あるいは 迷った 困った

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『ひまわりさん(10)』まつりの登場頻度少な目でひまわりさんが寂しそう?(ネタバレ含む感想)

 

お久しぶりのひまわりさんの最新巻。

かなり息の長い作品ですが、とうとう二桁巻の大台に乗りましたね。

ひまわりさんという一人の町の本屋さんの店主の魅力を見つけていくような側面の強い作品だと思いますが、大人しいわりに自然に周りに人が集まってくるような不思議な魅力は相変わらずです。

衝撃的な展開があるわけではないですけど、ノスタルジックな気分に浸れる良い作品ですよね。

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本作の概要

前巻からの傾向ですが、まつりが受験生になったことでひまわりさんとまつりの絡みは少なくなってきています。

しかし、まつりの妹や友人など、ひまわり書房にはたくさんの人が集まるようになっていて、ついには町の本屋として特集されるため取材を受けるようになったり。

以前のひまわりさんの意識とは少し違った挑戦的な一面が見られるようになっています。

本作の見所

映画を観るひまわりさん

ひまわりさんは絵に描いたような・・というか漫画なので当然絵なのですけど、とにかく絵に描いたような読書好きの女性です。

文庫本のページをめくる姿が誰よりも絵になります。

しかし、あまり本以外のフィクション作品に触れているイメージはありませんね。

普通にテレビを観たり、それくらいはするのでしょうけどあまりそういうイメージがないキャラクターだと思います。

「明日! あの・・映画! 観に行きませんか・・!?」

今回、まつりの妹の風子に誘われて映画を観に行くことになったひまわりさん

どうやら原作小説なら読んでいるひまわりさんですが、読書好きのひまわりさんは果たして映画をお気に召すのでしょうか?

さて、女性同士なのでこれはデートではありませんが、デートでなくとも映画を誰かと観に行くというのは、場合によっては感想を共有できないことがあるリスクがあるものです。

一方だけが楽しめてとか、複数人で映画を観たりすると素直に楽しめないことがあるから個人的には基本的に映画は一人で観たいって思うんですよね。少なくとも、こんな記事を書くくらいには。(笑)

それでひまわりさんはどうだったのかといえば・・

原作厨とまでは言わないまでも、言葉にこそしないものの、原作と比較してしまう面倒くさいタイプでした。

「なんかすごく反省した・・。風子はこんなにも純粋に映画を楽しんでるのに。いくら本が好きだからって私は・・」

だけど純粋に映画を楽しんでいる風子を見て、ちょっと自己嫌悪しているひまわりさんはやっぱり魅力的だったと思います。

ちょっと寂しそうなひまわりさん

まつりとひまわりさんの関係といえば、まつりがひまわりさんのファンって感じだったところから友人関係に発展していったという印象です。

つまり、どちらかといえばひまわりさんの方が受け身なわけですが、まつりも受験生なので以前ほど頻繁にひまわり書房に来られなくなってしまいました。

特に寂しいわけではないと他のお客さんには答えていたひまわりさんですが・・

「・・まつり、はやく来ないかな」

とか・・

「え、もう帰っちゃうの・・っ」

とか・・

ふとした拍子に寂しさが垣間見えます。

少なくとも1巻時点のひまわりさんには無かったところですね。

ハロウィンのひまわりさん

受験で出番の少ないまつりに代わってというわけではないのでしょうけど、今巻では風子がひまわりさんの周りにいる印象が強いですね

まつりも押しが強い女の子って感じでしたが、実はひまわりさんが嫌がりそうなことには遠慮がちな部分もありました。

一方の風子は意外と押しが強い。

恥ずかしがるひまわりさんを説得してハロウィンの魔女のコスプレをさせて、しかも町に繰り出そうとまでしています。さすがに町に繰り出すところはひまわりさんも断りましたが。(笑)

もともとはまつりが着ていたコスプレを、外見的なタイプがかなり違うはずのひまわりさんにとても似合っているのが面白いですね。

「なんで私まで・・なぜだか流れで着てしまったけど!」

「え・・だって一人でお菓子もらいに行くの恥ずかしい・・」

「私もこれで商店街を歩けと・・!?」

こんなひまわりさんと風子のやり取りが微笑ましくて好きです。

取材を受けるひまわりさん

今巻で特に印象的だったのは、ひまわり書房が町の本屋の特集の取材を受けることをひまわりさんが承諾したことでした。

ひまわりさんはどちらかといえば控えめで、目立つことを厭うタイプですからね。

上手くできる自信が無くて、心配かけまいと誰にも言わずに一人だけで取材を受けるひまわりさんの、いつもとは違うガチガチに緊張した様子が見所といえば見所です。

ひまわりさんが取材を受けていると聞いて駆けつけてきたまつりたちを見た後は自然な笑みを浮かべていましたが、だからこそアットホームな町の本屋さんという感じが強くなっていたような気がします。

総括

いかがでしたでしょうか?

ひまわりさんは刊行ペースがゆっくり目で、10巻も出ている作品としてはかなり古くからある作品のひとつとなります。

好きな作品だと「早く次巻が出てほしいなぁ~」という気持ちが新刊を読むたびに出てくるものなのですが、ひまわりさんに限ってはこういうゆっきる目の刊行ペースが合っているような気もしますね。

たまに触れられるからこそ、ひまわりさんというキャラクターの魅力が大きく感じられると思うからです。

たまに読みたくなる素敵な漫画。

ひまわりさんってそういう作品ですよね?