あるいは 迷った 困った

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『りゅうおうのおしごと(12)』限定版の小冊子の感想(ネタバレ注意)

 

りゅうおうのおしごとの12巻は本編も面白かったですけど、限定版の小冊子も銀子ファンには嬉しい内容でしたね。

作者の白鳥先生による銀子というキャラクターについての解説。

人気イラストレーターによる銀子のイラストギャラリー。

そして八一と銀子がただただイチャついているだけの短編小説。

こちらは時系列的には八一が帝位戦の挑戦者決定戦に挑む前のエピソードですね。

限定版とはいえ比較的求めやすい価格でこの内容はなかなかお得な気がしませんか?

とはいえ、限定盤は限定版を購入した人の特典のはずなので、そこまで極端に内容を詳らかにしてレビューするつもりはありませんが、オススメしないのももったいない内容だと感じたので本編とは別にレビューしてみたいと思います。

あっ、良かったら本編のレビューの方も読んでみてくださいね!

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空銀子というキャラクターについて

こちらでは空銀子というキャラクターの設定について、作者の白鳥先生が自ら執筆して語られています。

主人公の八一やメインヒロインの雛鶴あいを差し置いて語られるほど銀子が人気キャラクターであるということが分かりますね。

実際、最近の銀子の活躍ぶりには目を見張るものがあります。というか、11巻と12巻では銀子以外のヒロインの存在感が随分と薄れてしまっていますからね。

それに、作者自身も6巻以降は銀子がほぼ主役になっていることに言及しています。

まあ、銀子以外の彼女たちにも今後活躍の場はあるのでしょうけど。

また、各巻における銀子の役割の変化についても語られていますが、それもまた実際に読んで感じていた通りでした。ただ、もともと5巻で終わる予定だった作品が続くことになったことで、本来のプロットに添った展開にした結果が今の銀子の状況でもあるようなので、もしかすると序盤の銀子は意図的に本来の役割を歪めて・・は言い過ぎにしても表には出さないように描かれていたのかもしれませんね。

結果論ですけど、そのことが空銀子というキャラクターにギャップを与え、より魅力的なキャラクターに押し上げることに繋がったのではないかとも思います。

更に、銀子のモデルについても言及されています。

りゅうおうのおしごとには現実の将棋界にあったエピソードを参考にしたようなお話が多々あったり、現実の棋士を思わせるようなキャラクターも多いので、当然誰がモデルなのだろうかという考察は多くの人がしてきたことなのではないかと思いますし、僕も将棋界には疎いものの空銀子というキャラクターは現実に存在しそうなギリギリのライン上のキャラクターなので、自分が知らないだけでモデルはいるのだろうと勝手に思っていました・・が、どうやらそれは間違いだったようですね。(笑)

この小冊子を読んで「えっ、そうなの?」と思った人も多いのではないでしょうか?

空銀子イラストギャラリー

全てのりゅうおうのおしごとのイラストを知っているわけではないので既出なのかは判断できませんが、しらび先生によるものとゲストイラストレーターによるものとで空銀子のカラーイラストが大量に掲載されています。

個人的には、しらび先生の描いた幼い頃の銀子が将棋盤の横でリラックスして寝転がっているイラストが気に入りましたけど、他のイラストも時間を掛けてジックリ眺めたくなるようなものばかりでした。

ちなみに、ゲストイラストレーターには『処刑少女の生きる道』のニリツ先生、『天才王子の赤字国家再生術~そうだ、売国しよう~』のファルまろ先生のお二方がいました。

ファルまろ先生の銀子は本家に近い雰囲気ではあるものの、本家にありそうで無さそうな感じが良いイラストでした。そして、ニリツ先生の銀子はただただ格好良かったです。

銀子とただイチャイチャするだけの話

12巻の本編の内容は奨励会編のクライマックスということもあり、三段リーグを戦うメインキャラクター以外のキャラクターにもスポットが当たっており、その内容も将棋に命を賭ける人生の断片が垣間見えるようなものだったり、リーグ終盤の激闘が中心に描かれていました。

11巻の封じ手の続きをはじめてとした八一と銀子のラブコメも描かれてはいましたが、表紙から受ける印象に反して11巻ほどラブコメ成分はありません。

従って、将棋ラノベとして読んでいる人にとって12巻は激闘の連続で読み応え抜群のクオリティだったと思いますが、ラブコメの続きが読みたい人にとっては少々物足りなさを感じる内容だったのではないかとも思います。

しかし、そんな物足りなさを補完しているのがこの短編小説になっているようです。

ハッキリ言って、ビックリするほど内容はありません。まあ、本編じゃないのにそこに重要な内容が含まれていても困りますけど。(笑)

なんとタイトル通り、約40ページにも渡って八一と銀子がイチャイチャしているだけの短編小説になっています。

八一が帝位戦の挑戦者決定戦に挑む前なので、時系列的には12巻の本編に照らし合わせると序盤のエピソードとなります。

本編の帝位戦の挑戦者決定戦で八一は名人にアッサリ勝利していますし、銀子も三段リーグで好調を保っていたタイミングですが、なるほどその裏でこんなことをしていたわけだと思わされます。

読んでいて恥ずかしくなるバカップルぶりを二人が発揮している上に年齢のことを考えたらかなり際どいイチャイチャぶりでもあるので、読んでいて相当お腹いっぱいになります。(笑)

そういえば本編では、八一が銀子にコスプレをさせたりと八一の性癖が垣間見えるようなシーンはありましたが、銀子のそういう所はあまり描かれていた記憶がありません。

しかし、この短編小説ではむしろ銀子のかなり特殊かつ意外な性癖が明らかになっていて、その辺が本編のみを読んでいる人には分からない見所なのかもしれません。

引かれるかもと思いつつその性癖を暴露してしまって、八一に身体が目当てだったのかと言われてしまうという、いつもとは立場が逆転していそうな会話が面白かったです。