『くーねるまるた ぬーぼ(2)』マルタの妹が初登場する最新巻の感想(ネタバレ注意)
美味しい日常系漫画『くーねるまるた ぬーぼ』の最新巻!
舞台が笑明館から移り変わった新章にも慣れてきたところで、マルタの妹・ラケルも初登場しました。
舞台が変わったといっても登場人物も作品の雰囲気もそのままなので、あまり新章という感じはしていませんでしたが、新キャラのラケルは今後主要キャラクターになっていきそうな雰囲気なので、新章っぽさが増してきたような気がしています。
それにしても、ちょっとした小ネタ的な料理も多い本作ですが、巻を重ねてもネタが新鮮に感じられるのは凄いですね。
料理と併せてちょっとした日本の文化も学べるのが楽しいです。
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本作の概要
前巻では新しい生活に浮足立った印象を受けるマルタでしたが、今巻では収まる所に収まったというか、以前のマルタらしい生活を取り戻しつつあります。
とはいえ、新居で初めての、そして一人で過ごす初めての台風にビビったり、笑明館時代の台風時の過ごし方を思い出して懐かしんだりと、以前との変化も感じ取れます。
最後にはマルタの妹のラケルも初登場し、どんどん今までと違った『くーねるまるた』を楽しませてくれそうです。
本作の見所
新じゃがバター
個人的には、じゃがバターと聞けば『ARIA』を思い出します。
10年以上前の作品なので10代くらいの人は知らないかも知れませんが、『ARIA』にはちょくちょくじゃがバターが登場してきて、それがまた美味しそうなのです。
それで食べたくなって作ってみたら、あまり美味しくできないというね。(笑)
そう、簡単そうに見えてちゃんと美味しく作ろうと思うとじゃがバターって結構難しいんです。
というのも、熱さで味が感じにくい食べ物だからか、思った以上に薄味になりやすいからです。
だから美味しく食べるにはかなり味付けを濃いめにする必要があります。
マルタは自家製バターを使っていますが、恐らく塩を多めに入れているのではないでしょうか?
個人的には胡椒を入れても美味しいと思います。
サッカーボールキャベツ
ワールドカップ中は、普段サッカーに興味が無い人も盛り上がりますね!
お祭り好きだからでしょうか?
特に日本人にはそういう人が多いような気がします。
いや、あまりスポーツ観戦をしているイメージの無いマルタまでポルトガルを応援しているので、日本人に限ったような話ではないのでしょうか?
スポーツバー化したギャラリー「サウタージ」に集まった様々な国の人が、母国の優勝をアピールしている中、「に、日本もチャンスあるかもよ~」とボソっと言っている神永が日本人的で面白かったですね。(笑)
マルタが用意したサッカーボールキャベツは、要は巨大なロールキャベツということかと思いますが、キャベツって煮れば煮るほど柔らかくなるから、これだけ大きくても意外といけるのかも知れません。
スイカかき氷
一度は似たような発想をしたことがある人も多いのではないでしょうか?
かき氷を作る時、氷以外のものを削るって発想は楽しいです。スイカ以外にも、フルーツ系やミルク、ゼリーや杏仁豆腐など、応用範囲が広そうですね。
ちなみに、杏仁豆腐のかき氷は溶けるパンのような不思議な食感で個人的には好きだったりします。
鰻もどき丼
鰻ってだいぶピンキリだけど、美味しいものって凶悪なくらいに美味しいですよね。
魚の中では別格だと思うのですが・・
しかし高い!
「高い・・手が出ない・・どうしてこんなに高いの、鰻さん・・」
そう言うマルタの気持ちが痛いほどのわかります。
何というか庶民の食べ物風の雰囲気を醸し出している所もある割には、ハッキリ超高級なんですよね。
そして今回登場したのが鰻もどきという精進料理。
はんぺんと豆腐で作った鰻もどき、普通に美味しそうですね。
いや、鰻丼ってその食感とタレが美味しい所があるから、それを再現できるのであれば確かに美味しそうだなと思いました。
これマジで作ってみようかな・・
サバ缶入りお好み焼き
日本人は何気に災害慣れしていますが、ポルトガルはどうなんでしょうね?
少なくともマルタは初めて一人で過ごす台風にビビり気味のようです。
買い物にも行けず、作ったのはサバ缶入りのお好み焼き。
応用範囲の広い食材であるサバ缶と、応用範囲の広い料理であるお好み焼きは相性抜群ですね!
ただ、個人的にはサバ缶はそのままで美味しいので、そのまま食べてしまいます。(笑)
能観劇
能ですか。
こんな感じにサラッと日本の文化に触れてくる『くーねるまるた』という作品が好きです。
東京23区内が舞台になっているので、多くの人にとって訪れやすい場所なのではないでしょうか?
いわゆる聖地訪問しやすい作品なのだと思います。(僕はそういったことはしたことが無いですけど)
それにしても、能面のような表情で言いたいことを伝えようとするマルタが面白いですね。
恐らく、作中でこんな表情のマルタが見られるのはこの話だけなのではないでしょうか?
和ろうそく
ろうそく作りと言えば、小学校の頃に夏休みの宿題で作ったのを覚えています。定番の課題なのか、僕の通っていた小学校が特殊なのかはわかりませんけど。(笑)
そして、意外とちゃんと火が付くように作るのが難しいんですよね。
しかし、和ろうそくというものの存在はこの話を読んで初めて知りました。
調べると中々お高くてお洒落な感じがしますが、洋ろうそくと比べて長時間持ち、より明るいのが特徴だそうです。
そして、Wikipediaによると「ろうそくプレイに使われるのは、基本的に和蝋燭である」だそうです。いや、この話とは全く関係ないのですが特徴として最初に上がっているのが面白かったので。(笑)
それにしても、「ろうそく一本分のゆとり」とはなかなか素敵な言葉だったと思います。
・・ん?
この話、食べ物が出てきてない!
まあ、たまにはそんな『くーねるまるた』も良いものですね。
川越氷川神社
『くーねるまるた』の特徴の一つとして、実際にあるものが登場するからか、読みながらググりたく衝動に駆られるというものがあります。
僕はお酒はあまり飲みませんが、この話を読んで「COEDOビールって何だ?」と気になってググっていました。
いやはや、小江戸と呼ばれる川越ねぇ。都心から一時間足らずの場所にこんな観光地があったなんて、東京に住んで10年になるけど知らなかったわ~
何というか、『くーねるまるた ぬーぼ』になってマルタがギャラリーで働き始めたからか、伝統的なネタだったり観光地的なネタが増えてきたような気がしますね。
自家製マヨネーズと冷やし野菜
フリマで「値打ち物だったりしてー・・」と有田焼を手に取るマルタの表情が最高ですね。(笑)
そして、暑い中の水分補給にマルタが取り出したのが自家製マヨネーズと冷やし夏野菜。これは普通に美味しい奴ですね!
しかし、自家製マヨネーズは相当簡単に作れるものの意外と難しい。
作って「あっ、美味しい!」と思いつつも・・
やっぱり既製品が最高だという結論に落ち着きます。
とはいえ、レシピ通りに作れば失敗することはほぼ無いと思うので、作ったことが無い人も一度は挑戦してみるのはありかと思います。
それにしても、自家製マヨネーズと聞くと最近では何故か異世界転生もののラノベで主人公が料理無双する時の定番になっています。
それだけ簡単に作れて美味しいからなのだと思います。
ローズマリーのパン
マルタのサラッと簡単に料理を作ってしまう所には憧れますが、パンまでこうサラッと作ってしまうのは流石ですね。
ローズマリーと言えばローズマリーティーが思い浮かびますがパンはどうなんでしょうか?
僕はローズマリー入りのクッキーなら作ったことがありますが、お菓子ならともかくパンがどんな感じになるのかちょっと想像ができません。
正直ハーブ入りのパンというのはあまり惹かれませんが、マルタは美味しそうです。
ドース イスピーガのパン・デ・ロー
パン・デ・ローというのはカステラの原型になったポルトガルのお菓子だそうです。
前巻でマルタが見つけたポルトガル菓子の店・ドース イスピーガでパン・デ・ローのレシピを教わることになったマルタ。
最初は自分も知っているレシピだとそこまで喜んでいませんでしたが、どうやらパン・デ・ローのレシピは簡単だけど、かなり奥深いようですね。
しかし、レシピを教わる代わりに頼みごとがあるという体だったのに、頼みごとを聞く前にレシピを教わってしまってよかったのでしょうか。(笑)
実際、店員になるポルトガル人を紹介して欲しいという頼み事だったようですが、ポルトガル人の知人は日本にいないマルタは頼みごとを聞くことができませんでした。
・・というのがこの話の概要ですが、これがポルトガル人の知人が現れる伏線になっているようですね。
バカリャウクロケット
『バカヤロウ』と読んでしまったのは僕だけじゃないはず・・(笑)
バカリャウとは鱈の干物のことだそうですが、それをジャガイモと混ぜて味付けして揚げたのがバカリャウクロケットらしいですね。
いや、食べたことはありませんが普通に美味しそうです。
そして、マルタが実家から送られたアニメプリントのTシャツを着ていたことをキッカケにアニメの話になっている所に新キャラ・マルタの妹ラケルが登場します。
ロシアンルーレットおにぎり
せっかくだから日本食が食べたいというラケルにマルタが振舞ったのがロシアンルーレットおにぎり。
地味にサラッと作っていますが、色々な具材を用意しようとすると意外に大変なレシピですね。
しかし、なぜロシアンルーレットにする必要があったのか・・
まあ、その辺は茶目っ気を見せているという感じでしょうか?
ただし、ロシアンルーレットと言いつつハズレは梅干し。日本人にとっては当たりでしかありませんが、ポルトガル人のラケルにとっては想像を絶する味だったようですね。(笑)
神田を散歩
美味しいと聞くや否や銀杏をそのまま食べようとしたりするなかなかアクティブなラケルですが、簡単に日本で働くというラケルにさすがのマルタも呆れ気味だったのですが・・
そういえばポルトガル人の店員を探している店がありましたね。
ポルトガル菓子の店・ドース イスピーガでラケルは働くことになったよです。
というわけで、次巻以降はラケルもメインキャラとして活躍することが期待されますね!
総括
いかがでしたでしょうか?
「料理と併せてちょっとした日本の文化も学べるのが楽しいです」と前述しましたが、マルタの妹ラケルの登場により、僕のようなアニメ・漫画・ラノベ好きにとって親しみ深い感じの日本の文化が次巻以降登場するかもしれませんね。
それは『くーねるまるた』という作品には合っていないような気もする文化ですが、割と柔軟性の高いマルタのことなので、それはそれで『くーねるまるた』らしい感じになるんだろうな~と予想しています。