あるいは 迷った 困った

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『ぽんこつポン子(1)』じじいとメイドロボという新しい組み合わせの漫画の感想(ネタバレ注意)

 

なんとなく『まほろまてぃっく』みたいなのを想像していたら違いました。(笑)

ぽんこつポン子は、子供も独り立ちして妻にも先立たれた独り身の老人のもとに家政婦協会から遣わされたメイドロボットがやってくることで始まる共同生活が描かれたハートフルコメディとなります。

詳しくは後述しますが、どちらも何か欠けたところのあるもの同士の心温まる日常が素敵な漫画です。

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本作の概要

妻に先立たれ、子供も独り立ち済の老人である吉岡のもとに旧式の家政婦ロボットが遣わされてきます。

典型的な頑固おやじで、独り身での生活をしっかりと受け入れていて同情などは許さないような意思を持っていそうで、しかしどこか寂しそうなところは隠せない吉岡は、最初この家政婦ロボットのことを拒否します。

しかし、共同生活を続けるうちに少しずつ打ち解けていくような心温まる日常が繰り広げられています。

本作の見所

ポンコツの家政婦ロボット

メイド(家政婦)キャラというのがメジャーな属性になってきたのは2000年代前半くらいなのではないかと思いますが、その頃には『まほろまてぃっく』というメイド(家政婦)でありアンドロイドでもあるというヒロインが登場する漫画作品は既にありました。

メイド(家政婦)とアンドロイドという組み合わせはかなり強烈な個性ではあるものの、考えてみればアンドロイドを登場させる上でメイド(家政婦)という役割を与えることはかなり自然な発想なのかもしれません。

そういえば『ドラえもん』だって子守用ネコ型ロボットなわけで、メイド(家政婦)とは違うものの役割的には近いものがありますしね。

前置きが長くなりましたが、本作品のヒロインのポン子もテンプレ的な家政婦ロボットとなります。

まほろまてぃっく』のまほろが超有能だったのに対して旧式でポンコツの家政婦ロボットだってところは若干ドラえもんっぽいですよね。(笑)

吉岡との初対面の挨拶では少しお辞儀しただけで頭を落っことすほどのオンボロぶりで、突然やってきたそんな来客に否定的な態度を取ってしまうのは吉岡のような頑固おやじに限った話ではないのかもしれません。

「旧式なのでよく落ちるんですよ」

たとえ有能な家政婦ロボットだったとしても受け入れなさそうな吉岡ですが、頭がよく落ちる心臓への悪さ、料理をしようと包丁を握れば震えだす怖さ、そんなポンコツぶりでは誰だって追い返したくなります。

しかし、ポン子は30年のキャリアのある超一流でもあるらしい。どうやらひとつだけ素晴らしい機能があるらしいのですが・・

「イオン流せます!!」

残念ながらそれが一番のセールスポイントである家政婦ロボットに居て欲しいと思う人は少ないと思います。(笑)

「独りのほうが性に合ってる。はっきり言っていらんお世話なんだ」

頑固おやじとはいえ、息子たちに遣わされただけで別に勝手にやってきたわけではないポン子をやんわりと追い返そうとする吉岡ですが、しかし吉岡の元での仕事を最後にスクラップ工場で500円玉にされてしまうらしいポン子。

そんな話を聞いて吉岡も同情したのか、一週間だけ試用期間として吉岡のもとで働くことになりました。

思っていた以上にポンコツ

さて、一週間の試用期間はどうなるのか?

相変わらず頭は落ちるし、物置の片づけをする時には使い古された物に同情して捨てられない始末。

「ここにあるガラクタに見えるモノたちは・・まるで私のようなのです~っ!!!」

そういう共感を見せるあたりは意外にも高性能なロボットと感じられるのも面白いですね。

そして吉岡に言われて何とか一気にゴミを焼却処分するポン子なのですが、吉岡の思い出のアルバム写真まで燃やしてしまいました。これは吉岡の自業自得も含まれているのですが、何故かポン子がやらかした風味になってしまっているのは普段のポンコツぶりも影響しているのかもしれません。

とはいえ、ちょっとだけ吉岡を喜ばせることもありました。

それは将棋を指すこと。

「昔は、近所のジジイどもから小銭を随分せしめたもんよ」

自信ありげでも嬉しそうな吉岡ですが、さすがにプロでも勝てないソフトをインストールして対局しているポン子には勝てません。

しかし、結局ポン子も処理能力の限界を超えてショートしてしまい、ここでもやっぱりポンコツぶりを披露していました。

ポン子を遣わしたのは誰なのか?

ちなみに、ポン子は何かしら吉岡と関係のある家政婦ロボットだった説が浮上しています。

吉岡はポン子を遣わしたのが息子たちだと思っていたようですが、実は亡くなった妻の遺言で「あの子なら・・」と遣わされたのがポン子だったようです。

「あの子なら? ポン子、お前千秋を知ってるのか・・?」

・・と問われてもポン子には記憶は無いようですが、「あの子なら・・」というのは何かしらの目的が無いと出てこないセリフですよね?

吉岡の妻はポン子の何を知っていて、何を期待しているのか?

その辺が今後の気になるポイントだと思います。

総括

いかがでしたでしょうか?

もうあまり必要以上の刺激は望んでいないような老人の心臓には悪そうな、ハラハラさせられる共同生活ではありますが、最初は拒絶から始まるところから徐々に距離が近づいていく雰囲気が良かったと思います。

ポンコツのポン子なんて小学生のいじめのような名前まで付けられてしまっているわけですが、名前の通りポン子は古いロボットなわけです。

そこから想像される本作品の結末としては、ポン子はそう遠くない未来にいなくなってしまうことになり、死ぬ前のネコのように吉岡から遠ざかる。そして、今はポン子を煙たがっている風の吉岡ですが、遠ざかられて初めてそのことを拒絶する。

そんな感じの展開になっていくんじゃないかって勝手に予想しています。