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はたらく魔王さま! ネタバレのネタバレで進展する19巻の感想

 

待ちに待った本編の最新刊!

 

最近は番外編的な作品や同作者の別作品の刊行が多く、本編が久しぶりだったのでこれはとても楽しみにしていました。

長く続くヒット作にありがちな引き延ばし感。迷走する展開にAmazoneで低い評価をされている人も多いみたいですが、僕の場合は本作品を純粋にコメディ作品として楽しんでいるので、その辺はあまり気になりませんでした。

魅力的なキャラクター達を見ているだけで満足なので。

とはいえ、実は本作品の19巻を読む前はこうして記事にするつもりはありませんでした。

なぜなら、面白おかしく読ませてもらっているものの、僕の理解力では確かに物語の展開がよく分からなくなってきていて、「何かよく分からんけど面白いのは面白かったわ~」という程度の感想しか書く自信が無かったからです。

しかし、今巻を読んで考えが変わりました。

物語の展開はよく分からないままですが、本作のキャラクターの人間関係に大きな進展があり、それが何というか僕の好きな感じの進展の仕方だったので、記事にしてみようと思った次第です。

あと、本作で一番好きなキャラクターである鎌月鈴乃が今巻でかなり可愛らしい一面を見せてくれたことも理由の一つとなります。千穂とのツーショットの表紙も破壊力抜群です。

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本作の概要

表紙の鈴乃が素晴らしく、鈴乃がかつてない可愛さの今巻ですが、ストーリーの中心にいるのは千穂になります。

マグロナルドを辞めて真奥達から距離を取ったはずの千穂が、何故か物語の中心へ中心へと引き寄せられる。

そんな巻き込まれ体質な千穂の珍しい怒りや、葛藤、そして決意までが今巻の主な流れになります。

千穂が何に怒り、葛藤し、決意するのかに注目です。

そして鈴乃の可愛さも忘れてはいけません!

表紙の示す通り、千穂と鈴乃の活躍が著しい19巻となります。

あと、地味にリヴィクォッコが良いキャラしていると思います。

本作の見所

頼れるちーちゃんと怒れるちーちゃん

何もしていないのに出世してしまった鈴乃。

それを知ったエメラダ。

キナンナの状態を報告するガブリエル。

マグロナルドを辞めて真奥達から距離を取ったはずの千穂に何故か集まる相談と報告。

最初、困っている鈴乃には慰めるために優しく接していましたが、エメラダからの電話に何で自分にという思いが芽生え、立て続けのガブリエルからの概念送受についに怒りが爆発します。

「みんな私を真奥さん達の秘書かマネージャーみたいに思っているのは承服できません。待遇の改善を要求します」

頼りになるという誉め言葉が時と場合によっては腹立たしく感じる。

実際問題、これは現実でもよくあることですよね。

頼りがいのある人に頼りすぎてしまうことって。

「ならないし、できないよ」

 だけど、頼られる本人としては自分自身がそこまで頼れるとは思っていなくて、頼んできた人のみならず、本当は頼れない自分自身にも腹立たしく感じてしまう。

この辺、頼れる人に頼ってしまう鈴乃、エメラダ、ガブリエルにも、自分自身の力量を超えたところで頼られすぎて怒る千穂にも、共感できる所がありますね。

しかし千穂の、この優しくて包容力があるだけではなく、主張すべきところは主張する所って見習うべき所だと思います。

優しくて包容力のある人って現実にもたくさんいますが、そういう人ほど頼られすぎて、抱え込みすぎてつぶれてしまうことって多いですからね。

ともあれ、メインキャラクターの中ではエンテ・イスラ、魔界、天界の問題からは一番関係の薄いはずの千穂にばかり情報が集約されていくことになります。

鈴乃の告白

鈴乃がデレた!?

今巻では鈴乃が色々な表情を見せてくれました。

大法神教会の大神官に出世し、更には聖征の総司令官に任命されてしまった鈴乃の落ち込んだ姿。

真奥を愛していると千穂に告白した時の喜びの表情。そして、真奥に思いを告げて煙に巻かれたことを千穂に言い当てられた時の驚きの表情。

その後、シリアスな場面であるにも関わらず真奥を意識してそわそわしている姿。

どれも可愛すぎますね。

最初にエンテ・イスラに真奥と鈴乃で突入した辺りの話から、鈴乃もその内真奥が好きになっていくようになるのかと予想していましたが、あまりそういう雰囲気もなかったので予想は外れていたのかと思っていたらコレです。

鈴乃のように大人な立ち位置にいるクールなキャラがデレると大体可愛いと思います。

ちーちゃんの葛藤

マグロナルドを辞め、エンテ・イスラ絡みの問題からも距離を置いた千穂ですが、身の回りにいる少し年上の大人たちのように自分がなれるのだろうかと悩み、受験勉強の成績は良いもののその好成績の先に何を求めているのかが分からず、集中できない状態になっていました。

正直、こんな風に悩めている時点で、千穂は十分大人であるように感じますが、木崎店長や鈴木梨香などこの作品に出てくる比較的若い大人たちがかなり立派な考えの持ち主なので、高望みしてしまっているのでしょうか?

そして、集中できない理由にはもちろんエンテ・イスラの問題が気になっているからというのもあるのでしょう。

そんな千穂は、何故そのタイミングなのかはよくわかりませんでしたが、鈴乃の告白を聞いた後にある決意をします。

マグロナルドのクルー達と千穂のお母さん

安易だけどこれ以上ないくらい熱い展開!

千穂は、鈴乃や天祢とともに木崎店長など親交の深いクルーを指名してマグロナルドの店舗を貸し切りにし、謝恩会と偽り千穂の母親である里穂までもを集めます。

体調を崩して暴飲暴食しないと暴れだすアシエスハンバーガーを食べさせまくるためという建前ですが、その実これは木崎店長をはじめとするマグロナルドのクルー達や里穂に、エンテ・イスラのことをばらし、千穂がその問題に関わることを認めさせる目的でした。

千穂がそんなことをするとは思いもよらない真奥や恵美は、戸惑いつつも空腹で暴れだすアシエスを止めるために、マグロナルドクルー達の前で魔力や聖法気を使った超人的な力を行使してしまいます。

もちろんそれ以上に戸惑っている木崎店長達でしたが、とりあえず仕事をやり切る所はさすがのプロ根性でしたね。

しかし、今まで全くエンテ・イスラの問題に絡む要素が欠片もなかった地球人メンバに、ここまでいっきにネタバレすることになるとは思ってもみませんでした。

しかし、これこそが千穂がこれからもエンテ・イスラのために生きていく決断の表れだったということですね。

確かに、安易だけど熱い展開だと、それこそ安易に思ってしまいましたが、よくよく考えると千穂がエンテ・イスラのために生きていくためには、「日本人の協力者」か「普通の日本人としての生活からの決別」かのどちらかしかなかったのかもしれませんね。

総括

今までエンテ・イスラのことを知らなかった面々に一気に秘密をぶちまける。

本作のような商用作品ではありそうで無い展開でしたね。

ある意味安易と言えるのかもしれませんが、だからこそ他には無い爽快感を味わえる意味もあります。

そもそも、秘密を暴露するという行為は一種の快楽を伴うものですからね。

本作に限らず、何か秘密を抱えているキャラクターが周囲にそれをぶちまけたらどうなるんだろうと妄想したことは何度もありますが、しかしそのような展開になることは非常に珍しいようにも感じます。

それだけに、いざそういう展開があると本当に価値があるように感じてしまいます。

さて、秘密が暴露されたことにより大きく人間関係が変わることになりましたが、今後どのようになっていくのかがとても楽しみですね。

千穂と鈴乃への真奥の返事は?

恵美は蚊帳の外のままなのか?

色々と気になります。

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