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『くーねるまるた ぬーぼ(3)』クウネル姉妹が姦しい最新巻の感想(ネタバレ注意)

 

マルタの妹でオタクっ娘のラケルが初登場した前巻。

そんなラケルが表紙の3巻ですが、照れ気味のマルタが可愛らしいですね。

くーねるまるたという作品においては珍しい感じな気がしますが、そういう変化も面白いと思います。

マルタはわりと最初から日本に馴染んでいる感じでしたが、まだ馴染み切れていないラケルの反応が新鮮なところが見所ですね。

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本作の概要

今巻のマルタは基本ラケルと共に行動しています。

いつもとは違う姉としての表情を見せるマルタが、よく知っているキャラクターなだけに新鮮に感じられます。

マルタはかなり貪欲に日本文化に触れようとする性質ですが、場合によっては日本人以上に知識が深かったりするので、微笑ましくはあっても外国人が日本文化に触れる新鮮さは薄くなりつつあると思います。

そんな中、ラケルの新鮮な反応が楽しいですね。

本作の見所

お箸の使い方

別に日本固有の食器というわけではないはずですが、日本人の食事イコール食器のイメージはかなり強いですよね。

しかし、意外と日本人の大人でも微妙な使い方をしていることが多い食器でもあります。

持ち方がおかしかったり、つい食器を口元に近付けてかき込むように食べてしまったり、そんな人はよく見かけますし、恥ずかしながら僕もちゃんとお箸を使いこなせてはいない方だと思います。

「いい、ラケル? 「お箸が使える」っていうのは、作法を守れて初めて「使える」ってことなんだよ!」

ちょっと耳に痛いラケルに対するマルタのセリフですが、マルタのセリフにしては珍しい感じなのは妹が相手だからなのかもしれませんね。

お茶碗とふりかけ

ラケルの新しい茶碗をサウダージに買いに来たマルタとラケル

お皿や銀食器は同居家族で共有することも多いですが、そういえばお箸やお茶碗は自分のものを持つのが普通ですよね。

普通ですが、考えてみれば他の食器を共有することを思うと特殊な文化なのかもしれません。

だけど確かに、自分の愛用のお茶碗って凄く愛着がわきますよね。

僕は小学六年生の頃から使っているお茶碗を、20年近く愛用し続けています。

しかし、お茶碗を買ったものの味付けをしていない白米が苦手なラケル

そんなラケルのためにマルタが作った魔法の粉。それは、大根の葉とジャコのふりかけでした。

最初はラケルもあまり美味しそうに見えないと不安そうですが、日本人ならこの美味しさは食べるまでもなく分かりますよね。

白米は白米だけでも美味しいですが、味の主張があまり強くないからこそ何にでも合う魅力があります。

残り物の大根の葉をふりかけにするのは、結構定番ですよね。

秋葉原

くーねるまるたにおいては珍しい秋葉原という舞台。

ラケルの趣味に付き合っているとはいえ、メイド喫茶で照れているマルタが可愛らしいです。

一人だけだと外出先が限定されがちで、新しい場所に行くとしても似通った場所になりがちですが、誰かの趣味に合わせることで新鮮な発見があるというのは確かにありますよね。

今巻は本当にラケルと行動を共にしていることでマルタの新しい一面が見られて面白い限りです。

パネトーネとボーロ・レイ

国によってクリスマスの過ごし方って違うんだよということを言っているエピソードですが、回想の中に子供の頃のマルタが出てくるのが興味深いところです。

たぶん、こんな子供の頃のマルタが登場するのって初めてですよね?

ラケルと一緒にケーキのデコレーション用のフルーツをつまみ食いしている姿が非常に微笑ましいと思います。

春の七草ピザ

ラケルは雑草だと言っていますが、七草って普通に美味しいですよね?

雑草だと思っている上に苦手な白米でおかゆにすると聞いて乗り気になれないラケルのために、マルタは七草のピザを作りました。

もちろん食べたことはありませんが、ピザにしては軽そうで美味しそうですよね。

栗のラテ

モンブランとほうじ茶なんて最高の組み合わせだよォ~」

結局行列で食べられなかったものの、それがマルタのモンブランに対するイメージらしいです。

ほうじ茶とは、完全に日本人ですね。(笑)

しかし、これはなるほどと思いました。

僕はケーキの中ではモンブランが一番好きなのですが、苦みのある飲み物の方がケーキに合うと思っているので基本的にコーヒーか緑茶のお供にすることが多いです。

だけど確かにほうじ茶もありっぽいなぁと感じたので、今度試してみようと思います。

判子

確かに日本に住む外国人って、量産型の判子は使えないのかもしれませんね。

珍しい苗字の人もそうですけど。

判子なんて利用頻度は少ないし、あえて使いたいとも思わないものですが、新しい自分専用の判子を買って使いたくなってしまう気持ちは分かりますね。

恵方巻き謝肉祭ver.

焼肉入りの恵方巻が美味しそうだなぁ~ってエピソードですが、それより興味深いのが神永に納豆を食べさせられて涙目になっているラケルですよね。

僕はもっとも好きなご飯のお供が納豆なので、こういう納豆が苦手な人を見るともったいないと思ってしまうのですが、外国人が主人公のグルメ漫画にしてはマルタが本当に何でも食べる人なので、こういう反応が新鮮ですよね。

白米の食べ方

一文字飯という言葉を初めて聞きました。

確かに白米ってピンキリで、美味しいと思う時はマジで美味しいですが、種類や炊き方だけではなく、タイミングや場所によっても味が違うとは知りませんでした。

まあ、白米に限らず本当に上等なものを食べると、今まで何とも感じていなかった食べ物すら好きになったりすることもありますから、こういう経験ができるということはラケルにとって貴重だったに違いありませんね。

特製ワサビ巻き

今巻で一番美味しそう・・というか食べてみたい料理でした。

ともすれば罰ゲーム的な料理だとも思うのですが、ワサビって絡みだけではなく旨味も強いと思うので、ラケルのように泣きながら食べ続けるような癖になりそうな気がします。

というか、調べたらそのもの涙巻きという呼び名もあるようですね。

豊洲市場

いつか登場するだろうとは思っていましたが、さっそくくーねるまるたにも出てきましたね。

豊洲市場にはまだ行ったことはありませんが、築地市場も歩いているだけで楽しいスポットだったのでいつか行ってみたいと改めて思わされました。

鮟鱇の和風リゾット

鮟鱇って意外と普通に売っているのを見かけますが、数える程度しか食べたことが無いんですよね。

ですがこのエピソードで興味深いのは鮟鱇料理そのものではなく、美緒子による鮟鱇のモノマネがどのようなものだったのかというところです。

夕飯をご馳走になった手前断り切れずにモノマネして、そして笑われることになってしまうのですが、どちらかといえばこんな風な笑われ方をするタイプのキャラクターでは無いと思っていたのでちょっと面白かったです。

鈴カステラ

お花見のエピソードですが、やっぱり花より団子になるマルタたちが微笑ましいです。

マルタたちに限らず、そして花より団子でなくても、実はお花見って花を見ることを口実に騒ぎたい人の方が多いのではないでしょうか?

一番騒ぎたがりの神永がいないことで今日はおしとやかにお花見をしようという流れになっているのに、徐々に花より団子になっていくのが面白いですね。

東京都薬用植物園

意外とハーブに詳しいマルタですが、なんとその姉のエリザが薬用植物園の講演会に登壇し、偶然3姉妹の再開が果たされることになります。

マルタの姉妹が徐々に集結し、なるほどぬーぼシリーズはこういう感じで展開していくのかというところが見えてきましたね。

総括

いかがでしたでしょうか?

今回は特にマルタの妹のラケルにスポットが当たった内容になっていましたが、妹がいることでいつもとは違う表情のマルタが見られたり、何だか姦しい姉妹の様子が微笑ましかったと思います。

そして、実はかなり序盤から登場しているマルタの姉・エリザが最後に再登場します。

ファーストシーズンでは笑明館の面々がメインキャラとして登場し、ぬーぼシリーズにも同じくメインキャラとして登場していますが、もしかしたらぬーぼシリーズはクウネル姉妹を中心に展開していくつもりなのかもしれませんね。

食べ物のことだけではなく、日本の文化的なものも題材にすることが増えているのも、そう思わせる要因です。

日本特有の食べ物もそうですが、外国人が日本の文化に触れる物語において、日本人である自分にとっても新たな発見があったりする面白い漫画だと思います。