているのは確かですが、両親や親戚への礼儀として結婚式はすべきというのは一応一般常識としては残っています。

しかし、近年の若年層は昔に比べて貧乏だし、結婚式や指輪にお金をかけることに否定的な人も多いので、それが結婚離れを引き起こしているのは間違いありません。

ちなみに、僕に結婚願望が無いのもその辺が理由のひとつだったりします。

それだけにゴローさんサバサバした考え方は、パウダーにとってはありがたかったのではないでしょうか?

というか、結婚するならこういう考え方の女性が良いと思う人って多いですよね?

僕もそう思います。

チムメンへの報告と誤解

僕はオンラインゲームをプレイしないので、オンラインゲーム内の人間関係のこととかはよく分からないのですけど、それなりに付き合いが長ければ普通の友達のような感じなのでしょうか?

「チムメンに結婚する事言った方がいいのかな?」

「どう思われるかが読めなくてちょっと怖いね」

長くドラクエⅩをプレイしているパウダーも、普通の友達との距離感の違いに悩んでいるようなので、経験者なら分かるというものでもないのかもしれませんね。

距離感の問題もありますが、オンラインゲームに限らずネット上の出会いは他の出会いに方に比べると何故か印象が悪い風潮があるのも悩みの原因になりそうです。

いや、ネットの出会いって別に他の出会いとの違いを明確に説明しろと言われても、少なくとも僕にはできないし、「ネットの出会い、別にいんじゃね?」って思う派なんですけどね。

ともあれ、パウダーたちはドラクエⅩのチムメンに結婚の報告をすることにしたようです。

しかし、忘れてはいけない。

パウダーはネカマで中身が男だということをカミングアウト済ですが、ゴローの中身が女であることをチムメンのメンバーは知らないということを。

ああ、ここでそれをカミングアウトするのかと思いきや、まさかのゲイだと勘違いされる事態に・・!(笑)

いや、日本では同性婚はまだ認められていませんから、気付きましょうよ!

今巻の時点ではこの誤解はまだ継続中ですが、今後どんな感じになるのかが楽しみなところです。

ゴローの両親への報告

ゴローは本当にサバサバしているというか、マイペースな感じで両親に結婚のことを報告しています。

勘違いでルームシェアしていた男友達が相手だということも含めてサラサラと何の悩みも無く報告していきます。

いや、確かに後々のことを考えたら正直に報告しておくべきなのでしょうけど、シチュエーション的に特殊なのでもう少しどう思われるのかとか、考えてしまう人はとことん考えてしまいそうです。

パウダーなんかはまさにそんな感じですね。(笑)

ルームシェアに女の子を誘ったあげく手を出した最悪な家主に見えない??」

当事者ならともかく、ぶっちゃけ傍目にはそう見られてもおかしくないですから、個人的にはパウダーの悩みの方がもっともな気もしますけど。

パウダーの両親への報告

パウダーの両親の、パウダーへの愛と偏見が凄い・・(笑)

息子の性格から生涯独身だと思って、少しでもお金を残そうと仕事を増やしていた、ちょっとズレたところもあるものの良い両親なのですが・・

「2次元の嫁というやつかな・・?」

いきなり酷い疑われかたをし、いきなり会いに来たかと思えば、食事に行くと称して病院につれていかれて・・

「その結婚する予定の女の子は実在する人間なのかどうか、改めてよく考えてみなさい」

真剣な様子で諭されたり、ゴローの写真を見せてもゴローが一人で映っているのを不審がられたり、珍しく一緒に映っている写真は合成を疑われたり、結局その場でゴローに電話して会話させるまで信用してもらえなかったようです。

「何事???」って過去一でビックリしてるゴローが可愛かった。(笑)

総括

いかがでしたでしょうか?

ドラマ化をキッカケにふと読んでみたら想像以上の良作で一気読みしてしまいました。

僕はMMORPGに限らずオンラインゲームは、囲碁のネット対局をする以外は全くプレイしたことがありませんが、オンライン上にある友人関係が面白おかしく描かれていて、オンラインゲームってこんな感じなんだと興味が沸きました。

いや、僕にはオンラインゲームをプレイしているような時間は無いので実際にプレイしてみようとまでは思わないのですけど(学生時代なら思ったかも?)、何が言いたいのかといえばオンラインゲームをしない人でも面白いと思える漫画だよということが言いたいのです。

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