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『転生したらスライムだった件(13)』アニメ絶賛放送中!人気ラノベの最新刊感想(ネタバレ注意!)

 

ついにアニメ化もされた転生したらスライムだった件の最新13巻の感想です。

最近は戦闘シーン控えめな印象の本作でしたが、本巻は最初から最後まで帝国との戦争なので、どのページを開いても戦闘・戦闘・戦闘シーンになっていますね。

特に原初の悪魔の3人娘の活躍が著しいです。

転生したらスライムだった件には、登場人物の力量差の設定がイマイチよくわからないという欠点もあるのですが、個人的にはあまり気になりません。

リムルとジュラ・テンペスト連邦国の仲間たちの爽快な活躍をただただ楽しむ小説だと思っているからです。

キャラクターが個性的で、戦闘シーンに限らず爽快さがあって、それだけで十分以上に転生したらスライムだった件は魅力的な作品なのですからね。

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本作の概要

帝国の侵攻。

迎え撃つジュラ・テンペスト連邦国。

人数だけなら圧倒的な帝国だが、転生したらスライムだった件の世界は個の力が人数に勝る世界。

お互いに全く自軍の勝利を疑わない状況で開戦しますが、結果は個の力で勝るテンペスト側の蹂躙劇となりました。

最初は帝国の奥の手を引き出そうと接戦を演じていたテンペスト側だが、被害が出始め焦ったリムルの言葉。

「聞け!全力で敵を叩き潰せ。手加減する必要はない。当然だが、容赦する必要もない。お前達の持てる力の全てで、可及的速やかに敵を排除せよ」

それがキッカケで、戦争とも呼べないような蹂躙劇が始まります。

帝国側の将軍たちは完全に引き際を誤った形となり、それぞれ互いの状況も共有できないまま蹂躙されつくしてしまいました。

本作の見所

ゴブタというゴブリン

リムルの最も古い配下の一人であり、悪友でもあるゴブタですが、軍団長として徐々に成長しています。

ウルティマテスタロッサの実力。というか危険度を把握していないとはいえ、軍団長として戦場での心構えを正論として述べます。

リムルからの思念伝達の割り込みが無かったら危なかったかもしれませんね。

後に原初の3人娘の実力を知ることとなり態度を改めることになるのですが、その辺はご愛敬ですね。(笑)

しかし、単体でも軍団長として頼もしくなってきているゴブタですが、魔狼合一でランガと同一化した際の大活躍にも注目してほしいです。

どうしてもベニマルたち大鬼族や、本巻でも原初の悪魔たちといった強キャラが目立ちがちですが、初期からのキャラクターの活躍はファンとしてはやっぱり嬉しいですよね。

ガビルへの勘違い

ゴブタもそうですが、初期からのキャラクターって馬鹿だけど憎めないヤツって多いですよね。

ガビルもそんな一人ですね。

本巻でも大活躍するものの色々と調子に乗っていて後からリムルに怒られること必死の行動を取り続けています。(笑)

帝国自慢の空戦飛行兵団を圧倒するガビルに、帝国軍のファラガ少将はてんやわんやです。

ガビルに苦戦するのは、ガビルが実はヴェルドラだからであるという都合の良い解釈をしてしまいます。

ガビルやヴェルドラはもちろんこのことを知りませんが、ガビルが知ったらまた調子に乗りそうで、そういう場面も見てみたい気もしますね。

しかし、ヴェルドラが知ったら怒りそうです。

原初の悪魔の蹂躙劇

本巻の第二章の表題は「蹂躙の始まり」でしたが、ゴブタやガビルの活躍は「蹂躙」というよりも「圧倒」という言葉の方が合っていると思います。

そして蹂躙という言葉が合っているのはウルティマテスタロッサ

いとも容易く、作中でも屈指の残虐性をもって魔導戦車師団と空戦飛行兵団を殲滅してしまいました。

この時点でテンペストの勝利は確定しているものの、帝国側に停戦を申し出る指導者がいないため、戦争自体は終息しません。

魔導戦車師団と空戦飛行兵団の殲滅を知らない帝国側はまだ自らの優位性を疑っていません。

リムルとベニマルの誤算

「全力で敵を叩き潰せ!」と言った張本人。

リムルはあんまりな蹂躙劇にポカーンとしちゃっています。

初期の頃と違って自分が前に前に出ようとすることは少なくなり、王としての風格が出始めているリムルではありますが、自分の言葉の影響力についてはまだまだ把握しきれていないようですね。

「こんな結末だと、俺の作戦も全く意味がなかったじゃねーか!」

ベニマルもこの結果には不満なようで、リムルに3人娘のことを説明しろと詰め寄り、説明したらしたで最初から教えておいて欲しかったと不満そうです。

まあ総大将の立場を考えたら、戦略級の戦力である3人娘をほいほいと戦場に送ってしまったことは相当悔やまれるでしょうね。

これって現実に置き換えると、それと知らずに核兵器を使ってしまったとか、完全にそういう状況ですもんね。

本巻に関しては「最初から3人娘だけ出てたら十分勝てたじゃん」といった感想をよく見かけますが、ちゃんとした国を作りたいリムルからしたら、実のところ3人娘を戦場に出してしまったこと自体がむしろ最大の失敗だったのではないかと僕は思います。

勝利は手段であって目的ではないのですから。

迷宮

ラミリストヴェルドラの自信作の迷宮は次々と帝国軍を飲み込み減らしていきます。

帝国軍は迷宮に突入して攻略しているつもりなので入れ食い状態ですが、さすがに戻ってくる者もおらず状況がわからないので警戒し始めます。

そこでミニッツやカンザスをはじめとする精鋭を迷宮に送り込むことになりました。

ミニッツとアピトの勝負の結果は相打ちでしたが、生き残ったミニッツの方が結果的に勝利したのだと思いますし、カンザスは最終的には敗れたものの最初はクマラを圧倒していました。

帝国側にとっては敗北続きの戦争の中で、唯一テンペスト側の一方的な蹂躙劇にはならなかった場面です。

しかし、最後にはゼギオンに蹂躙されてしまいました。

戦争の終わり

迷宮に大軍の大半を飲み込まれた帝国軍は、テンペスト側からの勧告を無視して決戦を選択します。

予想に反して帝国軍トップのカリギュリオは、独善的なだけではなく人の上に立つものとしての自覚もちゃんと持っているキャラクターではありましたが、最後の最後まで判断を誤ってしまった形ですね。

しかし、3人娘の最後の一人。カレラの核撃魔法『重力崩壊』の一撃であっという間に全滅してしまいました。

魔王リムル

配下の魔物が優秀すぎて活躍の機会が失われつつあるリムルですが、最後にその存在感を示してくれました。

一度全滅させた上で蘇生する。

70万人もの帝国軍は、蹂躙された後にリムルの手によって蘇りました。

心からの完膚なきまでの敗北を植え付けられた帝国軍の侵攻は、完全な失敗に終わりました。

総括

実は、ある理由から本作の感想記事を書くつもりは無かったのですが、好きな作品なのでどうしても書きたくなってしまいました。(笑)

そして書くつもりのなかったその理由とは、転生したらスライムだった件が基本的にはバトル重視の作品だからです。

バトル重視の作品の魅力をちゃんと伝えられる感想を書くのって難しいような気がするんですよね。

ただの超劣化版のネタバレになってしまいがちというか・・

その上、ネタバレも何もいわゆる異世界チートものなので結果も最初からある程度見えているというね。

そんな感想を読んでも面白くないですよね?

一応その辺、少しでも魅力が伝わるように考えて書いているつもりなのですが、いかがでしたでしょうか?

少しでも魅力を伝えることができていたら幸いです。