あるいは 迷った 困った

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『味噌汁でカンパイ!(8)』地味にWデートを意識している八重が可愛い。(ネタバレ含む感想)

 

今読んでいる漫画に登場する女の子で、ひょっとしたら一番可愛いかもしれないと思っているのは味噌汁でカンパイ!の八重かもしれません。

僕はあまりにも乱読派の漫画読みなのでその辺の意見は割とコロコロと変わるかもしれませんけど、少なくとも味噌汁でカンパイ!を読んだ後は大抵そう思ってしまいます。

なんというか、お母さん的に振舞おうとしているけど実際問題普通の・・いや、どちらかといえば奥手な方の女子中学生でしかないというギャップがなんとも魅力的だと思うのです。

ごっこ遊び的な距離感から変わりそうで変わらない善一郎と八重の距離感も素敵で、7巻くらいから特にその距離感が絶妙になってきている印象です。

作品に登場するお味噌汁は流石にトリッキーなものが増えてきましたが、味噌汁の奥深さも相変わらず楽しめます。

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本作の概要

前巻のバレンタインデーのエピソードから引き続き今巻ではホワイトデー。善一郎にその気はなかったようですが結果的にWデートという微笑ましいエピソードに発展しました。

商社に勤める善一郎の父親の勤務先で味噌汁の試飲をしたり、今までとは違った味噌汁へのアプローチが面白い内容になっています。

花粉症に効く素材で作った味噌汁なんてかなり独特ですが、それだけに味噌汁の可能性の高さがうかがえます。

本作の見所

Wデート

デートする中学生は普通にいると思いますが、Wデートは中学生に限らず現実には見たことが無いような気がします。

僕が知らないだけかもしれませんけど。(笑)

とはいえ、フィクション作品においては定番ですよね。

中学生のWデートとなると珍しい気もしますが、とても微笑ましいというか、可愛らしいエピソードだと思います。

「だからその・・形式上・・Wデートってことになるけど」

善一郎の友人の万里に頼まれたとはいえ、Wデートという形になってしまうことをしどろもどろになりながら断って八重を誘う善一郎が中学生らしい感じで良いですね。

それに対する八重の反応がまた地味に可愛らしい。

仮にもデートに誘われた夜、就寝前に色々と髪形を変えてみる行動には何も意味は無いのかもしれませんけど、ただただ照れたり、楽しみにしたり、困惑したりするのとは違った良さがあると思います。

もともとが恋人じゃないのに恋人だと誤解されるくらいの善一郎と八重ですが、デートという名目で遊びに行くのは実は初めてではないでしょうか?

「ひざまくらする?」

絶叫マシンで体調を崩した善一郎に、友人たちの前だというのにいつものお母さんモード(ひざまくらは八重にとってお母さんモードらしい)になってしまったり、言われた善一郎からしてみればかなりドキリとする瞬間があって、ちょっとハラハラする感じが面白かったです。

ちなみに、中学生くらいだとこういう恋愛ごとには女の子の方が大人びているイメージがありますが、この二人の場合は意外と無邪気な八重に対して善一郎の方がそういうことを意識してしまっています。

お母さんぶっているわりに、実は年齢の割に子供っぽいところもあるギャップが八重の魅力なのかもしれません。

味噌に詳しすぎる中学生

味噌汁でカンパイ!は、母親を亡くした善一郎の母親役を友人の八重が演じてみたりする、ある意味ではおままごとの延長線上にあるような微笑ましい作品ですが、こと味噌汁に関して言えばこの二人、既に大人顔負けの知識を有しています。

それも一応はそれを商品として扱う商社に勤める社員が驚くくらいに。

「2人で父さんの仕事を、手伝ってみない?」

善一郎が実の母親のことに興味を示すとともに、両親の仕事のこともちょっと気にした様子を見せたこともあるのか、それともどうやら味噌汁に詳しいらしい善一郎と八重が普通に役立つと思ったのか、ともあれ善一郎の父親は自らが務める商社の仕事を・・といってもモニターのようなことを善一郎と八重に依頼します。

「えーと・・2人は赤味噌白味噌の違いはわかるのかな?」

「熟成期間の差ですよね。長いほど赤へと色が濃くなる・・。長期熟成するためには塩分が必要だから、必然的に赤味噌が辛口になる」

恐らくわからないことを期待してなされた善一郎の父親の部下の質問に対してスラスラと答える善一郎に・・

「そういえば・・「味噌汁は塩分多い」ってイメージ、あるかな?」

「ないです。前に調べたんですけど・・、他の日常的な食べ物と比べても多いという訳ではなかったし・・」

恐らくは「塩分が多いイメージがある」という回答を期待していた質問に「ない」と答える八重。

まあ、漫画8冊分たっぷり味噌汁のことを学んできた二人ですからある意味当たり前なのかもしれませんが、商社に勤める大人からしたらこんな中学生、驚き以外の何物でもありませんよね。(笑)

コアな知識を持っている大人は数多いですが、中学生くらいだとその辺誰でもあまり変わらないものですし、それも味噌汁というある意味では地味な分野ですからそれは驚くと思います。

花粉症を認めたくない善一郎

「そんな目で見るな! オレは花粉症じゃないっ!」

今巻ラストではどうやら花粉症が発現したらしい善一郎が描かれています。

認めたくないし、病院にも行きたくない。

そんなちょっと我儘な善一郎が・・

個人的にはものすごく共感できるポイントです。

「善って病院嫌い・・」

「いや、オレだっていざという時は行くさ! ただ、今は・・その時じゃないだけだ・・!」

いやはや、漫画のキャラクターにここまで共感できることって意外と珍しい。

なんといか、たぶんこのシーンの善一郎って「いや病院行けよ」って感じで共感できない人が多数派だと思うんですが、だからこそ少数派な感じのする善一郎に共感ができてしまう。

うんうん、病院って行きたくないですよね。認めたくないですよね~

今はその時じゃないとか、まさに全く同じ言い訳を30過ぎてもやってますよ僕は。(笑)

・・あまり共感してくれる人の多くない考え方なので、漫画のキャラクターとはいえ同じことを言っているキャラクターがいてちょっと嬉しくなってテンションが上がってしまいました。

そして、そんな善一郎のために八重が作ったのは、『えのき茸と豆腐とブロッコリースプラウトのお味噌汁~ヨーグルト入り~』。

えのき氷は説明を聞く限り味噌汁に合いそうですが、隠し味のヨーグルトが意外すぎますね。

ちょっと想像できないですし、試してみようとも思いづらいところがありますが、味噌汁の可能性の高さがうかがえますね。

ちなみに、この独特の組み合わせは八重がこっそり善一郎のために花粉症対策として選んだもの。

色々なものと合わせられるからこそ、お味噌は健康のための工夫もしやすい食材なのかもしれませんね。

総括

いかがでしたでしょうか?

ごっこ遊び的な絶妙な距離感が素敵な善一郎と八重ですが、その関係性に何かしら進展がありそうな微妙な空気が7巻くらいからありますが、そんな雰囲気がジワジワと増してきているような気もします。

次巻予告を見ると、そんな距離感にまた一段と変化が訪れそうでなんだか楽しみです。